公開日:2021.08.04
更新日:2025.03.24
皆さんはBlockchain as a Service(BaaS)をご存知ですか。
Blockchain as a Service(BaaS)とは簡単に言うと、ブロックチェーンを活用したアプリやサービス開発をサポートするクラウドサービスです。
現代では、さまざまな分野でBlockchain as a Service(BaaS)の活用に注目が集まり、その将来性が期待されています。
その将来性の高さから、Blockchain as a Service(BaaS)に興味を持ち始めたエンジニアも多いのではないでしょうか。
本記事ではBlockchain as a Service(BaaS)について以下の点を詳しく解説します。
・Blockchain as a Service(BaaS)とは何かについて
・Blockchain as a Service(BaaS)が必要な理由について
・Blockchain as a Service(BaaS)のメリットについて
・Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性について
・ブロックチェーン市場の可能性について
Blockchain as a Service(BaaS)分野やブロックチェーン分野に興味・関心があるエンジニアは是非ご一読ください。
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<目次>
1.Blockchain as a Service(BaaS)とは
2.Blockchain as a Service(BaaS)が必要な理由とは
3.Blockchain as a Service(BaaS)のメリット
管理するデータの安全性が高い
開発コストを削減できる
利便性が高い
トラブル対応が迅速かつ簡単
4.Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性
5.ブロックチェーン市場の可能性
仮想通貨や独自通貨の流通
スマートコントラクト
権利・資産の管理
6.まとめ
Blockchain as a Service(BaaS)とは、ブロックチェーンを活用したアプリやサービスなどを開発する際、基盤となる設備や要素(インフラストラクチャ)を補完してくれるクラウドサービスです。
ブロックチェーンとは、分散型ネットワークを構成する複数のコンピュータに暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法です。
一定期間の取引データをブロック単位でまとめ、コンピュータ同士で検証しあいながら正しい記録を鎖(チェーン)のようにつないで蓄積することから、ブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーンは以下の4つの技術要素で構成されています。
分散台帳 |
同じ取引記録がネットワーク上の参加者ごとに共有され、データの改ざんを困難にする |
スマートコントラクト |
ブロックチェーン上で動くプログラムで取引や処理を自動化する |
暗号技術 |
電子署名や要約技術などで取引の正当性やプライバシーの確保を可能にする |
合意形成(コンセンサス) |
ネットワーク上の参加者間で合意を募り、取引の信頼性を確保する |
ブロックチェーンを活用すると、取引データを管理する大規模なコンピュータが必要なく、分散型ネットワークで構成できるため、開発費や運用費など諸経費を低コストに抑えることができます。
また一部のコンピュータで取引データを改ざんしても、他のコンピュータと照合・多数決した正しい取引データが選択されるため、記録の改ざんや不正取引を防ぐことができます。
そのため、Blockchain as a Service(BaaS)はIT業界に限らず、さまざまな業界で活用され、その将来性が期待されています。
【Blockchain as a Service(BaaS)を提供する事業者例】 |
|
---|---|
事業者 |
使用例 |
Amazon |
【AWS Blockchain Templates】 ・従量制課金で多様なニーズに対応可能 |
Microsoft |
【Azure Marketplace Solution】 ・Azureに構成済みのモジュールを用いて、開発に必要な時間が短縮可能 |
他にも似たような言葉で、SaaSやPaaSなどがあります。
現代では、「aaS(as a service)」という言葉に注目が集まり、モノの提供からサービスの提供へとビジネスモデルが転換し始めています。
ちなみに、◯aaSには他にも種類があるので、気になる方は調べてみてください。
種類 |
正式名称 |
概要 |
---|---|---|
BaaS |
Blockchain as a Service |
クラウド上で簡単にブロックチェーンが構築できる |
IaaS |
Infrastructure as a Service |
情報システムの稼動に必要な仮想サーバーなどの機材やネットワークなどのインフラを、ネット上のサービスとして利用できる形態 |
PaaS |
Platform as a Service |
アプリが稼動するためのハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式を、ネット上のサービスとして利用できる形態 |
SaaS |
Software as a Service |
これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、ネット上のサービスとして利用できる形態 |
ここでは、Blockchain as a Service(BaaS)が必要な理由について解説します。
現代のアプリやサービスは、流行の移り変わりが非常に早いです。
そのため、売り上げを伸ばすにはアプリの質以上にリリースのスピードが重要視されがちです。
しかし、どんなに優秀な人材でも、稼働できる時間や業務量には限界があります。
また、開発をスピィーディにこなすとなると、それ相応の専門知識やスキルを保持した優秀な人材が多数必要になります。
想定以上に開発費用がかさんでしまうことも避けられません。
そこで、Blockchain as a Service(BaaS)が役立ちます。
Blockchain as a Service(BaaS)を利用するメリットは、後の章で詳しく解説しますが、具体的には以下のようなメリットがあります。
・管理するデータの安全性が高い
・開発コストを削減できる
・利便性が高い
・トラブル対応が容易にできる
つまり、Blockchain as a Service(BaaS)を活用することで、開発工数や開発費用を大幅に減らし、より簡単かつ安全性の高いアプリやサービスを開発・運用・保守することができるのです。
ここでは、Blockchain as a Service(BaaS)のメリットについて5点解説します。
Blockchain as a Service(BaaS)では、管理データの安全性を確保することができます。
重要データはBlockchain as a Service(BaaS)にて暗号化して保管されるため、ハッカーなどの外部障害からデータを守ることができます。
また自然障害やユーザーエラーなどでデータが破損することが少ないという点も強みです。
Blockchain as a Service(BaaS)は、あらかじめ構築されたバックエンドを提供してくれます。
そのため、時間や開発コストを取られがちなバックエンドの開発が必要なく、エンジニアはフロントエンド部分の開発に時間を費やすことができます。
Blockchain as a Service(BaaS)を活用すると、サーバーメンテナンスや運用は基本的にBlockchain as a Service(BaaS)側が対応してくれるため、利便性が高いです。
Blockchain as a Service(BaaS)で扱うプログラムは自動化されているので、一度設定すれば、必要情報はストリームとして自動保存されます。
そのため、エンジニアが各自で必要情報を保存したり、追跡する手間がなくなるため、データ損失を懸念することなく開発に集中できる点が魅力的です。
Blockchain as a Service(BaaS)を利用したアプリにトラブルが発生した際、Blockchain as a Service(BaaS)が提供するトラブルシューティングやイベント履歴などの補完機能を利用できます。
そのため、自社ですべての対応を行うより、トラブル処理が迅速かつ簡単に対処可能です。
また、Blockchain as a Service(BaaS)には複数レベルの冗長性があるため、データ損失やユーザートラブルが発生した場合でも迅速にバックアップを見つけ、データ復旧に繋げます。
ここでは、Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性について解説します。
結論、Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性は高いです。
近年、AIやIoT、Blockchain as a Service(BaaS)などの最先端技術が世界構造を大きく変えると注目されています。
その中でも、Blockchain as a Service(BaaS)を支えるブロックチェーンは「信用」の仕組みを変える技術として期待されています。
【参考|プラネット調査研究レポート集】
世界では、既に様々な分野で、Blockchain as a Service(BaaS)を支えるブロックチェーンの実証実験や実用化が始まっています。
スタンフォード経営大学院の2018年4月の調査レポートによると、社会課題の解決に向けたブロックチェーンの活用は徐々に成果が証明されており、調査対象193のプロジェクトのうち、55%のプロジェクトは2019年初期までに何らかの成果を出すことが想定されました。
【Blockchain enables solutions not previously】
【参考:https://www.slideshare.net/StanfordBusiness/blockchain-for-social-impact-moving-beyond-the-hype/14-DECASE_STUDYEstonia_has_sought_to】
また、193のプロジェクトのうち20%は問題の解決にブロックチェーンが必要だと考察され、86%は問題の解決にはブロックチェーンが必要不可欠とのことです。
事実、ブロックチェーン技術の市場規模は急成長をとげ、2020年には36億7,000万米ドルとなりました。
2021年から2028年にかけて、年平均成長率(CAGR)82.4%で急速に拡大し、2028年には3946億米ドルの規模に成長すると予測されています。
また、フリーランススタートを参考に、ブロックチェーンのフリーランスエンジニアの年収を見てみました。
職種名 |
平均年収 |
中央値年収 | 最高年収 |
最低年収 |
---|---|---|---|---|
ブロックチェーンエンジニア(フリーランス) |
801万円 |
900万円 |
2,100万円 |
324万円 |
※ブロックチェーンのフリーランスエンジニアの年収詳細はブロックチェーンエンジニアのフリーランス求人・案件 月額単価相場を年ベースで算出したものです。
※ちなみに、国税局の令和2年分民間給与実態統計調査結果によると、日本における正規の給与所得者の平均年収は496万円でした。
上記の表をみてもわかるように、その報酬の高さからブロックチェーンの将来性が期待されていることがわかります。
以上のデータと考察から、Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性は非常に高いと言えます。
ここでは、ブロックチェーン市場の可能性について3つの観点から解説します。
ブロックチェーンを活用することは、仮想通貨や独自通貨の流通に繋がります。
仮想通貨とは、国家管理を受けない非中央集権的な通貨であり、暗号化されたデジタル通貨です。
その価値は、市場の需要と供給で決定されます。
仮想通貨は、個人間での送金が簡単にできるというメリットがある反面、値動きが激しいことや取引所のセキュリティが強固でない場合外部からハッキングされやすいなど通貨自体は問題なくてもそれらを取り巻く環境に信頼性に欠ける部分があり結果として仮想通貨自体にの信用性も欠く傾向があります。
しかし、仮想通貨にデータの改ざんが難しいブロックチェーンの技術要素を加えることで、通貨としての信用性を確保し流通量を増やせる可能性があります。
また信用性が高い通貨であれば、地方自治体が発行する地域通貨や企業が発行するポイントサービスなどの非中央集権的な独自通貨でも市場に出回すことが可能です。
つまり、ブロックチェーンを活用すれば、独自で利用価値を持つ通貨が発行できることになります。
その実用性が期待され、実際に中国やアメリカ、日本でもデジタル通過の実験が多数行われています。
【参考|ブロックチェーン技術の活用状況の現状に関する調査研究の請負】
また、2021年6月ではエルサルバドル、2022年4月では中央アフリカ共和国で法定通貨として認められるなど、世界中が仮想通貨の可能性に期待しているのです。
仮想通貨や独自通貨に信用性さえあれば、ビジネスや社会活動にて大きなイノベーションが生まれる可能性は高いと言えます。
ブロックチェーンの技術要素であるスマートコントラクトを活用すれば、契約の条件確認や履行までを自動で行うことができます。
自動販売機が一番わかりやすい例です。
また、事前に支払いを済ませておくと、将来のある時点で契約が自動的に履行される予約販売のような処理も行えます。
つまり、何らかの取引プロセスを自動化できるため、決済期間の短縮・予約や不正・データの改ざん防止、中間マージンのコスト削減などが可能です。
【スマートコントラクトの活用事例】
・送金業務の自動化(仮想通貨:イーサリアム)
・リスナーがアーティストに直接お金を送金する音楽配信(Ujo music)
・自動賃貸契約プラットフォーム(住友商事)
・個人向けデジタル社債の発行のためのシステム(みずほフィナンシャルグループ)
ブロックチェーンは権利・資産の管理にも最適です。
近年では、デジタル資産を管理できる新たな認証技術「NFT」によって、本物かつ唯一無二という保証が証明されやすくなりました。
NFTとは、非代替性トークン「Non-Fungible Token」の略称で、情報の改ざんがほぼ不可能なブロックチェーン技術を応用した、いわばデジタルコンテンツの証明書です。
NFTを付帯させることで現物の骨董品や絵画と同じように、音楽やアニメキャラクターのような形を持たないデジタルコンテンツを独自サービスとして販売することができます。
万が一、コピーが世に出回ったとしても、NFTが「本物」であることを証明してくれるため、迅速な対応で真贋証明をすることが可能です。
また、資産追跡にも最適でありブランド品や土地の所有権に相当するNFTをデジタル空間上で発行すれば、資産の流動性を高めたりサプライチェーンを透明化することもできます。
【NFTの具体的な活用例】
例 |
具体的なメリット |
---|---|
音楽、イラスト、写真、ブロックチェーンゲーム内のアイテムやキャラクターなどデジタルコンテンツ |
デジタルコンテンツにも希少価値を持たせ、マーケットプレイスでキャラクターやアイテムの売買ができる |
不動産 |
売買手続きなどを簡略化できる |
しかし、法律の整備や利用価値の持続性などNFTが普及するにあたって解決する必要のある問題もまだまだ多いのが現状です。
今回はBlockchain as a Service(BaaS)分野やブロックチェーン分野に興味・関心のあるエンジニアに向けて、Blockchain as a Service(BaaS)の概念や市場規模、メリット、将来性、ブロックチェーン市場の可能性について詳しく解説してきました。
・Blockchain as a Service(BaaS)とは、ブロックチェーンを活用したアプリやサービスなどを開発する際、基盤となる設備や要素(インフラストラクチャ)を補完してくれるクラウドサービス
・現代アプリやサービスの開発では、質以上に開発スピードや流行を重要視
Blockchain as a Service(BaaS)の活用で開発工数と開発費用の大幅削減が可能
・Blockchain as a Service(BaaS)のメリットは
①データ管理の高い安全性
②開発コストの削減
③高い利便性
④トラブル対応が迅速かつ簡単
・Blockchain as a Service(BaaS)市場の将来性は高い
今後ブロックチェーンエンジニアの需要は増し転職による高給が期待可能
・ブロックチェーン市場の可能性は3つの分野にて期待されている
①仮想通貨や独自通貨の流通
②スマートコントラクト
③権利・資産の管理
Blockchain as a Service(BaaS)は、アプリやサービス開発におけるユーザー登録機能やデータ管理機能など、バックエンドで必要になる機能をほぼすべて補完してくれます。
AIやIoTなど他の最先端技術と組み合わせることによって、今後さらなるイノベーションに繋がる可能性が高いです。
将来性が高いという観点から、Blockchain as a Service(BaaS)に興味のある方は、ぜひ就職や転職にチャレンジしてみることをおすすめします。
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