ローコード開発とは?ノーコード開発との違いやメリットデメリット、将来性を解説

開発IT業界常識

2022.06.15

現代は、新型コロナウィルスや企業のデジタル化、働き方の多様化など、将来の予測が不可能な状況であることから「VUCA時代」と呼ばれています。

そんな急速な時代の流れに対応できる高度なITスキルを持つ人材の不足が深刻化しており、アプリやシステム開発のあり方においても改革が求められています。
そこで多くの企業が導入を進めているのが、「ローコード開発」です。

この記事では、ローコード開発の概要からメリット・デメリット、ノーコード開発や従来の開発との違い、将来性まで詳しく解説します。
他の開発手法との違いを把握しておくことで、自社の目的や用途に合わせて活用できるようになるでしょう。
特に、下記の方にこの記事をご一読していただきたいです。

・ローコード開発やノーコード開発に興味/関心のあるエンジニアやIT企業に勤務している方
・ローコード開発と他の開発手法との違いを明確に整理したい方
・自社のIT人材不足を補うため、ローコード開発のツールやプラットフォームの導入を考えている方

 

 

 

1.ローコード開発とは


ローコード開発とは?関連画像
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「ローコード(Low-Code)開発」とは、できるだけソースコードを書かずして、アプリケーションやシステムの構築から開発、運用までを可能にする画期的なソフトウェア開発プラットフォームのことです。

GUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)と呼ばれる画面操作を行い、あらかじめ用意されている部品を組み合わせることで開発を行います。

 

従来の開発はプログラミングで行うのがスタンダードでしたが、ローコード開発は簡単なマウス操作だけでソースコードの作成を省略できるので、高度なプログラミングスキルがない人でもアプリやシステムの開発ができます。

今までのようにITベンダーへ外注せずとも、自社で開発を行えるので、低コスト・短期間でのシステム開発を実現し、開発工数の削減にも繋がります。

 

ここでは、具体的なおすすめツールやプラットフォームを3つほどご紹介します。自社の開発における目的や用途に合わせて選ぶようにしましょう。 

 

・Power Apps(パワーアプス)

Power Appsは、Microsoftが提供する「Webアプリ作成プラットフォームサービス」です。

Webブラウザ経由でビジネスアプリケーションを開発できます。

 

テンプレートが豊富にあるのでより効率的にアプリを作成でき、またテンプレートのカスタマイズも可能です。

Microsoftの他製品や他社サービスとの連携ができることが特徴で、Microsoftユーザーに特におすすめのサービスです。

 

 

・Kintone(キントーン)

Kintoneは、サイボウズ株式会社が提供する「クラウド型の業務アプリ開発プラットフォーム」です。

ブラウザ上でドラッグ&ドロップするだけで、顧客管理やセミナー管理などのビジネスにおける必要なアプリをノンプログラミングで作成できます。

 

さらに、すぐに利用できるサンプルアプリが100種類以上用意されており、さまざまな業務に合わせて柔軟にカスタマイズすることで、気軽なアプリ開発を可能とします。

 

 

・Canbus.(キャンバスドット)

Canbus.は、株式会社システナが提供する「テレワーク時代に最適な新Webデータベース」です。

顧客管理や勤怠管理、会計/経理、ファイル管理などあらゆる業務をひとつに集約するためのサービスで、関連アプリとの連携によってスピード感のある一元管理が可能です。

 

Excelの表計算と同じ形態であるグリッド編集モードは、複数人で同時に作業ができるので、特にチーム開発を行う方に最適です。

また、すべてのプランでユーザー数無制限で利用できる点も魅力の一つです。

 

 

 

2.ローコード開発のメリット


ローコード開発とは関連画像
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ローコード開発のメリットは以下の通りです。

 

開発生産性の向上
セキュリティ対策の負担軽減
エンジニアの開発(技術)ハードルを下げる

 

それぞれの項目について簡単に解説していきます。

 

開発生産性の向上

ローコード開発は、アプリやシステムのロジックだけを考えれば、実装部分は簡単なマウス操作で完結します。

従来のようにプログラミングをしなくてよいので、その分の時間短縮に繋がりよりスピード感を持って開発ができます。

 

またコードを追加して部品の拡張もできるので、自社に合わせたカスタマイズも簡単で開発生産性のさらなる向上に貢献します。

 

 

セキュリティ対策の負担削減

ローコード開発の大半のツールは、セキュリティ対策が万全です。

不正アクセスなどを防ぐために、ログイン認証やデータの入出力管理を徹底しています。

 

そのため、自社で行うセキュリティ対策としては自分たちが新たに構築した箇所だけに施せばよいので、従来よりも負担が少なく済みます。

 

 

エンジニアの開発(技術)ハードルを下げる

昨今、ITにおける優秀な人材の不足が企業の大きな問題として挙げられています。

そこで活躍するのがローコード開発です。ローコード開発プラットフォームを用いれば、エンジニアを介さずともたとえば現場の担当者による開発も可能になります。

 

今までは知識や経験がないとできなかった業務を、誰でも気軽にできる敷居の低い業務に変えることで、人手不足による開発者の負担を減らします。

 

 

 

3.ローコード開発のデメリット


ローコード開発とは関連画像
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ローコード開発のデメリットは以下の通りです。

 

開発の自由度が低い
ツールの知識や開発工数の知見が必要

 

それぞれの項目について簡単に解説していきます。

 

開発の自由度が低い

ローコード開発は、要求仕様に100%沿った完全なものは作れません。

1から実装するプログラミングとは違って複雑な機能は実装できないので、できることに限界があります。

 

コードの追加により拡張を行ったとしても、開発の自由度としてはプログラミング実装には劣るでしょう。

 

 

ツールの知識や開発工数の知見が必要

基本的に自社で行うローコード開発は、ITベンダーに依頼する手間や費用はかかりません。

しかしながら、開発における管理も含めてすべて自社で行い、工数の見積りをしなければなりません。

 

導入ツールの事前知識やアプリ開発に要する工数までしっかり把握しておく必要があります。

 

 

 

4.ノーコード開発とは


ローコード開発とは関連画像
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ノーコード(No-Code)開発とは、その名の通りコードを書かなくてもアプリケーション開発やシステム開発ができる手法のことです。

プラットフォーム上に用意された部品を組み合わせて開発を行う点はローコード開発と似ています。

 

メリットは、学習コストが非常に低く、操作方法さえ覚えてしまえば誰にでも開発ができることです。

 

ローコード開発とノーコード開発、従来の開発の違い

ここでは、ローコード開発とその他の開発手法との違いについてお伝えします。

それぞれの概要や特徴を理解した上で、状況に応じた開発を行いましょう。

 

 

ノーコード開発

ローコード開発

従来の開発

アプリの形態

Web上

Web上

デスクトップ
Web上

開発の自由度

用意されたロジック部品を組み合わせるだけ

用意されたロジック部品を組み合わせるが、部品のカスタマイズも可能

開発者が1からロジックを作成する

開発規模

個人から部門レベル

個人から部門レベル

個人からエンタープライズ

必要なプログラミングスキル

必要としない

ほぼ必要としないが、部品のカスタマイズを行う際にはある程度のスキルが必要となる

必要とする

学習コスト

低い

低いが、部品のカスタマイズを行う際には高くなる

高い

初期費用

開発プラットフォームを契約(無償プランか有償プラン)

開発プラットフォームを契約(無償プランか有償プラン)

開発環境の構築(無償プランか有償プラン)

 

ローコード開発とノーコード開発の大きな違いは、「開発の自由度」です。

ローコード開発は部品のカスタマイズが柔軟にできるのに対し、ノーコード開発は部品のカスタマイズができず、プラットフォームに用意された部品をそのまま使用するしかありません。

 

自社の要求仕様通りのアプリを作成するのは、より困難となります。
 
また同様にローコード開発と従来の開発との大きな違いにおいても、「開発の自由度」が挙げられるでしょう。

 

従来の開発では新しいシステムを構築するために開発者が1からコードを実装するので、ローコード開発よりも自由度や拡張性、汎用性が高いというメリットがあります。

反対にデメリットとしては、プログラミング言語の習得など求められるスキルが総じて高く、人材育成も含めて時間やコストが大きくかかってしまう点です。

 

しかしノーコード開発やローコード開発の誕生によって、プログラミングスキルを身につけなくても開発ができるようになりました。

これらの開発手法は、人材の確保や開発工数の削減、開発生産性の向上など、開発業務における働き方改革に貢献しています。

 

 

 

5.ローコード開発の将来性とは


ローコード開発とは関連画像
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近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や働き方改革がトレンドとなっています。

それらの実現手段として、業務のデジタル化や開発部門以外の人による開発を可能にするローコード開発が注目を浴びているのです。

 

加えて、急速な社会の変化や顧客ニーズに対応できる短納期の超高速開発手法としても、期待されています。

コロナ渦によってDXの重要度が再認識され、数多くの企業でローコード開発が導入されました。

 

市場調査とコンサルティングを担う「ITR」の2022年の発表によると、

2020年度のローコード・ノーコード開発市場の売り上げは515億8,000万円、前年度比24.3%増となりました。

さらに、2023年度には市場規模が1,000億円に達すると予測されています。

(出典:https://www.itr.co.jp/company/press/220217pr.html)

 

ローコード・ノーコード開発市場は今も成長・拡大し続けており、ローコード開発の将来性が高いことを示しています。

また、以前よりも開発ツールの機能が進化しており、企業の成功事例が増えてきていることも注目が増えた要因の一つです。

 

以上のことから、今後もより一層ローコード開発の需要は増えていくと考えられます。

 

 

 

 

6.まとめ


この記事では、ローコード開発の概要とメリット・デメリット、他の開発手法との違い、将来性についてお話してきました。
 
ローコード開発とは、ハイレベルなプログラミングスキルがなくても、迅速なアプリケーション開発やシステム開発を可能にするプラットフォームのことです。

 

超高速開発手法として近年注目されており、人材の確保や開発コストの削減など、さまざまな取り組みに活用することができます。

今後もさらに需要が高まることが予想されるローコード開発ですが、現在でも多種多様な機能を持ったサービスが提供されています。

 

ローコード開発に興味/関心のあるエンジニアやIT企業に勤務している方、自社のITにおける人手不足に悩んでいる方は、是非ローコード開発の活用を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事で紹介したツール以外にもローコード開発にはたくさんの種類があります。それぞれの内容やできることは異なりますので、さまざまなサービスを比較検討して、自社に合ったものを見極めてみてください。

 

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