公開日:2020.11.19
更新日:2025.03.24
フリーランスの皆さんは税務調査を受けたことはありますでしょうか?
フリーランスで税務調査を受けた方はそこまで多くないかと思いますが、フリーランスでも、もちろん税務調査の対象になる可能性があります。
では、どんな方が対象になりうるのか気になりますよね。
今回は、フリーランスの税務調査について以下に焦点を当てながら解説します。
・税務調査とは何か?
・フリーランスでも税務調査されやすい人について
・税務調査される場合の一連の流れについて
・万が一税務調査される場合の対応方法について
自分には関係ないと思っている方ほど意外と該当してしまうものです。
万が一の税務調査に対応できるよう、普段からしっかりと準備しておくことが大切です。フリーランスや今後フリーランスとして独立を検討している会社員/学生は是非ご一読ください。
あなたの経験職種のフリーランス案件相場を確認しませんか?
<目次>
1.税務調査とは?
フリーランスも実は税務調査の対象に入っている
どんな書類が必要なの?重点的に見られる書類は?
2.フリーランスとして税務調査されやすい人って?
フリーランスとして収入が900万円台である
フリーランスとして収支の変動が激しい
フリーランスとして税務調査のペナルティを受けた経験がある
フリーランスとして確定申告していない経験がある
3.税務調査する場合の流れ
①事前調査
②事前通知
③実地調査
④調査結果の連絡
⑤問題対応とペナルティ
4.フリーランスとして万が一の税務調査に備えて
確定申告をする
書類や領収書(レシート)を整理整頓をする
5.まとめ
そもそも税務調査とは何をするのでしょうか?
税務調査とは、税務署などの組織が納税者が正しく税務申告してるかを確認する公式な調査のことをいいます。
ここでは、フリーランスでも税務調査の対象になりうるということについて解説します。
税務調査はフリーランスでも対象になります。
国税庁のホームページを見ると、令和元年度の「個人所得税の税務調査件数」において現地調査でも、半日程度で終わる「着眼調査」は約17,000件、1日~数日掛かる「特別調査・一般調査」は、約42,600件となっています。
全体の調査件数が約43万1千件であることと比較して考えると、税務調査の該当確率は13.8%と決して高い数字とは言えないことがわかるでしょう(約10人に1人強が該当)。
この結果だけで見ると、フリーランスなら税務調査の心配そこまでないんじゃないの?と思うかもしれません。
しかしフリーランスでも確定申告の際、収入金額に対して所得金額が極端に少ない場合などは、税務調査が入りやすくなる場合があります。
可能性がゼロでない以上は万が一のために、税務調査の準備をしておくことが大切です。
参考:所得税の税務調査件数
では万が一、税務調査が入った場合、何をチェックされるのでしょうか?
ここでは税務調査の際、重点的にチェックされる書類について解説します。
以下の書類の過去3年分がチェック対象になります。
しかし、調査内容で何か怪しい部分が発覚した場合は最大7年前までチェックされますので、事前に準備しておくようにしましょう。
・総勘定元帳
・申告書の控え
・領収書
・請求書
・預金通帳
・販売契約書などの契約書
・従業員関係の書類
・給与関係の書類
・議事録
・その他必要書類
税務調査官は、これらの書類のほぼすべてをチェックしますが、フリーランスの税務調査の場合は特に収入金額と必要経費を重点的にチェックするでしょう。
具体的には、収益金額の計上ミスや抜け、必要経費の内容や金額、人件費・外注費などを確認されます。
これらについてはしっかり説明できるようにしましょう。
ここではフリーランスとして税務調査されやすい人について解説します。
該当する項目が一つでもあった方は税務調査される可能性がありますので注意が必要です。
フリーランスとして年収が900万円台の方は、税務調査を受けやすいです。
その1番の理由は、消費税が関係しています。
フリーランスの場合、年収が1000万円を超えると原則、消費税を支払う義務が発生します。
しかし、フリーランスの中には少しでも節税するため、悪質な手段で意図的に消費税の支払いを回避しようとする方がいます。
節税は大切ですが、疑われるようなことはしないように心がけましょう。
収支の変動が激しいフリーランスも、税務調査を受けやすいです。
昨年と比べて不自然に収入が増えている場合や必要経費が昨年に比べて不自然に増えている場合などが特に怪しまれます。
悪質な行為に及んでいなかったとしても、どのような経緯があり収支が大きく増減したのかを明確に答えられるように準備しておきましょう。
過去にフリーランスとして税務調査のペナルティを受けた経験がある方も、税務調査されやすいです。
税務署には各々のデータが事細かくしっかりと残っていますので、確実にマークされているでしょう。
「納税遅延による追納金」ではそこまでマークされませんが、「重加算税」をかけられたことがある人は、確実にマークされていますので、注意しておきましょう。
フリーランスとして税金に関するペナルティを詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランスになってから確定申告をしていない方も税務調査を受けやすいです。
特に、例年は正しく確定申告されているにもかかわらず、今年に限っては確定申告していないという方はマークされます。
確定申告をしっかり行わないと遅延税や無申告加算税のペナルティが課せられ、本来より多く納税する義務が発生します。
余計な税金を払わないようにするためにも確定申告はしっかり行いましょう。
フリーランスとして確定申告をしないとどうなるのか?詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
この章では万が一税務調査に該当した場合、税務調査がどのような流れで行われるのか、一連の流れを解説します。
税務署内で、どのフリーランスに対して税務調査を行うのかを選定します。
事前調査では、過去数年間の確定申告状況を参考に、著しく増えた収益にどんな意味があるのか、経費に著しく疑わしい点はないかなどを調査します。
フリーランスであれば、自宅や作業場、私物品のチェックなど行ったりします。
個人事業主であれば、実際に店舗内に入って内偵調査される場合もあります。
これらの調査結果に基づき、税務調査の対象となったフリーランスに事前通知を送り実地調査に入ります。
事前調査で対象になったフリーランスに対して、事前通知の連絡を行います。
通常の税務調査の場合は、税務署から通知書が送られます。
事前通知の内容は税務調査の有無、日時、調査場所、目的、調査対象税目、期間などです。
なお、過去に悪質な脱税があった場合は、事前通知なしで抜き打ち調査が入ることもあります(現況調査)。
調査には、現況調査の他に一般調査、特別調査、反面調査などがあります。
税務調査と言えば基本的に一般調査のことを指します。
特別調査は多額不正が疑われる場合に行われ、一般調査よりも詳細な調査となります。
事業規模が大きいグループ企業などの場合に行われることが多いです。
反面調査は、調査対象のフリーランスと関係のある取引先などへの調査を指します。
調査中、不審と思われる取引について内容の是非を確認するため、相手取引先に対して文書や実地による調査を行うことがあります。
事前通知の内容に沿った実地調査が進められます。
基本的にはおおよそ2日~3日で実地調査は完了します。
顧問税理士がいる場合はその税理士が対応、いない場合は税務調査対象者自らが応対することになります。
しかし、実地調査と言っても恐れる必要はありません。
何もやましいことがなければ堂々として待っていればいいのです。
ただし、調査中の軽率な発言が後々トラブルに発展する可能性もあるため、指摘内容や質問内容に対してはしっかりと受け答えしましょう。
東京税理士会の2019年度における税務調査アンケート結果によると、調査日数については回答のあった調査件数3,229件の内「1日」で終了したものが633件で20.1%を占め、「2日」が1,556件で49.4%、「3~4日」は591件で18.8%、「5日以上」が368件で11.7%です。
実地調査後、税務署員は実地調査で収集した書類や情報を基に税務調査対象者について分析します。
分析の結果、問題なければ「申告は適正である」ということを意味する是認通知書が届きます。
これが届いた段階で税務調査は終了です。
しかし万が一、問題ありと判断された場合は指摘事項に関する通知書が届きます。
これについて、再度お互いに調査し直し、問題が解決するまで税務署とやり取りする義務が生じます。
税務署から受けた指摘事項に対応します。
もし指摘事項を認める場合は修正申告を行います。
逆に指摘事項を否定する場合は更正処分の通知を待ちます。
更正処分では、申告内容に関して税務署側が強制的に修正を加え、納めるべき税金の不足分を要求されます。
この更正処分に納得できない場合は、再調査の請求を申し立てることもできますが、審査請求という流れで税務署と裁判で争う可能性もあります。
修正申告後に納めるべき税金は、不足分の税金以外にも、延滞税や過少申告加算税がペナルティとして加算されます。
申告自体をしてしなかった場合は無申告加算税が、悪質な申告を行っていた場合は重加算税がそれぞれ加算されます。
また、修正申告によって所得額が変わるため、住民税や健康保険税も増えてしまいますので、注意が必要です。
税金関連のペナルティの詳細は以下記事より確認できます。
この章では万が一フリーランスとして税務調査された場合、またはされないようにするための対処法について解説します。
そもそもフリーランスとして毎年の確定申告がしっかり行われており、然るべき納税義務を果たしているのであれば、税務調査は入る可能性は低いでしょう。
しかし、フリーランスとして仕事をしていると、確定申告が正しく行えているのか不安ですよね。
そんな時は、信頼できる税理士に相談するという方法もあります。
確定申告書には税理士が署名・捺印をする箇所があるため、信頼性という観点から税務署側にアピールすることができます。
フリーランスとして確定申告について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
税務調査でチェックされる書類に必ず含まれているのが領収書です。
万が一のために、日頃から整理保管しておきましょう。
ただまとめて分類するだけでなく、領収書が発行された月や週、日ごとに分類しておくことをおすすめします。
また、領収書やレシートの裏に使用用途や取引相手の氏名などの重要事項などをメモしておくと整理・チェックの際にわかりやすいのでおすすめです。
フリーランスとして領収書の保管方法などについて詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
今回は、フリーランスでも税務調査に注意しなければならないことについて解説してきました。
・税務調査とは、納税者が正しく税務申告しているかどうかを確認する調査のことです
・フリーランスでも税務調査されやすい方は、年収が900万円台の方、収支の変動が激しい方、税務調査のペナルティを受けた経験がある方、フリーランスとして確定申告してない経験がある方がマークされやすいです
・税務調査される場合の一連の流れは事前調査→事前通知→実地調査→調査結果の連絡→問題対応とペナルティの順序です。
・フリーランスとして税務調査された場合、またはされないようにするための対処法は、毎年確定申告をすること、書類や領収書(レシート)を整理整頓をしておくことが重要です。
正しく税金が納められていれば、税務調査は怖くありません。
フリーランスも税務調査の対象となる以上、税金関連の管理はしっかり行うことが大切です。
特に、毎年の確定申告やそれに必要な書類整理や帳簿付けは日常的に行うように心がけましょう。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから→
フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
フリーランスお役立ち記事を検索
あなたの経験職種のフリーランス案件を見てみませんか?
SNSアカウントでログイン