公開日:2022.08.23
更新日:2025.03.24
MBaaS(エムバース)とは、「Mobile Backend as a Service」の略で、モバイルデバイスでよく利用される汎用的な機能をクラウドから提供するサービスです。
本記事では、「MBaaS」に焦点を当て、以下の点を詳しく解説します。
・MBaaSとは何かについて
・MBaaSに搭載されている主な機能について
・MBaaSのメリット・デメリットについて
・MBaaS代表例について
現在IT業界に従事している方(特にエンジニアの方)はぜひご一読ください。
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<目次>
1.MBaaSとは?
BaaSとは?
2.MBaaSに搭載されている主な機能
認証基盤
プッシュ通知
位置情報連携
データベース
ストレージ機能
外部サービス連携
3.MBaaSのメリット
サーバー設計が不要
サーバー運用が不要
コストが不要
アプリ開発がしやすい
強固なセキュリティ機能
4.MBaaSのデメリット
開発制約
顧客情報保護
5.MBaaS代表例
AWS Mobile Hub(無料プランあり)
Firebase(無料プランあり)
ニフクラmobilebackend(無料プランあり)
6.まとめ
MBaaS(エムバース)とは、「Mobile Backend as a Service」の略で、モバイルデバイスでよく利用される汎用的な機能をクラウドから提供するサービスです。
クラウド上に用意された機能をAPI(アプリケーション・ソフトウェアを構築および統合するために使われるツール)で呼び出すだけで利用できるため、サーバー開発・運用が不要で、誰でも簡単にさまざまなバックエンド機能をアプリに実装することができます。
そのため、バックエンド機能の開発・運用にかかる工数の削減やコストカット、業務効率化を図ることが可能です。
BaaS(バース)とは、「Backend as a Service」の略で、Webやモバイルアプリが持つバックエンド機能をサーバー側がクラウドで代行するサービスです。
つまり、MBaaSは、モバイル向けアプリの構築に特化したBaaSと言えるでしょう。
ここでは、MBaaSに搭載されている主な機能ついて6点解説します。
1つ目は、ユーザーを認証するための機能です。
MBaaSを活用すれば、ログイン・ログアウト・権限管理・メールアドレス認証などアプリ内の会員を管理できます。
各会員のデータに対してアクセス制限をかけるなどセキュリティ対策も万全です。
2つ目は、プッシュ通知です。
MBaaSを活用すれば、ユーザー同士やクライアントとの間でデータの共有を可能にし、プッシュ通知やメール通知機能を使用した通知で、リアルタイムに情報を知らせてくれます。
3つ目は、位置情報連携です。
MBaaSを活用すれば、スマートフォンのGPS機能などを利用した位置情報を保存・管理することができます。
4つ目は、システムやアプリの情報資産を保有するデータベースとしての機能です。
MBaaSを活用すれば、アプリで利用されるデータを保存・共有することができます。
またデータやクラス単位でアクセス制限をかけることもできます。
5つ目は、ストレージ機能です。
MBaaSを活用すれば、画像やテキスト、音楽などさまざまな種類のファイルを保存することができます。
6つ目は、外部サービスとの連携です。
MBaaSを活用すれば、例えば、TwitterやFacebook、Google、Appleなど各種SNSと連携し、外部からSNS投稿を行うなど、アプリの枠を超えたサービスを提供できます。
ここでは、MBaaSのメリットについて5点解説します。
MBaaSを活用すれば、自社でサーバー設計をする必要がありません。
そのため、通常3ヶ月から半年程度かかるサーバーの構築や開発に工数をかける必要がなく、別の重要業務に時間を割くことができます。
MBaaSを活用すれば、自社でサーバーを保有する必要がありません。
そのため、アプリのリリース後もサーバー運用は不要で、工数を大幅カットできます。
MBaaSは、基本的に利用したサービスや規模に応じて料金が発生する仕組みです。
そのため、各MBaaSサービスが提供している無料の範囲内であればサービスの利用コストはかかりません。
MBaaSを活用すれば、開発に伴う管理作業やバックエンド開発が不要になります。
そのため、時間のかかるフロントエンド開発やコア業務など別の重要業務に工数をかけることが可能です。
MBaaSは、強固なセキュリティ機能を搭載したサービスが多いです。
セキュリティが保証されているため、ユーザーが1からセキュリティ対策(例えばウイルス対策ソフトを購入・導入)を実装する必要がなく、情報漏洩などのリスクを低減できるというメリットがあります。
ここでは、MBaaSのデメリットについて2点解説します。
MBaaSを活用すると、サーバー側の動作が固定化されるため、実装機能に制約があります。
そのため、複雑な機能を実装したい場合はサーバー側のカスタマイズを各自で行う必要があります。
しかし、独自のカスタマイズを許容しているかどうかは、サーバーを管理する業者やサービスごとに異なります。
またカスタマイズする機能が多いと、余分な工数がかかり、実装が煩雑になる弊害も発生するため注意が必要です。
MBaaSを提供するベンダーは、クラウド上に保存されたデータ保護に全力を尽くしています。
オンプレミスよりも重厚な管理を行っていることが多いですが、顧客によっては個人情報を外部サーバーに配置すること自体が問題になるケースがあります。
個人情報保護観点からクラウドの利用が敬遠されるのは残念です。
MBaaSの普及が進み、個人情報保護に関する理解が進むことを期待しましょう。
ここでは、MBaaSの代表例について3点解説します。
AWS Mobile Hubとは、AWSが提供するサービスをクラウド上で設定できるMBaaSです。
プッシュ通知はAmazon SNS、データベースにはDynamoDBなど、既存の機能を設定しやすくしています。
【AWS Mobile Hubの強み】
・AWSのサービスを使用したモバイルアプリの構築やテスト、モニタリングが可能
・単独の組み込みコンソールを使用し、ユーザー認証やデータストレージ、バックエンドロジック、プッシュ通知、コンテンツ配信、分析機能などをアプリに追加できる
・SaaS(Software as a Service)との統合機能をサポートできたり、エンタープライズユーザー管理機能が魅力的
Firebaseは、2011年にFirebase,Inc.(2014年にGoogleが買収)が開発したMBaaSです。
サービスは無料で利用でき、拡張で利用したデータ分に応じて料金が発生するシステムのため、最初から高額の使用量を支払う必要はありません。
【Firebaseの強み】
・インフラストラクチャの管理が不要
・オンボーディングフローのカスタマイズ、ユーザーエンゲージメントの向上、新機能の追加が可能
・連携する全プロダクトを1つのコンソールで管理できる
ニフティクラウド mobile backendは、富士通クラウドテクノロジーズ株式会社が運営する、モバイルアプリの「サーバー」側機能をAPIで提供するMBaaSです。
ドラゴンクエストポータルアプリやオートバックスの会員情報アプリなどのさまざまな業界のアプリ開発に主に利用されています。
【ニフクラmobilebackendの強み】
・無料機能が充実している(プッシュ通知、会員管理・認証、SNS連携、データストア、ファイルストア、位置情報検索、スクリプトなど)
・開発期間と初期コストを大幅にカットできる
・大規模RPG開発事例があるため、サービスとしての信頼性が高い
今回は、現在IT業界に従事している方(特にエンジニアの方)に向けて、MBaaSについて解説しました。
・MBaaS(エムバース)とは、「Mobile Backend as a Service」の略で、モバイルデバイスでよく利用される汎用的な機能をクラウドから提供するサービスです。
・MBaaSに搭載されている主な機能は、以下の6点
①認証基盤
②プッシュ通知
③位置情報連携
④データベース
⑤ストレージ機能
⑥外部サービス連携
・MBaaSのメリットは、以下の5点
①サーバー設計が不要
②サーバー運用が不要
③コストが不要
④アプリ開発がしやすい
⑤強固なセキュリティ機能
・MBaaSのデメリットは、以下の2点
①開発制約
②顧客情報保護
・MBaaS代表例は、以下の3点
①AWS Mobile Hub
②Firebase
③ニフクラmobilebackend
MBaaSを活用すれば、アプリ開発からリリースまでの速度が高速化するだけでなく、必要な工数が減ります。
しかし、一口にMBaaSと言っても、サービスによって三者三様の特性があり、すべての機能が優れている訳ではありません。
活用する際は、アプリの特性に合わせて使いたい機能が搭載されたサービスを選択し、利用したい機能ごとに異なるMBaaSを組み合わせることがおすすめです。
まだMBaaSを利用したことがない方は、ぜひ本記事を参考に活用を検討してみてください。
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