公開日:2022.03.22
更新日:2025.03.24
マルチメディア検定とは、公益財団法人「画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)」が主催する認定試験のことです。
インターネットにおけるマルチメディア全般の知識やコンテンツ制作におけるスキルなどを身に付けることができます。
現代のようなネットワーク社会において、デジタルとの関連性は深く、将来的にも市場が大きく成長していくことが見込まれます。
ところで、マルチメディア検定は「マルチメディア検定ベーシック」「マルチメディア検定エキスパート」のレベルに分類され年齢や学力などで制限もなく、誰でも受験可能。
また、難易度は「ベーシックレベル」で約6割以上の方が合格しているため、比較的取得しやすい資格といえます。
本記事では、そんなマルチメディア検定の特徴や試験内容の詳細などについて解説しています。
キャリアアップを目的としてマルチメディア検定の資格を取得したり、フリーランスとしてスキルを証明するために取得したりする方もいることでしょう。
それでは、ぜひ最後までご一読ください。
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<目次>
1.マルチメディア検定とは
2.マルチメディア検定試験
マルチメディア検定の詳細
マルチメディア検定の出題範囲
・マルチメディア検定ベーシック
・マルチメディア検定エキスパート
マルチメディア検定の受験者数・合格率・難易度
マルチメディア検定の申し込み手順
マルチメディア検定の有効期限
マルチメディア検定の勉強時間
3.マルチメディア検定の資格取得のメリット
ICT全体の知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.マルチメディア検定の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
資格が役立たない場合もあり得る
5.マルチメディア検定合格のためのおすすめの参考書
おすすめ参考書①:マルチメディア検定エキスパート 公式問題集
おすすめ参考書②:入門マルチメディア [改訂新版]
おすすめ参考書③:実践マルチメディア [改訂新版]
公式サイトの過去問も解こう
6.基本情報技術者試験にも挑戦してみよう
7.まとめ
マルチメディア検定とは、公益財団法人「画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)」が主催するCG-ARTS検定の中の1つ。
マルチメディア検定の他に「CGクリエイター検定」「Webデザイナー検定」「CGエンジニア検定」「画像処理エンジニア検定」があります。
その中でもマルチメディア検定は、ビジネスで役立つレベルのマルチメディアに関する知識とICT知識を持っていることの証明に繋がります。
そもそもマルチメディアとは「文字」「音声」「動画」「静止画」のような複数の種類の情報をひとまとめにして扱うメディアのことで、複合媒体とも呼ばれています。
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略です。
つまり、パソコンやスマートフォンなど、さまざまな形状のコンピュータを使った情報処理や通信技術の総称だということです。
マルチメディア検定は「ベーシック」と「エキスパート」の2種類があり、検定試験の内容はそれぞれ異なります。
マルチメディア検定「ベーシック」を取得すれば、マルチメディアの活用方法やインターネットを用いたコミュニケーション技術についての基礎知識を有していることの証明になります。
一方、「エキスパート」は ネットワーク技術やコミュニケーション技術、プレゼンテーション技術などマルチメディアに関する専門的な知識を有している証明になります。
マルチメディア検定の資格を有していると、コンピューターやインターネットを活用し、マルチメディア情報を発信している職種で仕事をするのに役立ちます。
資格を取得するには、マルチメディア検定試験に合格しなければなりません。
ここでは、マルチメディア検定試験の試験の詳細や出題範囲、合格率などについて解説しています。
また、難易度や検定への申し込み手順なども紹介しています。
それでは、詳しくみていきましょう。
マルチメディア検定には「ベーシック」と「エキスパート」の2種類の資格があり、認定試験がそれぞれ異なります。
マルチメディア検定試験の詳細について、下表にまとめました。
べーシック |
エキスパート |
|
---|---|---|
試験名 |
マルチメディア検定ベーシック |
マルチメディア検定エキスパート |
試験会場 |
20都道府県で実施 (詳細はこちら) | |
試験日時 |
前期と後期の年2回実施 (詳細はこちら) | |
試験時間 |
60分 |
80分 |
出題形式 |
マークシート方式 | |
問題数 |
10問 | |
合格基準 |
70点(100点満点) (難易度によって多少の変動あり) |
|
受験料 |
5,600円(税込) |
6,700円(税込) |
受験資格 |
なし |
マルチメディア検定の「ベーシック」と「エキスパート」は、同日に試験が行われます。
会場は全国20都道府県あり、所在地から近い会場で受験が可能です。
ただし、各会場ごとの定員数をオーバーした場合は、先着順になるとのことです。
マルチメディア検定は「ベーシック」と「エキスパート」ごとに出題範囲が決まっています。
ここでは、それぞれの出題範囲を紹介しています。
マルチメディア検定の「ベーシック」の出題範囲を、下表にまとめました。
・マルチメディアの特徴
・ディジタル端末
・コンテンツ制作のためのメディア処理
・インターネットと通信
・インターネットで提供されるサービス
・インターネットビジネス
・ディジタルとネットワークで進化するライフスタイル
・社会に広がるマルチメディア
・知的財産権
(引用元:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/multimedia/third.html)
マルチメディア検定の「ベーシック」の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
マルチメディア検定の「エキスパート」の出題範囲を、下表にまとめました。
・人間の知覚とヒューマンコンピュータインタラクション
・マルチメディアの処理技術
・コンピュータのしくみと技術
・ネットワークと通信
・マルチメディアアプリケーションの実現
・インターネットの応用
・社会に広がるマルチメディア
・知的財産権
(引用:https://www.cgarts.or.jp/kentei/about/multimedia/second.html)
マルチメディア検定の「エキスパート」の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
CG-ARTS協会の公式サイトでは、マルチメディア検定の受験者数と合格率を公開しています。
下記に、過去5年間のデータをまとめます。
年度 |
ベーシック |
エキスパート |
||
---|---|---|---|---|
応募者数(人) |
合格率 (%) |
応募者数(人) |
合格率 (%) |
|
2017年度 |
1,903 | 64.50 | 1,087 |
28.80 |
2018年度 |
1,864 | 66.50 | 998 |
26.65 |
2019年度 |
2,018 | 68.55 | 1,120 |
23.55 |
2020年度 |
2,788 | 67.65 | 1,019 |
25.63 |
2021年度 |
2,151 | 66.65 | 988 |
35.60 |
(参照:https://www.cgarts.or.jp/kentei/result/passing.html)
マルチメディア検定の「ベーシック」の合格率の平均は約66.7%で「エキスパート」は約28%です。
「エキスパート」は高難易度ですが「ベーシック」に合格後、段階的に上位資格を目指すとよいでしょう。
その他似たような資格に、基本情報処理技術者試験があります。
基本情報処理技術者試験は情報処理推進機構(IPA)が運用している国家資格で、Webを中心としたプログラミング要素を含むため、マルチメディア検定と比べると難易度は高いです。
1. CG-ARTS Webサイトからインターネット申込み
2. 申込画面から指示される手順に沿って必要事項を入力
3. 受験料の支払い
(クレジットカード決済、コンビニでの払込み、ゆうちょ銀行ATM払い)
4. 検定日と検定会場の予約
※団体受検も可能
マルチメディア検定の申し込み手順の詳細について補足すると「インターネット」や「郵便局」で申し込むことが可能。
郵便局備え付けの「払込取扱票」を使用して、受験料とともに郵便局から申し込みます。
Webサイトから申し込んだ場合は入金確認後に登録したメールアドレスに受付完了メールが届きます。
その後、検定日の約10日前に登録した住所に受験票が送られてきます。
合否発表は、検定日の約30日後にCG-ARTS Webサイトで発表され検定日の約60日後に、登録した住所に合格証が届きます。
複数名の希望者を責任者が取りまとめて申し込めます。
ただし、団体受験には団体をとりまとめて、検定実施センターとの事務連絡を行うことのできる団体責任者がいることが条件です。
マルチメディア検定の有効期限はありません。
取得すれば、定期的に再試験や更新をする必要はありません。
マルチメディア検定の勉強時間は「ベーシック」レベルで約45時間といわれています。
どんな検定でも、合格に必要となる勉強時間は、個々の能力によって変わります。
そのため、何時間勉強すれば必ず合格するということは明言できません。
マルチメディア検定の「ベーシック」の難易度は「中程度」です。
そのため、マルチメディア検定に合格するなら、まとまった勉強時間を確保することは重要。
前述したとおり、ベーシックで情報系の知識をある程度持っている場合は、40〜50時間の勉強時間が必要です。
しかし、知識0から学ぶ場合、80〜100時間が必要となるでしょう。
マルチメディア検定の「ベーシック」取得後「エキスパート」を目指す場合も、さらに40〜50時間は平均勉強時間が必要です。
IT・Web業界で働くのに役立つマルチメディア検定。
資格を取得することで得られる大きなメリットといえば、ICT全体の知識が身に付いたり、ITやWeb系企業の転職・就職に活用できることです。
また、資格手当や報奨金を貰える可能性があることも魅力の1つといえます。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
マルチメディア検定試験に合格するには、ICTの知識も必要となるため、資格取得を目指したことでICT全体の知識が身に付きます。
国際的には、ITよりもICTが広まっており、日本でもITではなくICTが使われています。
例えば、日本政府は、2000年に打ち出した「e-Japan」構想を、2004年に「u-Japan」構想に改正した際、それまではITという用語を使っていました。
しかし、その後はICTに変えています。
ITやWeb系企業では、ICTに関わるサービスの提供を行う企業はすでに増え続けています。
マルチメディア検定の資格を有していれば、そうした企業への大きなアピールポイントとなるでしょう。
特に、マルチメディア関連の技術職やコンテンツ制作会社などへの就職・転職に役立ちます。
また、資格があることで就職・転職先の幅が広がるだけでなく、今よりも高待遇の企業に転職できる可能性もあります。
マルチメディア検定の資格を得たことで、資格手当や資格合格報奨金を貰えるのもメリットの1つです。
企業の中には、取得している資格に対して、手当の支給や報奨金の支給を行っているところがあります。
資格手当とは、業務に活かせる資格を取得した従業員に対して、企業が任意で支給する現金手当での福利厚生のこと。
一方、資格合格報酬金は、企業が指定する資格を取得した時に支払われる奨励金です。
現在勤めている会社に、資格手当や資格合格報酬金の制度があれば、マルチメディア検定の資格を取得したことでそれらが貰えるかもしれません。
この資格手当や資格合格報酬金は、取得した資格の種類や就業規則に則って金額が変わります。
取得すればメリットが多いですが、取得を目指すことでのデメリットもあります。
マルチメディア検定の資格取得には、下記のようなデメリットがあるため、取得を目指すのなら覚悟が必要です。
それぞれ、詳しくみていきましょう。
マルチメディア検定など、資格を取得するには勉強しなければなりません。
そのため、1日にある程度まとまった勉強時間を確保する必要がありますが、そのような状況下では他のことができなくなります。
特に仕事をしながらの場合、貴重な休み時間や睡眠時間を削らなければなりません。
マルチメディア検定の勉強時間は「ベーシック」レベルで約45時間といわれていますが、それだけの時間を確保する必要があります。
資格を有していると、マルチメディア関連の技術職やコンテンツ制作会社などへの就職・転職に役立つという内容で前述しました。
しかし、マルチメディア検定の資格がなくても、就業可能です。
現実的に、マルチメディア検定を必須の資格としている企業はほとんどありません。
仕事をするのに絶対に必要となる資格ではないため、せっかく取得しても役立たないこともあり得ます。
これはマルチメディア検定を含む全ての資格にあてはまることですが、現在様々な資格や試験があります。
自分の目的達成においてどの資格が最適な手段の1つとなり得るのか、確認することをおすすめします。
マルチメディア検定は正答率が7割以上が望ましく、合格するには、毎日の勉強が必要です。
マルチメディア検定に合格するため、テキストやサイトを参考にすることをおすすめします。
ここでは、マルチメディア検定を効率よく対策できるおすすめのテキストとサイトを紹介しています。
・マルチメディア検定エキスパート 公式問題集
・入門マルチメディア [改訂新版]
・実践マルチメディア [改訂新版]
それでは、各テキストやサイトの概要やおすすめするポイントについて、詳しくみていきましょう。
「マルチメディア検定エキスパート 公式問題集」は、画像情報教育振興協会出版でマルチメディア検定公式問題集 編集委員会が著者のテキストです。
これまでのマルチメディア検定での過去問を練習問題として、再編しています。
また、これ1冊で「ベーシック」と「エキスパート」の検定内容を網羅して学ぶことが可能。
収録されている内容は「ベーシック」3回分と「エキスパート」3回分です。
解説・解答が、本冊とは別となっているので、効率よく答え合わせや確認がしやすいでしょう。
「入門マルチメディア [改訂新版]」は、画像情報教育振興協会出版のマルチメディア検定「ベーシック」に対応した参考書です。
デジタル情報のしくみや、社会のデジタル化によるライフスタイルの変化とコミュニケーションのあり方について、初心者にもわかりやすく解説しています。
「実践マルチメディア [改訂新版]」は、画像情報教育振興協会出版のマルチメディア検定「エキスパート」に対応した参考書です。
エキスパート試験を受けるのなら、本書で学ぶことをおすすめします。
マルチメディアやインターネット、セキュリティなどに関する情報リテラシーの基礎知識、マルチメディアを中心とした関連技術を詳しく解説しています。
マルチメディア検定のテキストや問題集の他に、公式サイトの過去問を解くこともおすすめです。
マルチメディア検定の合格を目指すのなら、過去問を解きましょう。
CG-ARTS協会のサイトにて無料で過去問をゲットできるので、ぜひ活用してください。
マルチメディア検定の資格取得のために身に付けた知識は、基本情報技術者の資格試験に役立てることができます。
基本情報技術者は、ITエンジニアの基礎としての一定の知識・技能があることを証明する国家資格です。
取得した場合ITやWeb系企業の転職・就職において多少有利に働く可能性があります。
マルチメディア検定試験に合格したら、次は基本情報技術者試験に挑戦してみましょう。
今回は、マルチメディア検定の試験内容や申し込み手順、おすすめの参考書などについて解説してきました。
マルチメディア検定がどういった資格なのか、また取得するにはどうしたらよいのか、理解できたことでしょう。
マルチメディア検定に合格することは、簡単ではありませんが、しっかりと対策を取れば知識0からスタートしても合格できるでしょう。
ぜひ、マルチメディア検定の資格を取得して、ITやWeb系企業への就職や転職を目指しましょう。
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