2022.08.27
ITパスポート試験とは、エンジニアだけでなく、営業や事務などを含めたIT業界におけるさまざまな基礎知識の習得を目的とした国家試験のことです。
また、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が定義している「共通的知識に位置するレベル」の国家試験をクリアしなければ、ITパスポート資格を取得したことにはなりません。
IT産業が他全ての業界と密接に繋がっている現代においてIT技術に関する基本的な知識は必要であり、ITパスポート試験はそれを証明するための国家資格といえます。
本職や副業、フリーランスなどで円滑なIT関連業務を遂行するために、ITパスポート試験受験を検討している方もいることでしょう。
本記事では、ITパスポート試験試験について解説しています。また、ITパスポート試験の開催日程や試験内容などの詳細についても紹介しています。
それでは、ぜひ最後までご覧ください。
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<目次>
1.ITパスポート試験とは
ITパスポート試験資格の難易度
2.ITパスポート試験の詳細
ITパスポート試験の試験会場・日程・受験料
ITパスポート試験の試験時間・出題形式・出題数・試験方式
ITパスポート試験の出題内容
ITパスポート試験の受験者数・合格率
ITパスポート試験の申し込み手順
ITパスポート試験の有効期限
ITパスポート試験の勉強時間
3.ITパスポート試験の資格取得のメリット
ITの基礎知識が身に付く
上位資格取得の基礎となる
資格手当や報奨金を貰える
IT系企業に就職しやすい
4.ITパスポート試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.ITパスポート試験の過去問を解いて合格を目指そう
6.まとめ
ITパスポート試験は「情報処理の促進に関する法律」に基づき、現代社会におけるITに関連する基礎知識の習得を目指すための試験です。
合格することで「ITパスポート」という国家資格を取得できます。
IT関連業務に携わる方の登竜門ともいえる試験であり、業界内の基礎知識だけでなく、専門用語などを簡易的に理解できるところは大きな特徴といえます。
IT関連企業に勤めている会社員だけでなく、独学で資格取得している方など、IT業務に関する基礎知識を習得したいという方にはおすすめの資格です。
ITパスポート試験は、共通的知識レベルに相当する国家資格とはいえ、プログラミングなどの論理的思考が多少求められるため、特にIT業種以外の方は決して簡単な試験ではありません。
それでは、ITパスポート試験の難易度は、どのくらいなのでしょうか。
ITパスポート資格の難易度は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が公開している国家試験のなかでも、共通的知識レベルです。
独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が公開している下図の仕組みを、わかりやすく考察していきます。
(引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html)
先述しましたがITパスポート資格を取得するためには、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が実施するITパスポート試験に合格しなければなりません。
国家資格を詳細に区分けしていくと「ITを利活用する者」「情報処理技術者」に分類されますが、ITパスポート試験は「ITを利活用する者」に位置します。
上画像のうち、右側に進むほど試験の難易度が上がるため、情報処理技術者試験と比較するとITパスポート試験の難易度は低いといえます。
令和2年(2020年)度のITパスポート試験の合格率は58.8%。受験者数131,788名中、合格者が77,512名です。
同じ「ITを利活用する者」である情報セキュリティマネジメント試験の難易度を比較してみましょう。
同年度における情報セキュリティマネジメント試験の合格率は66.6%、受験者数9,121名中、合格者が6,071名という結果を考慮すると、この試験よりは難しい試験であることがわかります。
ITパスポート試験の詳細は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が公開しています。
ITパスポート試験は、に区分されており、英語名称は「Information Technology Passport Examination(IP)」。
年間を通して、随時実施されます。
ここでは、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が公式発表しているITパスポート試験の詳細について解説しています。
ITパスポート試験の会場は「iパスWebサイト」が公開している情報を参考にしてください。
【試験会場・日程】
(引用:https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/examhall/examhall_info.html)
日本全国の各都道府県で随時(毎週土日)実施されています。
令和4年(2022年)度の試験実施時期に関してはこちらからご確認ください。
またコロナ禍の感染拡大防止対策により、試験会場によっては実施できないことや定員過多によって、希望する試験会場で受験することができないもあります。
【受験料】
5,700円(税込)
令和4年(2022年)4月から実施する試験に関しては7,500円(税込)と改定されますので念頭においておきましょう。
そのためITパスポート試験(iパス)において現行の受験手数料(5,700円)を納付した方は、令和4年(2022年)3月31日までに受験しましょう。
試験時間 |
120分 |
出題形式 |
多肢選択式(四肢択一) |
出題数 |
100問(小問形式) |
試験方式 |
CBT(Computer Based Testing)方式 |
身体の不自由等によりCBT方式で受験できない方のために、春期(4月)と秋期(10月)年2回、筆記による方式の試験を実施しています。
ITパスポート試験の内容は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」に分類されて出題されます。
ストラテジ系は、企業活動や経営、法務などを含めたシステム戦略について問われます。
経営学や個人情報保護、知的財産権などの観点から法務的概要の知識を習得しておくことが大切です。
マネジメント系は、システム開発におけるマネジメントについて問われます。
システムプロジェクトの管理方法やシステム監査などの概要について習得しておかなければなりません。
テクノロジ系は、IT関連業務の基礎やパソコンの仕組みやセキュリティネットワークについて問われます。
それぞれの分野について、わかりやすく以下表にまとめています。
分野 |
概要 |
---|---|
ストラテジ系(約35問) |
・企業活動 |
マネジメント系(約20問) |
・システム開発技術 |
テクノロジ系(約45問) |
・基礎理論 |
日本資格取得支援(JQOS)によると、令和2年(2020年)度のITパスポート試験受験者数は131,788名。
うち、合格者は77,512名で、合格率は58.8%です。
2016年以降のITパスポート試験の受験者数と合格率を下表にまとめています。
年度 |
受験者数(名) |
合格者数(名) |
合格率(%) |
---|---|---|---|
2016年 |
77,765 |
37,570 |
48.3 |
2017年 |
84,235 | 42,432 |
50.4 |
2018年 |
95,187 | 49,221 |
51.7 |
2019年 |
103,812 | 56,323 |
54.3 |
2020年 |
131,788 | 77,512 |
58.8 |
ITパスポート試験の合格基準は、総合評価満点(1,000点)のうち600点以上です。
さらに「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の分野別評価点は、いずれも300点以上を獲得しておかなければなりません。
つまり「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の各分野で300点以上、かつ総合600点以上を獲得しなければ、ITパスポート試験に合格することができないということです。
年数を重ねるごとに受験者数や合格率が増加しています。
受験者数や合格率増加の理由ですが、年数を重ねるごとにITが身近な存在になっており、IT業界はもちろんのこと、他業界やさらには生活の中においてもIT活用やITの知識が一般的になり始めており、ITの基礎的知識を身に着ける方が増加していることが要因の1つでしょう。
ITパスポート試験の申し込み方法は、以下の流れです。
1. iパスWebサイトよりインターネット申込み
2. 申込画面から指示される手順に沿って必要事項を入力
3. 受験料の支払い(クレジットカード決済、ペイジー(Pay-easy)による払込み、コンビニでの払込み)
4. 受験票到着
定められた申し込み方法以外で手順を進めても、受理してもらえないことがあるため、注意してください。
ITパスポート試験の申し込み手順詳細は、こちらよりご確認出来ます。
ITパスポート試験において、有効期限(失効期限)はありません。
原則として、IT業界に関連する能力を認定する試験であり、何らかの権利が与えられる資格とは異なるため有効期限は存在しません。
筆者が基本情報技術者試験に向けて学習した実体験から考察すると、ITパスポート試験に合格するために必要な勉強時間は、約2~300時間(5時間/日、1ヶ月半~2ヶ月)です。
基本的には、全100問の多肢選択式(四肢択一)で、一部は過去問題から引用されて出題されます。
そのため、ITパスポート試験対策としては、過去問題の理解を軸とした勉強に時間を割くとよいでしょう。
過去問題の理解について約100~200時間、近年流行しているIT技術について約100時間で割り振って勉強時間を確保することをおすすめします。
ITパスポート試験に合格して、資格を取得するメリットを理解することは、ITパスポート試験対策として勉強する際のモチベーションに繋がります。
また、資格取得後に企業で勤める際だけでなく、副業やフリーランスとして活動する際にも役立つことでしょう。
ここでは、ITパスポート資格を取得するメリットについて解説しています。
ITパスポート試験に合格できるということは、IT関連業務を遂行する上で必要な基礎知識を習得していることが、国家資格にて保証されているということです。
もともとITパスポートで想定されている関連業務は、コンピュータシステムや情報セキュリティなどの知識を活用したオフィスツールの利用やAI(人工知能)などの新技術対応などが挙げられます。
IT関連業務と耳にすれば、特に初心者や知識の浅い方にとっては、複雑で難しい印象を受けることでしょう。
しかし、ITパスポート試験はあくまでIT関連業務の基礎知識の習得を証明するための資格であり、基本情報技術者や応用情報技術者などの上位資格を目指すための登竜門といえます。
ITパスポート資格を取得していることで、基本的なITスキルや知識の習得が証明されているため、就職や転職、キャリアアップなどでメリットを得られるケースもあります。
ITパスポート試験は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が総括するIT関連資格のうち、比較的合格率も高くクリアしやすい資格の1つ。
ITパスポート資格の上位資格である基本情報技術者や応用情報処理技術者だけでなく、さらに上位の「高度な知識・技能」が問われる資格取得を目指すための基礎といえます。
上位の情報処理技術者関連の資格取得を目指している方にとって、ITパスポート試験に合格することは自信やモチベーションに繋がるだけでなく、基礎知識を習得するためにもおすすめの資格です。
ITパスポート資格はIT関連の国家資格であり、個人的なアピールに活用できたり企業によっては、資格手当や報奨金を貰えることができます。
原則として、就業規則に則って運用されているため、資格手当や報奨金の金額については企業によって差があります。
しかしIT関連企業では、ITパスポート資格を評価しているケースもあるため、処遇面で優遇されるメリットがあります。
ITパスポート資格を取得していることで、IT系企業に就職しやすいところは大きなメリットです。
処遇面の優遇だけでなく、IT関連資格の取得者を優遇している企業も数多く存在します。
特にIT企業への就職未経験者や他業種から転職する方などは、ITパスポート試験に合格していることで優遇されることもあるためおすすめです。
ITパスポート試験に合格して、資格を取得することで、デメリットがあることも意識しておく必要があります。
社会人にとって、仕事をしながら勉強時間を捻出することは、なかなか難しいことでしょう。
ここでは、ITパスポート試験に合格するために勉強時間を確保することに関するデメリットについて詳しく解説しています。
ITパスポート試験の資格を取得するためには、段階的に合格を目指す方が効率的です。
もともとITパスポート試験は、独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が運用するIT系国家資格のうち、比較的下位に位置します。
下位に位置するとはいえ、勉強時間を確保して毎日学習に励まなければ、合格することは困難でしょう。
ITパスポート試験に合格するには、前述したとおり、約2~300時間(5時間/日、1ヶ月半~2ヶ月)は必要でしょう。
社会人として仕事をしながら、このような勉強時間を一定期間確保しなければならないことはデメリットといえます。
ITパスポート試験では、コンピュータに表示された試験問題に対して、マウスやキーボードを用いるCBTという方式で回答していくことは前述しています。
また、ITパスポート試験に合格するための対策として、過去問題を理解することが重要だということについても前述したとおりです。
それでは具体的には、どのように勉強すればよいのでしょうか。
ITパスポート試験の対策として、書店には数多くの参考書や教科書が並んでいますが、まずは過去問題をやり込む勉強法で合格を目指すことをおすすめします。
実際の過去問題を解いていくうちに、出題傾向が読み解けるかと思いますが、いくつか過去に出題された同じ問題が散見されることに気付いたことでしょう。
過去問題を理解するということは、過去に出題された問題と同じような形式で出題された場合に、得点に結びつけることができるということです。
なお、iパスWebサイトではCBT疑似体験ソフトウェアも公開しています。
今回は、ITパスポートについて解説してきました。
独立行政法人「情報処理推進機構(IPA)」が公開している国家資格のため、IT系企業での処遇改善などで優遇されるケースも数多く存在します。
例えば資格取得することで、ITスキルや知識の証明だけでなく、企業への就職のしやすさや資格手当などで優遇される場面も多くなります。
ITパスポート試験は、合格率も約50%以上あり、比較的取得しやすい資格といえます。
CBT疑似体験ソフトウェアなどで、過去問題を意識した勉強法によって試験対策ができるため、合格を目指すための方法としてはおすすめです。
またITパスポート資格は、IT系企業だけでなく副業やフリーランスでも案件獲得の際に有利なため、この機会に資格取得を目指すのもよいでしょう。
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