1. 【30秒でわかる】フリーランス保護新法とは?要するに何が変わるの?

結論からお伝えすると、この法律によってフリーランスの働き方は主に3点が大きく変わります。

フリーランス保護新法 3つのポイント
  • ①契約条件の「見える化」が義務に!
    「報酬はスキルに応じて相談」のような曖昧な条件が禁止され、発注者は報酬額や業務内容を書面等で明示することが必須になります。
  • ②一方的な「内容変更」が禁止に!
    納品後の報酬減額や、理由なき受領拒否、一方的な契約解除といった、フリーランスが泣き寝入りしがちだったトラブルに、国がNOを突きつけます。
  • ③育児・介護への「配慮」が義務に!
    フリーランスから申し出があった場合、発注者は育児や介護と両立できるよう、納期や稼働時間について配慮することが求められます。

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2. 【発注者向け】ここがポイント!企業に課される「5つの義務」

この法律は、主に発注者(クライアント)側に義務を課すものです。フリーランスにとっては、これが自分たちが受けられる「権利」になります。具体的に見ていきましょう。

  1. 契約条件の明示義務(これが一番重要!):発注者は、業務内容、報酬額、支払日などを、契約書や発注書といった書面、またはメール等の電磁的方法で明示することが義務化されます。
  2. 募集時の的確な情報表示:フリーランスを募集する際に、虚偽の情報を表示したり、実際よりも著しく有利であると誤解させるような表現を使ったりすることが禁止されます。
  3. 納品後60日以内の報酬支払義務:原則として、納品物を受け取った日から60日以内に報酬を支払わなければなりません。これにより、不当な支払遅延を防ぎます。
  4. 一方的な契約解除等の禁止:フリーランス側に責任がある場合を除き、発注者は一方的に契約を解除したり、納品物の受領を拒否したり、報酬を減額したりすることができなくなります。
  5. 育児・介護等への配慮義務:フリーランスから申し出があった場合、発注者は育児や介護との両立に配慮し、納期や稼働時間について協議することが求められます。

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3. 【フリーランス向け】新法を「武器」にする!契約時に確認すべきこと

では、この法律を「武器」として、フリーランスは具体的にどう行動すれば良いのでしょうか。

契約書・発注書でチェックすべき「必須項目リスト」

今後、クライアントと契約する際は、以下の項目が書面(またはメール等)に具体的に記載されているか、必ず確認しましょう。

  • 業務内容(何を、どこまでやるか)
  • 報酬の額(具体的な金額)
  • 支払期日(いつ支払われるか)
  • その他、公正取引委員会規則で定める事項

もしこれらの項目が曖昧だったり、記載がなかったりした場合は、遠慮なくクライアントに確認しましょう。それは、あなたの正当な権利です。

「これって違反かも?」と思ったら使える交渉フレーズ

これまで泣き寝入りしやすかったケースに関して、法律を盾に交渉するための具体的な言い回しをご紹介します。

▼交渉フレーズ(文例)

(契約条件が口頭だった場合)
「恐れ入ります。先日施行されましたフリーランス保護新法に基づき、トラブル防止のため、業務内容と報酬額を書面にてご提示いただけますでしょうか?」

(支払いが遅れそうな場合)
「恐縮ですが、報酬のお支払いにつきましては、法律で定められております納品後60日以内の日程でお願いできますでしょうか。」

育児・介護への配慮、どうお願いすればいい?

契約前に、「子供の急な発熱の際は、納期について柔軟にご相談させていただく可能性がございますが、よろしいでしょうか?」といった形で、事前に相談・合意しておくことがスムーズです。法律は、こうした申し出をしやすくするための後押しとなります。

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4. 【Q&A】これってどうなの?フリーランス保護新法のよくある疑問

Q1. 下請法とは何が違うの?

A. 一番の違いは保護対象の広さです。下請法は、発注者の資本金が1000万円超の場合などに限定されていましたが、新法は資本金に関係なく、すべての事業者が対象になります。つまり、これまで下請法で守られなかった中小企業や個人事業主との取引でも、フリーランスが保護されるようになります。

Q2. 誰が対象になるの?

A. 「業務委託を受ける」「従業員を使用しない」個人事業主や、代表者一人の会社(一人社長)などが対象です。従業員を一人でも雇用している場合は、原則として対象外となります。

Q3. 違反した企業への罰則はあるの?

A. はい。国による助言、指導、勧告、そして最終的には社名公表や50万円以下の罰金といった罰則が科されます。フリーランスが直接罰則を科すわけではありませんが、国という公的な後ろ盾ができたことが大きな意味を持ちます。

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5. トラブル発生!泣き寝入りしないための相談窓口

実際にトラブルが発生してしまった場合は、一人で抱え込まずに専門家へ相談しましょう。

フリーランスの駆け込み寺
  • フリーランス・トラブル110番: 厚生労働省の委託事業で、弁護士に無料で相談できる最強の窓口です。電話やメールで気軽に相談でき、必要であれば和解の仲介(ADR)も無料で行ってくれます。まずはここに相談するのがおすすめです。
  • 法テラス: 国が設立した法的トラブルの総合案内所。収入などの条件を満たせば、無料の法律相談や弁護士費用の立替え制度が利用できます。

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まとめ|フリーランス保護新法は、あなたの「交渉カード」である

フリーランス保護新法は、あなたを縛るものではなく、理不尽な要求から身を守り、クライアントと対等な立場で仕事をするための強力な「交渉カード」です。この法律を知っているかどうかで、あなたの働き方や収入は大きく変わる可能性があります。法律は、知っている者の味方です。

まずは、今やり取りしているクライアントとの契約書が、新法の基準を満たしているか、この記事のチェックリストを参考に確認してみませんか?その一歩が、あなたのフリーランスとしての権利を守る大きな力になります。

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