1. なぜあなたの提案は通らない？クラウドソーシングで「読まれない提案文」の共通点
発注者の中には、毎日に多数の提案文に目を通す方もいらっしゃいます。そんな中で読み飛ばされてしまいやすい提案文の多くには、「発注者の視点」が欠けているという配慮が欠けていることも少なくないそうです。具体的には…
- 自分の言いたいことだけを書いている（企業が知りたい情報と異なる自己PR）
- 誰にでも送れるコピペ文になっている
- 発注者ががどんな仕事を求めているのかを理解しようとしていない
など。発注者が知りたいのは「あなたの経歴」ではなく、「あなたが、企業の悩みをどう解決してくれるか」なのです。この視点の転換が、受注率アップの第一歩です。
2. 受注率が劇的に変わる！採用される提案文の「黄金テンプレート」
まずは、基本となる構成（型）をマスターしましょう。このテンプレートに沿って書くだけで、提案文の質は格段に上がります。
- 挨拶・応募の経緯：「はじめまして。〇〇と申します。貴社の〇〇の案件を拝見し、ぜひお力添えしたいと考え応募いたしました。」
- 課題への共感と提案：「募集要項を拝見し、〇〇という点にお困りではないかと拝察いたしました。その課題に対し、私の△△というスキルで貢献できます。」
- 実績・スキルの提示（提案の裏付け）：「具体的な実績として、□□という業務で〜という成果を出しました。ポートフォリオもご確認ください。」
- 稼働条件の明記：「稼働は週〇時間、連絡は△△（ツール名）でいつでも可能です。」
- 締めの挨拶：「ぜひ一度、詳細をお伺いする機会をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。」
重要なのは、②でまず相手の課題に触れ、それに対する解決策として自分のスキルを提示するという順番です。これにより、単なる自己PRではなく、「課題解決の提案」として読んでもらえます。
3. ライバルと差をつける！受注率を上げる3つのコツ
テンプレートを覚えたら、次はライバルと差をつけるための具体的なコツを3つご紹介します。
コツ1：募集文から「発注者の本当の悩み」を読み解く
「情報が少ない」と諦める前に、募集文の短い文章から発注者の状況を推測しましょう。
- 事業内容をチェックする：発注者のプロフィールページやWebサイトを見て、どんな事業をしているか確認しましょう。事業内容が分かれば、「なぜこの仕事を発注しているのか」という背景が見えてきます。
- 評価や過去の募集を見る：：過去の評価コメントや募集案件から、発注者の人柄や仕事の進め方が推測できます。丁寧なコミュニケーションを重視する人か、スピードを求める人か、相手に合わせたアピールが可能です。
- 言葉の裏を読む：「未経験者歓迎」とあれば、マニュアルが整備されている反面、丁寧なコミュニケーションが求められるかもしれません。「納期厳守」と強調されていれば、過去に納期で苦労した経験があるのかもしれません。
コツ2：実績ゼロ・未経験でも「自分を選ぶ理由」を作る
実績がないからと諦める必要はありません。熱意と工夫で、経験者にも負けない提案が可能です。
- 学習意欲を具体的に示す: 「〇〇の資格取得に向けて勉強中です」「貴社の参考資料はすべて拝見しました」など、受け身ではない能動的な姿勢をアピールします。
- 関連スキルをアピールする: 前職が事務職なら「正確なタスク管理と迅速な報告・連絡・相談が得意です」など、どんな経験でも応募案件に繋げてアピールできます。
- リサーチ量で熱意を伝える: 「貴社のWebサイトを拝見し、〇〇という点に感銘を受けました」と具体的に言及するだけで、「ちゃんと調べてくれているな」という好印象を与え、他の応募者と差別化できます。
コツ3：「期待以上かも？」と思わせる付加価値を添える
発注者の期待を少しだけ超える「プラスアルファ」の提案は、受注を決定づける強力な一押しになります。
- ライターの場合: 「執筆だけでなく、簡単な画像選定やWordPressへの入稿も対応可能です。」
- デザイナーの場合: 「デザイン作成後、ご希望であれば修正意図をまとめた簡単な説明資料も添付いたします。」
- データ入力の場合: 「入力作業だけでなく、入力データのダブルチェックや、より効率的な入力方法のご提案も可能です。」
4. 【コピペOK】職種・状況別！クラウドソーシングで使える提案文の例文集
あなたの状況に合わせてカスタマイズしてご活用ください。
Webライター向けの提案文（経験者）
件名：【貴社メディアのSEO記事執筆案件へのご提案】Webライター／〇〇（名前）
〇〇様
はじめまして。Webライターとして活動しております〇〇と申します。
貴社メディアの「読者の悩みに寄り添う」という方針に深く共感し、ぜひお力になりたいと考え応募いたしました。
私はこれまで3年間、主に金融領域でSEO記事を100本以上執筆してまいりました。特に、〇〇というキーワードで検索1位を獲得し、セッション数を3ヶ月で200%増加させた実績がございます。
（ポートフォリオ：http://〜）
今回の募集では「専門的な内容を、初心者にも分かりやすく」という点が課題かと拝察いたしました。私の「複雑な情報を図解や具体例を用いて平易に解説するスキル」は、まさに貴社の課題解決に貢献できるものと確信しております。
稼働は平日週20時間程度を想定しております。ご連絡はいつでも可能です。
ぜひ一度、詳細をお伺いする機会をいただけますと幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。
Webデザイナー向けの提案文（未経験者）
件名：【バナー制作案件へのご応募】Webデザイナー／〇〇（名前）
〇〇様
はじめまして。〇〇と申します。Webデザイナーを志し、現在学習を進めております。
貴社の〇〇というサービスの、ユーザーを惹きつけるクリエイティブに魅力を感じ、ぜひ制作に携わりたいと思い、勇気を出して応募いたしました。
実務経験はございませんが、デザインスキル習得のため、過去6ヶ月間で以下の取り組みを行いました。
・オンラインスクールでFigmaとPhotoshopを習得
・架空のサービスのバナーを30種類制作（テイスト、ターゲット別）
・貴社サービスのトンマナを研究し、自分なりに作成したバナーをポートフォリオに掲載しております。
ポートフォリオ：http://〜
実務未経験ではございますが、貴社のデザインガイドラインを深く理解し、迅速なレスポンスと丁寧なコミュニケーションで貢献することをお約束します。まずはテストからでも構いませんので、ぜひ一度チャンスをいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
データ入力・事務向けの提案文
件名：【データ入力・リスト作成業務へのご提案】〇〇（名前）
〇〇様
はじめまして、〇〇と申します。
単純作業の正確性とスピードが求められるデータ入力業務に魅力を感じ、応募いたしました。
前職では5年間、営業事務として受発注管理や顧客データ入力に携わっており、1日に100件以上のデータをミスなく処理しておりました。ExcelではVLOOKUP関数やピボットテーブルを用いたデータ集計・分析も可能です。
募集要項を拝見し、正確かつスピーディーな作業が求められていると理解いたしました。私の事務経験で培った丁寧さと迅速さで、必ずお力になれると確信しております。
稼働は平日9時〜17時まで、柔軟に対応可能です。ご連絡はChatwork、Slackなどご指定のツールで迅速に行います。
ぜひ、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。
守秘義務で実績が出せない場合の例文
（実績の提示パートの例文）
前職では、大手金融機関の顧客管理システムの開発に3年間従事しておりました。守秘義務の都合上、具体的な制作物をお見せすることはできませんが、主に以下の業務を担当しておりました。
- PHP(Laravel)を用いたAPIサーバーの設計・開発
- 数百万レコードを扱うデータベースのパフォーマンスチューニング
- 決済システムとの外部連携機能の実装
これらの経験で培った「大規模なデータを安全かつ効率的に扱う技術」や「他システムと円滑に連携する設計能力」は、貴社サービスの開発においても必ずお役立てできるものと考えております。
5. 送信前に最終確認！受注率を下げる提案文のNG例
どんなに良い内容でも、小さなミスが命取りになります。送信ボタンを押す前に、必ずセルフチェックしましょう。
- NG① コピペ感丸出しの文章: 宛名が「採用ご担当者様」のまま、企業名が間違っているのは大変失礼にあたります。
- NG② 誤字脱字や敬語の間違い: 「仕事も雑かもしれない」という誤解を招いたり、真剣さ・責任感・誠実さが足りないと判断されてしまったりする可能性があります。
- NG③ 募集要項の質問への無回答: 「企業が提示した情報を読んでいない」と判断され、不採用になる可能性が高まります。
- NG④ 自己PRだけで提案がない: 「で、あなたは何をしてくれるの？」と発注者を困らせてしまいます。
- NG⑤ ポートフォリオのURLがリンク切れ: 確認の手間をかけさせ、準備不足を露呈します。
まとめ：正しい書き方を学べば、クラウドソーシングの受注率は必ず上がる
本記事では、クラウドソーシングで採用される提案文の書き方と、受注率を上げるための具体的なコツを解説しました。提案文の通過率が低いと、自信をなくしてしまうかもしれません。しかし、それはあなたのスキルが足りないからではなく、単に「正しい書き方」を知らなかっただけです。提案文は、練習すれば誰でも魅力的に書けるようになります。この記事で紹介したテンプレートと3つのコツを武器に、まずは1件、本気で提案文を見直してみませんか？その一歩が、あなたの受注率を大きく変えるきっかけになるはずです。あなたのスキルを正しく評価し、成長させてくれるクライアントとの出会いを、フリーランススタートは応援しています。
SNSアカウントでログイン