1. 結論|国民健康保険のフリーランスは「傷病手当金」の対象外

会社員時代、病気やケガで休んだ際には「傷病手当金」がありました。しかし、フリーランスになった今、同じような手当はもらえるのでしょうか?

結論から言うと、国民健康保険に加入しているフリーランスは、原則として傷病手当金の対象外です。会社員は「健康保険(協会けんぽ・組合健保)」に加入していますが、傷病手当金はこの健康保険の制度だからです。

万が一、病気やケガで働けなくなった場合、収入がゼロになるリスクがあります。この記事では、フリーランスが「働けないリスク」にどう備えればいいのか、具体的な対策をご紹介します。

▶フリーランススタートで高単価・リモート案件を探す

2. 会社員時代とフリーランスの「セーフティネット」の違い

会社員とフリーランスでは、病気やケガで働けなくなった際のセーフティネットが大きく異なります。

セーフティネットの比較
会社員
病気やケガで休んだ場合、健康保険から「傷病手当金」が給付される。
フリーランス
原則として公的な補償はないため、病気やケガで働けない期間は無収入になるリスクがある。

会社員にはあった「働けない間の所得保障」が、フリーランスにはありません。そのため、自らリスクに備える必要があります。

▶フリーランススタートで高単価・リモート案件を探す

3. フリーランスが病気・ケガに備える3つの方法

国民健康保険に加入しているフリーランスが、万が一に備えるための代表的な方法は以下の3つです。

① 所得補償保険・就業不能保険に加入する

最も一般的な備え方です。保険会社が販売している保険で、病気やケガで働けなくなった場合に、給付金を受け取ることができます。保険料や給付額は、ご自身の職種や収入に合わせて設定できます。

メリット・デメリット
  • メリット:働けない期間の収入を補填できる。うつ病などの精神疾患も対象になるプランがある。
  • デメリット:保険料の支払いが発生する。給付開始までの「免責期間」がある場合がある。

② 任意継続や健康保険組合の制度を活用する

退職後も、会社の健康保険を継続できる「任意継続」制度を利用すれば、最長2年間は傷病手当金を受け取れる可能性があります。また、文芸美術国民健康保険組合など、一部の職種向け健康保険組合では、独自の傷病手当金制度を設けている場合もあります。

③ 小規模企業共済に加入する

小規模企業共済は、廃業時の退職金制度ですが、病気やケガで事業を廃止した場合も共済金を受け取れます。掛け金は全額所得控除の対象となるため、節税効果も期待できます。

※ ただし、解約・廃業時の一括支給が基本となるため、数ヶ月の療養期間に対応するものではありません。

▶フリーランススタートで高単価・リモート案件を探す

4. よくある質問Q&A

Q. 会社を辞めた後も手当金はもらえる?

A. はい、一定の条件を満たせば可能です。退職日の時点で被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日も休業している場合に、退職後も引き続き最長1年6ヶ月間給付を受けることができます。

Q. どんな保険を選べばいい?

A. 以下のポイントを比較して選びましょう。

  • 給付期間:「1年」や「2年」など、いつまで補償されるか
  • 給付条件:うつ病などの精神疾患も対象か
  • 免責期間:給付開始までに待機期間があるか
  • 保険料:毎月の負担額

▶フリーランススタートで高単価・リモート案件を探す

5. まとめ|万が一の備えが「安心」を生む

フリーランスは、会社員のように公的なセーフティネットが手厚くありません。しかし、その分、自分でリスクをコントロールすることができます。

もしもの時に収入が途絶えることへの不安は、フリーランスが抱える大きな悩みの一つです。所得補償保険や共済制度など、適切な備えをしておくことで、安心して仕事に取り組める環境を整えましょう。

▶フリーランススタートで高単価・リモート案件を探す