2022.06.10
新規事業のシステム開発で行うこともある要件定義と要求定義。
言葉が似ており、内容的にも同じところがあるため、同じように捉えている方もいることでしょう。
言葉は似ていますが、要件定義と要求定義の意味は、それぞれに異なります。
システムの開発やWeb制作にかかわるのであれば、これら2つの違いは正しく理解しておかなければなりません。
本記事では、要件定義と要求定義の意味や違いなどについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
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システム開発の要件定義とは、技術者がシステムを構築するために定義する仕様のこと。
一方、要求定義とは非技術者が技術者に対してシステムに求める仕様の定義を指します。
システム開発における要件定義と要求定義の意味は、業務を遂行するうえで仕様を定義する点でいえば同義です。
要件定義と要求定義の意味が分かりにくい方もいるかと思いますが、まずは「要件」と「要求」意味から理解しておくと、その違いが分かるでしょう。
・要件:大切な用事、必要な条件
・要求:必要とすること、必要なこととして相手に強く求めること
つまり、要件とは、ある物事を成り立たせるために欠かせない重要な条件という意味。
ちなみに、要件と同じ読みをし、似たような意味をもつ言葉に「用件」がありますが、こちらは「なすべき仕事」という意味を持ちます。
そして、要求とは、必要もしくは当然なこととして相手に強く求めるという意味。
つまり、必要とすることという意味として捉えることができます。
さらに、定義には、下記のような意味があります。
・物事の意味や内容をほかと区別できるように、言葉で明確に限定すること
・論理学で、概念の内包を明瞭にしその外延を確定すること
一般的には、ある事柄や言葉の内容について、はっきり説明できるようにすることを定義と読んでいます。
要件定義と要求定義の意味が理解できたところで、それぞれの違いについて、さらに詳しく解説していきます。
システム開発では、システムを構築するために定義する仕様のことを要件定義。
そして、システムに求める仕様の定義を要求定義であることは理解できたことでしょう。
もう少し簡単に説明すると、要求定義は、システムの依頼主が求めている物事をエンジニアにはっきり説明できるようにすることです。
システム開発の現場では、まず要求定義を受けてから要件定義を実施します。
その理由は、要件定義を実現するために、要求定義で必要なことをはっきり説明できるようにするため。
つまり、要件定義と要求定義は、システム開発の現場においてそれぞれに異なった意味を持つということです。
要件定義を行う場合、「要件定義書」を作成して、実現するために必要なことを文章にまとめるのが一般的な方法です。
ただし実現するために必要なことは複数あり、そのなかに含まれる要件も複数存在していることも珍しくありません。
そのため要件定義書を作成する際は、まず機能要件と非機能要件を定義することを念頭におきましょう。
ここではさらに掘り下げて、主にシステムやソフトウェア開発・サーバ設計・ネットワーク設計・Web制作などでの「要件定義書」の作成時に定義する4つのポイントをまとめました。
・機能要件
・非機能要件
・インフラ要件
・サイト要件
それぞれのポイントについて、詳しくみていきましょう。
機能要件とは、システムやWebを制作するのに、実装・搭載すべき機能、満たすべき性能などに関する要件のこと。
例えば、「何を目的としているのか」「その目的のためには何ができないと困るのか」など、そのシステムの主な目的と満たすべき要件を指します。
非機能要件は、実装される要件のうち機能以外の部分を指します。
簡単に説明すると、開発・制作側が主な目的としていること以外の要件が、非機能要件に該当します。
システム開発において必要な機能要件とは異なり、主な目的ではない非機能要件は、必ずしも定義しなければならないということではありません。
そもそも、機能要件はユーザー(使用者)が求めている要件のため、実装・搭載されていることは必須。
しかし非機能要件は、実現されているとユーザー(使用者)のニーズを満たすため、満足を上げることができます。
そのため作成する場合は、発注元やユーザー(使用者)の隠れた要望でもある非機能要件も定義しておきましょう。
システムの環境を支えるサーバやDB・SSL証明書・ネットワークなどを明確にする仕様が、インフラ要件です。
インフラ要件も、機能要件と非機能要件を明確にすることが重要なポイント。
インフラの機能要件とは、インフラとして提供しなければいけない性能・機能として何が必要であるかということです。
一方、インフラにおける非機能要件とは、発注元などがどの程度の性能・機能を要望しているかということです。
ユーザー(使用者)全員が高度なインフラを求めていませんが、性能・機能が高くなれば、それだけコストがかかるため発注元の要望を踏まえて決定していくことが重要です。
Webサイトを制作する際に必要となる仕様が、サイト要件です。
サイト要件を定義する場合のポイントは、発注元よりもそのサイトを訪れるユーザー(使用者)目線で、機能要件と非機能要件を定義すること。
まず、サイトのターゲットを明確にして、利用端末・ブラウザ・OS・SEO対策などの方向性を決めていきましょう。
要求定義で気を付けておくことについて解説します。
システム開発での失敗の原因は、要求定義の失敗にあることも珍しくありません。
要件定義は要求定義をもとに作成するため、要求定義に不備があると、その後の工程に悪影響を及ぼします。
また、ユーザー(使用者)満足度が得られない原因やトラブルや不具合の原因となってしまうこともあるでしょう。
そもそも、要求定義のミス・で多いケースが、要求忘れです。
要求を忘れやすい理由は、要求定義自体に仕様が実装・搭載されないこともあるためです。
特に注意が必要な要求定義はセキュリティに関連する部分です。
セキュリティー部分に要求定義忘れがある場合、外部からの不正アクセスに繋がる危険性があります。
そうなれば、システム開発において機密情報や顧客情報の漏洩などの被害が発生してしまうでしょう。
そのほか、注意すべきこととして、発注元の要求を聞き入れ過ぎないことも重要です。
要求定義に沿ったシステムにすれば、発注元の満足度を得ることができます。
しかし、要求・要望を聞き入れ過ぎたことで、中途半端になってしまったり肝心な機能が不足した不完全なシステムになることもあり得ます。
作成する段階から、本当に必要なのかよく考えて、発注元からの要求があった部分でも不要な部分は除外することが重要なポイントといえるでしょう。
このように、失敗が発注元の認識不足によって起こることもあるため、ときには要求を退けることも必要。
また、要求定義で不足している要件は開発者側から提案するケースもあります。
言葉が類似しているため、同じ意味として捉えている方もいる要件定義と要求定義ですが、システム開発においてその意味は異なります。
システム開発を行っている企業によっては、要件定義と要求定義のどちらかしか活用されていないケースもみられます。
また、どちらの意味で使っているのかが曖昧になっている企業やどちらも活用していない企業もあることでしょう。
しかし、システム開発やWeb制作に関わるエンジニアを目指しているのなら、要件定義と要求定義の違いについてはしっかりと理解しておかなければなりません。
これらの違いがしっかりと理解できていれば、企業に必要とされるフリーランスとして活躍できるでしょう。
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