フリーランスって失業保険を受給することは出来る?失業保険の仕組みとは

2019.10.31

正社員や契約社員などからフリーランスとしての活動を今後検討している方は失業保険について1度は調べたことがあるのではないかと思います。しかし、調べることに大幅な時間が掛かる、結局仕組みが複雑で分かりづらい、知らない単語が多いなどの理由で失業保険をはじめとする保険関連に手をつけることを後回しにしてしまう傾向が多いのではないでしょうか。
そんな今回は失業保険について詳しくかつ分かり易く解説していきます。さらにフリーランスや個人事業主になる前、失業保険が受給できるのかなどについても解説します。

この記事を特に一読して欲しい方は以下のような方です。
・フリーランスとしての働き方を今後活躍している方
・失業保険の知識をつけたい方
・保険関連の仕組みをしっかり理解したい方

<目次>
1.失業保険とは
2.失業保険が受給出来る対象者
3.失業保険を受給する際の手続き
4.フリーランスは失業保険を受給出来るの?
5.フリーランスが受給することが出来る再就職手当とは
6.不正受給について
7.まとめ

 

 

 

1.失業保険とは


失業保険とは一般的な表現で、実際は雇用保険の失業給付、正式には「基本手当」を指しています。
雇用保険の中には、求職者が再就職のために訓練を受けるための技能習得手当や、求職者が病気や怪我で就職できない時のための傷病手当などがあります。その中の退職から再就職までの期間、金銭的な心配なく就職活動ができるように支給されるのが基本手当(失業保険)ということです。また失業保険は誰でも受給出来るのではなく、受給するための手続きも必要です。
基本手当で貰える額は年齢により大きく異なりますが、以下のような区別となっています。(※2019年10月現在)
---------------------------------------
・30歳未満:6,815円
・30歳以上45歳未満:7,570円
・45歳以上60歳未満:8,335円
・60歳以上65歳未満:7,150円
---------------------------------------

 

基本手当の金額は下記式より求めることが可能です。
基本手当日額={(-3×賃金日額×賃金日額)+(69,980×賃金日額)}÷70,300

 

 

 

2.失業保険が受給出来る対象者


失業保険は誰でも受給出来るのではなく、以下条件を満たした人のみが受給できます。会社などを離職をする方などは事前に加入期間など確認しておくことをオススメします。

 

・ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあること

・離職の日以前2年間に「被保険者期間」が通算して12ヶ月以上あること
ただし、倒産・解雇等により離職した方(「特定受給資格者」又は「特定理由離職者」)については、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも可

・1週間に20時間以上働いていること、今後31日以上雇用される予定であることの条件を満たしているアルバイト

その他、雇用保険の受給期間は離職した日の翌日から1年間(所定給付日数330日の方は1年と30日、360日の方は1年と60日)です。
その間に病気、けが、妊娠、出産、育児などの理由により引き続き30日以上働くことが困難な場合、働くことが出来ない日数だけ受給期間の延長が可能です。ただし延長可能期間は最長3年間です。

 

 

 

3.失業保険を受給する際の手続き


手続きに関してはハローワークで行う必要があります。離職すれば失業保険が給付されるわけではありませんので注意しましょう。

ハローワークへ行き、失業保険の申請の手続きを行いましょう。
失業保険の手続きは以下の書類が必要です。
離職票
・個人番号確認書類(マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票のう ち、どれか1種類)
・本人確認書類(免許証、パスポート、写真付きの資格証明書など)
・写真(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm)2枚
・印鑑
・本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

 

雇用保険受給説明会への参加
ハローワークで受給要件を満たしていることを確認した上で、雇用保険受給説明会があります。
雇用保険受給説明会は受給を受けるために必要な知識の説明や雇用保険受給資格者証、失業認定申告書の受け取り有りますので、必ず出席しましょう。

 

ハローワークへ行き、失業の認定
雇用保険受給説明会参加時に指定された失業認定日に従い、管轄のハローワークに行き、失業認定申告書に求職活動*1の状況等を記入し、雇用保険受給資格者証とともに提出しましょう。
原則として、4週間に1度のペースで失業の認定(失業状態にあることの確認)を行いますので、定期的にハローワークへ行くことが必要です。

 

*1求職活動について
失業の認定を受けようとする期間(認定対象期間。原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間)中に、原則として2回以上(基本手当の支給に係る最初の認定日における認定対象期間中は1回)の求職活動(就職しようとする意思を具体的かつ客観的に確認できる積極的な活動のこと)の実績が必要です。
また自己都合などで退職された場合、離職理由によっては待期期間満了後3か月間は基本手当の支給は出来ません(離職理由による給付制限)が、この期間とその直後の認定対象期間をあわせた期間については、原則として3回以上の求職活動の実績が必要です。

 

 

 

4.フリーランスは失業保険を受給出来るの?


フリーランスは失業保険をもらうことが出来ないというのが結論です。
そもそも、失業保険とは「再就職を支援する制度」が元となっているため、どの団体にも属さずにフリーランスとして活躍をしていく場合「失業の状態」には含まれず失業保険の対象外になってしまうことが理由です。

 

 

 

5.フリーランスが受給することが出来る再就職手当とは


フリーランスは失業保険を受給することは出来ませんが、条件によっては再就職手当というものを受給することが出来ます。
再就職手当とは、退職後、早期の再就職を促進するための制度です。再就職が早く決まるほど、支給される額も多くなります。

 

再就職手当をもらうためには下記条件をすべて満たす必要があります。

・失業保険受給の手続き後、7日間の待期期間を満了後に、就職または自営業を開始したこと
・失業手当(基本手当)の支給残日数が3分の1以上残っていること(就職日の前日まで)
・就職した会社が、退職した会社とは関係ないこと(離職した会社と資本金・資金・人事・取引面で密接な関わりがないこと)
・自己都合退職により3ヶ月の給付制限がある場合、1ヶ月目はハローワークもしくは人材紹介会社の紹介で就職を決めること
・再就職先は1年を超えて勤務することが見込めること
・雇用保険の被保険者となっていること
・過去3年以内に再就職手当、または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
・受給資格決定の前から、採用が内定していた会社ではないこと

 

上記条件に当てはまるフリーランスの方は、支給日数の残りが多いほど支給される額が増加することも忘れずに覚えておきましょう。

 

再就職手当を受給する手順は下記の通りです。
ハローワークで失業保険の申請を行う。
雇用保険受給説明会への参加
ハローワークへ行き、失業の認定
求職活動期間内にフリーランス(開業)の準備
※求職活動期間は失業認定日(又は待期満了日の翌日)から次の認定日の前日までの期間
フリーランス(開業)をして活動する準備が整ったら、ハローワークに伝える
就職日の前日にハローワークで最後の失業認定を受け、再就職手当支給申請書を受け取る
 下記3点の書類が必要になります。(この時点で失業手当の支給は終了です)
雇用保険受給資格者証
 基本手当日額等の情報が記載されている紙です。
失業認定報告書
 毎月の失業認定日に、就活の実績などを記載し提出する紙です。
採用証明書
 フリーランスの場合、自身が記入します。
フリーランス開業開始翌日から1ヶ月後までの間に、下記2点の書類を準備して再就職手当の申請*2
お住まいの地域のハローワークによっては、下記2点以外にも指定された持ち物の提出を要求される場合もあります。
・再就職手当支給申請書
雇用保険受給資格者証
ハローワークから支給決定通知書が届き、振り込まれる
再就職手当支給申請書を提出した後、約1ヵ月ほどで振り込まれます。

 

*2.再就職手当の申請はハローワークで行います。申請可能時間帯は、月曜日から金曜日の平日8時30分〜17時15分です。土日祝日と年末年始(12月29日~1月3日)は申請できませんので注意しましょう。なお、再就職手当は政府のWebサイトからも申請することができます。その場合、24時間/365日受付可能です。

Webサイトから再就職手当の申請を行いたい方はこちら↓
雇用保険就業促進手当(再就職手当)の申請

 

その他政府は現在、フリーランスを支援すべく、以下のような政策や仕組みづくりの検討を開始しております。フリーランスが年々増加してきている日本でフリーランスのための政策が出来ることも近いかもしれません。

・フリーランスとして仕事が無くなってしまった場合、出産などで働くことが困難な場合など、様々なケースにおいて収入補償が可能な団体保険の創設
・フリーランス協会に加入した場合においては、上記保険料が5割減となる仕組み
・フリーランスの契約が不利にならないようなガイドライン作成
・認定優良事業者制度の制定
・フリーランスでも住宅ローンなどを借りやすくする仕組み

 

 

 

6.不正受給について


不正に受給をした場合、以下のペナルティが課されます。そのため不正受給は絶対にやめましょう。

・不正の行為のあった日以降のすべての給付停止(支給停止)
・不正に受給した金額(全額)の返還(返還命令)
・不正行為により受給額の2倍の額の納付が命じる(納付命令)
もし返還や納付をしない際、財産差押えなどの強制処分を実行することや特に悪質な場合は、刑事事件として刑法(詐欺罪)によって処分される可能性があります。

 

 

 

7.まとめ


今回はフリーランスの失業保険について具体的に解説をしてきました。結果的にフリーランスは失業保険を受けることは出来ません。しかし、フリーランスでも受給可能な再就職手当という仕組みが存在します。
失業保険などの保険関連知識を身につけておくと、様々なケースに遭遇した際に最適な対応が出来るため、しっかりと学びフリーランスとしてご自身に最適な人生を送りましょう。

 

なお、正社員/契約社員、派遣社員からフリーランスへと検討している方は下記記事もご一読ください↓
【退職手続き完全マニュアル】フリーランスになる前にやっておくべき退職の準備について

 


本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

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