【フリーランスの方必見!】電子帳簿保存法とは?概要や重要性、メリット・デメリット、改正の変更点、取るべき対策について解説!

フリーランス常識税金

2022.09.03

電子帳簿保存法とは、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」の略で、国税関係帳簿や書類等を電磁的記録(電子データ)で保存することを義務化する法律です。
令和4年1月より電子帳簿保存法が改正され、電子取引を行う場合は電子による帳簿の保存が義務化されました。

そこで、本記事では「電子帳簿保存法が改正されたことでフリーランス・個人事業主が受ける影響と今後取るべき対応策」に焦点を当て以下の点を詳しく解説します。

・電子帳簿保存法とは何かについて
・電子帳簿保存法上での保存区分について
・電子帳簿保存法のメリット・デメリットについて
・電子帳簿保存法改正とポイントについて
・電子帳簿保存法の改正でフリーランス・個人事業主が取るべき対応策について
・電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービス3選について

現在フリーランス・個人事業主として活躍している方や今後フリーランス・個人事業主になることを検討している方はぜひご一読ください。

<目次>
1.電子帳簿保存法とは
2.電子帳簿保存法上での保存区分
電子帳簿等保存
スキャナ保存
電子取引
3.電子帳簿保存法のメリット
紙書類の置き場所を削減できる
経費削減に繋がる
紛失リスクが少なくなる
4.電子帳簿保存法のデメリット
システム導入にコストがかかる
データ破損のリスクを伴う
情報漏洩の危険性がある
5.電子帳簿保存法改正のポイント
①電子帳簿等保存に関する改正事項
②スキャナ保存に関する改正事項
③電子取引に関する改正事項
6.電子帳簿保存法の改正でフリーランス・個人事業主が取るべき対応策
7.電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービス3選
クラウド会計ソフト freee
マネーフォワード クラウド確定申告
やよいの青色申告
8.まとめ

 

 

 

1.電子帳簿保存法とは


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
フリーランス電子帳簿保存法関連画像

電子帳簿保存法とは、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」の略で、国税関係帳簿や書類等を電磁的記録(電子データ)で保存することを義務化する法律です。

 

※国税関係帳簿とは、所得税法・法人税法に基づき青色申告者(青色申告法人)が保存しなければならないこととされる総勘定元帳、仕訳帳その他必要な帳簿(売掛帳や固定資産台帳等)又は消費税法に基づき事業者が保存しなければならないこととされている帳簿のこと

(引用:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021012-095_03.pdf)

 

電子帳簿保存法が施行されたことにより、国税関係帳簿や書類等を紙ではなく、電子データで保存できるようになりました。

【国税関係帳簿書類の保存方法の可否】

フリーランス電子帳簿保存法関連画像
フリーランス電子帳簿保存法関連画像

(引用:国税庁|通則【制度の概要等】)

 

 

 

2.電子帳簿保存法上での保存区分


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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電子帳簿保存法上、電子データによる保存方法は以下の3つに分けられています。

・電子帳簿等保存
・スキャナ保存
・電子取引

 

電子帳簿等保存

電子帳簿等保存とは、「電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存」する方法です。

具体的には、会計ソフトなどを用いて独自で作成した国税関係帳簿や書類等をデータとして保存します。

 

 

スキャナ保存

スキャナ保存とは、「紙で受領・作成した書類を画像データで保存」する方法です。

具体的には、取引関係書類(請求書や領収書)や独自で作成した書類などを、画像データとして保存します。

なお帳簿書類・電子データの保存期間は7年と定められています。

 

 

電子取引

電子取引とは、「電子的に授受した取引情報をデータで保存」する方法です。

具体的には、以下のような場合に活用されます。

電子メールで請求書や領収書などのデータを受領した場合
インターネットから取引に関係のあるPDFファイルをダウンロードした場合
クラウドサービスでデータの請求書や領収書を受領した場合

 

 

 

3.電子帳簿保存法のメリット


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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ここでは、電子帳簿保存法のメリットについて3点解説します。

 

紙書類の置き場所を削減できる

電子データで帳簿や書類を保存できれば、書類を置く場所を削減できます

紙の書類を保存する場合、ファイルやバインダーなどで保存することが多いため、何十年分と蓄積すると、場所を占有しがちです。

 

電子帳簿保存法により、オフィスの省スペース化を可能にします。

 

 

経費削減に繋がる

データとして帳簿や書類を保存できれば、紙の保存で必要だった印紙代や印刷代、インク代などが必要経費を削減することが可能です

またそれに伴い、事務処理に費やす時間や手間を大幅に削減できるため、人件費の削減も期待できます。

 

 

紛失リスクが少なくなる

紙の書類を扱う場合、必ずと言っていいほど紛失リスクが伴います

電子データをクラウド上で保存すれば、その心配はほぼなくなるでしょう。

 

 

 

4.電子帳簿保存法のデメリット


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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ここでは、電子帳簿保存法のデメリットについて3点解説します。

 

システム導入にコストがかかる

電子データとして帳簿や書類を保存するためには、ソフトウェアやクラウドサービスなど保存に対応したシステムを導入する必要があります。

その際、初期費用やランニングコストがかかるため、一定のコストが生じるという点はデメリットと言えるでしょう。

 

 

データ破損のリスクを伴う

電子データとして帳簿や書類を保存する場合、保存しているデバイス自体を紛失・破損させてしまうとデータの復元が難しいケースがあります。

また、システム障害が生じた場合、復旧までに時間がかかるだけでなく、データ消失のリスクも考慮しなければなりません。

 

そのため、日常的にデータのバックアップを徹底する必要があるでしょう。

または、データをクラウド上に保存するという方法も対策として有効です。

 

 

情報漏洩の危険性がある

データをデバイスで保存しておくとすセキュリティ対策の不備やハッキングが原因で、情報が抜き取られる危険性があります。

電子データで保存する際は、ハッキングされにくく、セキュリティ対策が万全なクラウドシステム上に保存することがおすすめです。

 

 

 

5.電子帳簿保存法改正のポイント


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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令和4年1月の電子帳簿保存法の改正では、以下の4つの改正が行われました。

承認制度の廃止
タイムスタンプ要件の緩和
検索要件の緩和
電子取引の電子データ保存義務化

(参考:電子帳簿保存法改正の詳細)

 

以下では、電子帳簿保存法上における電子データの3つの保存区分ごとに、どのような部分が改正されたのかについてそれぞれ解説します。

 

①電子帳簿等保存に関する改正事項

電子帳簿等保存の区分では、主に3つの改正が行われました。

 

承認制度の廃止

法改正前まで、帳簿や書類を電子データで保存する場合、事前に税務署長の承認が必要でした。

しかし、本改正にて、事務負担を軽減すると言う観点から、この制度は撤廃されました。

ただし、適用時期は令和4年1月1日以後の保存からという点に注意しましょう。

 

 

過少申告加算税が軽減

優良な電子帳簿の要件」を満たすことで、万が一申告したないように漏れがあった場合、過少申告加算税が5%軽減されることになりました。

ただし、申告漏れについて隠蔽・仮装された事実がある場合、この限りではありません。

 

 

保存要件の緩和

電子帳簿について、最低限の要件を満たすことで電子データによる保存が可能になりました。

最低限の要件とは、以下の通りです。

 

1.システム関係書類(システム仕様書や操作説明書、事務処理マニュアルなど)を備え付けること
2.画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
3.税務職員の求めに応じて電磁的記録のダウンロードができるようにしていること

(引用:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021012-095_03.pdf)

 

 

②スキャナ保存に関する改正事項

スキャナ保存の区分では、主に5つの改正が行われました。

 

承認制度の廃止

電子帳簿等保存と同様、スキャナ保存についても税務署長による承認制度が廃止されました。

なお、こちらも適用時期は令和4年1月1日以後の保存からという点に注意しましょう。

 

 

タイムスタンプ要件の見直し

タイムスタンプの付与期間が、最長約2か月と概ね7営業日以内とされました。

また受領者がスキャナで読み取る際の国税関係書類への自署が不要になりました。

 

 

検索要件の記録項目の緩和

取引年月日や取引金額、取引先から記録項目の検索ができ、税務職員の請求に応じて電子データをダウンロードできる状態にしておけば、法改正前に必須だった日付や金額の範囲指定による検索要件は不要になりました。

 

 

適正事務処理要件の廃止

法改正前までは、本人以外による原本との照合が「適正事務処理要件」として必要でしたが、改正後は事務処理を減らすという観点から、不要になりました。

 

 

重加算税の新設

各種要件の緩和により、スキャナ保存が簡単になります。

しかし、もしスキャナ保存で行った電子記録に関して、隠蔽または仮装された事実があった場合、重加算税が10%加重されるようになりました。

 

 

③電子取引に関する改正事項

電子取引の区分では、主に3つの改正が行われました。

 

タイムスタンプ要件、検索要件の緩和

タイムスタンプ要件については検索要件などスキャナ保存と同様の改正が行われました。

また、基準期間の売上高が1,000万円以下の事業者については、税務職員の請求に応じて電子データがダウンロードできる状態にしておけば、検索要件が不要になりました。

 

 

一部措置の廃止

申告所得税及び法人税における「紙への出力による電磁的記録の保存」が廃止されました。

ただし、消費税に限ってはこの限りではありません。

 

 

重加算税の新設

スキャナ保存と同様、電子取引に関して隠蔽または仮装された事実があった場合は、重加算税が10%加重されるようになりました。

 

 

 

6.電子帳簿保存法の改正でフリーランス・個人事業主が取るべき対応策


フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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電子帳簿等保存・スキャナ保存については、保存義務者の選択で、紙またはデータで保存するかを決定できるため、すぐに対応する必要はありません。

一方、電子取引でのデータ保存は令和6年1月から義務化されるため、早急に対応する必要があるでしょう。

 

【フリーランス・個人事業主が早急に対応すべきこと】

フリーランス電子帳簿保存法関連画像
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(引用:https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021012-095_03.pdf)

 

なお電子帳簿保存法関係の申請書・届出の様式は国税庁の公式ホームページに記載・掲載されています。

ぜひご活用ください。

 

また電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービスを導入することで、経理業務の効率化を実現することができるでしょう。

詳細は次の章で解説します。

 

 

 

7.電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービス3選


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ここでは、電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービス3選について解説します。

ぜひ活用してみてください。

 

クラウド会計ソフト freee

クラウド会計ソフト「freee」とは、freee株式会社が開発・運営している事務管理を効率化するためのSaaS型クラウドサービスです。

全プランで電子帳簿保存法に対応しており、要件を満たした証憑の電子保管から優良電子帳簿の自動作成まで対応することができます。

 

初めて会計ソフトを利用する方のために、30日間無料のお試しプランが用意されているため、まずは無料登録から始めてみましょう。

 

【freee会計でできること】

会計帳簿作成(自動・手動)
仕入管理(領収書を取り込無ことで、仕入・経費の自動計上)
販売管理(請求書作成による売上仕訳計上)
確定申告(決算整理・確定申告書や青色決算書作成)
債務管理(買掛管理)
債権管理(売掛管理)

 

 

マネーフォワード クラウド確定申告

マネーフォワード クラウド確定申告とは、株式会社マネーフォワードが運営するクラウド型の会計ソフトです。 

日々の取引データの入力などを自動化できるため、会計業務にかかる時間を大幅に短縮できます。

 

またメールやチャット、インストラクターによる導入支援サービスなど充実したサポート体制が整っているため、初めて会計ソフトを利用する方でも安心です。

 

【マネーフォワード クラウド確定申告でできること】

明細データ自動取得
AIによる仕訳の自動入力
確定申告書・決算書作成
確定申告書類を提出
会計レポートの出力
請求・経費精算と連携

 

 

やよいの青色申告

やよいの青色申告とは、弥生株式会社が運営するクラウド型の確定申告ソフトです。

会計入力に関するサポート機能が充実しているため、会計・簿記に関する知識がないフリーランス・個人事業主でも、カンタンに書類作成が行えます。

 

セルフプランであれば、初年度無料で利用できるため、初めて会計ソフトを試してみたいという方におすすめです。

 

【やよいの青色申告でできること】

自動取込・自動仕訳機能
帳簿入力、伝票入力、仕訳帳、元帳 
試算表のグラフ化
確定申告書・決算書作成
データ保存・共有
他社ソフトとのデータ連携

 

 

 

 

8.まとめ


今回は、現在フリーランス・個人事業主として活躍している方や今後フリーランス・個人事業主になることを検討している方に向けて、電子帳簿保存法が改正されたことでフリーランス・個人事業主が受ける影響と今後取るべき対応策について解説しました。

 

電子帳簿保存法とは、「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」の略で、国税関係帳簿や書類等を電磁的記録(電子データ)で保存することを義務化する法律

 

電子帳簿保存法上での保存区分は、以下の3点
①電子帳簿等保存
②スキャナ保存
③電子取引

 

電子帳簿保存法のメリットは、以下の3点
①紙書類の置き場所を削減できる
②経費削減に繋がる
③紛失リスクが少なくなる

 

電子帳簿保存法のデメリットは以下の3点
①システム導入にコストがかかる
②データ破損のリスクを伴う
③情報漏洩の危険性がある

 

電子帳簿保存法改正のポイントは、主に以下の4点
①承認制度の廃止
②タイムスタンプ要件の緩和
③検索要件の緩和
④電子取引の電子データ保存義務化

 

電子帳簿保存法の改正でフリーランス・個人事業主は、電子取引データ保存について早急に対応する必要がある

 

電子帳簿保存法に対応した会計ソフト・クラウドサービスは主に以下の3選
①クラウド会計ソフト freee
②マネーフォワード クラウド確定申告
③やよいの青色申告

 

電子帳簿保存法の改正で、事務処理にかかる負担が大幅に減りました。

フリーランス・個人事業主が対応すべきことは、各自で異なります。

 

まずは、「電子取引に係る部分のみ」対応するのか、それとも「全般的に」対応するのか日常的に行う取引や扱う書類に合わせて臨機応変に検討するところから始めましょう。

会計ソフト・クラウドサービスを活用し、会計処理や確定申告における効率化を図ることをおすすめします。

 

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