公開日:2022.07.08
更新日:2025.03.24
JSTQB認定テスト技術者とは、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)が主催するシステムテストの技術者を認定するための資格のこと。
「Advanced Level」「Foundation Level」の2つのグレードで実施されます。
2006年5月に、JTCB(Japan Testing Certification Board)から改名されました。
ソフトウェア開発において、現代社会では自動車をはじめ、ネットワークや企業システムを構築するインフラなどが整備されています。
しかし、システムの不具合などで一時的に使用できなくなるなど、さまざまな問題を抱えていることも現状として挙げられます。
そのような課題を解決するには、ソフトウェア開発におけるテスト技術を向上させることが有効的といわれていますが、それでも現実に問題としては残されたままです。
JSTQB認定テスト技術者は、そのようなソフトウェア開発におけるテスト過程を技術的に改新するための知識やスキルを備えています。
本記事では、JSTQB認定テスト技術者資格の出題範囲や申し込み手順、取得するメリットなどについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
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<目次>
1.JSTQB認定テスト技術者資格とは
2.JSTQB認定テスト技術者資格試験概要
JSTQB認定テスト技術者資格の詳細
JSTQB認定テスト技術者資格の出題範囲
Foundation Level
Advanced Level
JSTQB認定テスト技術者資格の受験者数・合格率・難易度
JSTQB認定テスト技術者資格の申し込み手順
JSTQB認定テスト技術者資格の有効期限
JSTQB認定テスト技術者資格の勉強時間
3.JSTQB認定テスト技術者資格の資格って役に立つ?資格取得のメリットとは
ソフトウェアテストスキルや知識が身に付く
IT/Webを含む企業の転職・就職に活用できる可能性がある
4.JSTQB認定テスト技術者資格の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.JSTQB認定テスト技術者資格合格のためのおすすめの参考書や学習方法
ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応
研修コースの受講も検討しよう!
6.まとめ
JSTQB認定テスト技術者資格とは、JSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)主催のテストスキルを証明するための認定資格のこと。
ソフトウェア開発においてテストの実施が不十分で、結果としてコストパフォーマンスを抑える動きがみられる背景から未完成ともいえるシステムが蔓延しています。
従来の仕組みで運用するには技術的にも困難が生じますが、その環境下で誕生した資格制度がJSTQB認定テスト技術者です。
JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストを的確に実施するために必要な知識やスキルを証明する仕組みです。
従来のテスト不足による成果物の品質低下を防止するには重要な仕組みですが、その背景にはソフトウェアテストの技術向上に寄与すると考えられています。
JSTQBの前身はJTCB(Japan Testing Certification Board)ですが、2006年5月に改名されて以降も、ソフトウェア技術者の育成と技術の向上に努めてきました。
今後も、ソフトウェア技術およびテストの品質向上のために、JSTQB認定テスト技術者の活躍が広がることでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得するには、テストエンジニアやITコンサルタントの知識とスキルを習得しなければなりません。
また、JSTQB認定テスト技術者資格は世界にも通用する資格です。
JSTQB認定テスト技術者資格の運用についてはJSTQBが主体ですが、試験実施を受託する組織とパートナーシップを組んで行います。
現在は一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)が実施しています。
それでは、JSTQB認定テスト技術者資格の詳細についてみていきましょう。
JSTQB認定テスト技術者資格の詳細について、下表にまとめました。
Advanced Level |
Foundation Level |
||
---|---|---|---|
テストマネージャ | テストアナリスト | ||
試験会場 |
札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇 |
札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇 |
札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、那覇 |
試験日時 |
不定期 |
不定期 |
約半年に1回(2月中旬、8月下旬) |
試験時間 |
180分 |
120分 |
60分 |
出題形式 |
多岐選択 |
多岐選択 |
多岐選択 |
問題数 |
65問 |
40問 |
40問 |
合格基準 |
ISTQBのサイトを参照 |
ISTQBのサイトを参照 |
ISTQBのサイトを参照 |
受験料(税込) |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
受験資格 |
Foundation Level合格および実務経験3年以上 |
Foundation Level合格および実務経験3年以上 |
どなたでも可能 |
試験結果 |
試験実施日より3ヶ月程度かかる |
試験実施日より3ヶ月程度かかる |
試験実施日より3ヶ月程度かかる |
JSTQB認定テスト技術者資格のグレードには、Foundation LevelとAdvanced Levelがあります。
それぞれの出題範囲について、詳しくみていきましょう。
JSTQB認定テスト技術者資格のFoundation Levelにおける出題範囲は、下記のようにシラバスにて言及されています。
1,テストの基礎
2,ソフトウェア開発ライフサイクル全体をお通してのテスト
3,静的テスト
4,テスト技法
5,テストマネジメント
6,テスト支援ツール
(出典:テスト技術者資格制度 Foundation Level シラバス Version 2018V3.1.J03)
Foundation Levelの出題範囲の詳細を知りたい方は、こちらからご確認できます。
JSTQB認定テスト技術者資格のAdvanced Levelは、テストマネージャとテストアナリストに分類されます。
具体的な出題範囲は、下表のようにシラバスにて言及されています。
ALシラバス テストマネージャ(ALTM) |
ALシラバス テストアナリスト(ALTA) |
1,テストプロセス |
1,テストプロセスにおけるテストアナリストのタスク |
ALシラバス テストマネージャ(ALTM)の出題範囲の詳細を知りたい方は、こちらからご確認可能。
また、ALシラバス テストアナリスト(ALTA)の出題範囲の詳細を知りたい方は、こちらからご確認できます。
JSTQB認定テスト技術者資格の受験者数と合格者数、合格率を下表にまとめました。
<Advanced Level(テストマネージャ)>
年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
第8回ALTM試験 |
339名 |
91名 |
26.8% |
第9回ALTM試験 |
484名 |
78名 |
16.12% |
第11回ALTM試験 |
320名 |
107名 |
33.44% |
(引用:https://jstqb.jp/attribute.html)
Advanced Level(テストマネージャ)の受験者数、合格者数ともに大きな変化はみられません。
合格率を考察する限り、一定の難易度が保たれています。
<Advanced Level(テストアナリスト)>
年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
第3回ALTA試験 |
283名 |
64名 |
22.61% |
第4回ALTA試験 |
504名 |
128名 |
24.4% |
第5回ALTA試験 |
453名 |
94名 |
20.8% |
第6回ALTA試験 |
288名 |
39名 |
13.5% |
第7回ALTA試験 |
392名 | 163名 |
41.6% |
(引用:https://jstqb.jp/attribute.html)
Advanced Level(テストアナリスト)は、2020年をピークに受験者数が激減しています。
新型コロナウィルス感染症の拡大が影響していることが考えられます。
<Foundation Level>
年度 |
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
第24回FL試験 |
1,100名 |
818名 |
74.36% |
第25回FL試験 |
2,274名 |
1,440名 |
63.3% |
第26回FL試験 |
1,324名 |
645名 |
48.8% |
第27回FL試験 |
1,848名 |
1,162名 |
62.9% |
第28回FL試験 |
1,516名 |
789名 |
52.0% |
第30回FL試験 |
923名 | 603名 |
65.3% |
第31回FL試験 |
929名 | 641名 |
69.0% |
第32回FL試験 |
948名 | 490名 |
51.7% |
(引用:https://jstqb.jp/attribute.html)
Foundation Levelは、2019年8月に実施された第27回FL試験を機に、受験者数が激減しています。
こちらも、新型コロナウィルス感染症の拡大が影響していることが考えられます。
また、Advanced Level(テストマネージャ)やAdvanced Level(テストアナリスト)と比較すると、Foundation Levelの合格率は約3倍の開きがあります。
このことからみても、グレードに応じて難易度に違いがあることが分かります。
テスト関連資格で類似しているIT検証技術者認定試験の合格率を見てみると平均55~60%ですので、JSTQB認定テスト技術者資格のFoundation Levelとほとんど同等レベルであることがわかります。
JSTQB認定テスト技術者資格の申し込み手順は、下記のとおりです。
1,Webページから申し込む
2,Web登録のメールを受理
3,受験可否通知および振込の案内メール
4,振込先に試験料を入金
5,受験票などの受取
受験登録完了メールが届いた時点で、受験登録が完了したことになります。
また、メールに記載の振込方法と期日は遵守しなければなりません。
当日は届いた受験票を持参して、JSTQB認定テスト技術者資格試験に臨みますが、結果発表は原則として3ヶ月以内に公表されます。
JSTQB認定テスト技術者資格における有効期限(失効期限)はありません。
能力を認定する試験であり、何らかの権利が与えられる資格とは違うので有効期限はありません。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得するには、一定の勉強時間を確保する必要があります。
また、前述した通りグレードに応じて問われる知識やスキルが異なるため、相応に勉強しなければなりません。
しかし、仕事をしながらJSTQB認定テスト技術者資格を取得するには困難が生じるケースもみられることから、決して簡単ではないことは理解しておきましょう。
それでは、Foundation LevelとAdvanced Levelではどのような勉強時間の確保が必要なのでしょうか。
実際にFoundation Levelに合格した方の体験によると、約10~30時間の勉強時間を確保しなければ困難だということです。
シラバスなどを読み込み、一定の実務経験があればより合格へと近づきます。
また、Advanced Levelに合格した方の体験によると、平均して約40~60時間の勉強時間を確保しなければ合格が難しいとのことです。
Advanced Levelは、Foundation Levelに合格しているだけでなく3年以上の実務経験が問われることから、そう簡単に取得できる要件ではありません。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得することによって、ソフトウェアテストの技術を身に付けられるだけでなく、就職や転職にも有利です。
その他、業務上の負担を軽減できることから、円滑に業務をこなすことができるでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得することで、ソフトウェアテストのスキルや知識が身に付きます。
ソフトウェア開発におけるテストに携わることで、成果物の品質向上だけでなくプロフェッショナルとしての精神が鍛えられることでしょう。
その結果、重要な機密情報の漏洩に注意しながら模範的行動によるデータの取り扱い方を学ぶことができ、「プロダクト」「マネジメント」にも関わることができます。
また、JSTQB認定テスト技術者資格は日本国内だけでなく海外でも有効な資格のため、世界で活躍するためのソフトウェア技術に触れることもできるところはメリットの1つといえます。
特にテストエンジニアやQAエンジニアの知識とスキルを深めることができるため、JSTQB認定テスト技術者資格を取得することはおすすめです。
JSTQB認定テスト技術者資格は、IT/Webを含む企業の就職や転職に有利です。
前述したとおり、JSTQB認定テスト技術者資格はテストエンジニアに関連する知識やスキルを身に付けていることを証明できる認定資格です。
個人としても、JSTQB認定テスト技術者資格を取得しているということは、一般財団法人日本科学技術連盟(日科技連)から技術者として認定されているということがいえます。
ソフトウェア技術を体系的に学ぶことができ、それをIT/Webを含む企業の就職や転職に活かすことができることは大きなメリットといえるでしょう。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得するには、勉強時間を確保しなければならないというデメリットがあります。
それでは、詳しくみていきましょう。
JSTQB認定テスト技術者資格のデメリットともいえる勉強時間の確保について、前述したとおり、Foundation Levelで約10~30時間。
一方、Advanced Levelでは約40~60時間を目安に勉強時間を確保する必要があります。
仕事をしながらこれだけの勉強時間を確保することは難しく、場合によっては難儀する方もいることでしょう。
Foundation LevelとAdvanced Levelではそれぞれに難易度が異なるため、必要な勉強時間のボリュームが異なることを理解することも重要。
しかし、各個人の実力の観点からみて、必ずしもそれだけの勉強時間を確保しなければならないということではありません。
選ぶ参考書や学習方法でも習熟度が異なるだけでなく、実務経験の年数でも合格までの距離が変わってくるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。
JSTQB認定テスト技術者資格の合格を目指すには、参考書や学習方法を確立しなければなりません。
独学も可能ですが、選ぶ参考書や学習方法で習熟度に変化があるのも事実です。
ここでは、参考書「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応」とおすすめの学習方法について解説しています。
それでは、詳しくみていきましょう。
(出典:Amazon)
「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応」は、JSTQB認定テスト技術者資格の合格を目指すために必要な知識とスキルが学べる参考書です。
安全はソフトウェア開発を行ううえで、テストの品質を向上させる目的で運用されているJSTQB認定テスト技術者の育成には不可欠な基本的な知識が豊富に詰め込まれている1冊です。
2020年2月の第28回試験から新シラバス「Version 2018」が公開されましたが、「ソフトウェアテスト教科書 JSTQB Foundation 第4版 シラバス2018対応」は、これに準拠しているため最新のシラバスにて学ぶことができます。
また、JSTQB認定テスト技術者として覚えておきたい専門用語も学べるため、初心者にもやさしいという特徴があります。
JSTQB認定テスト技術者資格(1回分)の模擬試験も収録されているため、これから資格取得を目指す方におすすめの参考書といえます。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得したい方向けに、研修コースもあります。
後任研修コースとして、Foundation Levelがありますが、審査対象としては「コース内容」「コース用教材」「講師資格」などが挙げられます。
また、認証終了予定の期間は約2ヶ月です。
効率よくJSTQB認定テスト技術者について学べるため、おすすめの方法の1つといえます。
申し込む際には「会社名」「担当者名」「連絡先(メールアドレス、電話番号)」を記載して、下記の事務局アドレスに送付してください。
事務局E-mail:query@jstqb.jp
今回は、JSTQB認定テスト技術者資格の出題範囲や申し込み手順、取得するメリットなどについて解説してきました。
ソフトウェアテストの品質を向上させることは、良質な成果物の完成に繋がります。
JSTQB認定テスト技術者資格を取得すれば、ソフトウェアテストの技術を身に付けられるだけでなく、就職や転職にも有利です。
しかし、Foundation Levelで約10~30時間、Advanced Levelでは約40~60時間を目安に勉強時間を確保しなければなりません。
独学でもJSTQB認定テスト技術者資格を取得することは可能ですが、参考書の選び方によって習熟度が変わるため、学習方法は慎重に選ぶことが重要です。
また、研修コースもあるため、申し込みをして受講すればJSTQB認定テスト技術者資格の取得に近づけるでしょう。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
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