公開日:2021.06.30
更新日:2025.03.24
多様化をつづけるビジネス環境の中では、ITシステムの効果的な活用が成長への必須条件になっていると言えます。
そこで重要だと考えられているのが、ITサービスマネジメント(ITSM)の概念です。
ITサービスマネジメントの進展により、ビジネスの成功を加速させることが期待できるでしょう。
この記事では、ITSMの概要やメリット、ITSMのベストプラクティスをまとめたITILの概要を紹介します。
特に、以下の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・ITサービスマネジメントの導入を検討している方
・ITサービスマネジメントのメリットを知りたい方
・ITILについて基本を知りたい方
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<目次>
1.ITサービスマネジメント(ITSM)とは
2.ITサービスマネジメント(ITSM)の導入のメリット
工数が削減されて業務効率化に繋がる
SLAが向上する
投資対効果が把握できる
3.ベストプラクティスをまとめた
4.まとめ
ITサービスマネジメント(ITSM)とは、組織のビジネス部門が求めるITサービスの安定的供給とITサービスの継続的改善・管理を行うための仕組みです。
従来のシステム部門が担う役割は、システムの開発や管理、運用でした。
しかしビジネスが多様化して必要とされるITシステムの役割も多様化する中で、システム部門はITの専門家としての目線から組織のビジネスを理解し貢献し続けなければなりません。
イメージとしては、従来型のITシステム開発・運用・管理がシステム目線である一方で、ITサービスマネジメントはあくまでもビジネス目線に立った仕組みだと言えるでしょう。
そしてITサービスを自社ビジネスにすぐ活用できる状態で提供し続けるには、ビジネスの状況やビジネス部門の要請を踏まえた改善や管理体制の構築が必要になります。
そこで登場した概念が「ITビジネスマネジメント」であり、その重要性は年々増加していると言えるでしょう。
ITサービスマネジメントを構築するうえでは、以下のポイントが重要になります。
・経営者がITSM構築に主体的かつ深く関わる
・組織全体で横断的に取り組む
・適切な目標とプロセス評価指標の設定・測定・検証
・運用管理プロセスの効率化
ITサービスマネジメントの構築には経営者主導の下でITシステム部門とビジネス部門とが連携をすることが大切です。
例えば、ITシステム部門はただデータをビジネス部門(顧客)に提供するだけでなく、それが自社ビジネスにとってどんな意味を持つのかを分かりやすく表現することが大切でしょう。
この章では、ITサービスマネジメント(ITSM)導入のメリットについてお伝えします。ITサービスマネジメントは、組織活動の様々な面に好影響をもたらします。
ITサービスマネジメントを導入することで、業務工数が削減さて業務効率化につながることが期待できます。
ITサービスマネジメントを導入することでチームが業務プロセスをより詳細に管理できるようになります。
そして詳細な管理によって単純化すべきプロセスが明確になり、業務効率化につながるでしょう。
多様化・複雑化し続けるビジネスに従来の体制のまま応えていくと、ITシステム部門にかかる負荷も増えていってしまいます。
また、ビジネスにITが深くかかわっていくようになるにつれて、システム障害発生時のビジネスに対するインパクトは増大していきます。
そこで重要になるのがITサービスマネジメントであり、業務効率化はビジネス志向でITサービスを提供し続けるためには必須だと言えるでしょう。
また、ITサービマネジメントを進展させていくことは、これまで属人的に行っていた業務プロセスを標準化・自動化することにつながります。
そうすることでこれまで行っていた無駄な作業を無くし、ITシステム部門の業務を効率化させることが可能です。
ITサービスマネジメントを進展させていくことで、SLA(Service Level Agreement)の向上も期待できます。
ITサービス部門のサービス品質を可視化することで、無駄な業務だけでなく低品質なサービスも明らかにすることが可能です。
そして見えてきた低品質なサービスを排除する活動を行うことで、一定以上の品質を保ったITサービスの提供ができるようになるでしょう。
SLAは、ITシステムサービス部門やITインフラ部門の成熟レベルに応じて異なります。
そのため、ITサービスマネジメントの進展によるITシステムサービス部門の成熟は、直接的にSLAの向上に寄与すると言えます。
ITサービスマネジメントによってSLAの登録更新情報の共有をすすめたり、SLA違反の監視体制を高めたりすることで、SLAに関する問題の多くが解決すると言えます。
ITサービスマネジメントとSLAの結びつきは非常に強いと言えます。
業務に必要となるプロセスとプロダクト(ツール)、そしてヒトの問題をITサービスマネジメントの観点から改善していくことで、SLAの向上につなげましょう。
ITサービスマネジメントによって、投資対効果の把握が可能になります。
業務プロセスを可視化することで、費用対効果の分析が可能になるでしょう。
プロセスの変更によって、時間とコストが削減されるか否かの推定にかかる時間が省略できます。
投資対効果の算出式は「利益増加額/投資額×100(%)」と定義できますが、ITサービスの場合は投資に対する効果を数値化することが非常に難しいと言えます。
そのため、ITサービスマネジメントによって「投資しない場合の負の効果がどれだけあるのか」を定量的に示す姿勢が大切です。
顧客別やサービス別、活動別にコストを把握・整理することで、投資対効果の分析が可能になるでしょう。
組織のビジネス活動において、本当に必要なのはコストの削減ではありません。
本当に重要なのは投資したコストに対してどれだけの成果が望めるのかを正確に把握することです。
ITサービスマネジメントによって投資対効果を把握できるようになれば、ITへの過剰投資や不必要なコスト削減策によりビジネスの成長が妨げられることを避けられるでしょう。
ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめたガイドラインが、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)です。
ITILはイギリス政府によって1989年に刊行されました。
その後2011年に改定され、2019年には最新バージョンの「ITIL 4 Foundation」が書籍化されています。
現在の主流となっているのは1999年から2004年にかけてリリースされたバージョン2です。
ITILには、サービスライフサイクルと呼ばれる、以下5つのプロセスがあります。
・サービス・ストラテジ
ITサービスの戦略立案に関するカテゴリーです。ビジネスを展開する領域やビジネスに必要となるリソースをいかにそろえるかなどを検討します。
・サービス・デザイン
戦略を実現するカテゴリーです。投資対効果や顧客満足度を意識し、ITサービスを設計します。
・サービス・トランジション
ここまでで設計したITサービスを、本番環境に移行していくカテゴリーです。計画の立案やサービス資産の管理、ナレッジ管理を行います。
・サービス・オペレーション
実際にサービスを提供し、サービスの品質を管理するカテゴリーです。インシデント管理と要求実現、イベント管理、アクセス管理、問題管理の5プロセスで管理されます。
・継続的なサービス改善
他の4カテゴリー全ての段階で行われます。ITサービスの継続的な改善について解説します。
ITILではITサービスに関する業務プロセスや考え方が国際的な知識形態や共通言語でまとめられているため、市場への対応力や投資対効果の向上などが見込めるでしょう。
ITサービスマネジメントとは、組織のビジネス部門が求めるITサービスの安定的供給とITサービスの継続的改善・管理を行うための仕組みのことです。
ITサービスマネジメントを推進することで業務効率化やSLAの向上、投資対効果の把握などを進めることが期待できます。
ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスをまとめたガイドラインはITILと呼ばれており、利用することで市場への対抗力や投資対効果の向上などが見込めるでしょう。
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