個人事業税は業種によって変わる?個人事業税を正しく理解しましょう!

税金フリーランス常識

2022.03.02

近年では人々の意識の変化やテクノロジーの進歩により、働き方の種類が多様化しています。その中でフリーランスを選択する方も多くなっているのですが、個人事業主として活動する際には個人事業税の存在に気を付けなければなりません。

今回は、個人事業税の概要や個人事業税額の算出方法、個人事業税の対象業種や個人事業税率について解説します。


特に、以下の方にこの記事をご一読していただきたいです。

・個人事業主になることを検討しており、税金に関して漠然とした不安を抱えている方
・個人事業税の算出方法を知りたい方
・自分が個人事業税の課税対象か否かを確認したい方
・個人事業税の税率を知りたい方

 

 

 

1.そもそも個人事業税とは 


個人事業主業種関連画像
個人事業主業種関連画像

個人事業税とは、個人の方が行っている事業の内で、地方税法等であらかじめ定められた事業に対して課税される税金のことです。

そのため、個人事業税を納める際は国ではなく、各都道府県です。事業に対する税金であり、住んでいる場所ではなく事務所・事業所が存在する都道府県に納税します。

 

個人事業税はすべての個人事業主が治める税金ではなく、あくまでも法定業種に該当する方だけが課税対象です。

個人事業税の課税対象は全部で70種類あり、非常に幅広い事業が課税対象になっています。

 

また、年間の所得金額が290万円を超えない方も課税対象外となっており、この場合は法定事業を営んでいても納税の義務を免れます。

法定業種に該当する方は毎年3月15日までに前年1年間の事業所得等を税事務所に申告する必要があります。

 

ただし、所得税の確定申告や住民税の申告をした場合は、あらためて個人事業税の申告は必要ありません。

もし年の途中で事業を廃止した場合は所得税の確定申告・住民税の申告とは別途、廃業日から1ヶ月以内に個人事業税の申告をする必要があります。

 

 

 

2.個人事業税の算出方法


個人事業主業種関連画像
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個人事業税の算出方法は、以下の通りです。

 

<個人事業税額>
(事業所得+所得税の事業専従者給与(控除)額ー個人の事業税の事業専従者給与(控除)額+青色申告特別控除額ー事業主控除ー各種控除)×税率

 

事業所得

事業の総収入金額から必要経費と青色申告特別控除額を差し引いた金額です。

 

事業専従者給与(控除額)

青色申告の場合は給与支払額であり、白色申告の場合は配偶者が86万円、その他は1人当たり50万円です。

 

青色申告特別控除額

個人事業税では青色申告特別控除がありません。

そのため、控除額は所得金額に上乗せされます。

 

事業主控除

290万円で固定されています。もし営業期間が1年未満の場合、月割で算出します。

また所得税・住民税・事業税のいずれかを一定期限内に毎年申告している場合は、繰り越し控除も適用されます。

 

<事業主控除の月割額>

 

事業月数 事業主控除額
1ヶ月 24万2,000円
2ヶ月 48万4,000円
3ヶ月 72万5,000円
4ヶ月 96万7,000円
5ヶ月 120万9,000円
6ヶ月 145万円
7ヶ月 169万2,000円
8ヶ月 193万4,000円
9ヶ月 217万5,000円
10ヶ月 241万7,000円
11ヶ月 265万9,000円
12ヶ月 290万円

出典:東京都主税局HP

 

個人事業税は住民税と同様に確定申告を行うことで計算され、後日納税通知書が送られてきます。

自分で計算をする必要はありませんが、算出方法を理解しておくことで翌年の個人事業税の見通しが立てられるでしょう。

 

また、個人事業税は事業に対して課される税金であるため、所得税や住民税とは異なり経費として扱えます。

そのため個人事業税を納税した場合、翌年の確定申告時には申告を洩らさないようにしましょう。

 

 

 

3.個人事業税率は業種によって変わる


個人事業主業種関連画像
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先程の章で紹介した個人事業税の算出方法の内、個人事業税率は業種によって変わります。

そのためこの章では、個人事業税における業種区分をお伝えします。

 

第1種事業

第1種事業にかけられる個人事業税率は5%であり、以下の37業種が当てはまります。

 

物品販売業 運送取扱業 料理店業 遊覧所業
保険業 船舶定係場業 飲食店業 商品取引業
金銭貸付業 倉庫業 周旋業 不動産売買業
物品貸付業 駐車場業 代理業 広告業
不動産貸付業 請負業 仲立業 興信所業
製造業 印刷業 問屋業 案内業
電気供給業 出版業 両替業 冠婚葬祭業
土石採取業 写真業 公衆浴場業(蒸し風呂等)  
電気通信事業 席貸業 演劇興行業  
運送業 旅館業 遊戯場業  

 

<第1種事業の税額計算例>

青色申告特別控除前で所得金額が400万円、専従者給与(控除)がない場合

個人事業税=(所得金額400万円ー事業主控除290万円)×税率5%

=5万5,000円

 

 

第2種事業

第2種事業にかけられる個人事業税率は4%であり、以下の3業種が当てはまります。

 

畜産業 水産業 薪炭製造業

 

<第2種事業の税額計算例>

青色申告特別控除前で所得金額が400万円、専従者給与(控除)がない場合

個人事業税=(所得金額400万円ー事業主控除290万円)×税率4%

=4万4,000円

 

 

第3種事業

第3種事業は30種あり、業種によって個人事業税率は5%と3%の2種類があります。

以下の業種は、個人事業税率が5%です。

 

医業 公証人業 設計監督者業 公衆浴場業(銭湯)
歯科医業 弁理士業 不動産鑑定業 歯科衛生士業
薬剤師業 税理士業 デザイン業 歯科技工士業
獣医業 公認会計士業 諸芸師匠業 測量士業
弁護士業 計理士業 理容業 土地家屋調査士業
司法書士業 社会保険労務士業 美容業 海事代理士業
行政書士業 コンサルタント業 クリーニング業 印刷製版業/td>

 

一方で、以下の業種は個人事業税が3%です。

 

あんま・マッサージ又は指圧・はり・給・柔道整復その他の医業に類する事業
装蹄師業

 

 

<第3種事業の税額計算例>

医業の場合

青色申告特別控除前で所得金額が400万円、専従者給与(控除)がない場合

個人事業税=(所得金額400万円ー事業主控除290万円)×税率5%

=5万5,000円

 

 

装蹄師業の場合

青色申告特別控除前で所得金額が400万円、専従者給与(控除)がない場合

個人事業税=(所得金額400万円ー事業主控除290万円)×税率3%

=3万3,000円

 

 

上記以外

これまでに紹介した70種の法定業種に該当しない事業者の場合は、個人事業税の対象外になります。

現時点では、以下のような業種には個人事業税が課税されません。

 

文筆業
執筆業
ライター業
コーディング業(エンジニアやプログラマー等)

 

上記以外にも様々な事業が考えられ、これらの業種を中心に行っている個人事業主は所得金額の高低に関わらず個人事業税の課税対象外です。

ただし、契約形態が「業務委託契約」や「準委任契約」ではなく「請負契約」である場合、業種は請負業だと判断され個人事業税の対象になる点には注意しましょう。

 

また、業務内容によっては課税対象外の事業を行っていても課税対象だと判断される可能性があります。

あくまでも最終の判断は管轄の税務署が行いますので注意しましょう。

 

判断が微妙になるケースなどでは、各都道府県の税事務所から個人事業税の対象者か否かを判断するための書類が送付されることもあります。

事実の通りに記載すれば良いのですが、非課税事業者なのに誤って課税対象と判断されないように気を付けなくてはなりません。

 

 

 

4.まとめ


個人事業税とは個人の方が行っている事業の内、地方税法等で定められた事業に対して課税される税金のことです。

個人事業税は事業所得に青色申告控除額や専従者控除額などを足し、事業税控除や各種控除を差し引いたうえで税率をかけて計算します。

 

個人事業税率は業種によって異なり、業種によっては課税対象外になることもあるため確認しておきましょう。

個人事業税は基本的に、毎年の確定申告を行うことで各都道府県の税事務所が算出してくれます。しかし基本的な算出方法を把握しておき、課税対象か否かや課税額の目処をつけておくことをおすすめします。

 

 

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