公開日:2020.06.26
更新日:2025.03.24
世界各国で導入されているERPパッケージである「SAP」は、近年日本国内の多くの企業で利用されています。
そのため、SAPの導入や開発に関わるSAPエンジニア・コンサルタントに興味を持っているという方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SAPの概要や主要モジュール、SAPエンジニア・コンサルタントの仕事内容や必要とされるスキルについて解説いたします。
SAPエンジニア・コンサルタントの年収や将来性についても解説していますので、ぜひともご覧ください。
特に、下記の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・SAPエンジニアやコンサルタントに興味を持っている方
・SAPエンジニアやコンサルタントとして活躍したいと考えている方
・SAPエンジニアやコンサルタントの年収・将来性について知りたい方
・SAPエンジニアやコンサルタントの仕事内容について知りたい方
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<目次>
1.SAPとは
2.SAPの主要モジュール
FI( Financial Accounting ):財務会計
CO( Controling ):管理会計
SD( Sales and Distribution ):販売管理
MM( Material Management ): 在庫購買管理
3.SAPエンジニア・コンサルタントの仕事内容
4.SAPエンジニア・コンサルタントに必要なスキル
SAPのモジュールの知識・業務知識の習得
SAPのプログラミング言語であるABAPの理解
SAP認定資格の取得
5.SAPエンジニア・コンサルタントの年収
6.SAPエンジニア・コンサルタントの将来性(2027年問題)
SAPとは、SAP社が提供するERP(EnterpriseResourcesPlanning)パッケージのことです。
ERPは日本語で「企業資源計画」と訳すことができ、組織全体のヒト・モノ・カネといったリソースの情報を一元管理することで、経営効率化を図る手法を意味します。
そしてERPを実現するための製品名称を、ERPパッケージと呼びます。
SAP社のERPシェア率はトップクラスであるために、SAPが会社名としてだけでなく製品名としても浸透していると言えます。
SAPには様々な機能があり、それら一つ一つのことを「モジュール」と呼んでいます。
そこでこの章では、SAPの主要モジュールについてお伝えいたします。
FIとは財務会計システムを指します。
企業と関係のある人や組織に報告するための財務諸表を作成するためにFIモジュールを使用します。
ヒト・モノ・カネの流れには基本的に会計が関係するため、FIモジュールはSAPを利用する多くの企業が使うツールだと言えるでしょう。
複雑な会計処理に対応するため、以下のようなサブモジュールも用意されています。
・AP(財務管理)
・G/L(総勘定元帳)
・SL(特別目的元帳)
・AA(固定資産管理)
・AR(債権管理)
・BL(銀行)
COは、部門単位の業務管理や間接費などの管理会計をまとめたモジュールを指します。
会計管理とは社内向けの費用・収益分析であり、財務諸表などの外部向け報告書の作成を目的としたFIとは異なっています。
COの主要機能は、以下の3つに分類できます。
・CO-OM…間接費管理
管理した間接費を各部門へ割り当てることを目的とする
・CO-PC…製品原価管理
直接費を集計して製造原価を割り出すことを目的とする
・CO-PA…収益性分析
集計された間接費や直接費から原価や利益の分析をすることを目的とする
企業ごとの目的によってCOの業務は流れが変化するため、各企業によって多種多様な使われ方をするのも特徴の一つです。
SDは、販売管理モジュールを指します。
販売サポートや倉庫への出荷、受注や請求などの販売業務の管理を目的としています。
MMとは、在庫管理システムや調達管理システムを指します。
発注先や発注額、在庫数などを一元管理することが可能です。
SAPエンジニアやコンサルタントの仕事内容は、多岐に渡ります。
SAPエンジニアやコンサルタント、それぞれお伝えいたします。
SAPエンジニアはSAPを用いたシステムの設計・開発・テスト・保守運用、それらに付随する報告業務を担当し、場合によってはクライアントへのコンサルティングも担当します。
基本的には設計などの上流業務に行くほど多くの実務経験やSAPの知識が必要とされるため、保守運用やテストなどからキャリアを開始することが一般的です。
またSAPエンジニアとして、SAP以外にも、VBAやACCESSなどのスキルを使用して業務効率化・自動化を進めることも求められます。
SAPコンサルタントは、SAPシステムの導入に関するコンサルティングや、企業ごとの合わせたSAPシステムのカスタマイズを主に担当になります。
企業がシステムを導入する前の段階では、企業の経営状態を把握したうえで、システム導入と併せて業務改善提案も行います。
システム導入後はPM(プロジェクトマネージャー)として機能し、場合によっては稼働後のフォローも行います。
この章では、SAPエンジニアやコンサルタントに必要とされるスキルについてお伝えいたします。
SAPエンジニア・コンサルタントに求められるスキルとして、SAPの各モジュールに関する知識や実際の業務知識です。
SAP開発や導入の現場経験を詰んでいくことで、キャリアアップにつなげていきます。
SAPエンジニア・コンサルタントには、SAPのプログラミング言語であるABAP(アバップ)に対する理解も必要です。
ABAPとは「AdvancedBusinessApplicationProgramming」の略であり、SAP製品を構成するプログラミング言語です。
元々ABAPはCOBOLのような構造化プログラミング言語でしたが、徐々にオブジェクト志向を採り入れて拡張しつつあります。
ABAPは大きく次の3つに分けることができます。
・レポート…データ出力を目的としたプログラム
・バッチインプット…バッチ処理をするためのプログラム
・Dynpro…対話型の画面入力に関するプログラム
SAP社では認定コンサルタント資格を設けており、コンサルタントとしての活躍を視野に入れているのであればおすすめです。
認定資格を取得することで、SAPに関する専門知識や経験の保有を証明することが可能となり、業務範囲の拡大も期待できるでしょう。
SAP認定資格はデジタルバッジにてFacebookやTwitterなどのSNSで示すことができます。
認定資格がなくてもSAPコンサルタントの業務は行えますが、SAPコンサルタントを目指すのであればスキル・知識の向上のためにも取得を検討してみましょう。
SAPエンジニアやコンサルタントの年収は、500万円程度~1,500万円程度と比較的幅広いと言えます。
SAPの導入プロジェクトにおける経験値を増やし、PM(プロジェクトマネージャー)を経験するなどにより、年収を高めていくことが期待できるでしょう。
幅広い職種や領域をこなすことや、SAPに関連するスキル以外も保有することなどが、年収アップのカギだと言えそうです。
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ここでは、SAPエンジニア・コンサルタントの将来性について考察します。
現在日本国内の企業では、国内の2,000社以上が導入しているとも言われているSAP ERPの保守サポートが2027年で終了する問題が話題になっています。
これは「2027年問題」と呼ばれており、移行にかかるコストに頭を悩ます企業が大量に発生しています。
つまり、2027年までの間はSAPの移行に関わるプロジェクトが増加することが予想され、SAPコンサルタントのニーズが高まる可能性が高いでしょう。
2027年問題の解決策としては、S/4HANAに移行するか、他ERPを使用するかのどちらかになります。
しかし、どちらの選択肢も大きなコストや労力が掛かるため決断できていない企業も多いです。
以前は「2025年問題」でしたが、2020年2月SAPはサポート終了を2025年末から2027年末に延長すると発表しています。
また、日本企業においてはグローバル化の流れによりSAPシステムを導入する企業が増えていくことも考えられます。
そのため、SAPのフリーランスエンジニア・コンサルタントの需要は今後高まっていくと予想できるのではないでしょうか。
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