データアナリストとデータサイエンティストの違い

転職

2020.05.19

近年、ビッグデータという言葉を頻繁に耳にするようになりました。経営データの分析やデータの可視化など何かとデータの話題に触れる機会が増えており、データはビジネス成功や拡大において重要なものとなりました。

今回はデータ分析に関わる職業、データアナリストとデータサイエンティストの違いや今後の市場動向についてお話していこうと思います。

<目次>
1.データアナリストとは
2.データアナリストに必要な能力
3.データサイエンティストとは
4データサイエンティストが必要な能力
5.データアナリストとデータサイエンティストの違い
6.データアナリストとデータサイエンティストになるには
7.データアナリストとデータサイエンティストの需要
8.まとめ

 

 

 

1.データアナリストとは


データアナリストは、データの処理や現状分析などのフェーズを専門に行っている職業です。
集めたビッグデータを分析し、ユーザーの行動や規則性、将来的なニーズなどを見つけ出します。その後、仮説を立てて問題解決の手段を提案したり、提供しているサービス改善などに役立てることがデータアナリスト主な仕事です。
データアナリストには、2つのタイプがあります。コンサル型データアナリストのタイプとエンジニア型データアナリストのタイプです。

コンサル型データアナリストは、コンサルティング会社やマーケティング部門の中で、企業の課題に対して、データ解析を行い、解決策を提案することが仕事です。
エンジニア型データアナリストとは、ビッグデータがある企業の中で、データマイニングを活用し、ユーザーの行動の特性や規則性を探し出すことが仕事です。

 

 

 

2.データアナリストに必要な能力


データアナリストの2タイプは必要な能力が多少異なりますので、ご説明致します。

 

コンサル型データアナリストが必要な能力やスキルは、統計学や分析力、論理的思考力、仮説力、SQL、Rなどの開発言語です。
コンサル型データアナリストは、課題把握から提案することまでを担う分、分析力や、論理的思考力が求められます。

エンジニア型データアナリストが必要な能力やスキルは、統計解析、時系列解析、データマイニング、機械学習、自然言語処理、Hadoop、Spark、SASなどの統計/分析ツール、R、Javaなどの開発言語です。
エンジニア型データアナリストは、データマイニングや機械学習を行った結果をもとに、ユーザーの行動特性など一定の規則性を見出し、データ処理能力が求められます。

 

 

 

3.データサイエンティストとは


データサイエンティストは、データエンジニアリング(データ分析力)以外にもデータサイエンスと呼ばれる統計学や機械学習などの専門知識、本質的課題抽出し、改善提案をするビジネススキルが必要になります。
データサイエンティストは、データアナリスト同様2つタイプがあります。
アルゴリズム実装系のデータサイエンティストとアドホック分析系のデータサイエンティストです。それぞれの主業務が異なります。

 

アルゴリズム実装系のデータサイエンティストは、機械学習アルゴリズムに詳しく、データアナリストが加工・成形したデータを元に応用的に機械学習を使いアルゴリズムを組み、事業システムに実装します。エンジニア業務が主な仕事です。

アドホック分析系のデータサイエンティストは、データを取り出し、掛け合わせや切り口を変えるなどアドホックな分析を行い、提案を行うことが主な業務です。より統計学や情報処理に詳しく、データ分析やデータの性質を手早く行うためのプログラミングに長けており、コンサル要素が強いです。
なお、アドホック(ad hoc)とは、限定目的のためのという意味です。定期的に行われるデータ分析とは異なり、その都度単発的に実施される分析が特徴です。アドホック分析のメリットとして、素早く結果がわかるということです。そのため、正確な結果かどうかを確認したい場合、多角的な視点から分析を繰り返したい場合などはアドホック分析が活用されます。

 

 

 

4データサイエンティストが必要な能力


データサイエンティストが必要な能力は、課題特定力や論理的思考力、統計学、人工知能(AI)関連知識、Python、R、SQLなどの開発言語、MySQL、Hadoop、Spark、SASなどの統計/分析ツールです。その他、プロジェクトの統括力や、課題解決手法を社内外に伝える提案力なども重要な能力です。

 

 

 

5.データアナリストとデータサイエンティストの違い


データアナリストは、ビッグデータを分析し、企業の問題解決のためにコンサルティングを行う職業やデータ分析や処理を行うエンジニアのことを指します。
データサイエンティストは、ビッグデータを分析し、問題解決のためにコンサルティングを行う職業や、データアナリスト+機械学習を含む人工知能(AI)エンジニアの側面を持ち合わせた職業です。

データアナリストとデータサイエンティストはそれぞれ違いはありますが、厳密な線引は存在しないです。そのため、会社によってはデータサイエンティストをデータアナリストとして採用していることもあります。またその逆も然りです。

 

 

 

6.データアナリストとデータサイエンティストになるには


データアナリストやデータサイエンティストになるためには、特定の資格は不必要ですが、幅広いIT知識が求められます。
主に論理的思考力、統計学、人工知能(AI)関連知識、Python、R、SQLなどの開発言語、MySQL、Hadoop、Spark、SASなどのツール使用経験、データベースの使用経験が必要です。そのため、エンジニア未経験がデータアナリストとデータサイエンティストに挑戦することは極めて困難です。少なからず、バックエンド側のエンジニア経験があるのが望ましいです。

 

また、データアナリストとデータサイエンティストになるために、取得しておくと良い資格をご紹介します。

・OSS-DB技術者認定試験
マイクロソフトやオラクルなど特定の製品ではなく、オープンソースのデータベースについての知識と技術についての検定試験です。

 

・オラクルマスター(ORACLE MASTER)
日本オラクル社が公式に運営するOracle Databaseシリーズを扱う技術力を認定する資格です。データを扱う職業であるため、持っておくと良いでしょう。

 

・統計検定
データアナリストは情報を分析することが業務の中心ですが、その際に統計学的な知識が必要になります。

 

 

 

7.データアナリストとデータサイエンティストの需要


データアナリストとデータサイエンティストは最先端技術を扱う職業として現在IT業界で注目されており、開発エンジニアの人口も年々増加傾向にあるため、今後もニーズが減少することはないでしょう。
特にビッグデータ解析や機械学習を含む人工知能(AI)の活用が飛躍的に需要を高めている要因の1つでしょう。
また、データアナリストやデータサイエンティストが活躍できる業界は、IT業界以外でも非常に多く存在します。例えば、自動車・物流・運輸・金融・保険など、様々な業界で活躍が出来ます。そのためIT業界だけでなく、色々な業界で必要とされていることにより、データアナリスト・データサイエンティストの需要は非常に高いと言えるでしょう。

 

 

 

8.まとめ


今回は、データアナリストとデータサイエンティストの違いについてお話してきました。

データアナリストとデータサイエンティストはそれぞれ明確な定義によって分けられていないため、それぞれの違いを理解した上で知識として蓄えていただければ幸いです。

現在、ビッグデータを活用した人口知能(AI)やIoT、クラウドサービスのなど、IT業界の急速な発達が挙げられます。そのため、2030年データサイエンティストやIoT、AIなどの最先端技術を担うITエンジニア人材は55万人不足することが見込まれています。つまり、需要が伸びている職業の1つがデータアナリストやデータサイエンティストです。
また、データアナリストやデータサイエンティストの需要増を受け、滋賀大学と横浜市立大学はデータサイエンス学部の創設、東京大学は数理・データサイエンス教育プログラムが開設されています。その他、BIGDATA NAVIというフリーランスエンジニアエージェントでは「AIジョブカレ」という個人向けスクールも開講されています。
このことから今後、データアナリストやデータサイエンティストの将来性は明るいといえるでしょう。

 


本記事がデータサイエンティストやデータアナリストにご興味を持つ皆様のお役に立てれば幸いです。

twitterでシェア
facebookでシェア
facebookでシェア

フリーランスお役立ち記事を検索

データサイエンティストのフリーランス求人・案件

新着フリーランス求人・案件

おすすめフリーランス求人・案件