公開日:2023.12.01
更新日:2025.03.24
インターネットが普及している昨今、クラウドを導入し、その利便性の高さを実感している企業が増えてきています。クラウドを活用すればHDDやソフトウェアがなくてもデータを保存できるため、ネット環境があれば場所を問わずにデータにアクセスできるだけでなく、紛失リスクも抑えられます。またグループウェアやメール機能、データ分析機能などを手軽に利用することができるサービスもあります。
クラウドサービスを提供している事業者はクラウドベンダーと称されますが、クラウドベンダーは数多く存在し、国内企業だけでなく、海外企業もあります。ベンダーによって提供しているサービスの特長や料金などに違いがあるため、利用の際は自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。
本記事ではクラウドベンダーの定義やクラウドの種類、クラウドサービスについて押さえた上で、国内外の主要なクラウドベンダーを紹介していきます。
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<目次>
1.クラウドベンダーの定義
2.クラウドの種類
パブリッククラウド
プライベートクラウド
ハイブリットクラウド
マルチクラウド
3.クラウドサービス
IaaS
PaaS
SaaS
4.主要な海外クラウドベンダー
AWS(Amazon)
Azure(Microsoft)
GCP(Google)
IBM Cloud(IBM)
Alibaba Cloud(Alibaba)
5.主要な国内クラウドベンダー
ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ)
さくらのクラウド(さくらインターネット)
6.まとめ
クラウドベンダーとはクラウドサービスを提供している事業者のことです。
利用者はクラウドベンダーと契約することで、クラウドベンダーが提供するサーバー、ストレージ、ネットワークなどをオープンな環境で利用できます。
近年においてクラウドサービスの市場は急速に拡大しており、多くの企業がDXの一貫として自社にクラウドを導入しています。
クラウドがあればソフトウェアやUSBメモリなどを使用せずにサービスを利用できるため手軽である他、災害時のデータ紛失リスクも抑えられます。
クラウドと一口でいってもクラウドにはいくつかの種類があります。
それぞれ対象としている人やサービス内容、セキュリティの強度などが異なりますので、導入の際は各クラウドの特徴を押さえておくのが重要です。
クラウドの主な種類として以下4つが挙げられます。
・パブリッククラウド
・プライベートクラウド
・ハイブリットクラウド
・マルチクラウド
パブリッククラウドはクラウド環境の中でも誰もがインターネット上でアクセスでき、利用できるようにしたものです。
そのため企業のみならず、一般ユーザーもサービスを利用できます。
パブリッククラウドではクラウドサービスの提供元が大規模に運用するサーバコンピュータや記憶装置などの資源を必要な分だけ利用できます。
そのため多くのリソースを利用したい人だけでなく、小規模な利用をしたい個人も問題なく利用できるのです。
自分で機材を用意するのに比べて、低コスト、かつ手軽にシステムを展開できるのもパブリッククラウドの強みとなっています。
プライベートクラウドとは企業が自社内でクラウド環境の構築を行って、各部署や提携企業などにクラウドを提供する形態のことです。
前述のパブリッククラウドがオープンに開かれているのに対し、プライベートクラウドは指定された環境からのみしかアクセスできません。
そのため強固なセキュリティを実現できる他、不正アクセスなどのリスクを下げることができます。
また自社でシステムの設計や管理を行えるため、自社の使用用途に合った設計を実現できるだけでなく、セキュリティ面では独自のセキュリティポリシーを適用できます。
ハイブリッドクラウドとはパブリッククラウド、プライベートクラウドの他、物理サーバーなど複数のサービスを組み合わせたクラウドのことです。
異なる特長があるクラウドを組み合わせることでそれぞれのメリットを活かし、不足している点を補い合うことができます。
またハイブリッドクラウドでは秘密性の高い情報と秘密性の低い情報でサーバーを使い分けることも可能です。
例えば顧客情報や自社の経営に関する重要な情報はプライベートクラウドや物理サーバーで管理し、日常的に記入する営業日報などはパブリッククラウドで管理することもできます。
近年ではパブリッククラウド、もしくはプライベートクラウドのいずれかを導入するのではなく、状況によって組み合わせられるハイブリッドクラウドを導入する企業が増えています。
マルチクラウドとは複数のクラウドサービスを組み合わせ、ベストな環境で運用するクラウドのことです。
複数のクラウドを組み合わせるという点ではハイブリッドクラウドと共通していますが、ハイブリッドクラウドは特定のアプリケーションの運用においてプライベートクラウドとパブリッククラウドの活用を行います。
一方でマルチクラウドは複数のベンダーが提供を行うさまざまなクラウドベースのサービスを利用します。
マルチクラウドは複数のベンダーのサービスを併用できるためカスタマイズの実現性が高い他、ベンダーへの依存を抑えることもできます。
ただし複数のベンダーのサービスを利用するため運用が煩雑になりがちですので、場合によっては管理が負担に感じるようなこともあるでしょう。
クラウドサービスとはインターネットに接続して利用するサービスのことです。
サービスによってソフトウェアやプラットフォームなど提供するものはそれぞれ異なります。
クラウドサービスの主な種類として以下3つが挙げられます。
・IaaS
・PaaS
・SaaS
IaaSとはInfrastructure as a Serviceの略語で、仮想サーバーやネットワークといつたインフラをインターネットを経由して提供しているサービスのことです。
IaaSはインフラのシステムの基盤部分の機能をネットワーク経由で利用できるため、自分で保有する必要はありません。
パソコン本体のOSなどのインストール前の中枢となる機能に限って使用できるといったイメージです。
自社でインフラを保有し、管理するよりもIaaSを活用する方がコストを抑えられる傾向にあります。
従量課金制のクラウドを選択すれば、実際に利用した分のみの費用が発生します。
使わなかった時期には費用が発生しないためコスト削減にもつながります。
またIaaSはカスタマイズなどの自由度が高いため、自社のニーズに合わせた使い方ができます。
PaaSはPlatform as a Serviceの略語で、サービスとしてのプラットフォームという意味があります。
アプリケーションの開発や稼働を行うためのプラットフォーム機能をネットワーク上で利用できます。
前述のIaaSはインフラ機能のみしか基本的に利用できませんが、PaaSはインフラ機能に加えてミドルウェアやOSなどがインストール済みのプログラムを利用できる環境を得られます。
環境構築はIaasと比べて劣るものの、環境開発は最初から整備されているため構築における各種コストを抑えることができます。
SaaSはSoftware as a Serviceの略語で、日本語ではサービスとしてのソフトウェアといった意味があります。
SaaSでは文章作成やメールなどといったソフトウェア・アプリケーション機能の利用が可能です。
SaaSは従来はパッケージ製品として提供していたソフトウェアをインターネット上でサービスの提供を行うようにしたものです。
アプリケーションは始めから組み込まれているためアプリケーションをすぐに利用できます。
SaaSのメリットとして環境構築を行う必要がなく、誰でも手軽に利用できる点を挙げられます。
一方、カスタマイズの柔軟性に欠ける点はデメリットになります。
クラウドベンダーは数多く存在するためどのベンダーが提供するサービスを利用しようかと悩まれている方もいるのではないでしょうか。
主要な海外クラウドベンダーとして以下5つが挙げられます。
・AWS(Amazon)
・Azure(Microsoft)
・GCP(Google)
・IBM Cloud(IBM)
・Alibaba Cloud(Alibaba)
AWSはAmazonが提供するクラウドサービスで、クラウド市場の中でも歴史が長く、データや分析などさまざまなサービスを提供しています。
また拡張性に優れているため自社のニーズに合わせてカスタマイズすることも可能です。
強固なセキュリティも特長で、AWSがセキュリティやコンプライアンス上の統制を実装するにとどまらず、オートメーション・システムの構築を行い、第三者監査によるセキュリティなどの検証を実施しています。
また世界でも多く利用されているサービスのため、AWSを利用するにあたって参考にできる資料や対応できる人材も豊富です。
AzureとはMicrosoftが提供するクラウドサービスで、WindowsやMicrosoftOfficeといったMicrosoft製品との親和性の高さが特長です。
Microsoft製品を社内で使っている企業であれば導入もスムーズに行えます。
Azureを導入することで強大なネットワークを世界各国で利用できる他、データを手軽、かつ安全に管理できます。
またAzureの利用にあたってオンプレミスですでに利用しているライセンスが適用されるため、コスト面でのメリットも実感できるはずです。
GCPとはGoogleが提供するクラウドサービスで、システム開発や運用で利用できる機能が充実しています。
GCPを導入することでビッグデータの解析やアプリの作成・実行・管理、ストレージ、大容量データの取得・分析などを利用できます。
またさまざまなサービスが充実しているGCPですが、料金のお得さも特長です。
月間使用量に基づいた従量課金制となっていますのですので、サービスを無駄なく利用できます。
IBM CloudとはIBMがベンダーとして展開するクラウドサービスです。
安定した処理環境に加えてストレージ技術を誇り、データ分析にも利用できます。
IBM Cloudは既存のオンプレミス環境と併用することも可能です。
オンプレミス環境とクラウド環境を併用させることで、自社にとってベストな構成を選択できます。
また料金形態は従量課金制となるため無駄なく利用できる点がメリットである他、一部の機能は無料で使えます。
AlibabaCloudはアリババ・グループが提供を行っているクラウドサービスです。
Alibaba Cloudは大規模のECサイトや支払いシステム技術、強固なセキュリティを誇るインフラ基盤が特長となっています。
また日本語にも対応しているため、言語について不安に思うことなく利用できます。
そしてこのクラウドサービスは中国を含むアジア圏でのビジネスを検討している事業主の方には特におすすめです。
Alibaba Cloudでは中国でWebサイトを展開するにあたって不可欠であるICPライセンスの取得やICPの登録などの申請を代行をしてくれます。
そのため中国に事業を進出させたい方も負担を抑えられます。
クラウドベンダーは海外の事業者だけではなく、国内の事業者もあります。
主要な国内クラウドベンダーとして以下の2つが挙げられます。
・ニフクラ(富士通クラウドテクノロジーズ)
・さくらのクラウド(さくらインターネット)
ニフクラはクラウドサーバー構築サービスで、富士通クラウドテクノロジーズが提供しています。
ニフクラは仮想化ソフトウェアのメーカーとしてトップクラスのVMwarevSphereをベースとしたクラウドです。
そのため社内のサーバーをVMwareのソフトウェアで仮想化していた企業はクラウド移行をより容易に行えます。
ニフクラで採用されているコントロールパネルはサーバーやディスクの管理のみならず、パフォーマンスの監視や利用状況などの確認、さらには利用料金の管理も一括で行えます。
さくらのクラウドはさくらインターネット株式会社が提供しているサービスです。
このクラウドは国内拠点にサーバーが設置されており、サポートも国内で実施しているため安心感があります。
複数拠点に環境を構築できるため災害・障害に備えることもできます。
またさくらのクラウドは全95種類の中から自社にとってベストなクラウドサーバーの構築が可能です。
コストパフォーマンスの高さも特長となっており、データ転送量が無料である他、サーバー停止時は課金されないため想定外の出費もありません。
本記事で見てきたようにクラウドベンダーとはクラウドサービスを提供している事業者のことです。
クラウドベンダーと契約することでデータをクラウド内で保存できるようになる他、分析やアプリの作成などさまざまあ機能を利用できます。
クラウドベンダーを提供している企業は多くあるため、利用目的や料金、サポート体制などを考慮しながら、自社にとってベストなクラウドベンダーを探してみてください。
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