スマート農業(アグリテック)を提供している企業を紹介!

IT業界常識企業分析

2022.12.13

近年、少子高齢化や若い世代の地方から都市部への流出などによって農業に関する問題は複雑化しています。また、国力を高めるには国内での農作物の自給自足が不可欠となります。
そうした中で注目されているものの一つとしてスマート農業が挙げられます。

スマート農業とはロボットやAI、ICTなどを活用した次世代農業です。
農作業は長年の経験で身に付けた経験が不可欠となる他、自然環境に左右される部分もあります。
農業において最新技術やデジタルを活用することで、経験に関係なくスムーズに行えるようになります。

そこで本記事では、スマート農業とは何か解説した上で、スマート農業について導入する目的や取り組んでいる企業、将来性などについて解説します。

 

 

 

1.スマート農業(アグリテック)とは


スマート農業企業関連画像
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スマート農業(アグリテック)とは農作業をAIやICT、ロボット技術などを活用して行うことです。

海外でも注目されており、スマートアグリカルチャーやスマートアグリなどと称されています。

 

少子高齢化や人口減少が問題となっている昨今、農業従事者が抱える問題は深刻化しています。

農業に最先端の技術を組み込むことで、少ない人数でも多くの農作物の栽培を可能にしたり、農作物の栽培を環境に配慮して行ったりできるようになります。

 

また、スマート農業は技術の継承や新規就農者の確保にもつながるとも見込まれています。

スマート農業と一口でいっても、さまざまな技術があります。例として以下のものが挙げられます。

 

自動収穫期
芽かきロボット
農業機器の自動走行
スマホで操作する水田の水管理システム
ハウスの温度調整システム

 

これらのものは実証段階の部分もありますが、今後は多くの農業従事者が使用することになると期待できるでしょう。

 

 

 

2.スマート農業を導入する目的


スマート農業企業関連画像
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スマート農業を導入する目的として下記の5つが挙げられます。

 

農作業の省力化・効率化
農業のノウハウ・技術の継承
日本の食料自給率の向上
農作物の質向上
環境保全

 

それぞれ詳しく解説します。

 

農作業の省力化・効率化

農作業を行うには経験や高い技術だけでなく、体力も必要です。

力仕事が多いため、歳を重ねると業務が身体の負担になっていると感じることも多いです。

 

また農作業は時間がかかる他、定められた時間内、あるいは期間内で完了させる必要があるため効率的に作業しなければなりません。

スマート農業に切り替えることで、農作業における負担を大きく軽減できます。

 

例えば自動走行トラクターを導入することで、作業にかかる時間の大幅な削減が可能です。

またハウスの管理装置を導入することで、スマホ一台でハウスの状態を管理できます。

 

スマホがあればハウスの状態などを場所を問わず確認できるため、一日に何度も見に行く手間が省けます。

 

 

農業のノウハウ・技術の継承

農林水産省による「農業労働力に関する統計」によると、近年における農業従事者の平均年齢は65歳を超えています。

参考までに、2021年における農業従事者の平均年齢は67.9歳です。

 

少子高齢化による跡継ぎ不足や子どもの都市部への流出などによって、多くの農家が技術やノウハウを継承できない状態となっています。

近年のこのような状況は、国内における農作物の自給自足の減少につながるだけでなく、長年にわたって培ってきたノウハウや技術を継承することが困難になります。

 

これらの問題はスマート農業のシステムを導入することで、ある程度解決できるという見方もあります。

それぞれの農業従事者のノウハウや技術をデータに記録しておくことで、そのデータを参照した人が再現できます。

 

Iターン就職や地域おこしプログラムなどでその地域に訪れた人たちの農業参画のハードルも下がるでしょう。

参考:農林水産省「農業労働力に関する統計

 

 

日本の食料自給率の向上

日本における食料自給率は先進国の中でも低く、2000年代以降は40%前後です。

国内で食料を生産できなければ、食料の確保が円安や国際情勢によって左右されやすくなります。

 

国内における自給率を高めるためには、少ない農業従事者でも農作物をある程度栽培できるように、ロボットやセンサーを導入する必要があるでしょう。

限られた人員で多くの収穫物を獲得するには人間の手だけではなく、機会の力を借りることも検討していかなければなりません。

 

 

農作物の質向上

農作物を市場で販売し、消費者に購入してもらうためにはその質も重要です。

高品質な農作物を生産するには、それぞれの作物にとってベストな環境を整えなければなりません。

 

農作物の栽培に関するノウハウはすぐに身に付くものではなく、作業に長年にわたって従事して身に付くものです。

スマート農業による栽培履歴の管理を適切に行い、各データを土壌の環境データや気候、湿度などと合わせることで、誰もが高品質な農作物を栽培できるようになります。

 

農作物は単に手順に従って栽培すれば良いというわけではなく、その時々の自然環境や土壌の状態などに合わせて変えていかなければなりません。

センサーによるモニタリングなどを活用することで栽培管理を細やかに行えるため、知識やノウハウを問わず高品質な農産物を生産しやすくなります。

 

 

環境保全

SDGsや自然環境の保護の重要性がしきりに唱えられている昨今、農業においても環境保全を意識した取り組みが求められています。

農作業では自然に悪影響を与えることもありえます。

 

例えば、化学肥料や農薬などは土壌や空気を汚染する原因となりえます。

そのため、近年では欧州をはじめ使用を控えようという動きも少なくありません。

 

スマート農業を導入することで、化学肥料や農薬の使用量の削減に貢献できるでしょう。

例えば、ドローンによるデータを活用した農薬散布では農薬の使用量を大幅に減らせます。

 

また、AIを利用することで液肥や二酸化炭素の使用抑制にもつながります。

近年、消費者の環境保全に対する意識も高まっており、環境への負担が少ない商品を購入したいと考える人たちも増えています。

 

こうしたニーズに応じられる農作物の生産は、消費者からの要望や期待に応えることにもなります。

 

 

 

3.スマート農業に取り組んでいる企業


スマート農業企業関連画像
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スマート農業に取り組んでいる企業として以下の7つが挙げられます。

 

ヤンマーホールディングス株式会社
株式会社農業総合研究所
株式会社アグリメディア
株式会社セラク
inaho株式会社
アグリホールディングス株式会社

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

ヤンマーホールディングス株式会社

ヤンマーホールディングス株式会社は国内だけでなく、世界で暮らす人たちに向けてさまざまなサポートを実施している企業です。

ロボットトラクターの開発を2013年から開始し、2016年に農林水産大臣賞の第7回ロボット大賞を受賞しました。

 

同社は密苗×自動化の田植機では超省力田植えを推進することに成功しています。

また、スマートパイロットでは位置情報やロボット技術といったICTの活用を行い、農作業の省力化や効率化の実現を可能にしました。

 

その他にも、オート田植機はフルオートのため長時間の作業でも負担は最小限に抑えられます。

農作業に活用できる機器を多く開発し、農作業を誰でも、正確に、効率良く行えるようにしています。

 

 

株式会社農業総合研究所

株式会社農業総合研究所は「農業に情熱を」をコンセプトとし、ITを駆使した新しい農産物流通を創造している企業です。

同社は農家の直売専用アプリである農直の開発、および運営の他、飲食店やEC販売、海外輸出、プライベートブランドを対象にした卸・加工流通などさまざまな流通チャンネルを持っています。

 

そのため、農産物を生産者が届けたいかたちでベストな場所に提供できます。

また、付加価値の見える化にも力を入れています。

 

パッケージデザインやレシピ、POPによって商品の付加価値の可視化を行うことで、消費者には生産者の価値を知ってもらった上で食べてもらうようにしています。

 

 

株式会社アグリメディア

株式会社アグリメディアは農業界のバリューチェーン全体を捉えた上で、それぞれの段階が抱える課題解決の実現のためにさまざまな事業を展開しています。

同社は10年間にわたる事業実績による栽培や土壌、行動データを活かしたサービスの提供も行っています。

 

また、数値分析と現場での実態把握による未来予測も行い、将来の農業につなげていこうという試みです。

将来的にも農業界全体にインパクトを与えられるような事業を行えるよう、農業の発展に貢献していきたいという方針を示しています。

 

 

株式会社セラク

株式会社セクラはICTの活用により、社会におけるDXの実現を目指す企業です。デジタルに関する幅広い事業を展開しています。

同社が手掛ける事業の一つとして、みどりクラウドが挙げられます。

 

このクラウドはこれまでのモニタリングサービスとは異なり、サービス開始の早い時期から測定したデータの他、圃場写真を異なるユーザ間で共有可能です。

篤農家には栽培環境に関する情報交換を頻繁に行う慣習があるため、彼らの昔ながらの習わしも考慮したクラウドといえるでしょう。

 

また、みどりクラウドは農家が購入して使えるもの、およびシンプルなものを目指して開発されました。

そのため、アナログ思考の人も利用しやすいサービスとなっています。

 

 

inaho株式会社

inaho株式会社は将来的に農業に改革を起こすと期待されている企業の一つです。

同社は農業に関するさまざまなプラットフォームを展開しています。

 

その一つとして、2023年春に販売予定のロボつみと称する自動野菜収穫ロボットが挙げられます。

いちごをAIで選別し、ロボットで摘み取りを行います。

 

いちごの中でも収穫時期の判別が困難といわれるあまおうについても傷をつけないよう、そして適切な時期に摘み取ることができます。

このような高い性能が実現できた背景には、AIを使った画像処理技術が関係しています。

 

収穫に適したいちごの写真を読み込むことで、いちごの適切なタイミングでの収穫を可能にしました。

 

 

アグリホールディングス株式会社

アグリホールディングス株式会社は「企業ファームの立ち上げサポート」×「農業参入の新しいニーズ・市場の開拓」によって新時代を切り拓くことを目標にしている企業です。

同社は小橋工業株式会社と株式会社リバネスと連携して、農業人材の育成や地方への人材供給、農業の新規技術のソーシング・開発の集約などにより、農業生産力の向上を目指しています。

 

この目標を実現するための事業の一つとして、FARM BANKが挙げられます。

その他にも、BENTO LABO(べんとう研究所)の運営を行っています。

 

この事業では日本の食文化を世界に発信するサポートを行っている他、お肉を使わないハンバーグが人気を集めているヴィーガン弁当も手掛けています。

 

 

 

4.スマート農業の将来性


スマート農業企業関連画像
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矢野経済研究所によるスマート農業に関する調査によると、2020年から2027年にわたってスマート農業の国内市場の拡大が見込まれています。

スマート農業の市場規模は年々拡大しているため、将来性があるといえるでしょう。

 

前述したように、日本において農業は少子高齢化や都市部による人口流出などさまざまな影響を受けています。

これらの問題を解決するために少子高齢化対策や地域おこし協力隊の活動なども実施されています。

 

しかし、これらの問題はすぐには解決できるとは言い切れません。

そのため、限られた農業従事者で国内における自給自足率を維持するには最新技術の力を借りることも考えなければならないでしょう。

 

ただし、現状としてはスマート農業には費用面をはじめさまざまな課題があるため、導入している農家は限られています。

また農業従事者の平均年齢は高く、アナログ思考の人も少なくないため、デジタル技術に対して苦手意識を抱く人も少なくありません。

 

こうした問題を解決するような施策やアイディアなども検討されている最中です。

参考:矢野経済研究所「スマート農業に関する調査を実施

 

 

 

 

5.まとめ


スマート農業の市場規模は年々上昇しており、かつ今後も上昇が見込まれています。

そのため、将来的には最新技術を活かした農業に従事する人が増えると推測できます。

 

最近では、最新技術を活用した農作業に切り替えたことで、長年にわたる悩みが解消されたという人や業務の効率化・時短を実感できたと喜ぶ声も少なくありません。

スマート農業の切り替えにはコストがかかる他、デジタルやITにある程度精通していなければならないなどの課題があることも覚えておく必要があるでしょう。

 

スマート農業の推進を支援するサービスなどを有効活用することで、多くの農家が時代に適した農業を営めるようになると期待できます。

 

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