フリーランス(個人事業主)が法人化するメリットデメリット|設立の手続きも解説!

起業・開業フリーランス常識

2023.01.05

フリーランス(個人事業主)の中には、そろそろ法人化したい…と考えている人もいるでしょう。
しかし、フリーランス(個人事業主)が法人化するとメリットもありますが、実はデメリットもあります。また、手続きも簡単ではないので、その点は認識しておきましょう。

そこでこの記事では、フリーランス(個人事業主)が法人化するメリット・デメリット、法人化するタイミング、法人化する手続き方法などを解説していきます。
フリーランス(個人事業主)で法人化を検討している人はぜひ確認ください。

 

 

 

1.法人化とは


フリーランス法人関連画像
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フリーランス(個人事業主)が法人化するとは、フリーランス(個人事業主)が株式会社や合同会社などの法人を設立し、その法人の代表取締役などに就任することです。

 

色々なパターンがあるものの、一人だけで活動していたフリーランス(個人事業主)であれば、自分だけが代表取締役に就任して「社員はゼロ人」というケースが多いです。
フリーランス(個人事業主)ではなく法人になることにより、色々ルールが変わります。

 

そのため、その「色々変わるルール」をきちんと理解した上で、法人化するかどうか判断しましょう。

 

 

 

2.フリーランス(個人事業主)が法人化するメリットとデメリット


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フリーランス(個人事業主)が法人化するメリット・デメリットを解説します。

メリットとデメリットをよく比較して、自分にとってメリットが大きかどうか見極めましょう。

 

フリーランス(個人事業主)が法人化するメリット

フリーランス(個人事業主)が法人化するメリットは以下の通りです。

 

節税になる
法人の責任にできる
信用力が上がる

 

フリーランス(個人事業主)が法人化するメリットについて詳しく解説します。

 

節税になる

法人化した方が節税になる可能性があります。そもそもフリーランスの場合は個人事業主なので、個人に対して所得税や住民税が課税されます。

一方、法人化するとフリーランス(個人事業主)とは違う税金である「法人税」が課税されます。

 

そして、ある一定の所得水準であれば、法人税の方が税率は低くなるのです。

その場合は法人化した方が節税できるので、手取りの収益が上がるというメリットがあります。

 

 

法人の責任にできる

法人化すると「法人の責任にできる」点もメリットです。フリーランス(個人事業主)が法人化することで、以下のようなことを個人ではなく法人の責任にできるからです。

 

借入金の滞納
仕入れ先への未払い

 

もちろん上記はあってはならないことです。しかし経営状況が悪化すれば、上記のような事態になる可能性はあります。
そのようなときでも、法人名義にしていて、かつ個人で保証していなければ責任が個人に及ばない点はメリットといえます。

 

 

信用力が上がる

法人化すると信用力が上がる点もメリットです。

たとえば、大手企業の場合はフリーランス(個人事業主)と取引しないケースもあります。

 

また、クレジットカードの作成や金融機関の借り入れは、フリーランス(個人事業主)よりも法人の方が優遇されるケースが多いです。
ここまでで、フリーランス(個人事業主)が法人化するメリットを解説しました。

 

 

フリーランス(個人事業主)が法人化するデメリット

フリーランス(個人事業主)が法人化するデメリットは以下の通りです。

 

・赤字でも課税される
会計処理が面倒
経費計上が制限される

 

フリーランス(個人事業主)が法人化するデメリットについて詳しく解説します。

 

赤字でも課税される

法人化すると赤字でも課税される点はデメリットです。

フリーランス(個人事業主)の場合は赤字になれば所得税や住民税の負担はありません。

 

一方、法人だと赤字でも「法人住民税」が課税されるのです。
法人住民税は小規模法人でも7万円ほどの負担になるため、赤字の状態でその金額を負担するのはデメリットといえます。

 

 

会計処理が面倒

法人化すると会計処理が面倒になる点もデメリットです。

法人化するとフリーランス(個人事業主)よりも会計上のルールが複雑になるので、基本的には税理士や公認会計士に会計処理を委託します。

 

そうなると、税理士や公認会計士へ報酬を支払う必要があるのです。

一方、フリーランス(個人事業主)の場合はそこまで会計処理が複雑ではないので、会計ソフトなどを利用して自分で行う人が多いです。

 

 

経費計上が制限される

法人化すると、交際費の経費計上が制限されるというデメリットもあります。

 

交際費とは、ビジネス上で必要な飲食代の経費です。経費として計上することで利益は減るので、それによって税金も低く抑えられます。
法人の場合は、飲食代を交際費として損金計上して良いのは50%という制限があります。

 

一方、フリーランス(個人事業主)の場合はビジネスに関係のある交際費であれば、全額を経費計上することは可能です。
つまり、法人化すると「交際費の計上に制限がある」という点においては「節税」がしにくいということです。

 

ただし、法人の場合も資本金1億円以下の企業なら、年間800万円まで全額経費として計上可能という点は覚えておきましょう。

 

 

 

3.フリーランス(個人事業主)が法人化するベストなタイミング


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フリーランス(個人事業主)が法人化するベストなタイミングは、「○○のタイミング」のように一概にはいえません。

しかし、目安として利益と売上が以下水準に達したときに、フリーランス(個人事業主)は法人化の検討をすると良いでしょう。

 

・利益が500万円超えたタイミング
・売上が1,000万円超えたタイミング

 

なぜ利益と売上が法人化のタイミングに関係するかというと、上述したように法人化した方が税率が低くなるからです。
ただ、法人化した方が税率が低いのか、フリーランス(個人事業主)のままの方が税率が低いかはケースバイケースです。

 

そのため上記の利益額・売上を目安に認識しておき、詳細は税理士に相談することをおすすめします。
そうすれば、具体的に法人化した方が税率(税額)は低いのかどうかがより具体的な数字で理解できるでしょう。

 

 

 

4.フリーランス(個人事業主)が法人化するための手続き


フリーランス法人関連画像
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フリーランス(個人事業主)が法人化するためには以下の手続きが必要です。

 

会社の基本事項の決定
法人化の必要書類を準備する
株式会社の場合は公証人による定款認証手続き
法務局へ登記申請をする
各種届出を行う(税務関係・社会保険関係)
フリーランス(個人事業主)で得た資産を新会社へ引継ぐ
各種名義の変更(預金通帳・賃貸借契約など)

 

フリーランス(個人事業主)が法人化するための手続きについて詳しく解説します。

 

会社の基本事項の決定

1つ目のステップは、会社の基本事項を決定することです。

 

基本事項とは以下のような項目になります。

会社名
本店の住所
事業内容
資本金
決算月

 

会社名は事前にインターネットで検索しておき、同じ市区町村で名前が被らない方が望ましいです。

 

事業内容は将来行う事業も加味して考えましょう。
また、資本金は1円から可能であり、決算月は会社設立の前月末日にすることが一般的です。

 

 

法人化の必要書類を準備する

2つ目のステップは、法人化の必要書類を準備することです。

 

具体的な必要書類は以下の通りです。

取締役の印鑑証明
定款
会社の実印
決議書
就任承諾書
印鑑届け出書
印鑑カード交付申請書

 

注意点は、登記書類や定款には収入印紙を貼る必要がある点です。

株式会社の場合は定款に4万円、登記書類に15万円の印紙税がかかります。

 

株式会社の場合は公証人による定款認証手続き

3つ目のステップは、公証人による定款認証手続きです。

 

定款認証手続きは公証役場へ行く必要があるので、担当者に連絡して予定を立てておきましょう。
その際に持ち物などを確認するとスムーズです。合同会社を設立する場合、このステップは不要になります。

 

 

法務局へ登記申請をする

4つ目のステップは、法務局へ登記申請することです。

法務局は、「会社の基本事項の決定」で解説した、本店の住所を管轄する法務局になります。

 

登記申請手続きは、司法書士などに数万円程度を支払って依頼することが多いです。

登記は自分で申請することも可能なので、手間と費用を加味した上で司法書士に依頼するか自分で行うか判断しましょう。

 

 

各種届出を行う(税務関係・社会保険関係)

5つ目のステップは、各種届出を行うことです。

 

具体的には、以下に関する届け出を行います。

税務署
役所
年金事務所
労働基準監督署・公共職業安定所

 

税務署で行う手続きは「法人設立届出書」と「青色申告の承認申請書」のような手続きになります。また、役所では「法人設立届出」を提出します。

 

ほかにも、年金事務所は健康保険・厚生年金の新規適用届を提出が必要です。

さらに、法人化して従業員を雇うのであれば、労働基準監督署・公共職業安定所への届出も必要です。

 

 

フリーランス(個人事業主)で得た資産を新会社へ引継ぐ

6つ目のステップは、フリーランス(個人事業主)で得た資産を新会社へ引継ぐことです。

資産とは、売掛金や備品、什器なども含んでいます。また、融資などの負債も一緒に引き継ぎます。

 

引継ぎ方法としては以下3種類です。

現物出資:現物のまま引渡す
売買:法人へ売却する
賃貸借:法人へ賃貸する

 

どの方法を選択するかは、保有している資産額や資産の種類によって異なります。

自分で判断するのは難しいため、税理士に相談した方が良いでしょう。

 

 

各種名義の変更(預金通帳・賃貸借契約など)

7つ目のステップは、各種名義の変更です。

 

具体的には以下の名義変更を行いましょう。

預金通帳
事務所や店舗
駐車場
車両
電話や電気などインフラ全般
借入金
官公庁への届け出書類(個人事業の廃業届など)

 

上記のように、個人名義であり、かつビジネス上は法人名義になるものに関しては名義変更が必要になります。

また、取引先や仕入れ先への挨拶状や、振込先口座の変更も忘れずに告知しましょう。

 

 

 

5.まとめ


このように、フリーランス(個人事業主)が法人化すると、節税になったり信用力が上がったりというメリットがあります。

一方、赤字でも課税される点や経費計上に制限ができる点がデメリットです。

 

これらのメリット・デメリットを加味した上で、フリーランス(個人事業主)から法人化するかどうかの判断をしましょう。

また、最終的にはどの程度節税できるか税理士に相談した方が良いでしょう。

 

 

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