TypeScriptとは?フリーランスが知っておくべき基礎知識

TypeScriptの概要と特徴

TypeScriptは、Microsoftによって開発された、JavaScriptに“型”というルールを加えて拡張したプログラミング言語。ですので、TypeScriptのコードはJavaScriptの機能全てを含んでいます。コンパイルによってJavaScriptに変換されるため、ブラウザやNode.jsなどのJavaScript実行環境で動作します。コードの誤りを事前にチェックでき、早期のバグ発見が期待できるのが強みです。

JavaScriptとの関係性

TypeScriptは、JavaScriptの上位互換(スーパーセット)と言えます。JavaScriptの全ての機能を使いつつ、型やクラスなどの拡張機能も活用できるためです。

業界動向|なぜ今、TypeScriptが注目されているのか

では、今なぜTypeScriptが注目されているのか。結論からお伝えすると、「複雑な開発を安全かつ効率的に進めるための道具」として評価されているからです。保守性や安全性が求められる現場でTypeScriptが導入され、企業・プロジェクト単位での採用が急増中。フリーランス案件でも需要が高まっています。需要が高まっている背景としては、次章に記載している【TypeScriptのメリット6選】に記載します。​​​​​

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TypeScriptのメリット6選

【1】バグの早期発見が期待できる

TypeScriptを使うと「変数の型」を明示でき、意図しない値を使ったときにエラーを事前に検出できます。これは「実行する前に間違いに気づける」という大きな利点。特に、JavaScriptでは起こりがちな型のミス(数値と文字列の混同など)を防げるため、バグの発生率が下がり安心して開発を進めることができます。

【2】短いコードが読みやすい&保守性の向上

TypeScriptは型定義があることで「この変数は何を意味するのか」が一目でわかります。さらに型推論機能により、すべてを手動で書かなくてもコードがすっきり。結果として、初見のコードでも読みやすくなり、保守や引き継ぎがしやすいのが魅力です。

【3】大規模・チーム開発での適用効果

TypeScriptは「型による契約」ができるため、複数人での開発に強いです。

関数の引数や戻り値に明確な型があることで、、「このデータは数字です」「この関数はこういう動きしかしません」といった約束事を明確にすることができます。そのため、お互いの書いたコードが読みやすくなり、ミスやすれ違いも減らすことが可能。大きな開発チームでも、安心して開発を進められるというメリットがあります。

【4】JavaScriptとの互換性と豊富なエコシステム

TypeScriptは、既存のJavaScriptの資産や知識をそのまま活かせるのも強みです。また、ReactやVueといった人気フレームワークとも相性が良く、新しい言語をイチから学ばずとも段階的に導入できるため、企業や現場でも「使いやすい」と評価されています。

【5】開発効率を高めるビルド・ツール環境

Visual Studio CodeなどのIDEとTypeScriptを組み合わせることで、自動補完・エラー検知・型チェックなどの支援が強力になります。これにより、コードを書くスピードが上がり、実行前のバグ検出率も向上。効率よく、かつ安心して開発が進められます

【6】開発者コミュニティとエコシステムのサポートが充実

TypeScriptは世界中の開発者から支持されており、学習リソースも日々増加中。公式ドキュメントはもちろん、Qiita・Zenn・YouTubeなどでも日本語解説が豊富です。また、npm経由で使える型定義ファイル(DefinitelyTyped)も多く、安心して開発できます。
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TypeScriptのデメリット5選

【1】学習コストの高さ(日本語情報の不足、学習環境の整備)

TypeScriptは便利ですが、最初に覚えるべきことが多くやや難解です。特に「型」や「ジェネリクス」など、JavaScriptにはない概念や細かい決まりに戸惑う人が多いです。加えて、TypeScriptを分かりやすく教えてくれる日本語サイトもまだ少ないため、自分にあった勉強方法を計画するのが大変。フリーランスのように限られた時間で学習するには、効率的なロードマップ選びが肝になるでしょう。

【2】既存JavaScriptプロジェクトへの導入・移行の難易度

TypeScriptを既存のJavaScriptコードに導入する際、型定義の追加や依存関係の見直しなどルールを全部書き足す必要が出てきます。その際にエラーが大量に出るケースもあり、移行初期は混乱が起こることも。互換性を保つには「段階的導入」がカギで、チームへの共有・連携が成功へのポイントになります。

【3】準備に時間を要する(開発環境の構築とビルド時間の増加)

TypeScriptでは、開発前に「型チェック」や「トランスパイル(変換処理)」が必要です。そのぶんビルド時間がかかり、開発スピードに影響が出ることも。また、設定ファイル(tsconfig.json)もやや複雑で、初心者は戸惑いがちです。ビルド高速化の工夫や環境の最適化が求められます。

【4】全部のミスは防げない(ランタイムエラー検出の限界)

TypeScriptは「書いた段階」でミスを防ぐ力がありますが、全てのバグを防げるわけではありません。例えば、APIの返り値が想定外だった場合など、「実行時にしか起きないエラー」は防げません。静的チェックと実行テストの両方を組み合わせることで、信頼性を補う必要があります。

【5】動作速度に限界がある(実行パフォーマンスとJavaScriptランタイム制約)

TypeScript自体はパフォーマンスに直接影響を与えません。しかし最終的にはJavaScriptとして動くため、JS特有の制限を受けます。例えば、処理速度やメモリ使用量などでC++などの言語には劣ることもあります。ゲームや大量のデータを一気に処理するような高速性が求められるシステム開発には向かないこともあるため、用途に応じた使い分けが大切です。

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独自調査|リアルな案件データで見る、TypeScriptの市場価値と将来性

月額平均単価

フリーランススタート求人・案件では、TypeScript案件の平均月額単価・中央値は約80万円最高単価は202万円となっています。全案件の平均単価は70~80万ほどとなっているため、TypeScript案件の平均単価は比較的高水準だと言えるでしょう。より高めの案件を狙うなら、フレームワーク(React/Vue)セットで提案すると有利になる傾向があります。

※2025年7月3日時点

開発言語別の単価動向を示すグラフ

出典: 【2025年5月】フリーランス市場月額単価の動向

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TypeScriptでできる仕事|フリーランススタート掲載案件

TypeScriptを活用した案件は、フロントエンド(React/Vue)開発を中心に、予約システムやSaaSの新機能実装、サーバーサイド対応など多岐にわたります。特にサービス系・SaaS業界のニーズが高く、高単価案件も豊富。AIや機械学習領域にも拡大中で、スキル次第で活躍の幅が広がります。例えば、フリーランススタートでは以下のような案件・求人が掲載されています。

案件例①:大手企業DXを支えるフロントエンドエンジニア
業務内容AIエージェントプロダクト開発におけるインターフェイス構築
必須スキルTypeScriptを用いた3年以上の開発実務経験、Reactを用いた3年以上の開発実務経験、HTML/CSSによるアニメーション実装能力など
単価相場月80万円
案件例②:音楽業界大手におけるスマホアプリ用バックエンド開発
業務内容新たに企画検討中のアプリケーションサービスのバックエンド設計・開発
必須スキルTypeScript実装経験、AWSによる開発経験、GitHubの使用経験など
単価相場月90~110万円

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フリーランス案件でのスキル要求傾向

平均単価77万円以上のTypeScript案件では、ReactやVue.jsとの併用が主流です。フレームワーク別では、React、Vue、AngularJS、特にReact+TSの案件が高単価傾向にあります。TypeScriptと組み合わせられるスキルをお持ちの方は、TypeScriptを取得することでさらなる単価アップが見込めます。ぜひ参考にしてみてください。

TypeScriptを軸にしたキャリア戦略の考え方

TypeScriptは単体よりもReactやVueとの組み合わせで高く評価され、リモート比率76%と柔軟な働き方も可能です。AI・SaaS・DX分野でも導入が進み、将来的な需要も堅調。フレームワーク+TSのスキルを深めることで、案件の選択肢と安定したキャリア形成につながります。

まとめ|TypeScriptのメリット・デメリットを理解して賢くキャリアアップしよう

TypeScriptは、JavaScriptの知識を活かしつつ、より安全で効率的な開発を可能にする強力な技術です。特にReactやVueとの組み合わせによって、現場ニーズにマッチしたスキルセットとして高く評価されています。実際にフリーランススタートに掲載されている案件でも、TypeScriptは高単価かつリモート比率の高い魅力的な案件が豊富です。

一方で、導入時の学習コストや運用の難しさもあるため、メリット・デメリットの両面を理解した上で取り組むことが重要です。今後のキャリアを見据えるなら、TypeScriptを「単体のスキル」としてではなく、フレームワークとの組み合わせで「案件選びの軸」にするのがおすすめ。将来性のある技術をしっかり身につけて、自分に合った働き方や報酬を叶えていきましょう。

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