【初心者向け】Azureでできること9選!メリットや注意点、効率的な学習方法を解説

2023.10.24

Azureとは、Microsoft社が提供しているクラウドサービスです。クラウド上でアプリケーション開発をはじめとするさまざまなサービスを利用できます。運用管理の手間やコストを抑えられるため、利用しようか検討している人も少なくありません。


本記事では、Azureを利用するメリットや導入時の注意点、他社サービスとの比較、Azureの効率的な学習方法などについて解説します。

<目次>
1.Azureとは?
AzureはMicrosoftのクラウドサービス
Azureが提供する2種類のプラットフォーム
IaaS
PaaS
2.Azureができること9選
セキュリティ保護(Azure Active Directory)
データの保管(Azure Storage)
データの統合(Azure Data Factory)
クラウドへの移行(Azure Migrate)
Webアプリケーションの開発(Azure App Service)
AI機能の組み込み(Azure AI)
開発・運用の効率化(Azure DevOps)
BCP対策・DR対策(Azure Backup)
リモートワークの導入(Azure Virtual Desktop)
3.Azureのメリット
Microsoft製品との親和性が高い
コストやスペースの削減ができる
セキュリティレベルが高い
障害や災害への対策が万全
拡張性が高い
日本法に準拠している
4.Azureを導入するときの注意点
アクセス制限や二段階認証でセキュリティ対策をする
知識・スキルをつけて、日々アップデートする
通信障害などのトラブル対策をする
クォーター制限に注意する
5.Azureとその他クラウドサービスのできることを比較!
6.クラウドエンジニア(Azure)の需要・将来性
7.Azureの効率的な学習方法
公式ドキュメントを活用する
トレーニングサイト「Microsoft Learn」を活用する
スクールやセミナーを活用する
本を読む
8.まとめ

 

 

 

1.Azureとは?


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

まずは、Azureとはいったいどのようなサービスなのかを詳しくご説明しましょう。

 

AzureはMicrosoftのクラウドサービス

AzureはMicrosoft社が提供しているクラウドサービスです。

クラウドサービスの特徴は、サーバーやネットワークなどの設備がすべて用意されており、クラウド上でさまざまなサービスを利用できる点にあります。

 

具体的には、ストレージやデータベースなどのツール類を利用できます。

自社でサーバーなどの設備をすべて用意して運用管理まで対応すると、必要なコストが増加しがちです。

 

しかし、クラウドサービスなら使った分だけ料金を支払えば良いので、事業に必要な費用を節約できます。

そのため、近年はクラウドサービスを利用する企業が増えてきているのです。

 

 

Azureが提供する2種類のプラットフォーム

Azureは、IaaSとPaaSの2種類のプラットフォームを提供しています。

プラットフォームとは、利用するサービスを開発・実行するための環境のことです。

 

一般的に、コンピューターシステムは以下のような階層によって成り立っています。

 

データ

アプリケーション

ミドルウェア

OS

仮想化ソフトウェア

ハードウェア

 

IaaSとPaaSは上記のどの層までを提供するかで決まります。

クラウドサービスを使う目的や用途によって、どちらが良いかを選ぶ必要があるでしょう。

 

 

IaaS

IaaS(Infrastructure as a Service)とは、サーバーやネットワークなどのハードウェアと仮想化ソフトウェアまでを提供するサービスです。

物理的なハードウェアサービスのみを提供し、そのうえに乗せるOSやミドルウェア、アプリケーションなどを自分で用意して活用します。

 

データ

ここを自分で用意する

アプリケーション

ミドルウェア

OS

仮想化ソフトウェア

ここまでがAzure側の提供範囲

ハードウェア

 

 

PaaS

PaaS(Platform as a Service)とは、システムなどの開発環境を提供するサービスです。

以下のとおりハードウェアからミドルウェアまでを提供し、そのうえのアプリケーションやデータを自分で用意します。

 

データ

ここを自分で用意する

アプリケーション

ミドルウェア

ここまでがAzure側の提供範囲

OS

仮想化ソフトウェア

ハードウェア

 

 

 

 

2.Azureができること9選


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

Azureには200を超えるサービスが存在します。

ここではその中でも主要なサービスを9個ご紹介します。

 

セキュリティ保護(Azure Active Directory)

Azure Active Directoryは、クラウドサービスを利用する際のID管理やセキュリティ保護を行うためのプラットフォームです。

1つのIDで複数のアプリケーションにログインできる「シングル・サインオン」が有名です。

 

複数のアプリケーションをそれぞれ違うIDで管理している場合、ログイン認証をその都度別のIDで行うのは手間であり、面倒に感じることも珍しくありません。

しかし、シングル・サインオンならそのような悩みは発生しません。

 

利便性はもちろん、セキュリティ面の向上も叶います。

 

 

データの保管(Azure Storage)

耐久性・可用性・拡張性・信頼性などの対策を施したストレージサービスを利用できるため、自社でこれらの対応を行う必要はありません。

必要な容量とサービスレベルを選び、顧客データやログデータ、取引データなどを保管できます。

 

また、ファイル共有サービスなどの便利なサービスも用意されています。

 

 

データの統合(Azure Data Factory)

大規模なデータ統合も、わかりやすい操作方法で行うことが可能です。

通常、データを統合するためには高度なプログラミングが求められることが多いです。

 

しかし、Azure Data Factoryを利用すれば直感的な操作で作業できます。

ほかにも、自社の顧客データや取引データなどを統合し、Azure Synapse Analyticsによるデータ分析につなげることも可能です。

 

 

クラウドへの移行(Azure Migrate)

自社サーバー上で構築したサーバーやシステムなどをAzureに移行することもできます。

最初からクラウドサービスを使うのではなく、すでに存在するオンプレミスのリソースを活用するケースも多いでしょう。

 

たとえば、すでに自社サーバー上にECサイトを構築済みで、大量の顧客データや取引データなどが存在するなどの場合です。

このような場合には、Azure Migrateを活用してAzureのクラウドサーバー上にシステムやデータを移行することが可能です。

 

 

Webアプリケーションの開発(Azure App Service)

Webアプリケーションや、モバイルアプリケーションを開発するための開発環境を提供するサービスもあります。

そのため、クラウドサーバー上で開発や環境構築、デプロイなどが可能です。

 

実行環境やプログラミング言語としては「.NET」「.NET Core」「Node.js」「Java」「Python」「PHP」などを利用できます。

いずれも厳格なセキュリティ対策が施されているので、安心して利用できるでしょう。

 

 

AI機能の組み込み(Azure AI)

AIや機械学習などのツールを利用できるサービスもあり、これは自分の用途や目的に応じてカスタマイズできます。

「機械学習」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つのサービスを利用できます。

 

必要に応じて使うサービスを選ぶことで、より高度なAI機能を利用できるでしょう。

もし自前で機械学習などの開発環境を用意するのは難しい場合には、Azure AIを利用しましょう。

 

これにより、コストを抑えてAI開発などができます。

 

 

開発・運用の効率化(Azure DevOps)

システム開発や運用作業の効率化を行うサービスも豊富に用意されており、うまく活用すれば開発作業や運用作業の効率を向上させられるでしょう。

たとえば、プログラムテスト・ビルド・デプロイができる開発環境や多機能なテストツール、開発チーム内で成果物を共有するツールなどが含まれています。

 

多くのサービスが用意されているので、それぞれの開発現場に合ったものを選んで活用できます。

 

 

BCP対策・DR対策(Azure Backup)

データのバックアップサービスで、一元化された管理インターフェースによりデータを正しく管理、保護できます。

バックアップセンターによって一元管理できるので、データの整合性を失うこともありません。

 

また、バックアップポリシーやセキュリティ構成のカスタマイズや自動化も可能です。

通常、上記のようなデータバックアップを行うと一定のコストがかかります。

 

しかし、Azure Backupを利用すれば、管理方法が確立されているためコストの削減につながります。

 

 

リモートワークの導入(Azure Virtual Desktop)

ネットワーク環境さえあればどこからでもリモートワークができる、バーチャルデスクトップが用意されています。

セキュリティ対策が施されており、オフィスに行かなくても社内システムやツール、サーバーなどに安全にアクセスできます。

 

また、それぞれのニーズに合わせてリモートワーク環境をカスタマイズすることも可能です。

ユーザー数やデータ容量など使用した分だけ料金を支払う仕組みなので、自社でリモートワーク環境を用意するよりもコストを抑えられるでしょう。

 

 

 

3.Azureのメリット


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

Azureを利用するメリットについてご説明します。

 

Microsoft製品との親和性が高い

AzureはMicrosoft社が提供するサービスなので、Microsoft製品との親和性が非常に高いです。

多くの企業がMicrosoft製品のWindowsやOffice、SQL Serverなどを利用しています。

 

既存のOSやソフトウェアなどの環境で、スムーズにAzureを利用できるのは大きなメリットです。

 

 

コストやスペースの削減ができる

Azureは基本的に初期費用が発生せず、維持費用だけで利用できます。

また、Azureハイブリッド特典や予約割引、無償サポート延長などのお得な特典も利用可能です。

 

また、自社にサーバールームやデータセンターなどを用意する必要もなくなるので、スペースの削減も叶います。

 

 

セキュリティレベルが高い

クラウドサービスを利用する際の懸念材料として、大事な顧客データや取引データ、機密情報などの流出が挙げられます。

しかし、Azureは高レベルのセキュリティ対策を実施しているため、安心して利用可能です。

 

外部からのサイバー攻撃対策、不正なアクセスを自動検知する仕組みなどを導入し、常に最新の状態にアップデートしています。

また、Azureのデータセンターの外からの侵入だけではなく、悪意あるオペレーションによる内側からのデータ流出や改ざんなどにも対応しています。

 

たとえば、Azureデータセンターの多層のセキュリティゲートや自動化による人為的作業削減などです。

 

 

障害や災害への対策が万全

Azureデータセンターなら、障害や災害時の対策も万全です。

火事や水害から守るための火災検知・消火システム・水センサーなどが完備されています。

 

また、夏場の暑さなどからデータセンターを守るために必要な空調管理も万全です。

 

 

拡張性が高い

Azureで利用できるサービスは、自分の目的や用途に応じて拡張が可能です。

そのため、アクセス数やユーザー数、トラフィックなどに合わせてデータ容量やリソース、設定などをカスタマイズできます。

 

 

日本法に準拠している

Azureは日本の法律に準拠しており、東京地裁裁判所が管轄となっています。

そのため、日本企業も安心して利用できるでしょう。

 

また、支払いは日本円で行うため、為替の変動を気にする必要がないのも大きなメリットです。

 

 

 

4.Azureを導入するときの注意点


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

Azureを導入する際には、いくつか注意点があるのでご説明しましょう。

 

アクセス制限や二段階認証でセキュリティ対策をする

Azureを利用する際には、すべてのデータやシステムをすべての利用者が利用できる状態にしておくべきではありません。

すべてのアクセス権限を持つ管理者を決め、一般の利用者は職掌や管轄などに応じてアクセス制限を適切に設定する必要があります。

 

また、Azureには生体認証や電話番号による認証、セキュリティキーなどを使った二段階認証機能もあります。

適切に二段階認証を設定して、しっかりとセキュリティ対策を行いましょう。

 

 

知識・スキルをつけて、日々アップデートする

Azureの機能は日々進化していくため、知識やスキルを日々アップデートしていく必要があります。

そうすることで、より効率の良い開発や運用ができるようになるでしょう。

 

 

通信障害などのトラブル対策をする

クラウド上のサービスを利用するためには、ネットワーク通信環境が非常に重要です。

そのため、通信障害が起きないように、日ごろから対策しておくことが大事です。

 

 

クォーター制限に注意する

Azureは基本的に使った分だけ料金を支払う契約ですが、サービスによってはクォーター制限が設けられています。

たとえば、Azure Resource Manageというサービスを利用する際には、「仮想マシンに割り当てるコア数はリージョンあたり20まで」と制限されています。

 

このように制限が存在するサービスもあるので、気になる方は一度確認しておくと良いでしょう。

 

 

 

5.Azureとその他クラウドサービスのできることを比較!


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

Azure以外にもAWS、GCPというクラウドサービスがあり、この3つが3大クラウドサービスと言われています。

以下の表で、それぞれのサービスの特徴を比較してみましょう。

 

【クラウドサービス比較】
 

  Azure AWS

GCP

運営会社

Microsoft Amazon

oogle

できること

・ネットワークサービス
・ストレージ
・コンピューティング
・データベース
・セキュリティ管理
・IoT
・コンテナなど
・ネットワークサービス
・ストレージ
・コンピューティング
・データベース
・セキュリティ管理
・IoT
・コンテナなど

・ネットワークサービス
・ストレージ
・コンピューティング
・データベース
・セキュリティ管理
・IoT
・コンテナなど

強み

・Microsoft製品との親和性が高い
・AWSに次ぐシェアを持つ
・セキュリティレベルが高い
・対応できるサービスの範囲が広い
・3大クラウドサービスの中でトップシェア

・データ分析、機械学習分野に強みを持っている
・Googleとのサービス連携がしやすい

料金体系

従量課金制 従量課金制

従量課金制

 

3大クラウドサービスの中で最もシェア率が高いのはAWSで、Azureはそれに次ぐ2位です。

そのため利用する企業が多く、Azureを使いこなせればエンジニアとしての活躍の場が広がるでしょう。

 

扱うサービスはどれも幅広く、特定のサービスを利用できないなどということはほぼありません。

AWSはシェアナンバーワン、GCPはGoogleサービスとの連携がしやすい、AzureはMicrosoft製品との親和性が高いなどそれぞれ特徴があります。

 

それぞれの特徴を理解して、使いやすく自分にとってメリットが大きいサービスを選ぶと良いでしょう。

 

 

 

 

6.クラウドエンジニア(Azure)の需要・将来性


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

米調査会社Canalysの最新調査によると、2022年第4四半期の世界のクラウドシェア1位はAWSで、Azureは2位でした。

 

1位:AWS 32%
2位:Microsoft Azure 23%
3位:Google Cloud 10%

 

Azureのシェア率は高く、今後もこの傾向は続くと予想されます。

そのため、Azureを扱えるエンジニアの需要も増えると言われています。

 

それは企業のエンジニアだけでなく、フリーランスのクラウドエンジニアも同じであり、Azureを扱えるようになれば、より多くの案件を受注できるフリーランスエンジニアになることができるでしょう。

 

 

 

7.Azureの効率的な学習方法


Azureできること関連画像
Azureできること関連画像

Azureを効率的に学習するための方法についてご説明します。

 

公式ドキュメントを活用する

Azureには日本語化された公式ドキュメントがあり、サービスマニュアルや環境構築方法、最新情報などの情報を得られます。

まずは公式ドキュメントを読むことで、Azureにはどのようなサービスがあるのか、どのように使えば良いのかなどがわかるでしょう。

 

 

 

トレーニングサイト「Microsoft Learn」を活用する

Microsoft Learnとは、Microsoft社が提供する、Microsoft製品について学べるサイトです。

認定資格もありAzureに関するさまざまな種類の試験を受けることも可能です。

 

認定資格を取得することで、Azureに関する知識を体系的に得られるでしょう。

 

 

 

スクールやセミナーを活用する

Udemyなどの学習プラットフォームやITスクール、セミナーなどを活用すれば、効率的にAzureのことが学べます。

独学で学ぶのが苦手という人は、スクールやセミナーなどをうまく活用しましょう。

 

 

本を読む

Azureに関する知識を得られるテキストやAzure認定資格の教本などで勉強することも可能です。

基本的なIT知識があれば、独学で知識を得られるでしょう。

 

 

 

 

8.まとめ


本記事では、Azureを利用するメリットや導入時の注意点、他社サービスとの比較、Azureの効率的な学習方法などについて解説しました。

Azureは、Microsoft製品との親和性が高いクラウドサービスです。

 

エンジニアとして活躍するためには、クラウドサービスを使いこなす知識やスキルが必要になります。

AzureはAWSに次いで世界2位のシェア率を誇るクラウドサービスなので、一流のエンジニアとして活躍していきたいならAzureの習得をおすすめします。

 

フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。

 

なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。

通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。

 

フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!

 

フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから

 

フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→

 

 

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

twitterでシェア
facebookでシェア
facebookでシェア

フリーランスお役立ち記事を検索

Azureのフリーランス求人・案件

新着フリーランス求人・案件

おすすめフリーランス求人・案件