公開日:2022.03.09
更新日:2025.03.24
ITスペシャリストの資格取得を目指している方向けに、ITスペシャリストの仕事内容・専門分野と年収・将来性、代表的な資格を解説していきます。
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<目次>
1.ITスペシャリストの仕事内容・専門分野
システム管理
プラットフォーム
セキュリティ
ネットワーク
データベース
アプリケーション基盤
2.ITスペシャリストの年収
3.ITスペシャリストに関連する資格
基本情報技術者試験
応用情報技術者試験
情報処理安全確保支援士試験
データベーススペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験
システムアーキテクト試験
4.ITスペシャリストの将来性
5.まとめ
ITスペシャリストの仕事内容・専門分野は、主に6つあります。
・システム管理
・プラットフォーム
・セキュリティ
・ネットワーク
・データベース
・アプリケーション基盤
システムのサポートを担当するのが「システム管理」分野のITスペシャリストです。
システム管理では、社内の情報ツールの保守・管理を行います。
システムメンテナンスなど、業務を円滑に行うためのベース作りが重要です。
社内のシステムを利用し、業務を行う際は従業員に使い方の指導を行い、不具合などへの対応も行います。
システム管理には、幅広い知識・経験・スキルが必要です。
また社内のヘルプデスクとしてシステムトラブルなどの問い合わせ対応も、システム管理の大切な仕事です。
業務効率化のために、情報システムを新たに企画・構築する場合もあります。
使用方法のレクチャーに留まらず、従業員のITリテラシーを向上させ、最新機器やツールを活用した新たなアイデアの創出を行うのも重要です。
社内のITリテラシーの向上は、リスクマネジメントの1つとしても重要視されます。
システム開発における土台を作るのが「プラットフォーム」分野のITスペシャリストです。
複雑なシステム構成にならないように、枠組みとなるプラットフォームの整備・拡張・データ連携の容易化を行います。
システム操作に必要なOS・ミドルウェアの設計を担当するのが主な役割です。
また設計に限らず、保守・運用・障害対応も行います。
プラットフォームはシステム開発のスタート地点です。
障害が発生しないように設計することが求められます。
「セキュリティ」分野ではあらゆる攻撃から情報を厳重に保管することを目的に、セキュリティポリシーの策定や情報漏洩を防ぐ管理、セキュリティに配慮したシステム設計・運用・サイバー攻撃を未然に防ぐための調査や対策を行います。
企業の内部・外部で機密情報を扱うケースが増えてきました。
機密情報の漏洩などにより、企業の社会的信用を損なわないためには、情報の危機管理が重要です。
これまで社内ITシステムといえばサーバーとパソコンといったシンプルな構成でしたが、スマートフォン等の端末やクラウド環境の普及など、ネットワーク環境や利用場面が多岐に渡るのに伴い、サイバー攻撃も高度化しています。
攻撃側は対象を自由に選べる一方で、守備側はどこからどのような攻撃を受けるか分からないのが、セキュリティ対策の難しさです。
現代はITシステムが発達し、便利になったからこそ、セキュリティの強化が求められます。
LANやWAN、企業間の通信回線など、ネットワーク環境に関するITインフラを整備するのがネットワークのITスペシャリストの仕事です。
通信速度や容量など安定したネットワーク環境を維持できるように、設計・構築・運用などを担当します。
不具合が発生した場合、速やかに対処し、再度安定した状態へ戻すのも重要な役割です。
快適性だけでなく、スムーズな情報の送受信を促すスピード感を維持します。
同じネットワークエンジニアでも担当する仕事内容は異なり、プロジェクトの規模によって設計から保守までの一連の業務を単独で担当することもあります。
ITを活用する時代になり、どの企業もインターネット上でのデータ活用が欠かせなくなりました。
データ管理を行う上で不可欠なのが「データベース」です。
データベースを担当するITスペシャリストも存在します。
データベースにデータを保存したり、必要なときにデータを瞬時に取り出せるように、システム構築・運用を行うのがデータベースエンジニアの仕事です。
ビッグデータが注目を集めているように、大量のデータを管理し、データを企業の戦略に活用できるスキルを有する人材が求められています。
データベースのITスペシャリストの腕の見せ所は、どのようなデータを集め、どのように分析すれば企業の戦略立案に活用できるかなど、経営戦略面を一緒に考えることです。
より快適なシステム運用を可能にすることを目的にフレームワークを構築するのがアプリケーション基盤です。
アプリケーション基盤はサーバーやデータベースとのやり取りを担う「ミドルウェア」、画面アプリケーションなどの「フレームワーク」、フレームワークを使いこなすための決まりごと「実装ガイドライン」、フレームワーク上で実際に稼働する「サンプルプログラム」で構成されます。
ITスペシャリストの仕事の平均年収は約575万円です。
令和2年の国税庁の民間給与実態統計調査によれば、男女合計の平均給与は433万円となっています。
日本の平均年収と比較して、ITスペシャリストの平均年収は高い傾向があります。
月給で換算すると48万円、初任給は21万円が相場です。
全体の給与幅は361万円〜1,037万円と広く、経験・スキルや勤務先によって大きく異なることが分かります。
ITスペシャリストの求人件数が多い都道府県の中で、東京は平均年収が高く621万円となっています。
一方、最も給与水準が低い千葉県は450万円となっており、東京都との差は172万円です。
ITスペシャリストに関連する資格の中で、代表的なのは次の6つです。
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・情報処理安全確保支援士試験
・データベーススペシャリスト試験
・ネットワークスペシャリスト試験
・システムアーキテクト試験
基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が実施するITエンジニアの登竜門と呼ばれる経済産業省を認定団体とする国家試験です。
高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能を持ち、実践的なスキルを身につけた技術者を対象とします。
受験者には、次の技術水準が期待されます。
① 情報技術を活用した戦略立案に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
・対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる
・上位者の指導の下に、情報戦略に関する予測・分析・評価ができる
・上位者の指導の下に、提案活動に参加できる
②システムの設計・開発・運用に関し、担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
・情報技術全般に関する基本的な事項を理解し、担当業務に活用できる
・上位者の指導の下に、システムの設計・開発・運用ができる
・上位者の指導の下に、ソフトウェアを設計できる
・上位者の方針を理解し、自らソフトウェアを開発できる
IT初学者の場合、合格までに平均200時間かかるといわれています。
合格を目指すなら、計画的に学習を進めましょう。
基本情報技術者試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
応用情報技術者試験は、IPAが実施する基本情報技術者試験のワンランク上の試験という位置付けの試験です。
高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能を持ち、高度IT人材としての方向性を確率した技術者を対象とします。
IPAが実施する国家試験にはスキルレベルが設定されており、応用情報技術者試験はレベル3の難易度です。
基本技術者試験と同程度の出題範囲ではあるものの、より深い知識が求められます。
また技術的なことに限らず、経営戦略に関する設問があり、合格者にはITスペシャリストとしての活躍に留まらず、ITスキルを活かした活躍が期待されます。
応用技術者試験の資格はIT人材としての高いスキルの証明となり、就職活動に有利です。
企業によっては、資格手当を受け取ることが可能なケースがあります。
応用情報技術者試験が実施されるのは春と秋、4月と10月の年に2回です。
応用技術者試験の合格率は平均20%前後であり、必要な勉強時間の目安は初学者で500時間前後です。
受験時期から逆算して余裕を持って対策を行いましょう。
応用技術者試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
情報処理安全確保支援士試験は、IPAが実施する情報セキュリティに関する知識・技能を問う試験です。
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用し、企業や組織における安全な情報システム企画・設計・開発・運用を支援、サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い、結果に基づき必要な指導・助言を行う方を対象とします。
試験合格者は所定の登録手続きを行うことで国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスぺ)」の資格保持者となり、資格名称を士業として使用することが可能です。
企業内に留まらず、独立してセキュリティ専門のコンサルタントとしても活躍できます。
情報処理安全確保支援士試験は、IPAの情報処理技術者試験の中で最も難易度が高いレベル4に位置付けられます。
合格率は年により変動がありますが、15%前後となっており、高難易度の試験です。
実務経験や知識により異なりますが、合格に必要な勉強時間は500時間前後といわれます。
情報処理安全確保支援士試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
データベーススペシャリスト試験は、IPAが実施するデータベースに関する知識・技能を問う試験です。
高度IT人材として確立した専門分野を持ち、データベースに関する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の諸活動で中心的な役割を果たし、固有技術の専門家として情報システムの企画・要点定義・運用・保守への技術支援を行う方を対象とします。
データベーススペシャリスト試験は、データベースに関する資格の中で唯一の国家資格です。
技術者の技量を判断するのは難しいですが、データベススペシャリストの資格を取得することで、客観的に高い技量を持つことを証明できます。
資格を取得すれば、転職時に有利です。
データベーススペシャリスト試験は、IPAの除呪法処理技術者試験の中で最も難易度が高いレベル4の試験です。
難易度の高い長文読解が出題されるため、合格率は平均14%となっています。
データベースの実務経験がある技術者でも合格には平均150〜200時間前後の時間が必要です。
データベーススペシャリスト試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAが実施するネットワークに関する知識・技能を問う試験です。
高度IT人材として専門分野を持ち、ネットワークに関する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の諸活動において中心的な役割を果たし、情報セキュリティを含む情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う技術者を対象とします。
ネットワークスペシャリスト試験は、IPAの情法処理技術者試験の中で最も難易度が高いレベル4の試験です。
しかし、ネットワークに関する知識・実務経験がある技術者であれば、30〜60時間の学習時間で合格できるといわれます。
ネットワークスペシャリスト試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
システム開発の上流過程を主導し、豊富な業務知識に基づき分析を行い、業務ニーズに適した情報システムのデザインを設計し完成に導く上級エンジニアを目指す方におすすめなのが、IPAより実施されているシステムアーキテクト試験です。
高度IT人材として専門分野を持ち、ITストラテジストによる提案により情報システムや組み込みシステムなどを利用したシステム開発に必要な要件定義を行い、実現するためのアーキテクチャを設計、情報システムの開発を主導する技術者を対象とします。
上流工程を主導するエンジニアに必要な知識だけでなく、ビジネスに必要な知識も問われる難関資格で、IPAの情法処理技術者試験の中で最も難易度が高いレベル4の試験です。
試験の合格率は12〜15%前後となっており、100〜200時間前後の試験対策が求められます。
資格を取得すれば、転職に有利なのはもちろん、システム開発の超上流に位置する構想に近い段階のシステムデザインから案件に携わることが可能になり、大きなやりがいを感じられるでしょう。
システムアーキテクト試験について興味/関心がある方はこちらから試験日程や出題範囲、資格取得メリットなどを確認できます。
ITスペシャリストには高い将来性があります。
ITスペシャリストにはIT技術に関する専門的な知識と技能が必要です。
IT業界全体が人材不足に悩んでおり、ITスペシャリストの数も不足しています。
また急速なIT技術の発展により、IT業界の人材不足が加速することが考えられます。
これらのことから、ITスペシャリストの需要は増加することが予想されます。
ITスペシャリストに関連する資格は難易度が高いものが多く、専門的な知識と技能が必要です。
しかし、ITスペシャリストは平均年収が高く、今後も需要の増加が期待されます。
難易度の高い資格を取得し、転職を有利に進めることができれば、年収アップが期待できます。
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