Microsoft認定資格とは?認定試験の体系やロール分類、受験方法を解説

資格

2022.04.22

世界中で最も普及しているとも言える巨大ベンダーのMicrosoft。
現代のビジネスにおいて、代表的なMircosoft製品を取り扱う技術は普遍的なものにもなっており、AIやセキュリティ、データサイエンスといった最先端の技術にもMicrosoft製品が使用されている業界が多いでしょう。


そんな時代の流れの中でMicrosoft製品についての必要な知識と技術を取得していると証明できる資格、「Microsoft認定資格(MCP)」の受験に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。


そこで本記事では、Microsoft認定資格を現在勉強している/今後勉強する予定の方に向けて、Microsoft認定資格の概要、認定試験の体系、ロールの定義、受験方法など、Microsoft認定試験を大まかに理解してもらうための情報を一挙に紹介します。
ほかのIT試験と比べてやや独自の形態を持っているMicrosoft認定資格をわかりやすく並べ直し、受験までの手続きも簡潔にまとめられている記事となっていますので、是非ともご一読してみてくださいね!

 

 

 

1.Microsoft認定資格とは


Microsoft認定資格とは関連画像
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Microsoft認定資格とは、「マイクロソフト製品に対する知識や技術を持つ個人を認定する世界共通のプログラム」です

MCP:Microsoft Certifications Programとも表記されています。

 

製品別や役割(ロール)別、またレベル別など各項目ごとにさまざまな種類の認定資格が区分されており、自身にあった内容やレベルの資格取得が可能です。

認定資格を取得するためには、マイクロソフトが定めている所定の単一あるいは複数の試験に合格する必要があります。

 

公式ホームページより、技術専門家の67% が仕事で実行する能力に対して自信を持てるようになったと回答しているほか、41%が仕事の満足度の向上、35%が給与または賃金の増加を報告しています。

日本でもMicrosoft認定資格の保有が昇給のメリットとなる場合もあるようです。

 

さらに、認定を受けた IT プロフェッショナルの91%が、認定資格によって自身に専門的な信頼性が与えられたと回答しています。

Microsoft認定資格は、マイクロソフト関連のツールに関する知識を深めるのみならず、自身の市場価値を高める上でも有益な試験であると言えるでしょう。

 

なお、マイクロソフトは2012年よりクラウド利用者の増加に伴い、ロールベースの認定資格に体系を改めました。

2012年以前は、MCPはマイクロソフト認定プロフェッショナル(Microsoft Certified Professional)と称されていましたが、現在はマイクロソフト認定資格プログラム(Microsoft Certification Program)となっています。

 

両者の名前も似通っているため、受験勉強や履歴書への記載の際には、混同しないように注意してください。

なお、改訂に伴って旧資格は順次廃止を行っており、現在は受験不可とする資格も多くなってきています。

 

 

 

2.Microsoft認定資格体系


Microsoft認定資格とは関連画像
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Microsoftの認定資格は各項目ごとに体系化されており、大きく「Fundamentals認定資格」「ロールベースの認定資格」「Additional certifications (その他の認定)」の3つに区分されます

これら3つの区分はそれぞれ初級者レベル・中級者レベル・上級者レベルと捉えても良いでしょう。

 

ここからはその3つの大枠について見ていきます。

 

Fundamentals認定資格

Fundamentals認定資格は、Microsoftの認定資格において初級レベルに位置付けられている資格です。

先述した通り、Microsoftの認定資格は専門領域ごとに異なった試験が用意されていますが、勉強を開始する際には、各領域の初級レベルであるFundamentals試験から資格獲得を目標とすることをおすすめします。

 

Fundamentals認定資格としては8つ存在します。

その中でも例えば、クラウドサービスの基礎知識や概念、Azureのサービスなどに関する一般的なテクノロジーの概念についての知識・スキルを問われる「Azure Fundamentals:AZ-900」、機械学習(ML)や人工知能(AI)に関連するAzureサービスの知識・スキルが問われる「Azure AI Fundamentals:AI-900」、データベースやデータの分析に関する知識を問われる「Azure Data Fundamentals:DP-900」などの試験が用意されています。

 

それぞれ、AzureやDynamics365初学者、AIエンジニア、データベースエンジニアが該当する内容となる試験です。ご自身のレベルや職種に合わせて勉強を進めていきましょう。

 

 

ロールベースの認定資格

ロールベースの認定資格は、2019年にその内容が改定され、Microsoftの認定資格において中級・上級レベルに位置付けられている資格となりました。

具体的には、Associate・Specialtyと記載されているものが中級レベル、Expertと記載されているものが上級レベルとなります。

 

2022年4月現在、資格の数は114個に及び、無数の資格の中から自身の取得したいスキルを選択することが可能です。

数多くのIT技術に特化した認定資格が並んでいるため、欲しい資格が手に入る試験の勉強を行うように心がけましょう。

 

詳細は後述しますが、2021年6月以降に獲得したロールべースの認定資格は1年後に期限切れになります。

 

 

Additional certifications (その他の認定)

Microsoftの認定資格は、前述したFundamentalsとロールベースの他に、Additional certificationsという認定資格も用意されています。

Additional certificationsには、さらに的を絞った専門的な資格や、教育機関に必要な資格まで、難易度の高い資格が並んでいます。

 

具体的な受験者としては、経験のあるエンジニアやビジネスユーザー、組織の管理者や機能コンサルタントが想定されている試験です。

Additional certificationsの試験はそのほとんどが中・上級者レベルのものとなっていますが、 中には初級者レベルと認定されている資格も存在します。

 

詳しい試験の種類は、公式サイトから一度チェックしてみてください。

Additional certificationsの種類はこちらからチェック

 

 

 

3.Microsoft認定資格ロールの定義


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それではここからは、Microsoft認定資格ロールの各定義について見ていきます。

Microsoft認定資格は、それぞれの専門領域に沿った試験を展開していることが特徴の試験です。

 

本記事では無数の認定試験の中から、各ロールの定義や認定パス、各ロールごとで最もよく検索されているものを複数個抽出し解説します。

以下を参考に、ご自身に合った最新の技術や要件に対応していることを示す資格を取得しましょう。

 

開発者

開発者では、クラウドソリューションの設計や構築、テスト、保守業務を担うIT人材を想定されています。

ソリューション設計者や顧客と提携して、アプリケーションとサービスを実装する業務を行っている方に有益に働く資格です。

 

管理者の認定パスは、Fundamentals、Associate、Expertと3つのレベルごとに用意されています。

具体的には「Microsoft Certified: Azure Developer Associate」や「Microsoft 認定: Dynamics 365: Finance and Operations アプリ開発者アソシエイト」、「Microsoft 365 認定: 開発者アソシエイト」などが該当する試験です。

 

クラウドアプリケーションの設計・構築・保守から、Microsoft 365の取り扱い、IoTやデータベースまで一連のIT技術に応じた試験が用意されていますので、現役のエンジニアとして信頼や技術を高めたい方は挑戦してみてください。

 

 

管理者

管理者では、Microsoftのソリューションを実行、監視、保守を行う人材が想定されています。

計算、ストレージ、ネットワーク、セキュリティに関連する主要サービスを含めて、Microsoft Solutionの実行、監視、保守を行う業務の方におすすめできる認定資格です。

 

管理者の認定パスは、Fundamentals、Associate、Expertと3つのレベルごとに用意されているため、ご自身のレベルに合わせて段階的にスキルアップしていくことも可能です。

具体的には「Microsoft 認定:Azure Administrator Associate」、「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」、「Microsoft 認定: Azure Virtual Desktop Specialty」などが該当します。

 

総合的な組織の Microsoft Azure環境を実装、管理、監視する能力のみならず、SAP用Azureワークロードアーキテクトや仮想デスクトップ技術に関する試験も用意されていますので、そのほかの試験についても公式ホームページより確認してみてください。

 

 

ソリューションアーキテクト

ソリューションアーキテクトは、コンピューティング、ネットワーク、ストレージ、セキュリティに関する専門技術者を想定している試験です。

こちらも管理者の認定パス同様、Fundamentals、Associate、Expertの3つのレベルに分類されています。

 

具体的には「Microsoft Certified: Dynamics 365: Finance and Operations Apps Solution Architect Expert」、「Microsoft Certified: Dynamics 365: Finance and Operations Apps Solution Architect Expert」、「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」が挙げられます。

「Microsoft Certified: Azure for SAP Workloads Specialty」は2022年1月24日に更新された試験となりますので、以前に学習していた方は変更点を確認しておきましょう。

 

また、これまで存在していた「Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert」(試験 AZ-303 および 試験 AZ-304)は、2022年3月3日に廃止されます。

代わって、新しい試験「試験 AZ-305: Microsoft Azure Infrastructure Solutions の設計」(AZ-305)が受験可能となりますので注意してください。

 

 

データエンジニア

データエンジニアの試験は、すべてのデータサービスを使用して、データの管理、監視、セキュリティ、プライバシーを設計および実装している人材を対象としています。

具体的には、「Microsoft Certified: Azure Data Engineer Associate」、「Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty」が該当する試験です。

 

幅広くKPI、データ保持、検証、視覚化、準備、照合、断片化、セグメント化、および機能強化に関連するプロセスの経験も問われる試験となっていますので、データベースについて総合的に知識を入れておくことが必要です。

 

 

データサイエンティスト

データサイエンティストは、機械学習技術を適用して、ビジネス問題を解決するモデルをトレーニング、評価、およびデプロイする技術者を試験の対象としています。

具体的には「Microsoft 認定:Azure Data Scientist Associate」、「Microsoft Certified: Customer Data Platform Specialty」が該当する試験となります。

 

試験では、Dynamics 365アプリに関しての知識のほか、KPI、データ保持、検証、視覚化、準備、照合、断片化、セグメント化といったプロセスの経験も問われます。

また、Azure Machine Learning、Azure Synapse Analytics、Azure Data Factory についての概要も理解している必要があります。

 

 

AIエンジニア

AIエンジニアでは、Cognitive Services、機械学習、およびナレッジマイニングを使用して、Microsoft AIソリューションの設計と実装を行う技術者を想定して試験が制作されています。

具体的には「Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate」が該当する試験となります。

 

要件の定義に加え、設計から開発、デプロイ、メンテナンス、パフォーマンスの調整、および監視に至るまで、AIソリューション開発のすべてのフェーズに参加するための知識が幅広く問われることが特徴です。

C#またはPythonといったプログラミング言語に加え、RESTベースのAPIおよびSDK を使用して、Azureでコンピュータービジョン、自然言語処理、ナレッジマイニング、および会話型AIソリューションを構築する能力も問われる、難易度の高い試験です。

 

AI技術者は時代的にもニーズが高まる一方ですので、これからの時代を生き抜いていきたいエンジニアにとっては有益な資格となるでしょう。

 

 

DevOpsエンジニア

DevOpsエンジニアでは、エンドユーザーのニーズおよびビジネスの目的を満たす価値のある製品およびサービスを継続的に供給するために、人とプロセスとテクノロジーの各知識を持ったIT人材かどうかを想定して試験が作られています。

具体的には「Microsoft Certified: DevOps Engineer Expert」が該当する試験となります。

 

合格にはAzureの管理と開発の両方に精通している必要があり、また、ラボレーション、コード、インフラストラクチャ、ソース管理、セキュリティ、コンプライアンス、継続的インテグレーション、テスト、配信、モニタリング、フィードバックといったテクノロジーと顧客を連携させる一連の技術の理解が求められます。

 

 

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアでは、セキュリティ制御と脅威からの保護を実装し、IDとアクセスを管理し、データ、アプリケーション、ネットワークを保護する人材を前提に試験が制作されています。

具体的には「Microsoft Certified: Azure Security Engineer Associate」や「Microsoft Certified: Security Operations Analyst Associate」、「Microsoft Certified: Identity and Access Administrator Associate」が該当する試験です。

 

セキュリティエンジニアの分野では、セキュリティ運用アナリストからアクセス管理者、セキュリティエンジニアまで幅広いセキュリティの知識が必要です。

セキュリティはAI業界同様、今後の動向も明るい業界となっていますので、是非とも本試験への勉強を通して確かな技術力を蓄えてください。

 

なお、「Microsoft Certified: Information Protection Administrator Associate」の英語版は2022年1月28日に更新されます。以前から勉強を続けている方は更新事項に注意してください。

更新事項はこちらからチェック

 

 

機能コンサルタント

機能コンサルタントでは、業務コンサルタントは、Microsoft Dynamics 365 と Microsoft Power Platform を活用して、顧客のニーズを予測および計画する人材が想定されています。

具合的には「Microsoft Certified: Dynamics 365 Customer Service Functional Consultant Associate」や「Microsoft Certified: Dynamics 365 Field Service Functional Consultant Associate」、「Microsoft 認定:Dynamics 365 Finance Functional Consultant Associate」が該当する試験にあたります。

 

機能コンサルタントに割り振られている試験は他にも多数ありますので、そのほかの試験については公式ホームページから確認してみてください。

 

 

 

4.Microsoft認定資格の受験方法


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それでは次に、Microsoft認定資格の受験方法について見ていきましょう。 

詳しい申し込み手順は以下の通りです。

 

1.試験の申し込み
※受験はMicrosoftが指定する全国の試験会場(テストセンター)もしくはPearson VUE(オンライン)で実施されます。
受験する試験の申込を選択し、手順に沿って必要事項を埋めていきましょう。
その後試験監督方法 (利用可能な場合)を選び、試験の予定のスケジュールを設定して、支払いを完了します。
※試験の申し込みにはMicrosoftアカウントが必要です。
※テストセンターもしくはPearson VUE(オンライン)のどちらにも注意事項がありますのでしっかり確認しておきましょう。
2.試験当日
3.試験結果

 

定められた申し込み方法以外で手順を進めても、受理してもらえないことがあるため、注意してください。

また、試験結果(合否)は、試験終了直後に判定されます。試験終了後に「試験結果レポート」が渡され、すぐに合否の確認が可能です。 

 

 

 

5.Microsoft認定資格の有効期限


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最後にMicrosoft認定資格の有効期限について見ていきましょう。

Microsoftのロールベースおよび専門の認定資格は更新しない限り、有効期限は1年間となっています

 

1年ごとの更新と聞くとどうしても面倒に感じてしまいがちですが、Microsoftの認定資格は、Microsoft Learnでオンライン更新評価に合格するだけで更新できます。更新は無料であり、

また、更新の内容はテクノロジの更新部分のみが対象であり、短く、時間がかからないようにもなっているため、ほかの資格試験に比べて気軽に資格の更新が可能であると言えるでしょう。

 

認定資格の更新は有効期限の約6ヶ月前に更新期間が開始され、その後いつでも都合の良い時に可能となります。

コストをかけずにスキルを最新の状態に保つことができるため、資格の信頼度も高く、技術者も最新のテクノロジーにアップデートされた人材であることを証明できます。

 

Fundamentals認定資格には有効期限がないため、更新プロセスは適用されません。

認定資格更新に関して詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

 

 

 

6.まとめ


いかがでしたでしょうか。

本記事では、Microsoft認定資格を現在勉強している/今後勉強する予定の方に向けてMicrosoft認定資格の概要、認定試験の体系、ロールの定義、受験方法など、Microsoft認定試験を大まかなに理解してもらうための情報を一挙に紹介してみました。

 

是非とも本記事を参考に、Microsoft認定資格の合格に向けて勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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