公開日:2022.09.28
更新日:2025.03.24
エンジニアとして活躍を目指すのなら、「KPI」を設定して具体的な目標を自分のなかに確立することが重要です。
適切なKPIを設定することができれば、それを軸にこれからの活動方針を決めたり、不足している能力を補ったりできるため、エンジニアとしてのスキルや評価を高めるチャンスになるでしょう。
しかし、KPIという言葉の意味やその重要性を正確に把握できていないと、効果的な目標設定はできません。
エンジニアとして効率良く業務をこなし、スキルアップしていくためにも、KPIの意味や設定方法を理解することがポイントです。
本記事ではエンジニアが考えるべきKPIの基本と、具体的な目標設定方法を解説します。
IT企業などでエンジニアとして働いている人は、ぜひこの機会にKPIについて考えてみてください。
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<目次>
1.KPIとは?
KPIとKGIとの違い
KPIとKFSとの違い
2.エンジニアが設定するべきKPIは2種類ある
エンジニアの個人目標を設定する際のKPI
エンジニアが携わる仕事の目標を設定する際のKPI
3.エンジニアの仕事におけるKPIの重要性
4.エンジニアがKPIを設定するメリット
エンジニアとしてのスキルアップにつながる
エンジニア業務に対するモチベーションアップを促せる
KPIを軸に会社からの評価を高められる
5.エンジニアがKPIを設定する際のポイント
KPIの目標はなるべく具体的なものにする
今の自分に求められていることを目標にする
目標となるような「人物」を参考にする
6.エンジニアがKPIを設定する具体的な方法
7.エンジニアごとのKPI設定の具体例
8.まとめ
KPIとは、「Key Performance Indicator」の頭文字を取って省略した言葉です。
日本語に訳すと「重要業績評価指標」となり、設定した中間目標および業務のプロセスが達成されているか確認するための指標として使用されます。
KPIを確認することで、目標への進捗を正確に把握できるため、必要に応じて修正などの対策が可能です。
KPIは一定期間を定めて設定し、定量的(数値や数量で表せるもの)に評価するのが特徴です。
期間は企業や業務内容によって異なり、日毎に設定するケースもあれば、週、月、半年、年間といったスパンで決めることもあります。
KPIを設定することで、仕事完了までにクリアすべき課題やポイントを明確にできます。
エンジニアとして何をすべきなのか、どんな課題にリソースを割くべきなのかといった点を判断しやすくなるため、業務効率や生産性向上につながるでしょう。
KPIと同時に使用される指標に「KGI」という言葉があります。KGIは「Key Goal Indicator」を略したもので、日本語では重要目標達成指標と訳されます。
KGIはKPIのように中間的な目標ではなく、事業や業務の最終的なゴールを設定するのが特徴です。
期間内にどんなことをどの程度達成するのかを定量的に設定し、達成のために必要なプロセスを考えます。
一般的にKPIとKGIは同時に設定し、KGIの達成に必要なKPIを設定する形で具体的なプランを構築します。
「年間〇〇円の売上を達成する」とKGIを設定し、「そのためには毎月〇〇円の売上を確保する」「〇〇件の新規依頼数を獲得する」とKPIを決めるのが基本です。
「市場でトップになる」といった抽象的な内容ではなく、きちんと数値・数量で評価できる形で設定するのがKGI・KPIともに重要です。
KPIと混同される言葉に、「KFS」というものがあります。KFSとは「Key Factor for Success」を省略した言葉で、日本では「重要成功要因」と訳されます。
KPIやKGIのように「指標」を考えるのではなく、目標を達成するために必要な「要因」を決めるのがKFSの特徴です。
設定した目標達成に何が必要なのか、どんな対応をすべきなのかを考えます。
例えばメーカーのKFSは「ブランドの認知度向上」、小売のKFSは「商品の数や価格の安さ」などが目標を達成する要因になり得るでしょう。
IT系の企業においては、「エンジニアの能力」や「新システムの導入」などがKFSになり得ます。
エンジニアが設定するKPIには「個人目標」となるKPIと、「仕事の目標」となるKPIの2種類があります。
それぞれのKPIを設定するポイントを把握しておくことで、スムーズに目標設定が行えるようになるでしょう。
以下では、エンジニアが設定すべき2種類のKPIについて解説します。
エンジニアが設定するKPIには、「個人目標」に属するものがあります。
例えばエンジニアとして成長につながるスキルの獲得や、将来やりたい仕事に就くための経験などを設定するのが個人単位でのKPIです。
今現在の立ち位置から、将来的にどのようなエンジニアになりたいのかを具体的なキャリアとして設定します。
エンジニアと一言でいっても、特定の言語や業務内容におけるプロフェッショナルになるルートもあれば、マネジメント業務に専念する道もあります。
個人的な目標をKPIを参考に設定し、将来のビジョンを確立するのがポイントです。
エンジニアは、携わる「仕事の目標」をKPIで設定する機会も多いです。
仕事の目標におけるKPIでは、会社が達成したい業績やタスクを理解した上で、それに貢献できる目標を立てるのが重要です。
仕事単位の目標は周囲と共有する必要があるため、明確な数値や期間を設定します。
ときには他のエンジニアの目標を参考にしたり、同じ方向性を持った設定に変更したりする必要もあるでしょう。
エンジニアの仕事で使用される技術は日々進化を続けているため、現状維持のままでは環境に置いていかれる恐れがあります。
そのため常にKPIで目標設定やプロセスを管理し、エンジニアとしてスキルアップしていくための道筋を明確にすることが重要です。
KPIによって次に達成すべき目標や目指すべき進路を明確にしておけば、迷わずにエンジニアとしてのステップアップが可能となるでしょう。
また、IT企業では個々のエンジニアに目標設定の提出を求めることもあるため、毎回何を書けばいいのか困っているという人もいるでしょう。
目の前の仕事に精一杯で、将来の目標まで意識が行き届かないというケースも珍しくありません。
そんなときにKPIを理解していれば、明確かつ効果的な目標設定をスムーズに設定できます。
エンジニアがKPIを設定することには、さまざまなメリットがあります。
KPIの設定によって仕事への姿勢や意識が変わることもあるため、エンジニアとしての成長を促すこともあるでしょう。
以下を参考に、エンジニアがKPIを理解・設定するメリットをチェックしてみましょう。
KPIの設定は、エンジニアとして的確にスキルアップするためのプロセスにつながります。
ただ目の前の業務をこなすだけでなく、その業務から得られることや学ぶべきことを明確にできるため、KPIの設定は効率的なスキル学習を実現できるでしょう。
エンジニアの仕事に役立つスキルは多数あるため、明確に習得したいものを絞らないと、どれも中途半端な学習で終わってしまう可能性があります。
KPIは目標とするスキルや将来の進路を明確にできるので、的確なスキルアップを進められる点もメリットです。
KPIは、エンジニアとして働く際のモチベーションアップを促せるというメリットもあります。
自分自身で設定した目標に向けて努力をする場合と、人から指示された道筋に従って勉強をするのでは、モチベーションの高まり方に差が出ます。
自らKPIを考えて自分のためになる目標を設定する方が、モチベーション高くかつ能動的にスキルアップを目指せるでしょう。
KPIによるモチベーションアップは、日々の業務にもメリットを与えます。
働くことが自分の設定した目標への達成を近づけると考えられれば、生産性や効率性を高められるでしょう。
KPIを軸にして目標設定を行い、その内容に合わせて業務のタスクをこなすことができれば、会社から高い評価を得られます。
KPIで設定した目標があると、自分から積極的にやるべきことや必要な作業を見つけ出せます。
それは主体性と事業への貢献意欲があるエンジニアとして評価されるきっかけになり、社内で認められる理由になり得るでしょう。
社内での評価が高まれば、昇格や昇給といった結果につながる可能性が高まります。
フリーランスのエンジニアの場合にも、継続した案件の獲得につながったり、報酬アップの交渉ができたりといったメリットになるでしょう。
エンジニアが自身のKPIを設定する際には、いくつか考えておくべきポイントがあります。
以下で紹介するKPI設定のポイントを参考にして、実際に目標設定を行ってみるのがおすすめです。
エンジニアとして設定するKPIは、なるべく具体的な内容にするのがポイントです。
先にも解説した通り、KPIとは定量的に測れる指標として使用されます。
そのため抽象的なビジョンや具体性の欠ける内容を設定しても、KPIとして機能しないでしょう。
例えば「不足している能力を補う」ことをKPIに設定したいのなら、「不足している能力が具体的にどんなものなのか」「それはどんな行動で補うことができるのか」「いつまでに目標を達成するべきなのか」といった要点を把握し、それぞれの内容を設定します。
可能な限り数値や日数を細かく設定して、進捗を把握できるようにするのもKPIを設定するポイントです。
また、設定したKPIの達成度は定期的にチェックし、内容をフィードバックして改善を行う必要もあります。
エンジニアのKPI設定においては、「今の自分に求められていること」を目標にするのもポイントです。
自分が習得することで職場に貢献できるスキルを優先して学んだり、社内での評価に直結する業務の達成を目標にしたりといったことも、KPIを決める理由になります。
自分に求められていることを目標にできれば、高いモチベーションを維持して業務に臨めます。
モチベーションの高さもまたエンジニアとしての仕事に影響を与え、会社からの評価を高める結果につながるでしょう。
また、自分に求められていることをKPIに設定することは、実現不可能な目標を掲げてしまうミスを避けられるメリットもあります。
例えばまだエンジニアとして経験が浅い段階から、プロフェッショナルが目指すべき内容をKPIに設定してしまうと、達成が困難となり仕事へのやる気が削がれる恐れがあるでしょう。
一方中堅レベルの実力がありながら、新人エンジニアが目指すような目標をKPIに設定してしまうと、達成できたとしてもメリットがなくかつ時間を無駄にしてしまいます。
今の自分に求められていることをKPIに設定するのは、結果的にエンジニアとしての効率的なステップアップにつながる可能性があるでしょう。
エンジニアとしてKPIを設定する際には、目標になるような人物を参考にするのもポイントです。
実際にエンジニアとして活躍している有名な人の経歴をチェックしたり、身近なエンジニアの実績やスキルアップの方法を参考にしたりすることで、具体的な目標を設定しやすくなるでしょう。
目標とする人物と今の自分を比較すると、不足している要素を明確にできる点もメリットです。
目標に近づくために何をするべきなのか、どんなスキル・経験を得るべきなのかが明確になれば、それに合わせてKPIを設定できます。
エンジニアとしての自分を客観視する機会にもなるため、今の立ち位置や現実的な課題を把握することも可能です。
エンジニアがKPIを設定する際には、将来のキャリアを明確にした上で、必要なプロセスを逆算していくのがポイントです。
例えば特定の領域でスペシャリストとして活躍を目指すのなら、何年後までにどんなプログラミング言語・資格を取得すべきなのか、どんな会社でどんな規模の業務を経験しておくべきなのかを設定します。
一方でマネジメント業務を中心に活躍することを目指すのなら、プログラミングスキルだけでなくマネジメントができる環境を探したり、ビジネスに関する知識やコミュニケーションスキルの向上を目指すことが考えられます。
このように将来のキャリアプランに合わせて目標を設定していくのが、エンジニアにとって有効なKPIを設定するコツです。
また、現在の業務や会社の事業内容からかけ離れた目標を設定してしまうと、職場の輪を乱してしまう恐れがあります。
チームやプロジェクトの目標を把握した上で、その内容に沿ったKPIを設定することも重要です。
エンジニアのKPI設定の具体例としては、例えば以下のようなパターンが考えられます。
<新人エンジニアのKPI設定>
・〇〇(特定のプログラミング言語)をマスターする
・課題となるタスクを〇個消化する など
<中堅エンジニアのKPI設定>
・将来の目標に関係するスキル・資格の取得を目指す(クラウドエンジニアならAWS認定など)
・開発やリリースのスケジュールを完璧に守る
・目標とする人物が達成してきた業務を請け負う(業務内容は具体的に決定する) など
<フリーランスエンジニアのKPI設定>
・〇年目までに〇〇万円の収入を得られるようにする
・常に案件がある状態をキープする
・業務以外の時間を使って〇〇を達成する(アプリのリリースや資格取得など)
・フリーランス同士の交流を深めて〇〇人以上の人脈を確保する など
上記のようにエンジニアとしての立ち位置次第で、具体的なKPIは変わります。
自分のポジションを把握した上で、目標設定を行うようにしましょう。
特にフリーランスエンジニアは、業務だけでなく求人・案件探しも自分で行わなければならないため、KPIの達成が難しくなるケースがあります。
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エンジニアとして成長していくためには、KPIの設定が重要です。
KPIで目標と必要なプロセスを可視化することで、エンジニアとしてのステップアップを効率良く進められるでしょう。
将来どんなエンジニアになるか悩んでいる人や、フリーランスエンジニアとして具体的な目標設定を行って仕事をしていきたい人は、こちらでKPIの基本的な意味やメリットを把握してみてはいかがでしょうか。
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