公開日:2021.05.12
更新日:2025.03.24
GitHub(ギットハブ)は、日本だけでなく世界中の開発者にとって欠かせない存在となった、Microsoft社傘下のWebサービスです。
企業のプロジェクト開発や管理に使えるだけではなく、転職活動においても活用されることが多くなりました。
実際にエンジニア転職において「GitHubの技術は必要になるのか?」と疑問に思う人も少なくありません。
当記事ではGitHubとGitの概要やGitHubと転職市場の関係、GitHubを利用するメリット・デメリットなどを解説します。
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<目次>
1.Githubとは?
GitHubとGitとの違い
2.Githubはエンジニア転職に必要?
3.Githubを使った転職のメリット
転職時、実績を評価してもらえる
エンジニアとしての技術スキルを把握してもらえる
4.Githubを使った転職のデメリット
5.GitHubの注意点
情報漏洩に注意
成果物をある程度作り込む必要がある
6.まとめ
「GitHub」とは、ソースコードのバージョンについて「いつ」「誰が」「どこを編集したのか」などの情報を記録する「Git」の情報をまとめたオープンソースコミュニティです。
Gitのリポジトリ(ファイル・ディレクトリの状態を保存するスペース)を、クラウドを通じて世界中のエンジニアや技術者と共有できます。
具体的にはGitを用いてローカル環境(個人のパソコン等)に保存したリポジトリを、クラウド環境に存在するリモートリポジトリへアップデートします(プッシュ)。
機能は次のとおりです。
・自分のソースコードをクラウド上で公開できる
・公開中のソースコードを世界中の人が自由にチェックできる
・フォークを使い公開中のソースコードに修正を加えられる
・修正したコードのオリジナルへの反映をリクエストできる「プルリクエスト」ができる
・コミュニティスペースで質問や会話ができる
・公開ソースコードにレビューをつけられる
・プライベートリポジトリでアクセスできるユーザーを制限できる
・プロジェクトの管理機能が使える など
GitHubは無料で利用可能です。
有料プランを利用すれば、企業や組織でのソフトウェア開発により適したGB数やセキュリティ機能を使えます。
2019年時点では1億のリポジトリをホスティング、4,000万人の開発者が利用、利用企業210万組織以上が利用しているサービスです。
また2021年12月時点では7,300万人以上のユーザー、日本市場では170万人のユーザー数、Fortune100企業の84%が利用しており世界中で活用されていることがわかります。
日本の開発現場でも広く使われており、求人に記載がある「必須スキル」や「推奨スキル」として、このGitHubの経験が挙げられているケースも少なくありません。
GitHubは「Git」と呼ばれる分散型バージョン管理システムを、世界中に共有できるようにしたサービスです。「Gitをハブ(収集)する」というイメージになります。
Gitを利用することで、プロジェクトや個人で作成したファイル・ディレクトリの変更履歴を残しながらローカル環境に保存可能です。
ソースコードだけでなく、EXCELファイルや画像データなどにも対応しています。
Gitを利用するメリットは次のとおりです。
・履歴の流れを分岐して記録できる「ブランチ」によって、1つのソフトウェアに関して機能追加やバグ修正を並行して行える
・異常が発生したときにソースコードのロールバック(異常発生前のデータやプログラムに書き戻す)が簡略化できる
・修正履歴整理によるログの残しが簡略化できる
・集中型バージョン管理と違いオフラインで作業できる など
結論から言えば、エンジニア転職においてGitHubの経験やスキルが必要かどうかは企業によります。
求職者のGitHub情報を採用に反映させる「GitHub採用」を実施する企業もあれば、逆に有無は問わない企業もあります。
企業の規模や従業員の人数、開発環境次第です。
またエンジニアのポートフォリオとしてGitHubアカウントを所持しているかどうかも、重視するかどうかは企業次第としか言えません。
まず大企業の場合はGitHubの有無は重視しない傾向が見られます。
大企業がエンジニアを採用する際は、即戦力をすぐに求めているというより、ポテンシャルや将来的な成長を視野に入れたケースが多いためです。
十分な人員を新人と一緒に配属させ、プロジェクトを進行させながら教育を行います。
そのためすぐにGitHubの経験やスキルが必要という状況は少なく、採用時に重視することもあまり多くありません。
一方、中小企業やベンチャー企業、Slerなどで即戦力を求めた採用を行っている場合はGitHubについての経験やスキルの有無はもちろん、「GitHubアカウントで公開しているソースコードのレベル」を見るケースが多いです。
フリーランススタートの2021年5月時点での求人では、GitHubを含めたスキルが必要な約600件の求人、平均単価71.5万円、最高単価150万円となっていました。
求人傾向を見てみると、GitHubの経験やスキルを「必須スキル」として掲げる求人も存在します。
しかしGitHubはあくまで副次的なものであり、直接採用にかかわるのはプログラミング言語スキルや制作実績、マネジメントスキルなです。
以上のことからGitHub単体の経験やスキルで内定は確定しないものの、武器の1つになると考えられます。
ここからは具体的に、GitHubを使った転職のメリットをみていきましょう。
自分のGitHubで公開しているソースコードを採用担当に見せることで、GitHubを使用できる証明になったり、制作経験として掲示できたりなど、実績として評価してもらえます。
エンジニア経験があれば、このGitHubアカウントを作り込んでいるほど有利になるでしょう。
未経験の場合でも、GitHubアカウントでソースコードを公開していることで、「意欲や勉強への取り組みがしっかりしているな」と企業の採用担当者に好印象を与えられます。
実際にFindyといった転職サービスでは、GitHubのアカウントと連携することで年収やスキルを可視化できたり、GitHubの内容を確認した企業からスカウトが届いたりします。
転職時の実績評価の基準として、GitHubアカウントの利用は有効といえるでしょう。
前述のとおり、GitHubの内容を採用側に見てもらうことで、エンジニアとしての基本的な能力をアピールできます。
具体的には次のとおりです。
・使用できるプログラミング言語の種類
・プログラミングの技術レベル
・これまでの制作物の実績 など
即戦力性を求めている企業にはもちろんのこと、エンジニア育成に力を入れている企業へのアピールにもなります。
実際にエンジニアの採用現場では「GitHub採用」というものがあり、GitHubをポートフォリオや職務経歴書・履歴書の代わりとしてチェックする企業も存在します。
GitHub採用を取り入れている企業は、先進的な事業や成果を重要視するベンチャー企業やIT企業です。主に「技術志向」である傾向が見られます。
具体的にはメルカリやソニックムーブといった企業です。過去にはサイバーエージェントもGitHub採用を行っていました。
GitHubを使った使った転職のデメリットとしては、GitHubでの公開内容によっては企業にマイナスイメージを与えるという点です。
例えばエンジニア経験があるのに公開ソースコードのレベルが低いと、「本当に経験者なのか」「採用しても使い物にならないのではないか」と疑われるかもしれません。
またGitHubアカウントを定期的に更新していない場合は、「参考データが古すぎる」「技術を向上させようという意欲が見られない」とマイナスに評価されることもあります。
例えば1年以上更新していないときは、心象的にマイナス評価になりがちです。
しかしエンジニアとしての技術レベルを正確に把握してもらえるので、転職先企業の業務内容とのミスマッチが起こりにくくなるともいえます。
GitHubを日常的に使ったり転職時に利用したりするときは、情報漏洩やGitHubの作り込みの点で注意しましょう。
GitHubは登録すれば誰でもソースコードを挙げられるため、企業が非公開としているソースコードや受注先のデータを、個人の判断や不注意などで簡単に公開できてしまいます。
情報漏洩には注意しましょう。実際に大きな事件につながったケースがあります。
例えば2021年1月29日に発生した、大手銀行のシステムに関するソースコードが流出した件です。
仕事を受注した下請けのエンジニアが、前述したような年収診断サービスを活用するために無断でアップロードしたとのことです。
また2019年7月には、セブン&アイホールディングスのオムニ7アプリのソースコードが流出しました。
このようにGitHubは誰でも簡単に重要機密を全世界に公開できます。情報漏えいの危険が常に付きまとうサービスです。
もし自分の実績として利用する場合、権利関係を確認せずに使ったり他人ソースコードを盗用したりなどは絶対に避けましょう。
また逆も然りで自分が開発したソースコードを他人に流用/盗用されない様に十分に気をつけましょう。
GitHubを転職活動で利用したい場合はポートフォリオの代わりになると考えると、ある程度しっかり作り込む必要があります。
具体的な注意点は次のとおりです。
・1ヶ月以上の工数をかけたボリュームや作り込みがわかるもの
・多くのスターやレビューがつくリポジトリであるもの
・直近での更新が続き、継続的にコーディングしていることがわかるもの
業務や請負仕事で作成したものについて承諾が得られなかった場合は、オリジナルのソースコードを公開することになります。
相手に見せることや実用性を考慮した公開物に仕上げておきましょう。
GitHubのスキルや経験、またGitHubで公開したソースコードは、エンジニアの技術・実績を証明するために使えます。
今回の記事をまとめると次のとおりです。
・GitHubは世界中にソースコードを無料で公開・共有できるサービスである
・企業によってGitHubの有無を採用選考時に重視する
・エンジニアとしての技術や経験をアピールするポートフォリオの代わりにできる
・作り込み次第ではマイナスイメージになり得る
・情報漏洩に注意し、転職活動には積極的に利用する
GitHubをうまく利用することで、転職活動を有利に進められます。
また公開しなくても個人的な技術見直しや開発への応用にも使えるので、アカウントを持っていて損はありません。
もしGitHubの利用やGitHubを使い転職を検討している場合は、ぜひ一度触ってみてはいかがでしょうか。
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