公開日:2023.03.03
更新日:2025.03.24
開発の現場やにて、製品の研究や開発に用いられている技術がリバースエンジニアリングです。
ただ、リバースエンジニアリングと言っても具体的にどんなことをするのか、どんなやり方で進めていくのかイメージが湧かない人もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、リバースエンジニアリングとは何か、リバースエンジニアリングを実施するにあたってはどんな点に注意すべきか解説します。
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<目次>
1.リバースエンジニアリングとは
2.リバースエンジニアリングの目的
他社のノウハウを自社に取り入れる
マニュアルを作成する
開発コストの削減
3.リバースエンジニアリングの方法
ハードウェア
ソフトウェア
4.リバースエンジニアリングの注意点
使い方次第で知的財産法に抵触する可能性がある
サイバー攻撃をしてはいけない
5.リバースエンジニアリングに携わるには
6.リバースエンジニアの働き方
7.まとめ
リバースエンジニアリングとは、既存のハードウェアやソフトウェアなどの製品を分解したりソースコードを解析したりして仕様を調べる作業(開発手法)を言います。
ただどんな製品も簡単に製造過程がわかる造りだと、自社の技術が簡単に外部に流出して偽物が出回ってしまうでしょう。
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そのため、基本的にどんな製品も簡単に作り方がわからないように、暗号化など工夫をしています。
したがって、リバースエンジニアリングを実行するには製品を開発するにあたって一般的にどんな技術が用いられているのかを知る必要があります。
リバースエンジニアリングはすべての企業で行われているわけではありません。
そのため開発に必ずしも必要なものとは言い切れませんが、力を入れている企業はリバースエンジニアリングにかなりの労力を使っています。
そこまでしてリバースエンジニアリングをする目的はなぜなのでしょうか。
リバースエンジニアリングの目的について解説します。
リバースエンジニアリングを行うことで他社が開発に用いている技術がわかります。
特に業界のトップにいるような企業では、効率よく堅牢性の高いシステムを開発する技術や、まだ広く知られていない最先端の技術が用いられています。
このような技術をリバースエンジニアリングで特定することで、トップ企業のノウハウを自社に取り入れられるようになります。
自社製品に対してリバースエンジニアリングを行うこともあります。
特に開発してから時間が経過しているシステムなどだと、マニュアルがアップデートされていない、そもそも存在しないというケースも存在します。
そこでマニュアルを作成し、システムの使い方を社内で共有する目的でリバースエンジニアリングを行います。
製品を1から作る作業は当然時間がかかります。
そこですでに他社で開発されている製品の類似製品を作る場合、既存の製品に用いられる技術を特定し、基礎部分は他社製品の真似をしたうえで独自性を持たせて自社製品として販売することがあります。
作業時間の短縮、作業工程の簡易化ができるので、開発するシステムの規模が大きければ大きいほどリバースエンジニアリングを実施するメリットが大きいでしょう。
それではリバースエンジニアリングはどのように行うのでしょうか。
リバースエンジニアリングの方法を分野別に紹介します。
ハードウェアのリバースエンジニアリングは一般的には分解を行います。
この作業を行うことにより、ハードウェアの製造方法や回路の仕組みなどがわかります。
ソフトウェアは仕様書が公開されていることも多いです。
しかしすべての情報を公開してしまうと技術が盗用されたり模造品が出回ったりするリスクが高くなるので一般的には重要な部分は暗号化やコードの難読化を行って隠されています。
そこでリバースエンジニアリングを行って難読化されている部分を解析し、開発に応用したり仕様書づくりの参考にしたりします。
ソフトウェアのリバースエンジニアリングに使われる手法は逆アセンブルと逆コンパイルの2種類。
それぞれアセンブリ言語とコンパイラ言語に用いる技術であり、専用のツールを用いることで難読化されてわからない部分を可視化します。
リバースエンジニアリングを実施するには注意しなければいけない部分もあります。
この点を理解していないと法に触れてしまうことも。それではリバースエンジニアリングの注意点について解説します。
リバースエンジニアリングそのものは違法ではありません。
ただリバースエンジニアリングを用いて解析した技術をそのまま自社製品の開発に流用すると著作権法や特許法などの知的財産法に抵触する可能性があります。
どの企業もリバースエンジニアリングを想定して対策を行っていますが、それでも対策を破って使用されている技術を特定できる人はいます。そ
のため、企業は模造品の登場などの対策として、自社の技術や製品に対して特許を申請していることが多いです。
そこでリバースエンジニアリングを行って特許を取得している製品のソースコードをまるごと流用した製品を作った場合は違法になってしまいます。
また、リバースエンジニアリングによって得た情報を公開することもやってはいけません。
開発元・製造元は自社の技術が流出しないように特許を取得しています。
その情報が広く知れ渡ってしまうと、開発元・製造元が大きな損害を及ぶことになるでしょう。
リバースエンジニアリングによって他社の利益を奪う行為は違法です。あくまで開発の参考にする程度に留めてください。
当然のことですが、リバースエンジニアリングでソースコードを解析し、他社にサイバー攻撃を仕掛けるのは違法です。
セキュリティの脆弱性について調べる目的でリバースエンジニアリングを行うのはあくまで自社製品にのみ、他社製品には行わないでください。
リバースエンジニアリングを仕事でやってみたいという人もいるでしょう。
求人数は少ないですが、リバースエンジニアリングに関連する求人は存在します。
しかし、リバースエンジニアリングは専門性が高いうえ、スクールでも基本的に学習する機会はありません。
そのためリバースエンジニアリングは学べる場が限られており、携わりたくてもどのように必要なスキルを身につければ良いか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
リバースエンジニアリングに求められるスキルは分野によって異なります。
ただ、基本的にどの分野においても設計など上流の業務に携わった経験が必要です。目安としては最低でも3年〜5年は必要でしょう。
ただ、リバースエンジニアリングを経験している人材は数が限られるということもあり、若いリバースエンジニアを育てようとしている企業も存在します。
若くして上流の経験があるけれども、年数がネックで応募できる求人がないなら、若手向けの求人を探してみてください。
ただ、他社で開発されているものに使用されている技術を特定するためには知識だけでなく経験も無いと難しいです。
したがってリバースエンジニアリングに携わりたいと思っているなら、新しいことを学ぶよりは、今自分が携わっている分野の知識・経験を深めていく方が良いでしょう。
加えてリバースエンジニアリングではただシステムを分析するだけでなく、分析したものを設計書など書類に起こさなければいけません。
そのため、ただ上流工程に携わった経験だけでなく、仕様書や設計書を1から作成した経験もあると市場における人材の価値が上がるでしょう。
リバースエンジニアの求人は正社員よりもフリーランスの方が多い傾向にあります。
リバースエンジニアリングは常時行うものではなく、対象となる製品の解析が終わればリバースエンジニアが必要ないというケースも少なくありません。
そのため、期間限定で雇えるフリーランスの需要が高くなっています。
正社員でリバースエンジニアリングに携わりたいならリバースエンジニアリングだけでなくコーディング、リファクタリングなど様々な技術に触れながらキャリアを形成していくのが一般的です。
求められるスキルが幅広くなる分、転職の難易度は上がりますが、必要なスキルどれか一つでも身に着けていれば採用に繋がる企業もあるので、ぜひ挑戦してみてください。
リバースエンジニアリングは開発物を遡って、どのような技術が用いられているのか、どのように設計されているのかなどを特定する技術(開発手法)です。
幅広い技術の中から開発に用いられている技術を特定するため、リバースエンジニアリングには知識だけでなく経験も求められます。
リバースエンジニアリングは開発のように1からものを作り上げていく作業ではないので、なかなか仕事に対するイメージは湧きにくいかもしれません。
ただ、様々なものの開発に使われている見たことない技術に触れられたり、他社の開発のノウハウを知れたりするのは面白みのある仕事と言えるでしょう。
それに、無限にある選択肢の中から正解を探していく作業は奥が深く、特に考えることが好きな人にはぴったりの職業と言えます。
ぜひリバースエンジニアリングに興味のある人はリバースエンジニアへの転職を検討してみてください。
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