公開日:2022.12.10
更新日:2025.03.24
リモートワークの普及などによって、クラウド環境を活用した仮想デスクトップに注目が集まっています。
「DaaS」と呼ばれるクラウドサービスの活用は、リモートワークをはじめとしたさまざまな事業に応用され、新しい労働スタイルの実現に貢献しています。
しかし、DaaSの意味やメリット・デメリットについて、正確に理解できているケースは意外と少ないのが現状です。
エンジニアとして働く人のなかにも、DaaSについて詳しく把握できていない人も多いです。
そこで本記事では、DaaSの基本やメリット・デメリットについて解説します。フリーランスエンジニア向けのDaaS求人・案件も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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<目次>
1.DaaSとは?
仮想デスクトップについて
DaaSの方式
2.DaaSの種類
プライベートクラウドDaaS
バーチャルクラウドDaaS
パブリッククラウドDaaS
3.DaaSとVDIの違いとは?
VDIとは?
4.DaaSを利用するメリット
運用・管理の工数削減につながる
BCP対策として役立つ
5.DaaSを利用するデメリット
ネットワークに遅延が発生する可能性がある
DaaSならではのセキュリティリスクがある
6.DaaSのエンジニア求人・案件は多い?
7.まとめ
DaaSとは「Desktop as a Service」を略した言葉で、日本語では「ダース」と読みます。
本来ならパソコンを使って構築するデスクトップのシステムを、仮想環境で実現できるのが特徴です。
DaaSはパソコンで生成するデスクトップを、クラウド環境を使って「仮想デスクトップ」として構成します。
ユーザーはインターネットを使ってこの仮想デスクトップにアクセスし、さまざまな作業を行えます。
DaaSの環境では、パソコンのOSやソフトなどのあらゆるシステムがクラウド上に存在しています。
そのため従来のデスクトップを扱うように、キーボードやマウスを使った作業が可能です。
DaaS上で作成したデータはクラウドに保存されるため、簡単に共有もできます。
また、DaaSは使用するパソコンのスペックに依存しないことから、十分な速度を安定して確保できるネット環境があれば、クラウド上でスムーズな作業が実現可能です。
仮想デスクトップとは、複数のデスクトップをパソコン上に生成するシステムとしてOSに搭載されています。
複数のデスクトップを準備し、それぞれの画面で別の作業を行うことで、業務効率化を進められるなどの特徴がありました。
WindowsなどのOSには、標準でデスクトップを複数生成できる拡張機能が備わっていて、自由に切り替えることが可能です。
仮想デスクトップは既に多くの企業やエンジニアが使用し、業務効率化などに役立てています。
DaaSには、複数の展開方式があります。どの方式を採用するかで、導入時の方法が変わります。
具体的には、以下の展開方式がDaaSで採用されています。
フルクローン方式 |
基本となる仮想デスクトップを複製し、各ユーザーに対して展開する方法。 |
リンククローン方式 |
基本となる仮想デスクトップのOSイメージを複製・共有する方法。 |
ネットワークブート方式 |
仮想デスクトップをディスクイメージとしてファイルに作成し、ネットワークを通じて機動する方法。 |
DaaSには、配信方法によって複数の種類に分けられます。
配信方法によっても特徴が異なるため、目的に合わせて選択する必要があるでしょう。
以下では、DaaSの配信方法ごとの特徴を紹介します。
「プライベートクラウドDaaS」とは、DaaS環境を提供するベンダーが契約した企業に合わせてプライベートクラウド常に構築したDaaSを指します。
企業の求める形にカスタマイズ可能なため、柔軟にシステムの改良ができたり、高いセキュリティを構築できたりといった点が特徴です。
一方で、プライベートクラウドDaaSの運用や構築にはさまざまな知識が必要となるため、スキルのあるエンジニアに任せなければならない可能性もあります。
「バーチャルクラウドDaaS」とは、ベンダーが提供する「IaaS」「PaaS」などのクラウドサービス上に構築した仮想デスクトップを活用するDaaSです。
プライベートクラウドDaaSほど完全に独立した環境ではないものの、他社と同様のサーバを活用するようなことはないため、カスタマイズ性が高いのが魅力となっています。
AWSやMicrosoft Azureなど、有名なクラウドサービスがバーチャルクラウドDaaSに該当します。
「パブリッククラウドDaaS」とは、オープン環境のクラウドを活用するDaaSです。
多くの企業が同じ環境を利用するため、カスタマイズ性やセキュリティ面では上記の2つに劣ります。
一方、コストが低くアップデートやメンテナンスに自社で労力を割く必要がありません。
手軽に導入できることから、初めてDaaSを利用する企業はパブリッククラウドDaaSを優先するケースが多いです。
DaaSの導入時には、「VDI」が比較対象として挙げられるケースが多いです。
VDIとの違いを把握することも、DaaSを知るためのポイントです。
以下では、DaaSとVDIの違いを解説します。
VDIとは、「Virtual Desktop Infrastructure」を略した言葉です。
デスクトップをサーバ上に構築して仮想環境を作り上げ、リモートで利用するのが基本です。
VDIは企業が持つ自社サーバ上に構築されるため、厳密にはオンプレミス環境で利用されるのがDaaSとの違いになります。
自社が運用・管理するサーバで仮想デスクトップを生成するため、DaaSのようにクラウド環境を使用せず、社内ネットワークですべての作業が完結します。
DaaSと違ってVDIは企業が運用・管理・保守等の全工程を対応しなければならないため、多くのリソースがかかります。
専用のエンジニアを雇用するケースも多く、VDIに精通した人材の雇用も進んでいます。
DaaSを利用することには、企業側(導入側)にとって多くのメリットがあります。
DaaSに関わるエンジニアはこのメリットを正確に理解し、適切に提供できるように環境を整備する必要があるでしょう。
以下では、DaaSを利用することのメリットを解説します。
DaaSは、仮想デスクトップの運用・管理における工数削減につながります。
DaaSを導入せずにリモートワークなどを実施する場合、社員それぞれが自身のパソコンを指定の環境に合わせて設定・構築する必要があります。
例えば最新バージョンへのOSアップデートやアプリの更新などは、社員に一任しなければなりません。
もしバージョンアップや更新が滞っているパソコンを使用していると、セキュリティ上のリスクを抱える可能性があります。
DaaSであれば仮想デスクトップを構成しているクラウド上で必要な対応を行えば、全ての社員に同じ環境を提供できます。
工数をかけずに素早く必要な環境を構築できるため、業務に支障が出ない点がメリットです。
工数をかけずに最新の環境にアップデートが可能なことから、DaaSはセキュリティの向上につながり、人為的なミスによる情報漏洩などの可能性を低減可能です。
また、DaaSはクラウド上に全てのデータが保存されるため、個人のパソコンがウイルスなどの被害に遭っても情報が流出する可能性は低くなります。
BCPとは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では「事業継続計画」と呼びます。
DaaSはクラウドを使って仮想デスクトップを運用するため、仮に災害などを原因に自社のパソコンに損害が出たり、出社できない状況になったりしても、DaaSでクラウドにアクセスできる限り通常通りに業務が可能です。
作業データもクラウド上で管理するため、災害や自社のサーバトラブルなどによって消去されるリスクを抑えられます。
DaaSの利用には多くのメリットがある一方で、いくつか懸念されるリスクがあります。
事前にDaaS特有のデメリットを把握しておくことで、エンジニアとしてスムーズな対処が可能となるでしょう。
以下を参考に、DaaSならではのデメリットについてチェックしてみてください。
DaaSはネットワークを経由して、クラウド上の仮想デスクトップにアクセスします。
環境や状況次第ではネットワークからのアクセスが上手くいかず、遅延などを引き起こすデメリットがあるでしょう。
リモートワークの際には、社員の使用するネットワーク環境に快適さが左右される可能性もあります。
速度が安定しないネットワークを使用している場合、作業に支障が出るケースも懸念される点がDaaSのデメリットです。
DaaSは高いセキュリティが魅力の1つですが、クラウドサービスならではの新たなリスクに注意が必要です。
例えばDaaSのサービスで使用しているIDとパスワードが流出してしまうと、第三者にアクセスされる可能性があります。
セキュリティが高いからと油断せず、リスク管理は社内で徹底して行うのがポイントです。
DaaSの構築・運用には、専門知識が求められるケースが多いです。
特にプライベートクラウドやバーチャルクラウドを使用している企業は、エンジニアに保守や管理を専任させることもめずらしくありません。
そのためフリーランスの求人・案件にも、DaaS関連のものが増加しているのです。
例えばDaasプロジェクトの推進、インフラ運用の効率化、商用DaaS環境の運用改善などの業務を、以下のような条件で募集しているケースがあります。
求人・案件例①
求人・案件例②
求人・案件例③
上記のように、DaaSに関する求人・案件は複数あります。
業務内容や採用条件は各求人・案件によって大きく異なるため、こまめにフリーランススタートをチェックして情報を集めてみてください。
DaaSはリモートワークなどが普及する昨今、改めて注目を集めています。
DaaSを活用して業務効率化を目指したり、セキュリティ面の確保を進めたりする企業は、今後も増えると予想されるでしょう。
DaaSの活用事例が増えるほど、専門知識・技術を持つエンジニアの需要も高まります。
DaaSを運用・管理できるエンジニアになれれば、多くの求人・案件で活躍できるでしょう。
この機会にDaaSの基本を把握し、必要な知識・技術の習得を目指してみてはいかがでしょうか。
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