公開日:2023.04.25
更新日:2025.03.24
「PHP」は、Web開発の現場で広く活用されているプログラミング言語です。
PHPを習得することで、Webサイト制作や入力フォームの実装など、さまざまなことが実現できるようになります。
しかし、「PHPで具体的に何ができるの?」という疑問を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、PHPでできることや将来性について、具体例を交えながら解説します。
この記事を読むことで、PHPを習得すると何ができるのかが分かります。
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<目次>
1.プログラミング言語「PHP」とは
2.PHPでできること・実現できること14選
Webサイトの制作
SNSサービスの制作
ECサイトの制作
CMSの開発とカスタマイズ
社内システムの構築
入力フォームの作成
予約システムの実装
ログインや認証機能の実装
グループウェアの開発
WebサービスとのAPI連携
インターネットの検索機能
データベースとの連携
広告配信システムの開発
バッチ処理の実行
3.PHPでできないこと・苦手な分野
4.PHPの学習方法・ステップ
ステップ1:HTMLとCSSについて理解する
ステップ2:PHPの基本構文を習得する
ステップ3:簡単なWebサイトやアプリを作る
5.PHPの需要と将来性が高い理由
学習環境が整っていて習得しやすい
ライブラリやフレームワークが充実している
Web開発分野でのマーケットが大きい
6.まとめ
「PHP」とは、WebサイトやWebアプリなど、Web開発の現場で活用されているプログラミング言語です。
Web系の言語といえば、HTMLやCSSなどを思い浮かべるかもしれません。
PHPの特徴はこれらの言語とは異なり「動的なコンテンツ」を生成できることです。
PHPで制作したWebページは、アクセス時間やアクセス状況、ユーザーの行動に応じて臨機応変に表示内容を変更できます。
静的なコンテンツを生成するHTMLやCSSとは、この点が大きく異なります。
また、PHPはHTMLのソースコードに埋め込めるため、PHPとHTMLを合わせて習得しておけば、両者を組み合わせて、デザイン性と機能性が高いWebページ・サービスが作れることも特徴です。
さらに、PHPの実行処理はサーバー側で行われるため、MySQLなどのデータベースとも連携できます。
このように、PHPは機能性が高いプログラミング言語なので、Webページ開発以外にさまざまな場面で活用できます。
以上の点を踏まえて、PHPで「できること」を詳しく見ていきましょう。
PHPを活用すると、以下に挙げるようなことができるようになります。
ぜひPHPの習得を検討する際の参考にしてみてください。
・Webサイトの制作
・SNSサービスの制作
・ECサイトの制作
・CMSの開発とカスタマイズ
・社内システムの構築
・入力フォームの作成
・予約システムの実装
・ログインや認証機能の実装
・グループウェアの開発
・WebサービスとのAPI連携
・インターネットの検索機能
・データベースとの連携
・広告配信システムの開発
・バッチ処理の実行
PHPでできることの代表例が「Webサイト制作」です。
PHPはサーバー側で動作しますが、ほとんどのサーバーではPHPの動作環境が整っています。
そのため、PHPは企業や個人のWebサイトを制作するために、最適なプログラミング言語だといえるでしょう。
Webページの文章やデザインを示すHTMLと、その挙動を定めるPHPを組み合わせることで、魅力的なWebサイトを制作できます。
PHPを活用することで、Twitter、Facebook、Instagramなどのような「SNSサービス」を開発できます。
なぜなら、SNSで必須の以下のような機能は、PHPとデータベースを組み合わせることで実装できるからです。
・ユーザー管理
・ログインと認証
・コンテンツの投稿
・タイムラインの表示
・フォローなどアクション
・メッセージやチャット
これらの機能は、PHPとデータベースの基本的な知識があれば実装できるため、PHPの学習にも向いています。
なお、データベースとの連携性については、後ほど改めて解説します。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのような「ECサイト」も、PHPで実現できます。
ECサイトでは、ユーザーがオンラインで商品を購入できるようにするために、以下のような機能が必要です。
・会員情報の登録や更新
・買い物カゴ(カート機能)
・商品の購入(オンライン決済処理)
・在庫管理や売上管理
・購入予約やお気に入りの登録
PHPを習得することで、これらの機能は基本的にすべて実装できます。
ちなみに、ECサイトの制作ツールとして有名な「EC-CUBE」はPHPで開発されています。
Webサイトやブログのコンテンツを管理するための「CMS(コンテンツ管理システム)」も、PHPで開発されています。
その代表例が「WordPress」や「Drupal」です。
CMSを活用すると、管理画面から記事コンテンツの投稿・編集やテーマ変更ができるようになるため、Webサイトを効率的に開発・運用するのに役立ちます。
PHPを習得すると、オリジナルのCMSを開発することも可能です。
また、WordPressに代表される既存のCMSには、Webサイト開発に必要な機能がパッケージされています。
しかし、独自機能を実装してカスタマイズするためには、PHPを使って独自にコーディングしないといけません。
PHPを習得することで、CMSの機能をカスタマイズして、より魅力的なWebサイトが作りやすくなります。
ちなみに、PHPで開発されたCMSである「WordPress」は、世界のCMS市場でトップシェアを誇っています。
WordPressには「プラグイン」という形式で機能を追加でき、そのプラグインもPHPで開発されています。
魅力的なWordPressプラグインを開発できれば、サイトやブログの制作に活かしたり、プラグインの販売で利益を得たりすることも可能です。
Webブラウザを活用した「社内システムの構築」も、PHPの得意分野です。
顧客管理や勤怠管理など、社内で運用する管理システムはPHPで開発できます。
これらの社内管理は、これまで紙媒体やExcelで行われることが一般的でした。
PHPを習得することで、さまざまな機能を持つ社内システムの開発ができ、業務の効率化にもつながります。
Webサイトでよく目にする「入力フォーム」も、PHPで簡単に実装できます。
例えば、「お問い合わせフォーム」や「資料請求フォーム」などは、多くの企業やブランドの公式サイトなどで搭載されています。
PHPを習得することで、Webサイトの利便性を高めるための入力フォームを簡単に実装可能です。
また、入力フォームはユーザーにとって使いやすいWebサイトを作るだけではなく、企業がマーケティング活動を行うにあたって必要な顧客情報を収集するためにも便利です。
インターネット上ではPHPで入力フォームのサンプルコードも多く公開されているため、初学者でも必要な機能を実装できるでしょう。
店舗への訪問やサービス利用などを事前に予約するための「予約システム」も、PHPで開発できます。
例えば、ホテルや旅館などの宿泊施設や、レストランのような飲食店への予約です。
一般的な予約システムでは、ユーザーがアクセスすると空いている日付や時間が画面に表示されて、日時を選択・申し込みをすると自動的に予約済みとなります。
インターネット環境さえあれば24時間いつでも予約できるので、電話対応のような人手による対応が必要なくなり、店舗と顧客双方にとって大きなメリットがあります。
PHPを活用することで、このように業務効率化や顧客満足度の向上に役立つ、便利なシステムを開発可能です。
WebサービスやSNSアプリ、ECサイトでは、ユーザーが利用するための「ログイン機能」を搭載するのが一般的です。
例えば、Twitter、Facebook、Instagram、Gmailなどです。
PHPでは、前述したようにSNSそのものも開発できるうえに、新規登録・ログイン・ログアウト・退会までの一連の流れに必要な機能も実装できます。
「グループウェア」は、スケジュール管理など、企業における社内の情報共有を円滑化するシステムのことです。
グループウェアの代表的な以下のような機能は、PHPで開発できます。
・カレンダーを表示する
・カレンダーへの予定追加や編集を行う
・タイムカード(勤怠管理)の機能
・リンク集
グループウェアを導入すると、アナログでは管理に手間がかかっていた業務をデジタル化でき、業務効率の向上が期待できます。
また、把握しにくかった組織内の業務を「見える化」することも可能です。
PHPでWebサイトやアプリを開発するときは、既存のサービスが提供している機能を利用する場面もあります。
これを「API連携」と呼び、自身のWebサイトやアプリに、ほかのサービスの機能を組み込むことが可能です。
例えば、ECサイトでユーザーがFacebookアカウントを使ってログインしたり、自社の公式Twitterアカウントのつぶやきを自社サイトに表示したりできます。
前述したように、Webサービスの多くでPHPが活用されているため、PHPで利用できるAPI連携の機能は多岐にわたります。
サービス提供元でサンプルコードを公開しているケースも多く、実装のハードルはそれほど高くはないでしょう。
Webサイトの利便性を高める機能のひとつが「検索機能」です。
GoogleやYahoo!のような検索エンジンはもちろん、Amazonや楽天市場のようなECサイト、YouTubeのような動画投稿サイトには、ユーザーが必要な情報・コンテンツを効率的に探すための検索機能があります。
検索機能自体は、Webサイト内に蓄積しているデータベースから情報を得るという基本的なものなので、PHPで簡単に実装できます。
キーワードだけではなく、さまざまな条件を指定することで、より便利なWebサービスを開発できるでしょう。
PHPは、「MySQL」などのデータベース管理システムとも連携できます。
データベースとは、さまざまな情報を格納したシステムのことで、いわば巨大なExcelファイルのようなものです。
PHPでは、データベースへの接続からデータの保存・取得・削除まで、一連の操作を行えます。
データベースを活用することで、膨大なデータから必要な情報を抽出してユーザーに提供できます。
例えば、前述した検索機能がデータベース活用の代表例です。
PHPは「広告配信システム」の開発にも向いています。
Web上に掲載されている多くの広告は、常に同じものを表示しているわけではありません。
広告配信システムでは、ユーザーが検索したりアクセスしたりした履歴を取得し、ユーザーのニーズに合いそうなものを自動的に選んで表示できます。
こちらも、前述したデータベースを活用した技術なので、データベースとの連携性が高いPHPで実装することが可能です。
「バッチ処理」とは、一定量のデータを集めてから一括処理するという手法です。
データを取得するたびに処理を行っていると、作業効率が悪くなります。
そのため、大量のデータをまとめるバッチ処理は、さまざまな場面で活用されています。
例えば、業務時間内にデータを集め、終業後にバッチ処理で分析を行うようにすれば、業務効率の向上が可能です。
ECサイトにおいては、商品の入荷情報を調べてから、該当するユーザーに一括で通知メールを行うなどの活用法が考えられます。
PHPはこのようなバッチ処理も行えるため、ユーザーへのマーケティングやアプローチの手段としても役立つでしょう。
さまざまなことができるプログラミング言語「PHP」ですが、Webサイトのデザインやシステムの土台開発には向いていません。
PHP単体では「デザイン」を行えず、文字装飾などのデザインをするためには、HTMLやCSSなどの言語が必要です。
また、PHPはWeb系のプログラミング言語なので、システム全体の構築や挙動の制御まではできません。
これらの点から、PHPは以下のような用途には向いていないので注意が必要です。
・Webサイトのデザイン
・機械学習やデータ分析
・スマホアプリの開発
・デスクトップアプリの開発
・組み込みやIoTの開発
PHPの学習は、以下の3つのステップを意識して、順を追って行うのがおすすめです。
・ステップ1:HTMLとCSSについて理解する
・ステップ2:PHPの基本構文を習得する
・ステップ3:簡単なWebサイトやアプリを作る
PHPをWeb開発で活用するためには、HTMLとCSSの基礎を理解することが重要です。
HTMLはマークアップ言語の一種で、Webページの構成や役割を記載します。
実際の動作や処理を書くのではなく、Webページ内の文章にタグをつけて、全体の構造を定義することがポイントです。
CSSはスタイルシートで、HTMLで定義したWebページの外観を設定するためのものです。
CSSを活用することで、デザイン性が高いWebページが作れます。
Webページの動的な表示を行うPHPは、HTMLやCSSと密接な関連があります。
HTMLやCSSで定義したWebページの動作・処理内容を、PHPで作り込んでいくからです。
そのため、PHPを学習し始める前に、まずはHTMLとCSSで簡単なWebページを作ってみましょう。
ちなみに、Google ChromeなどのWebブラウザには「開発者ツール(検証モード)」が搭載されており、既存のWebページのHTMLやCSSを閲覧できます。
有名なWebサイトやブログのソースコードを参考にすると、効率よく学習を進めやすくなるでしょう。
HTMLとCSSの基礎知識を身につけたら、PHPの基本的な文法・構文を習得しましょう。
HTMLとCSSで作ったWebサイトを動かすために、PHPによるプログラミングが必要です。
どんなWebサイトやサービスでも、プログラミング言語の基本を理解しておかなければ、必要な機能を実装できません。
四則演算・条件分岐・繰り返し処理・文字列の出力などの基本的な構文は、プログラム開発のあらゆる場面で活用されます。
言い換えれば、PHPの基本知識さえ身につけておけば、それを組み合わせてさまざまな機能を実装することが可能だということです。
PHPの基本を学んだら、サンプルコードを掲載しているWebサイトや書籍などを参考にして、簡単なプログラムを作ってみましょう。
このとき、HTMLとCSSも組み合わせると、全体的なWeb開発のスキルも身についていきます。
HTML・CSS・PHPの基本が身についてきたら、Webアプリの開発にチャレンジしてみましょう。
Webアプリやサービスの開発にあたり、Webに関する知識も必要になります。
例えば、「HTTPメソッド」「パラメータ」「リクエスト」「レスポンス」などは、動的なWebページを正確に表示するために欠かせません。
URLに応じたWebページにユーザーを遷移させたり、URLに付加されたパラメータを表示内容に反映させたりすることで、本格的なWebサイトが作れるようになるでしょう。
また、Web開発には、情報の蓄積と管理ができるデータベースの知識も求められます。
Web開発には大きく分けて、HTMLやCSSによる「フロントエンド」、PHPが担当する「サーバー」、情報管理を行う「データベース」の3つの領域があります。
これらはWeb開発の現場で必須となるため、自作アプリの開発を通じて知識を深めていくことが大切です。
プログラミングはソースコードを書けば書くほど上達するといわれているので、積極的に新しいプログラムを作っていきましょう。
これまで解説してきたように、PHPを習得することで、さまざまなWebアプリやサービスを開発できます。
そのため、PHPは「需要」と「将来性」が高いプログラミング言語です。
そのほかにも、以下のような理由からPHPの重要性や人気が高まっています。
・学習環境が整っていて習得しやすい
・ライブラリやフレームワークが充実している
・Web開発分野でのマーケットが大きい
プログラミングは「専門知識が必要」というイメージがあり、なかなか学習の一歩を踏み出せないことがあるかもしれません。
しかし、PHPはシンプルなプログラミング言語であるため、プログラミング初心者でも習得しやすい傾向があります。
さらに、Web開発の現場では一般的な言語であり、書籍やインターネットで情報を得やすいことも、PHPの学習ハードルが低い理由です。
PHPはライブラリやフレームワークが充実しているため、高度な機能を手軽に実装しやすいことも、将来性が高いといわれている理由です。
例えば、デバッグやログ出力など開発時に役立つライブラリや、ログイン認証やグラフ描画などに役立つライブラリなど、ゼロから実装するのが難しい機能が充実しています。
こうした活用のための土台が整っていることは、PHPがさまざまな現場で活用されていて需要が高い理由でもあります。
PHPのライブラリについては以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
PHPはWeb開発の現場において、極めてマーケットが大きいプログラミング言語です。
例えば、CMS「WordPress」の公式サイトによると、世界のWebサイトの43%でWordPressが使われています。
前述したように、WordPress本体やプラグインはPHPで開発されているため、多くの企業や個人が間接的にPHPを活用しているということです。
こうした背景から、PHPの需要が高い状況は続くといえるでしょう。
プログラミング言語「PHP」を活用すると、WebサービスやECサイトの開発をはじめ、入力フォームやログイン認証の機能実装など、さまざまなことができるようになります。
さらに、社内システム開発など企業内で活用できるシステムも作れるので、PHPを習得することで仕事の選択肢も増えます。
この機会にぜひ、シンプルで学習しやすいPHPにチャレンジしてみてください。
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