公開日:2020.04.27
更新日:2025.03.24
フリーランスになったばかりの方の場合、確定申告がよくわからず悩んでしまうことがあります。
実際、会社員時代は会社に任せていた方が多いでしょう。そもそも確定申告について学ぶ機会やその必要性がないことも確定申告がよくわからない原因と言えます。
しかし、フリーランスの場合は適切に確定申告することで節税効果もあることから、疎かにすべきではないのも確かです。
今回はフリーランスになったばかりで確定申告でお悩みの方のために、フリーランスが確定申告で注意すべきポイントについてご紹介します。
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<目次>
1.いまさら聞けない確定申告
確定申告とは
会社員(サラリーマン)に確定申告は原則必要なし|年末年始について
会社員(サラリーマン)でも確定申告が必要な場合
フリーランス(個人事業主)・自営業は確定申告が必要
2.フリーランスの確定申告でも必ず出てくる白色申告と青色申告
白色申告
青色申告
3.フリーランス(個人事業主)の確定申告の時期・流れについて
フリーランス(個人事業主)の確定申告の時期
フリーランス(個人事業主)の確定申告に必要なもの
・青色申告の場合
・白色申告の場合
確定申告書の提出方法と提出先
4.フリーランス(個人事業主)の確定申告で行う節税対策
青色申告で認められる経費について
どんなものが経費として認められるの?
レシート、領収書は大切に保管
5.まとめ
まずは確定申告の基礎知識として抑えておくべきポイントをご紹介します。
確定申告とは、本業や副業も含めて、1年間で得た所得の合計に対して必要な納税額を計算して、算出した所得税の金額を申告する一連の流れのことをいいます。
納める所得税は所得によって確定されます。
所得は1月1日から12月31日の期間で得た収入や支払った支出、医療費、寄付、扶養家族状況によって計算したものです。
これらの基本的な部分については会社員でもフリーランスでも同じであり、難しく考える必要はありません。
次に理解すべきは自分自身で確定申告が必要な場合と不要な場合です。
会社員で確定申告が不要な場合、会社員でも確定申告が必要な場合、フリーランスの場合の3パターンを見てみましょう。
企業に属する会社員であれば原則的には確定申告は必要ありません。
なぜなら、会社側が年末調整を行ってくれるからです。確定申告の仕組みがよくわからない理由でもあります。
会社員の場合の年末年始、11月から1月半ば頃までの書類の流れを見てみましょう。
・給与所得者の扶養控除等申告書の提出
・配偶者特別控除申告書の提出
・その年の12月度の給与確定
・上記により年間の給与額、賞与額、社会保険料、源泉徴収額が確定
・確定した所得を元に所得税が確定
・住宅ローン
・各種保険料
年末調整によって12月か1月の給与で還付金がプラスされた記憶がある方もいらっしゃるでしょう。
会社員の場合は企業側が月々の給与から税金を天引きし計算しているため、個人の事務負担が少なく、定められた書類の項目を少し記述しハンコを押すだけで、所得が確定され納税が完了する仕組みになっています。
次に会社員でも確定申告が必要な場合を見てみましょう。
・1年間の給与所得が2000万円以上
・副業で20万円を超える収入がある
・一定の給与所得を2ヶ所以上から得ている
・同族会社の役員などの立場で貸付金の利子や資産の賃貸料を得ている
・災害などで源泉徴収の猶予を受けている
その他にも必要な場合となる条件がありますが、主に会社員として働く人が影響を受けるのは上記の5つです。
詳しくは下記国税庁のページをご確認ください。
国税庁|給与所得者で確定申告が必要な人
フリーランス、個人事業主、自営業であり、20万円を越える収入がある場合は確定申告が必要となります。
簡単に言えば、自分自身で収入や経費などの支出を計算し、所得を確定し税務署に申告するということです。
今まで会社に属していたから、会社がやってくれたことを今度は自分で行うだけであり、難しく考える必要はありません。
フリーランスの場合、適切な確定申告をすることで節税効果を期待できます。
同時にきちんと確定申告することで、災害時に働けなくなった場合、仕事が少なくなった場合の補償や補填も受けやすくなるのも利点です。
逆に言えば、きちんと確定申告をしないと納税した証明にならず、何らかの補償や補填を受けにくくなる可能性を忘れてはいけません。
次にフリーランスの確定申告で悩みの種となる「白色申告」と「青色申告」について説明します。まずは簡単に表で見てみましょう。
(参照:白色申告と青色申告の違いを分かりやすく!個人事業主の確定申告)
こうして表を見てみると、白色申告の方が簡単に見えます。
また青色申告の場合、簿記に関する知識が必要に感じるため難しく考えてしまいがちですが、その分のメリットがあることを知れば学習コストとしては小さいものに感じられますのでご安心ください。
次にそれぞれの特徴について簡単に説明します。
白色申告は青色申告と比べれば簡単に確定申告ができるタイプです。
例えば、フリーランスとしての収入や経費が少なかったり、経理の経験が少ない人に向いています。
ただし、特別控除がないためある程度の収入があり、経費もそれなりに発生しているのであれば青色申告のほうが節税効果を期待できるため、難しいからと手を抜くのはもったいないです。
同時に後述する赤字処理ができないため、収入が不安定になりそうな仕事の場合、税制上損をしてしまう恐れもあります。
フリーランスとして長く働きたいと考えるのであれば、青色申告できるように少しずつ学習するか外部委託することも検討しておきましょう。
青色申告は白色申告とは違い10万円または55万円または65万円の特別控除を受けることができます。
フリーランスになりたての方であれば、まずは10万円の特別控除を受けられるように簿記や確定申告の仕組みを学ぶことをおすすめします。
青色申告が節税となる理由を簡単に下記の式で説明します。
収入-特別控除-経費=所得
上記はあくまでもざっくりとした計算式ですが、最後にある所得の金額から基礎控除額の38万円が引かれた金額が所得税の対象です。
このため収入と経費のバランスによっては納めるべき所得税が少なくなります。
収入として得た金額よりも経費が上回れば赤字です。
青色申告の場合は赤字分を3年間繰越処理ができるため、経費の計上の仕方によってはさらに高い節税効果を期待できます。
55万円以上の特別控除を受けるには、複式簿記(正規の簿記)による帳簿づけや申告書に貸借対照表と損益計算表などを添付すること、期限内での提出が必要です。
平成30年度税制改正において、令和2年(2020年)分より65万円の特別控除を受けるには、上記55万円以上の特別控除で必要なことの他に電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存が必要です。
次にフリーランスの方が確定申告する時期や流れについてご説明します。
※令和2年(2020年)度確定申告期は、新型コロナウイルスの影響により確定申告の期限が延長されています。
国税庁の公式ページにて最新の情報をチェックしてください。
フリーランスの場合、1月1日から12月31日分の確定申告を翌年の2月16日から3月15日までの間に済ませる必要があります。
4月1日から3月31日までの年度ではない点に注意してください。
3月15日までの間に1年間に得た所得を計算し所得税を確定、納税するのが確定申告です。
ぎりぎりになって収入や経費の計算を始めると記憶違いやミスが増えますので、なるべく毎月決まったタイミングで計算しておくことをおすすめします。
同時に週別、日別でメモしておく癖を付けておくと毎月の計算が楽になるだけでなく、経費の漏れも少なくなり結果として得することを忘れないようにしましょう。
次にフリーランスの確定申告に必要なものを青色申告と白色申告に分けてご説明します。
青色申告で必要な書類を一例を挙げてみます。
・確定申告書B
・各種控除の証明書類
・青色申告決算書:貸借対照表と損益計算書(55万円以上)
・青色申告決算書:損益計算書(10万円)
・電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存(65万円)
青色申告で最高額65万円の特別控除を受けたい場合は確定申告書Bと各種控除のための証明書類、青色申告決算書として貸借対照表と損益計算書の提出、電子申告(e-Tax)または電子帳簿保存する必要があります。
青色申告で10万円の特別控除を受けたい場合は損益計算書が不要です。
貸借対照表と損益計算書については下記国税庁の公式ページよりダウンロードすることができます。
その他、赤字の場合や事業所得以外に譲渡所得などある場合は第四表、第三表などの提出も必要ですのでご自身の状況に合わせて必要な提出書類をチェックしてください。
各種控除のために提出する証明書類の詳細については下記国税庁の公式ページにてご確認ください。
国税庁|申告書に添付・提示する書類
白色申告に必要な書類は主に下記の3つとなります。
・確定申告書B
・各種控除の証明書類
・収支内訳書)
確定申告書Bと各種控除の証明書類については青色申告と同じです。
異なるのは収支内訳書の部分となります。収支内訳書については下記国税庁の公式ページよりダウンロードして入力して印刷しましょう。
また、各種控除の証明書類の詳細については下記国税庁の公式ページをご確認ください。
国税庁|申告書に添付・提示する書類
確定申告書の提出先は納税地の税務署となります。
基本的にはご自身がお住まいの住所を管轄している税務署です。
引越しされた場合や自分の住所を管轄している税務署がわからない場合は下記国税庁の公式ページよりご確認ください。
国税庁|税務署の所在地などを知りたい方
確定申告書の提出方法は主に下記の3つとなります。
・税務署に提出しに行く
・税務署に郵送する
・e-Taxを利用してオンラインで申告する
フリーランスになりたての方、または経理や税務処理に不慣れな方は税務署に直接提出しに行くことをおすすめします。
なぜなら、直接出向くことで税務署職員に不備や間違いを教えてもらえるからです。ある程度なれたら郵送やe-Taxによる提出や申告に切り替えましょう。
最後にフリーランスの方が確定申告で行う節税対策についてご紹介します。
青色申告と白色申告では認められる経費の範囲や金額が異なります。
例えば、白色申告の場合は専従者控除として最大で86万円まで控除となります。
青色申告の場合は上限がなく青色専従者給与として経費で計上することが可能です。
青色申告では自宅兼事務所という形で仕事している場合、家賃や水道光熱費に付いても特定の割合まで必要経費として計上することができます。
また、前述した赤字を3年間繰り越せる仕組みについても、単に赤字を繰り越すというより、黒字の年と赤字の年の相殺が可能な点も青色申告のメリットです。
その他、貸倒引当金の計上、少額減価償却の特例なども組み合わせることで、所得税を限りなく少なくすることができます。
経費として認められるものはフリーランス(個人事業主)として必要なもの=事業に必要なものを指します。
簡単に言えば、仕事をする上で必要であれば経費に計上できますが、必要でない、または関係のないものについては経費に計上できないということです。
同時に前述した自宅兼事務所で仕事している場合の家事関連費についても家事按分と呼ばれる割合までしか計上できないため、家賃や水道光熱費の全てを経費として年間計画に組み込まないようにしましょう。
以上を踏まえながら経費として認められる項目をいくつか挙げてみます。
・家賃
・水道光熱費
・通信費
・交通費
・交際費
・消耗品費
・減価償却費
上記はあくまでも一例ですが、どれも会社で勤めている時に、企業活動をする上で当たり前に支給されていたものばかりです。
もちろん、すべてが全額支払われるわけではないという点も理解できるのではないでしょうか。
考え方としては私物や私的利用に掛かった費用なのか、会社で必要で経費として認められるかどうかという点で切り分けると良いでしょう。
フリーランスや個人事業主も同様であり、事業活動をする上で必要なものが経費として計上可能であり、私生活のための費用は計上できないと覚えておいてください。
前提としてレシートや領収書は提出する必要はありませんが、7年間の保管義務があること、何らかの理由で税務調査を受けた場合に提出を求められることは覚えておきましょう。
経費を計算したから処理してしまうのではなく、整理して保管しておくことをおすすめします。
特にフリーランスになりたての方で経費として計上できるのかわからない状態ですと領収書やレシートを捨ててしまうことで損してしまう可能性が高くなります。
経理になれない間は、すべての領収書とレシートを保管しておき、経費となるもの、経費とならないものに分けながら両方残しておくべきです。
また、2020年度以降は源泉徴収票の提出も不要ですが、念のため領収書やレシートとともに保管しておきましょう。
確定申告の基礎的な知識や流れ、青色申告や白色申告、経費についてご説明しました。
フリーランスになったばかり、開業届けもよくわからない、またはその前の段階ですと「知らない」というだけで不安になりがちです。
同時に自分一人で何もかもしなければならないというプレッシャーもあるでしょう。
しかし、実際に確定申告や経費について理解が進んでくると知らなかっただけで、ひとつひとつは簡単な問題であることがわかります。
特に税金やお金の面についての悩みは不安が大きくなりがちですので、悩んだらすぐに国税庁の公式ページをチェックすること、場合によっては税理士に相談するなど早い段階で不安を払拭することをおすすめします。
この記事がフリーランスになりたてで確定申告にお悩みの方、または青色申告や白色申告について把握したかった方のお役に立てれば幸いです。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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