公開日:2020.11.14
更新日:2025.03.24
フリーランスの皆さんは見積書についてどうお考えでしょうか?
見積書とは、クライアントから案件を受注する際に、報酬価格や納期など見積もり条件をまとめた書類のことです。クライアントはその見積書を参考に、案件の発注を行います。
今回は、フリーランスに必要な見積書について以下に焦点を当てながら解説します。
・フリーランスにとっての見積書の役割とは?
・見積書を発行する際の基本事項について
・見積書作成時のポイントについて
・見積書のおすすめテンプレートについて
フリーランスが良質な仕事を獲得できるかどうかは見積書の書き方も重要です。
フリーランスや今後フリーランスの独立を検討している会社員/学生は是非ご一読ください。
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<目次>
1.フリーランスにとっての見積書の役割とは?
クライアントとの契約を証拠として残すため
クライアントと正確に情報共有するため
クライアントに契約を促すため
2.見積書を発行する際の基本事項
宛先
発行日
差出人の社名や氏名
捺印
見積書タイトル
見積書の有効期限
見積金額
備考欄
3.見積書作成の際のポイント
正確かつ詳細に記載する
値下げは簡単にしない
4.見積書のテンプレート
見積書エクセルテンプレート「board」
マネーフォワード クラウド請求書
5.まとめ
フリーランスにとって、見積書はクライアントから良質な仕事をもらうための重要書類です。
契約書・請求書作成の際に、クライアントと認識のすり合わせをするという意味で重要な役割を果たします。
見積書作成はフリーランスの市場において、自分がどの程度市場価値があるかを判断する材料にもなりえます。
現代において、見積書とは無縁で、メールやチャットのみで仕事を獲得してきたという方も多いかと思います。
ですが、トラブル防止の観点から、見積書の提示は重要です。
見積書が重要な理由は3つあります。
見積書はクライアントと契約したことを意味する何よりの証拠になります。
発行日からフリーランス(個人事業主)は5年間、法人は7年間、その有効性が認められます。
クライアントとの間の取り決めは必ず書類として残しておきましょう。
後になって、口約束が契約解除などのトラブルにつながるケースも少なくありません。
また、確定申告の際や源泉徴収の確認など、税金を納める際にも見積書は役立ちます。
見積書を残すことで、クライアントとの情報共有、情報認識相違の防止につながります。
メールやチャットをスマホやパソコンでスクショ保存しても問題ありませんが、紙の書類として保管しておけば、データ破損など万が一の際に備えることができるので安心と言えるでしょう。
なお、紙での見積書の保管が難しい/面倒くさい方はデータ化する方法もあります。
正式な見積書があれば、フリーランスに対するクライアントからの信頼性も高まります。
万が一、クライアントからの連絡が遅延したり、途絶えた場合に契約履行を促す道具としても有効活用できます。
フリーランスとして見積書は必須ではありませんが、できるだけ作成するようにしましょう。
フリーランスとして、契約の流れについて確認したい方は下記記事をご一読ください↓
ここでは、見積書に記載すべき項目について解説します。
全ての項目において注意すべき点は誤字脱字を意識することです。
誤った内容で見積もってしまうとトラブルの原因にもなりますし、クライアントにも失礼に当たりますので注意しましょう。
最悪の場合、フリーランスとしてクライアントからの信頼を失う可能性も有り得ます。
見積書作成の際、始めにクライアントの宛先を記載しましょう。
会社や部署宛なら「御中」、個人宛なら「〜様」と記載しましょう。
見積書に有効期限を設けるため、発行日は必ず記載しましょう。
差出人(自分)の社名や氏名は必ず記載しましょう。
屋号がある方はそちらも記載しましょう。自分の氏名や住所、連絡先、メールアドレスは間違えないように記載します。
近年の見積書作成は、インターネット上でのオンライン作成も多いですよね。
その場合は作成後、メール等に添付し送信するため捺印は不要です。
しかし、紙面提出の場合は捺印をするように心がけましょう。
見積書の提出としては必須ではありませんが、捺印には法的効力にも関わります。
自分の身を守るためにも、見積書作成で一番気を配るべきポイントと言ってもいいでしょう。
法人の場合は角印を押印し、フリーランス(個人事業主)の場合は屋号印または個人の認印を押印します。
※参考
民訴法第228条第4項において、裁判所は捺印をした文書に関して、特に疑わしい事情がない限り、真正に成立したものとして、証拠として使用して問題ないと記載があります。
見積書のタイトルは基本的に、「お見積り」「お見積書」「見積書」のような書き方が一般的です。
特に指定がなければ、上記のように記載しましょう。
見積書に有効期限を設けることは、期限内に契約を進めてもらえるようにクライアントを促す目的と、金額変更・認識相違などのトラブルを回避することにつながりますので、必ず記載しましょう。
見積書における有効期限の例は「提出後3か月以内」「発行後1か月以内」など提出日や発行日と組み合わせる方法、または「○○年○月○日まで」と具体的な日付を指定する方法があります。
見積金額について、税込価格を記載しましょう。
品番や品名などを確認し、数量、単価、金額など契約と相違がないかを確認し、小計金額を算出します。
その小計金額に税金を掛け、合計金額を見積金額に記載してください。
品名はライターであれば原稿料、プログラマーであればWebサイト制作費など細かく記載することで、見積金額が明示しやすくなります。
また、クライアント側も把握しやすく見積書が見やすくなります。
納期についてや補足情報など、何か伝達する重要事項について記載します。
備考欄の書き方は特に決まっていません。
また、もし特に記載する事項がない場合は、挨拶文やメッセージなどを記載すると良いでしょう。
空欄でも特に問題はありません。
良く記載されているものとしては振込手数料についてです。
振込の際にもクライアントとの齟齬が発生しない様に「お振込手数料は御社ご負担にてお願い致します。」など見積書作成時に記載しておくことが良いでしょう。
ここからは見積書作成の際のポイント・注意点について解説していきます。
フリーランスとして必ずポイントを抑えておきましょう。
見積書は、契約書や請求書の作成や取引金額決定に直結する書類です。
見積書の時点で、クライアントとの認識に誤差があった場合、様々なトラブルにつながる恐れがあります。
そのため、見積書には作業内容や保守範囲など、自分が業務にあたる部分を明確にかつ詳細に記載し、認識の相違がないか確認する重要な役割があります。
プログラマーであれば、サイト開発、データベース作成、システム開発、ライターであれば、原稿料(〜について)、材料費(〜のため)など具体的に作業項目を記載しましょう。
また、席代(打ち合わせ)やサーバーメンテナンスなど、複数回行う業務に関しては、単価×回数を記載することがベターです。
フリーランスとして活動し始めた当初は、どうしても自己評価を低く見がちです。
そのため、クライアントからの単価値下げ交渉に簡単に応じてしまうこともあるかと思います。
確かに仕事を受注できることは嬉しいことですが、フリーランスにも仕事や報酬を選ぶ権利はあります。
この点は自分にも他人にも厳しく見積もりましょう。
極端に高単価を自分で掲げる必要はないですが、フリーランス市場に適した価格で仕事を受注しましょう。
なお、フリーランスエンジニアとして適性価格(自分の市場価格)が分からない場合は、フリーランススタートで適正価格を見てみましょう。
また単価を下げ受注したにもかかわらず、当初の予定から業務内容を追加されたりする場合も多々あります。
そのような場合に臨機応変に対応できるよう、見積書作成の段階で、備考欄などに「業務内容が変更・追加となった際は、別途料金を請求致します。」など一言添えておくとベターです。
ここまでフリーランスが知識として持っておきたい見積書の役割や見積書発行の基本事項、見積書作成のポイントについて解説しました。
ここからは、フリーランスとして実際に見積書を書くにあたって、おすすめのテンプレートについて2つご紹介します。
インターネット上には多数のテンプレートが落ちていたり、無料ダウンロードできるものがあります。
フリーランスとして使用しやすいテンプレートですので、興味のある方は是非活用してみてください。
「board」は、中小企業を中心にバックオフィス業務を最大限に効率化することを目指したクラウド型業務システムです。
ビジネスに必要な見積書や納品書、請求書、領収書などを作成する機能やそのテンプレート、請求業務を一括でメール送信・郵送を行う機能などが充実しています。
また、これらの機能は基本的に全て無料で利用可能です。標準的なフォーマットに加え、用途に応じたレイアウトや豊富なデザインも多数用意されています。
「マネーフォワードクラウド請求書」を活用すると見積書や請求書の仕訳が簡単に自動作成することが可能です。
「マネーフォワードクラウド請求書」で作成した見積書や請求書の内容を基に、マネーフォワードクラウド会計・確定申告に売掛発生の仕訳と入金予定の仕訳が自動で作成されるため、別途仕訳入力を行う手間を省けます。
100種類以上のテンプレートが用意されているため、状況に応じた使い分けができ無料で利用可能です。
今回は、フリーランスにとっての見積書の役割や概要、作成のポイント、契約の流れなどついて解説してきました。
・フリーランスにとっての見積書の役割は、クライアントとの契約を証拠として残す役割、クライアントと確実な情報共有する役割、クライアントに契約を促す役割があります。
・見積書発行の際は基本事項を記載しながら、誤字脱字をしないように心がけましょう。
・見積書作成の際のポイントは業務内容や保守範囲を正確かつ詳細に記載することを心がけ、自己評価を意識的に低めないようにすることです。
・見積書のおすすめテンプレートは「見積書エクセルテンプレートboard」、「マネーフォワードクラウド請求書」をなどがあります。
フリーランスとしてクライアントとの契約時に見積書は必要な書類ではありません。
しかし、見積書を作成することでクライアントからの信頼を獲得したり、その後の取引をスムーズに進めることにつながります。
フリーランスとして、良質な仕事を獲得するためにも見積書について正しい知識を理解しておきましょう。
フリーランスとして発注書について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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