IT検証技術者認定試験とは?難易度や出題範囲など技術者認定試験の詳細やおすすめ参考書を解説

資格

2022.06.04

IT検証技術者認定試験に興味があるが、どのような試験なのかよく分からず受験すべきか迷っている方は多いかと思います。
IT検証技術者認定試験は他のIT試験に比べると知名度が低く、検索しても口コミ・評判があまり出てこないため、取得することに意味があるのか疑問な方もいるでしょう。

しかしIT検証技術者認定試験は多くのエンジニア職(特にテストエンジニア)に関係のある資格です。
そのため、IT検証技術者認定試験に興味があるなら受験してみることをおすすめします。

本記事ではIT検証技術者認定試験について解説します。
IT検証技術者認定試験の出題範囲や合格率、申し込み手順についてまとめました。

本記事を読むことで、IT検証技術者認定試験を受験すべきか判断できるようになります。
IT検証技術者認定試験に興味がある方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

<目次>
1.IT検証技術者認定試験とは
IT検証技術者とは
2.IT検証技術者認定試験試験
IT検証技術者認定試験の詳細
IT検証技術者認定試験の出題範囲
エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)
ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)
ハイレベル(レベル5)
IT検証技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度
IT検証技術者認定試験の申し込み手順
IT検証技術者認定試験の有効期限
IT検証技術者認定試験の勉強時間
3.IT検証技術者認定試験の資格取得のメリット
ソフトウェア検証技術力や知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.IT検証技術者認定試験合格のためのおすすめの参考書や対策法
おすすめ参考書:IT検証技術者認定試験(IVEC) 知識試験 テキスト
過去問を解こう
6.まとめ

 

 

 

1.IT検証技術者認定試験とは


IT検証技術者認定試験とは関連画像
IT検証技術者認定試験とは関連画像

IT検証技術者認定試験は、一般社団法人IT検証産業協会(IVIA)が行っているIT検証技術者を目指すための資格試験です

IT検証技術者認定試験に合格すると認定証がもらえます。

 

ソフトウェア開発におけるテスト・検証を行えるスキルを持つことが認定されます。

他のIT試験に比べると知名度は低いものの、IT検証技術者認定試験の合格者にはテスト業務を安心して任せられるということで、業界で高い評価を得ています。

 

レベル1が難易度の低い認定試験、レベルが順々に上がる毎に難易度が上がり、レベル5が高難易度の認定試験となっています。

昨今、ソフトウェア開発は複雑化しており、それに伴いテスト工程も増えている傾向があります。

 

しかし、ソフトウェアの高度なテスト・検証を行えるエンジニアは現状少ないです。

そこで、IT検証技術者認定試験を設け、テスト・検証に必要なスキルを明確化し、IT検証技術者の育成につなげようとしています。

 

IT検証技術者とは

IT検証技術者とはソフトウェアのテスト・検証に関わるエンジニアの総称です。

具体的には、テストを実際に行うテスト実行者、設計や実行管理を担当するテスト設計者、テスト工程を含めたプロジェクトマネジメントを行うプロジェクトマネージャーなどが該当します。

 

IT検証技術者はテスターよりも高度なスキルが求められます。

テスターは他の方が作成したテスト仕様書を元にテスト作業を行う仕事です。

 

一方、IT検証技術者はテスト実行だけでなく、テスト仕様書を作成したり、テスト結果を元にソフトウェアの改善案を提案したり、幅広い仕事をこなす必要があります。

 

 

 

2.IT検証技術者認定試験試験


IT検証技術者認定試験とは関連画像
IT検証技術者認定試験とは関連画像

IT検証技術者認定試験の詳細についてまとめました。

IT検証技術者認定試験に関する以下の事項について解説しています。

 

IT検証技術者認定試験の詳細
IT検証技術者認定試験の出題範囲
IT検証技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度
IT検証技術者認定試験の申し込み手順
IT検証技術者認定試験の有効期限
IT検証技術者認定試験の勉強時間

 

ここで解説している情報はIT検証技術者認定試験の公式サイトを参考にしています。

 

IT検証技術者認定試験の詳細

IT検証技術者認定試験の試験会場や試験日程、問題形式などについてまとめました。

なお、これらの情報は2022年春期の試験詳細です。

 

試験は年2回(5月、11月)開催しており、2022年秋期以降の試験では変更点がある可能性があるので、公式サイトで最新情報を確認してください。

 

 

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

レベル5

試験会場

札幌(TKP札幌駅カンファレンスセンター)
岩手(滝沢市IPU第2イノベーションセンター)
東京(情報オアシス神田)
横浜(AP横浜)
名古屋(TKP名古屋栄カンファレンスセンター)
大阪(TKP大阪御堂筋カンファレンスセンター)

試験日時

9:30~12:30 13:30~16:30 9:30~12:30 9:30~12:30 9:30~12:30

試験時間

180分

試験方式

PCを使った記述式

出題数

非公開

合格基準

非公開

受験料(税込)

19,800円(税込)

22,000円(税込)

25,300円(税込)

受験資格

なし

なし

IT検証技術者レベル2認定者

IT検証技術者レベル2もしくはレベル3認定者

IT検証技術者レベル4認定者

試験結果

試験後、約2か月でマイページ画面に公開

 

 

IT検証技術者認定試験の出題範囲

IT検証技術者認定試験の出題範囲についてまとめました。

IT検証技術者認定試験は大きく次の3つに分かれています。

 

エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)
ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)
ハイレベル

 

それぞれの出題範囲を個別に解説していきます。

 

エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)

エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)では、テスト実行者やテストを取りまとめる役割に必要なスキルを持っているかが問われます。

エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)の出題範囲は次のとおりです。

 

テスト実行計画
テスト環境準備
テストケース準備
テスト実行
テスト実行記録 
不具合報告
テスト実行報告
プロジェクト管理(個人進捗管理も含む) 

(引用:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_entry200.pdf)

 

​​IT検証技術者認定試験エントリーレベル(レベル 1・レベル 2)の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。

 

 

ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)

ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)では、テストの実装や設計を行うスキルを持っているかが問われます。

ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)の出題範囲は次のとおりです。

 

テスト詳細設計
 仕様の把握
 仕様管理(トレーサビリティ)
 網羅性設計①(テストアイテム抽出)
 網羅性設計②(テスト変数抽出)
 テストの種類
テスト実装
 テスト実装①(基本フロー)
 テスト実装②(組み合わせ)
 テスト実装③(期待値設計) 
 モニタ設計
 テスト環境設計
 プロジェクト管理(個人進捗管理も含む) 
テスト報告

(引用:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_middle200.pdf)

 

IT検証技術者認定試験ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。

 

 

ハイレベル(レベル5)

ハイレベル(レベル5)、テストに関する適切なプロジェクトマネジメントが行えるかが問われます。

ハイレベル(レベル5)の出題範囲は次のとおりです。

 

テスト要求分析
 テスト要求分析の準備をする
 テスト要求を獲得する
 テスト要求を分析する
テストアーキテクチャ設計
 テスト要求分析成果物を準備する
 テストベースを準備する
 アーキテクチャスタイルに関する要求を獲得する
テスト評価
 テスト報告書を準備する
 テスト活動全般の情報を収集する
 テスト活動を分析する

(引用:https://www.ivia.or.jp/uploads/ckfinder/media/2/syllabus_high200.pdf)

 

IT検証技術者認定試験ハイレベル(レベル5)の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。

 

 

IT検証技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度

IT検証技術者認定試験の受験者数・合格率・難易度についてまとめました。

まず、2022年1月28日までのIT検証技術者認定試験の認定者数は次のとおりです。

 

レベル1

レベル2

レベル3

レベル4

レベル5

885人

1,455人

279人

520人

112人

 

レベル1・レベル2に比べると、レベル3以降は認定者数が減っています。

続いて、年度ごとのIT検証技術者認定試験の受験者数・合格者数・合格率をみていきましょう。

 

年度

受験者数

合格者数

合格率

2018年

745人

412人

55%

2019年

702人

399人

56%

2020年

270人

156人

58%

2021年

864人 520人

60%

 

年度ごとのIT検証技術者認定試験のデータを見ると、合格率は若干上がってはいるものの、ほとんど差はないことが分かります。

IT検証技術者認定試験の難易度を考察するために、他のIT試験の合格率を挙げます。

 

IT検証技術者認定試験と同じくIT検証技術者向けの試験として、JSTQB認定テスト技術者資格というものがあります。

JSTQB認定テスト技術者資格のなかでもっとも合格率の高いFoundation Level試験は、合格率51.7%(2022年)となっています。

 

つまり、IT検証技術者認定試験はJSTQB認定テスト技術者資格よりも難易度は低めであることが推測できます。

とはいえ、ソフトウェア検証に関する知識がまったくない方の場合、それなりの勉強時間を有するでしょう。

 

また、IT検証技術者認定試験はJSTQB認定テスト技術者資格に比べ、参考書や問題集が少ないため、勉強しにくいのが特徴です。

人によってはIT検証技術者認定試験の方が苦戦する可能性はあります。

 

上記合格率はIT検証技術者認定試験全体であるため、レベルが上がると、難易度も高くなるため、上記はあくまでも参考として捉えてください。

 

 

IT検証技術者認定試験の申し込み手順

IT検証技術者認定試験の申し込み手順を紹介します。

 

1.IT検証技術者認定試験公式サイトの申込ページを開く
※申込ページは試験開催日の約2ヶ月前に掲載されます
2.受験申込
3.受験料支払い
※支払い方法はカード決済かコンビニ決済か選択可能
4.受験票のダウンロード
※試験日約10日前にマイページよりダウンロードが可能
5.試験当日

 

IT検証技術者認定試験の受験票には受験番号や試験会場などの情報が書かれています。

IT検証技術者認定試験当日は受験票をプリントアウトし、写真を貼付して忘れず持参しましょう。

 

 

IT検証技術者認定試験の有効期限

IT検証技術者認定試験の有効期限は以前はありましたが、2022年5月現在は廃止されています。

ただし、ハイレベル(レベル5)に関しては現在検討中となっており、今後有効期限が設けられる可能性はあります。

 

 

IT検証技術者認定試験の勉強時間

IT検証技術者認定試験に合格するには目安として30時間程度の勉強が必要です。

難易度はそこまで高くはないものの、ソフトウェア検証の知識がまったくない場合、0からの勉強となるためそれなりの勉強時間が必要になるでしょう。

 

IT検証技術者認定試験に合格するにはまずは、ソフトウェア検証関連の用語の意味を覚えることが肝心です。

用語を覚えないと、過去問や公式参考書を読んでも理解することが難しいです。

 

 

 

 

3.IT検証技術者認定試験の資格取得のメリット


IT検証技術者認定試験とは関連画像
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IT検証技術者認定試験の資格取得のメリットは次の3つです。

 

ソフトウェア検証技術力や知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある

 

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

 

ソフトウェア検証技術力や知識が身に付く

IT検証技術者認定試験に向けて勉強することで、ソフトウェア検証技術力や知識が身につきます

ソフトウェア検証技術力はどの開発現場でも役立つスキルです。

 

テストエンジニアを目指す方はもちろん、プログラマーやシステムエンジニア(SE)、プロジェクトマネージャー(PM)を目指す方にも使える認定試験でしょう。

特に最近はソフトウェアの複雑化に伴い、テスト・検証にも高度なスキルを要求されることが増えています。

 

IT検証技術者認定試験を通じて、ソフトウェア検証技術力や知識を身につけることで、複雑なソフトウェア開発にも対応しやすくなります。

 

 

ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる

IT検証技術者認定試験の認定を得ることで、ITやWeb系企業の転職・就職に有利になる可能性もあります

IT検証技術者認定試験に合格することで、ソフトウェア検証技術力を持っていることを証明できます。

 

テスト関連のスキルは前職での実績などからアピールしにくいため、IT検証技術者認定試験を通じてアピールするのが良いと言えます。

また、IT検証技術者認定試験はIT試験の中において比較的難易度は高くなく、エンジニア未経験の方でも合格することが可能です。

 

IT検証技術者認定試験は未経験者からベテランエンジニアまで幅広くおすすめできます。

 

 

資格手当や報奨金を貰える可能性がある

IT検証技術者認定試験に合格することで、資格手当や報奨金を貰える可能性もあります

資格手当の相場は月5,000〜10,000円となっており、毎月貰えることを考えればこの額は大きいと言えるでしょう。

 

企業側は従業員に資格を通じてスキルアップし業績アップに貢献して欲しいと思っているため、資格手当や報奨金の制度を設けるIT企業は多いです。

 

 

 

4.IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリット


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IT検証技術者認定試験の資格取得のデメリットは次の1つです。

 

勉強時間を確保する必要がある

 

勉強時間を確保する必要がある

IT検証技術者認定試験は他試験よりは難易度は低めではありますが、それでも勉強せずに合格するのは難しいです。

IT検証技術者認定試験に合格するためには、勉強時間を確保する必要があります。

 

IT検証技術者認定試験以外にも、基本情報技術者試験応用情報技術者試験など多くのIT試験があります。

どのIT試験を優先すべきかは、どのスキルを高めたいか、どのキャリアを歩みたいかなどによって異なります。

 

日々の業務が忙しい方や他に取得したい資格がある方は、IT検証技術者認定試験の勉強を優先すべきかよく考える必要があるでしょう。

 

 

 

5.IT検証技術者認定試験合格のためのおすすめの参考書や対策法


IT検証技術者認定試験とは関連画像
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IT検証技術者認定試験は参考書も少ないため、どのように勉強すれば良いか分からない方も多いでしょう。

そこで、IT検証技術者認定試験合格のためのおすすめ参考書や対策法を紹介します。

 

おすすめ参考書:IT検証技術者認定試験(IVEC) 知識試験 テキスト

IT検証技術者認定試験とは関連画像
IT検証技術者認定試験とは関連画像

(出典:Amazon)

 

本書はIT検証技術者認定試験の公式テキストとなっています。

これ以外にIT検証技術者認定試験対策ができる参考書は販売されていないため、基本的には本書を使って勉強していくことになるかと思います。

 

本書はIT検証技術者認定試験のエントリーレベル(レベル 1・レベル 2)・ミドルレベル(レベル 3・レベル 4)に対応しています。

ハイレベル(レベル5)には対応していないので注意してください。

 

公式テキストであるため、正確に出題範囲を網羅しているのが特徴です。

分かりやすくコンパクトにまとまっており、順を追って着実に勉強できます。

 

なお、「IT検証技術者認定試験(IVEC) 知識試験 テキスト」は文字通り、知識試験に特化したテキストですが、2018年より試験制度が変わり知識試験はなくなっています。

そのため、IT検証技術者認定試験の大枠を掴んだりするために活用すると良いでしょう。

 

 

過去問を解こう

上記の公式テキストで基礎知識を身につけたら、IT検証技術者認定試験の公式サイトに掲載されている過去問を繰り返し解くのがおすすめです。

過去問には解答例も掲載されているため、どのようにして答えるのが正しいか知ることができます。

 

また、過去問を実際に時間をはかりながら解くことで、問題を解くペースに問題はないか確かめることが可能です。

 

 

 

 

6.まとめ


本記事ではIT検証技術者認定試験について解説しました。

IT検証技術者認定試験のメリット・デメリットや勉強方法などがお分かりいただけたかと思います。

 

IT検証技術者認定試験を受験することで、ほとんどのITエンジニアに必要なソフトウェア検証技術を身につけることが可能です。

ソフトウェア検証の重要性は今後さらに高まっていくことが予想されるので、IT検証技術者認定試験に興味がある方は今のうちに取得しておくことをおすすめします。

 

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