公開日:2022.09.27
更新日:2025.03.24
T業界におけるゼロトラストとは、社内外問わず全てのネットワーク環境を信頼しないことで、情報資産の保守対策を徹底する考え方です。
本記事では「ゼロトラスト」に焦点を当て、以下の点を詳しく解説します。
ゼロトラストの概要
・ゼロトラストが注目される背景
・ゼロトラストモデルの仕組み
・ゼロトラストの7要件
・ゼロトラストのメリット・デメリット
・ゼロトラスト導入時・運用時の注意点
エンジニアやPM/PdMなどセキュリティの知識が必要な方やIT業界に従事している方はぜひご一読ください。
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<目次>
1.ゼロトラストとは?
2.ゼロトラストが注目される背景
3.ゼロトラストモデルの仕組み
4.ゼロトラストの7要件
ネットワーク・セキュリティ
データ・セキュリティ
デバイス・セキュリティ
ワークロード・セキュリティ
アイデンティティ・セキュリティ
可視化と分析
自動化
5.ゼロトラストのメリット
クラウドサービスやデバイスを安心して業務に活用できる
時間や場所を問わずに仕事ができる
6.ゼロトラストのデメリット
導入コストや手間・時間がかかる
業務効率が下がる場合がある
7.ゼロトラスト導入時・運用時の注意点
導入時の注意点
運用時の注意点
8.まとめ
IT業界におけるゼロトラストとは、社内外問わず全てのネットワーク環境を信頼しないことで、情報資産の保守対策を徹底する考え方です。
これまでのセキュリティ対策では、社内ネットワークと社外ネットワークとの境界線にセキュリティ機器を設置することで、主に社内ネットワークへの攻撃に対して対策していました。
ゼロトラストは、社内ネットワークと社外ネットワークとの境界線を無くし、全てのアクセスから情報資産を守ることを目的としています。
ゼロトラストが注目される背景には、大きく3つあります。
・新型コロナウイルスをきっかけとしたテレワークの普及
・クラウドサービスの普及
・内部情報漏洩におけるセキュリティ問題
モバイル端末やテレワーク・クラウドサービスの普及による社会環境・労働環境の多様化で、企業システムの内外部の境界が消失しつつあります。
その結果、境界型防御(社内外の境界線でセキュリティ対策を施す施策)では、サイバー攻撃から情報資産を守ることが難しくなっているのです。
そこで注目を集め始めたのがゼロトラストという考え方です。
ゼロトラストの考え方は、どのようにシステムやデバイスなどのセキュリティ強化に役立つのでしょうか。
ゼロトラストの考え方を取り入れたネットワークでは、主に社内外で起こるアクセスとトラフィックを検査します。
全てのアクセスに関わるセキュリティレベルをチェックし、それらが安全かどうか適切な通信がされているかなどを実現させることが重要です。
ゼロトラストには、全部で7要件が存在します。
IT業界ではそれら7要件を満たすことで、ゼロトラストネットワークが実現できるとされています。
ここでは、ゼロトラストの7要件について解説します。
ネットワーク・セキュリティとは、デジタル情報資産を保護するための防衛策やネットワークにおける安全運用を維持するための防衛策です。
具体的には、外部からのクラッキングを防止したり、内部データの不正な持ち出しを防止するなどがあります。
データ・セキュリティとは、未承認のアクセスからデータを保護し、データの機密性や整合性、可用性を維持するために採用される防衛策です。
機密保持や内部情報の扱いについて認識を高めるととともに、外部ツールで機密情報の監視と保護、外的要因の情報漏洩防止を図ります。
デバイス・セキュリティとは、コンピュータウイルスやスパイウェア、偽装サイトによる個人情報のフィッシング、不正アクセスなどの脅威から守るために採用される防衛策です。
具体的には、社員が利用するデバイスの管理、アクセス許可、利用中のデバイスセキュリティ状態を維持などがあります。
クラウドワークロード・セキュリティとは、企業内におけるIaaS/PaaS環境の利用状況やセキュリティリスクを可視化し、システム運用管理の効率向上や情報セキュリティガバナンスの強化を実現する際に採用される防衛策です。
具体的には、利用者への警告や情報システム管理者への通知を行う事で、把握しきれていないクラウドサービスによる損失を防ぎます。
アイデンティティ・セキュリティとは、社員に対するテクノロジーへのアクセス提供に関連するサイバー脅威を防ぐために採用される防衛策です。
具体的には、システムへのアクセス時、期間ごとにログインIDやパスワードを変更することや業務に必要な最小限のアクセス権しかもたせないなどがあります。
セキュリティ状態を可視化し、サイバー攻撃を受けた際は、内容の検出や分析、対応を行うことが重要です。
ただし、現実的には社内リソースの問題や近年のセキュリティ脅威は高度化しているため、可視化と分析に関してはSOC組織(24時間365日体制ネットワークやデバイスの監視を行う組織)に外部委託する企業が多いです。
セキュリティの監視・運用を効率的に行うためには、ワークフローの自動化は避けられません。
ワークフローの自動化で、問題発生時の素早い解決を実現します。
この際、業務の棚卸/見える化を意識することが重要です。
現状の業務の中で効率化できていない課題を探し、改善に努める意思が大切と言えるでしょう。
ここでは、ゼロトラストのメリットについて2点解説します。
クラウドサービスやモバイルデバイスは、社内外の境界線が曖昧のため、セキュリティ対策が施しにくく、業務に活用しにくいサービスでした。
しかし、ゼロトラストの考え方を取り入れたネットワークでは、セキュリティ対策を臨機応変に施すことができます。
社内外の境界を取り去り、必要な人に必要なだけのアクセス権限を付与することが可能です。
社内外の境界を取り去ったセキュリティ対策が施せるようになると、時間や場所、デバイスを問わず、安心して情報にアクセスできるようになります。
ゼロトラストでは、ネットワークやデバイスごとにサイバー攻撃からの脅威をその都度確認できます。
そのため、アクセスごとに認証を行い、セキュリティを保つことが可能です。
また全アクセスを一元管理できるため、情報漏えいが起きた場合でも被害の検出や原因特定・対処までの時間を短縮し、被害を最小限に食い止めることができます。
ここでは、ゼロトラストのデメリットについて2点解説します。
ゼロトラストを構築するには、導入コストや手間・時間がかかります。
万が一の情報漏えいが発生した場合の被害損額を考えると必要なコストだと言えますが、ある程度の予算がかかることはデメリットと言えるでしょう。
ゼロトラストは、どんな情報も「信頼しない」前提のもと物事を判断するため、判断によっては利便性の高いシステムやツールの使用を遠ざけ、逆な業務効率が低下する場合があります。
たとえば、組織や企業内でクラウドサービスに関して理解が薄い方や違和感を持つ方が多数を占めると、業務の生産性や利便性を損なう可能性が高いです。
ここでは、ゼロトラスト導入時・運用時の注意点について解説します。
ゼロトラストは対象となる領域が広いです。
ゼロトラストを社内に導入する際の注意点は「社内運用の体制づくり」や「社員1人1人のシステム認知」が挙げられます。
多額のコストをかけてゼロトラストシステムを導入しても、社員からの理解やシステム自体を使いこなせなければ意味がありません。
社員1人1人にゼロトラストの導入理由やメリットを伝達し、導入前とどのくらい業務効率が向上するのか、理解してもらうようにしましょう。
運用時の注意点としては「業務上の効率性や利便性を損なわないようする」事が重要です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が調査した「ゼロトラスト導入指南書」には、注意点の一例として以下の内容が掲載されています。
・どのような計画でゼロトラストを進めていくのかを策定し、定期的に見直しをかける
・日々導入当初は機能が正しく動いているのかを監視し、異常だけでなく正常な状態も確認する
・適用時には必ず運用から問い合わせがくるため、その対応の要員を配置する 運用部門に受け入れてもらえるよう、運用部門へのメリットも含めて調整する
(リスクコミュニケーション)
・範囲を拡大する際は、事前に運用部門と調整し、業務に支障がでないようにする
・範囲を拡大するときには、業務の重要度に合わせてポリシーの見直しも行う
(一度策定したポリシーで永久的に良いとは限らない)
・運用部署の業務ルールが変わった際にも、必要に応じてポリシーの見直しを行う (システム側だけでなく運用側の情報をキャッチし、見直す)
(引用:https://www.ipa.go.jp/files/000092243.pdf)
今回は、現在IT業界に従事している方やITエンジニアとして従事している方に向けて、「ホワイトハッカー」に焦点を当てて解説しました。
・IT業界におけるゼロトラストとは、社内外問わず全てのネットワーク環境を信頼しないことで、情報資産の保守対策を徹底する考え方です。
・ゼロトラストが注目される背景は、以下の3点
①新型コロナウイルスをきっかけとしたテレワークの普及
②クラウドサービスの普及
③内部情報漏洩におけるセキュリティ問題
・ゼロトラストの7要件は、以下
①ネットワーク・セキュリティ
②データ・セキュリティ
③デバイス・セキュリティ
④ワークロード・セキュリティ
⑤アイデンティティ・セキュリティ
⑥可視化と分析
⑦自動化
・ゼロトラストのメリット、以下の2点
①クラウドサービスやデバイスを安心して業務に活用できる
②時間や場所を問わずに仕事ができる
・ゼロトラストのデメリットは、以下の2点
①導入コストや手間・時間がかかる
②業務効率が下がる場合がある
・ゼロトラスト導入時・運用時の注意点は、以下
※導入時の注意点としては、社内運用の体制づくりや社員1人1人のシステム認知が重要
※運用時の注意点としては、業務上の効率性や利便性を失わないよう運用する事が重要
近年の情報化社会において、セキュリティ保護は重要です。
ゼロトラストの考え方は、社内外のネットワーク環境における、境界の概念を取り去り、情報資産への脅威を防ぐ重要な役割を果たしています。
情報資産への脅威を防ぎ、業務環境の改善・業務効率の向上を目指すという観点から、ゼロトラストネットワークを意識したシステムの設計または改善、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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