公開日:2022.11.10
更新日:2025.03.24
近年、ビジネス推進や経営目標達成のためにビッグデータを活用する企業が増えています。
データの活用においてデータマネジメントが重要視されており、その推進役として注目されているのが「データアーキテクト」です。
本記事では、データアーキテクトの業務内容や必要スキル、年収などの概要を解説します。
データアーキテクトとデータサイエンティスト、データアナリストの違いやデータアーキテクトにおすすめの資格までご紹介しますので、データアーキテクトという仕事に興味がある方は是非お役立てください。
特に、下記の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・IT業界に従事している方
・ITエンジニアに現在従事しており、今後データアークキテクトを検討もしくは興味関心がある方
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<目次>
1.データアーキテクトとは?
データサイエンティストとの違い
データアナリストとの違い
2.データアーキテクトの仕事内容
データビジョンのヒアリングと立案
データアーキテクチャの設計
データフローの定義
3.データアーキテクトに必要なスキル
ITスキル
データモデリングやデータベース設計スキル
コミュニケーションスキル
4.データアーキテクトの年収
5.データアーキテクトにおすすめの資格
統計検定
データ解析士
データベーススペシャリスト試験
6.まとめ
データアーキテクトとは、企業内外のあらゆるデータを収集し、クライアントが活用しやすい形にデータを整備・管理する仕事です。
主に、データエンジニアとデータアナリストの間を取り持つ役割を担っています。
データエンジニアが開発したデータ基盤からデータアーキテクトがデータを抽出し、そのデータをデータアナリストが分析します。
データアーキテクトの役割はデータアナリストが分析しやすいようにデータの抽出から分析までの工程を設計し、データの整備を行うことです。
他にも、データ管理フローの作成や他部署との連携などデータアーキテクトの業務は多岐に渡ります。
中にはクライアントの経営目標達成のためにマーケティングのサポートを行う場合もあるので、データマネジメントの体系的な理解やデータを読み解いてビジネスに繋げる力も必要になってきます。
今後テクノロジーの進化や社会情勢の変化によって企業のビッグデータ活用はますます増えることが予想され、ビジネスまで理解できるデータアーキテクトの存在は重要になってくるでしょう。
また、現在はデータサイエンティストやデータエンジニアが本業の合間にデータアーキテクトの役割まで担うことが多い状況です。
作業効率を向上させるためには、データ整備専門家のデータアーキテクトは必要不可欠であり、需要が高まることが考えられます。
これらのことから、データアーキテクトは将来性のある仕事と言えるでしょう。
データサイエンティストとは、ビジネス上の課題を見つけ出しデータを収集・分析することで課題解決を図る仕事です。
まず、経営における課題を明確化しそれを達成するための仮説を立案します。
そして収集した膨大なデータを統計学や数理モデルを組み合わせて分析し、同時に仮説の検証を行います。
データアーキテクトは既に集まったデータを整理・管理するのに対し、データサイエンティストはデータを収集・分析しデータを活用した経営戦略まで行う点が大きな違いでしょう。
データアナリストとは、データを体系化して分析を行う仕事です。
データアナリストは仕事内容によって「コンサル型」と「エンジニア型」に分けられます。
|
コンサル型データアナリスト |
エンジニア型データアナリスト |
---|---|---|
役割 |
データ解析を元に、課題解決のための具体的な施策を提案する |
データマイニングや機械学習などの技術を用いてデータを分析し、商品・サービスの品質向上に貢献する |
勤務先 |
・コンサルティング企業 |
・ゲーム会社 |
データアーキテクトはデータを分析しやすいように整備・管理するのに対し、データアナリストはデータの分析に特化している点が大きな違いでしょう。
続いては、データアーキテクトの具体的な仕事内容についてご紹介します。
データ活用において、データアーキテクトはデータの収集からシステムの設計まで幅広い業務を担当します。
データアーキテクトの仕事内容は以下の通りです。
・データビジョンのヒアリングと立案
・データアーキテクチャの設計
・データフローの定義
それぞれの項目について、簡単に説明していきます。
データアーキテクトはクライアントから現状をヒアリングし、ビジネスで求められるデータ要件を技術要件に変換したデータビジョンを立案します。
その際、データ戦略や将来のビジョンの方針なども考えておかなければなりません。
大切なのは、クライアントのニーズや経営目標を達成できるようなシステムやデータ管理を実現することです。
ビジネスにおけるデータ活用には、データアーキテクチャが有効です。
データアーキテクチャとは、データの収集から利用にいたるまでの全体構造を設計すること。
どのようにデータを収集して保管し、どのように利用するかといったシステムの全体像を構想して表現するのもデータアーキテクトの仕事です。
データアーキテクチャを設計しておくと、必要なタイミングでデータを利用することやデジタルビジネスの安全性や柔軟性を保つことにも繋がります。
データアーキテクトは、様々な部署と協力してデータフローの定義を行います。
データフローとは、社内のデータの流れを整理してマッピングしたものです。
システムやデータの流れを視覚的に把握できるので、データアナリストなど他職種との連携時にも役立ちます。
データフローの管理方法やデータ利用者のアクセス権、利用方法を決めておくことも重要です。
ここでは、データアーキテクトが業務をスムーズに進めるために身に付けておくべき3つのスキルをご紹介します。
データアーキテクトに必要なスキルは以下の通りです。
・ITスキル
・データモデリングやデータベース設計スキル
・コミュニケーションスキル
それぞれの項目について、簡単に説明していきます。
データアーキテクトは、基本的なITスキルをはじめとしたデータ管理に関係するスキルが必要です。
データにまつわるツールや製品はIT技術の発展とともに日々進化を続けています。
最先端の情報にも対応できるように、常に業界の動向をチェックしておかなければなりません。
また、エンジニアをサポートするのもデータアーキテクトの役割の一つです。
サポートのためには、簡単な開発スキルや分析の知識なども身に付け、エンジニアの仕事を理解しておくことが大切でしょう。
データアーキテクトは、データモデリングやデータベース設計スキルが必要です。
データモデリングとは、前もって定められた様式(データアーキテクチャ)に沿ってデータの名称やデータ同士の関係性といったデータモデルを決めていくことです。
これによって、データの特性まで理解できるようになります。
データモデリングはデータアーキテクトのメインの仕事とも言えるため、全ての工程で深いスキルが問われるでしょう。
また、データ管理においてはより良いデータベースを設計することが何よりも重要になります。
社内で共有しやすく使いやすいものを設計するためには、データベースのスキルは必要不可欠です。
データアーキテクトは、クライアントやデータアナリストなどの他職種とコミュニケーションを図って業務を進めていきます。
例えばクライアントの意図を明確にして、他職種に業務の課題を分かりやすく伝達することもあるでしょう。
そのため、ITやデータ管理に関するスキル以外にもコミュニケーションスキルが求められる仕事です。
日頃から密にやり取りを行って、業務を円滑に進められるようにしておくことが大切になります。
データアーキテクトの年収は約400万〜1,000万円です。
年収の幅が大きい理由は、データアーキテクトが個人の力や経験によって評価されることが多い職種だからです。
国税庁の2021年の民間給与実態統計調査によると、日本の平均年収は約443万円なので、データアーキテクトの年収は平均から高めの水準であることが分かります。
高収入を目指したい人は、データ管理にまつわるスキル以外にもプログラミングやデータマネジメントなどのスキルまで幅広く身に付けておくと優遇される可能性が上がるでしょう。
なお、フリーランスのデータアーキテクトの場合、年収は個人の実力や仕事をこなす量によるため一概には言えません。
参考までに、「フリーランススタート」に掲載されているデータアーキテクトの求人は、月額60万〜100万円前後が多くなっています。
フリーランスとして活躍する場合は、しっかりとした実力があれば平均よりも高い年収を稼ぐことができるでしょう。
また、海外ではデータアーキテクトの知名度が日本よりも高いため、収入はさらに高くなる傾向にあるようです。
データアーキテクト案件を見てみる↓
データアーキテクトとして働くのに必須とされている資格はありません。
しかし、データ活用に必要な統計や分析に関するスキルがあることを証明できれば、就職に有利に働く可能性があります。
データアーキテクトにおすすめの資格は以下の通りです。
・統計検定
・データ解析士
・データベーススペシャリスト試験
それぞれの項目について、簡単に説明していきます。
統計検定とは、統計に関する知識や技術を評価する検定試験です。
一般財団法人である統計質保証推進協会が実施しています。
検定は難易度や内容に応じた10区分に分けられており、4級〜1級に加え、統計調査士・専門統計調査士・データサイエンス(基礎・発展・エキスパート)の資格が公開されています。
データの読み取りから最新の解析に関する知識まで幅広く出題される点が特徴です。
初めて統計を勉強する人にも挑戦しやすい資格となっています。
データ解析士とは、一般社団法人実務教育研究所の通信講座「多変量解析実務講座」を修了することで認定される資格です。
講座では、統計の基礎や回帰分析に関する知識、それらをExcelで実行する方法を体系的に学ぶことができます。
単元ごとに課題を提出する必要がありますが、学習中の質問システムなどが完備されているので安心して取り組めるでしょう。
場所や時間を選ばずに、資格の取得を目指せる点が特徴です。
データスペシャリスト試験とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験の一つです。
情報処理技術者試験の中でも最高ランクであるレベル4に位置し、難易度が高い試験として知られています。
試験は内容に応じた午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4つに分けられており、データベースシステムに関する知識やシステム開発を含むIT技術に関する内容が幅広く出題されます。
長文から意図を読み解く問題があるため、論理的思考力が必要です。
この記事では、IT業界に従事している方やデータアークキテクトに興味関心がある方に向けて、データアークキテクトの業務内容や必要スキル、年収などの概要をお話してきました。
データアーキテクトとは、企業内外にあるデータを収集し、クライアントが活用しやすいようにデータを整備・管理する仕事です。
業務内容は非常に幅広く、データ管理フローの作成やマーケティングのサポート、他部署との連携など多岐に渡ります。
今後も、企業のビッグデータ活用の増加が予想されるため、データアーキテクトの需要も高まっていくことが考えられます。
作業効率化という面でも、データ整備の専門家であるデータアーキテクトは将来性のある仕事と言えるでしょう。
データアーキテクトに興味がある方は、是非この機会に目指してみてはいかがでしょうか。
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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