STP分析とは?概要や重要性、メリット、やり方の手順、注意点、事例などについて解説!

マーケティング・広報

2023.02.16

STP分析とは、マーケティングの立案時に用いられるフレームワークで、市場細分化(S:セグメンテーション)、市場決定(T:ターゲティング)、自社の立ち位置の明確化(P:ポジショニング)の3項目から成り立ちます。
本記事では「STP分析」に焦点を当て、その概要や重要性、メリット、やり方の手順、注意点、事例などについて詳しく解説します。

IT業界に従事している方やマーケティング業務に携わっている/マーケティング知識を身につけたい方はぜひご一読ください。

 

 

 

1.STP分析とは?


STP分析関連画像
STP分析関連画像

STP分析とは、マーケティングの立案時に用いられるフレームワークで、市場細分化(S:セグメンテーション)、市場決定(T:ターゲティング)、自社の立ち位置の明確化(P:ポジショニング)の3項目から成り立ちます。

マーケティング論で知られるフィリップ・コトラーが提唱し、近年ではさまざまな業種や商材などで活用されています。

 

STP分析では、セグメンテーションで市場の全体像を把握・細分化し、ターゲティングで狙うべき市場を決定、ポジショニングで自社と競合他社との位置関係を明確にします。

 

S:セグメンテーション

セグメンテーション(Segmentation)は、日本語で「市場細分化」と訳し、ある商品・サービスに対して近しいニーズを持つ市場・顧客層に分けて考えることを意味します。

たとえば自社で新しい化粧品を販売するとします。

 

化粧品を使用するのは主に女性なので、この場合「性別」の観点からセグメントしたことになります。

また、小学生以下の女性が化粧品を使用するケースはあまり考えられないので、この場合「年齢」でセグメントしたことになります。

 

セグメンテーションの段階では、「どの市場に、どのような顧客が、どのくらいの規模でいるのか」を分析できるので、自社の商品・サービスを展開するに最適な市場・顧客層を把握しやすいです。

 

なおセグメントでよく区切られている指標は以下です。

人口統計的変数:年齢、性別、職歴など
地理的変数:居住地、慣習、気候など
心理学的変数:ライフスタイル、価値観、性格など
行動変数:行動頻度や場所、利用方法、購買状況など

 

 

T:ターゲティング

ターゲティング(Targeting)とは、日本語で「標的」と訳し、セグメンテーションの段階で大まかに細分化した市場・顧客層から狙うべきターゲット層を絞ることです。

セグメンテーションは市場・顧客層を「細分化する」作業、ターゲティングは細分化された大まかな市場から、さらに狙うべき市場・顧客層を「絞り込む」作業だと考えておきましょう。

 

ターゲティングには主に3つの方法があります。

 

方法の種類

概要

①無差別型ターゲティング

細分化した市場間の違いを無視し、同じ商品・サービスを無差別に供給する方法

②差別型マーケティング

複数に細分化した市場それぞれのニーズに適した商品・サービスをそれぞれ供給する方法

③集中型マーケティング

市場を限定し、集中的にマーケティングを行う方法

 

 

P:ポジショニング

ポジショニング(Positioning)とは、日本語で「位置取り」と訳し、ターゲティングで絞り込んだ市場・顧客層において、競合商品・サービスを分析し、現在の自社の立ち位置を明確化することです。

値段や品質、販売チャネルなどさまざまな指標から考え、自社と競合他社と比較しましょう。

 

たとえば、すでに大企業が参入する市場で新規参入しても、その利益は出しにくいです。

しかし、大企業にはない「要素」で強みを差別化できれば、生み出せる利益はあります。

 

これから自社が参入しようとする市場に「競合はいるのか、競合はどのくらいの規模なのか」などを分析し、自社が勝負できる「要素」を見つけることがポジショニングです。

 

 

 

2.STP分析のメリット


STP分析関連画像
STP分析関連画像

ここでは、STP分析のメリットについて3点解説します。

 

ペルソナが設定しやすくなる

STP分析を行うと、現在市場には「どのようなニーズがあるのか、どのような顧客層がそのニーズを求めているのか」を大まかに把握できます

そのため、自社の商品・サービスを必要とする顧客像(ペルソナ)を具体的に設定しやすいというメリットがあります。

 

 

自社の強みを明確にできる

STP分析を行うと、具体的なペルソナが設定しやすいので、それに伴った自社商品・サービスのアピールすべきポイントが見えやすくなります

そのため、どのような市場・顧客に自社の商品・サービスをアピールすべきなのかいうプロモーション戦略がしやすくなります。

 

 

競合他社との競争を避けられる

たとえば、自社がどんなに優れた商品・サービスを提供したとしても、大手にシェアを取られると、利益をあげることは難しいです。

STP分析を行えば、競合他社との不要な競争を回避でき、自社が一番有利に展開できるポジションを明確化することができます

 

 

 

3.STP分析のやり方と手順


STP分析関連画像
STP分析関連画像

ここでは、STP分析のやり方と手順について解説します。ぜひ参考にしてみてください。

 

①目的を明確にする

まず始めに「なぜSTP分析を行うのか」という目的を明確にしましょう。

この際、売上金額や顧客数の目標を数値化するなど、より具体的な目的を設定しておくことが大切です。

 

 

②市場を細分化する

次に、先ほど解説したセグメントで考えられがちな指標で市場を細分化しましょう。

なお「4Rの原則」もSTP分析に効果的なので活用してみてください。

 

【4Rの原則】

Rank(優先順位):優先度の高いセグメントは何か
Realistic(有効性):利益につながる市場・ターゲットがあるか
Reach(到達可能性):商品・サービスを実際に届けられるか
Response(測定可能性):顧客への影響を分析できるか

 

 

③目標とする市場を定める

細分化した市場から、ターゲットにすべき市場を決定します。

この際、市場が成長しているかつ競合他社が少ない市場を選定することがポイントです。

 

 

④競合他社との位置関係を把握する

STP分析関連画像
STP分析関連画像

(引用:【起業家必見】「この会社の、この商品でなければ…」顧客のハートをつかむ〈ポジショニングマップ〉活用術

 

セグメンテーション・ターゲティングで導き出した市場において、自社がどのポジションに位置できるかを分析・明確化しましょう。

市場規模や競合他社の状況を分析し、自社が勝負できそうなポジションを把握します。

 

この際、上図のようなポジショニングマップを作成して可視化すると分析しやすいでしょう。

 

 

⑤マーケティング戦略を決める

STP分析で自社の価値を最大限に発揮できる市場の目処がたったところで、具体的なマーケティング戦略に落とし込みます。

設定したビジネスの目的が達成できるかという視点から判断し、今後の商品開発や宣伝方法などに活かしていきましょう。

 

 

 

4.STP分析の注意点


STP分析関連画像
STP分析関連画像

ここでは、STP分析の注意点について3点解説します。

 

分析の順番にこだわりすぎない

STP分析は、3項目を連動させて考えることで、より的確かつ正確な分析ができます。

しかし、その分析順序を入れ替えても、結果に大きな差は生まれにくいです。

 

そのため、分析に困難を感じた際は順番にこだわりすぎず考えやすい項目から進めてみると良いでしょう。

 

 

多角的な視点からポジショニングする

STP分析で導き出したポジションが、必ずしも最適な市場とは限りません。

小規模すぎたり、成長が停滞しているような市場では、期待通りの利益が出せない可能性があります。

 

市場の大きさ・成長率など多角的な視点から自社のポジションの適性を確認し、今後の展開方法を考える必要があるでしょう。

 

 

分析だけで満足しない

STP分析で自社が勝負できる市場を発見できでも、そもそも利益につながりそうな顧客に自社の商品・サービスが認知されなければ、売上にはつながりません。

STP分析で満足せず、その後のプロモーションやマーケティングなど多角的な視点からビジネスを展開する必要があるでしょう。

 

 

 

5.STP分析の事例


STP分析関連画像
STP分析関連画像

ここでは、STP分析の事例について2社ご紹介します。

 

スターバックス

家でも職場でもない、第3の居場所をコンセプトに事業を展開するスターバックスですが、STP分析の3要素に当てはめると、以下のようになります。

 

セグメンテーション

ビジネスを展開するエリアや社会的地位、職業をもとにセグメントを開始

ターゲティング

エリアごと、時間帯ごとのニーズを調査しながら出店。特に都市部では「社会的地位がある平均収入以上のビジネスパーソン」をターゲットに設定

ポジショニング

「オシャレでかつ高級感のあるコーヒーチェーン」として、独自のポジショニングを確立

 

 

ユニクロ

アパレルメーカーの株式会社ユニクロは、究極の普段着をコンセプトに現在の地位を確立しました。

 

セグメンテーション

性別や年齢などの指標だけでなく、「トレンドorベーシック」「カジュアルorフォーマット」という新指標も採用

ターゲティング

セグメンテーションで導き出した分析から、「カジュアル・ベーシック志向」に焦点を当てた市場・顧客をターゲットに設定

ポジショニング

「リーズナブルな価格でかつ高品質な商品を提供するアパレルブランド」としてのポジショニングを確立

 

 

 

 

6.まとめ


今回はIT業界に従事している方やマーケティング業務に携わっている/マーケティング知識を身につけたい方に向けて、概要や重要性、メリット、やり方の手順、注意点、事例などについて詳しく解説してきました。

STP分析は顧客やニーズなどの共通項で細分化し、自社がどの市場をターゲットにするのか、その市場で自社の立ち位置はどこになるのかを分析するフレームワークです。

 

特に競合他社との差別化を図るという観点から、STP分析は有効です。

まだSTP分析を活用したことがない方は、ぜひ本記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。

 

フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。

 

なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。

通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。

 

フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!

 

フリーランススタート iOSアプリのインストールはこちらから

 

フリーランススタート Androidアプリのインストールはこちらから→

 

 

本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。

twitterでシェア
facebookでシェア
facebookでシェア

フリーランスお役立ち記事を検索

新着フリーランス求人・案件

おすすめフリーランス求人・案件