Javaの「ライブラリ」とは?目的別のおすすめライブラリと使い方を解説

2023.07.10

Javaの「ライブラリ」は、特定の機能をまとめたファイルです。
ライブラリ/クラスライブラリを活用することで、必要な機能を効率的に実装できます。

しかし、Javaのライブラリの種類は膨大なので、「どれを選ぶべきか分からない」こともあるでしょう。
また、せっかくライブラリをダウンロードしても、「使い方が分からない」と悩んでしまうかもしれません。

そこで今回は、Javaのおすすめライブラリと使い方について、詳しく解説します。Javaのライブラリについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

<目次>
1.Javaの「ライブラリ」とは
「フレームワーク」との違い
2.Javaのライブラリを利用するメリット
コーディングを効率化できる
プログラムの品質が向上する
3.Javaのライブラリの種類
標準ライブラリ
外部ライブラリ
4.画像処理やグラフ描画ができるJavaライブラリ
OpenCV|高度な画像処理ができる
GRAL|デザイン性が高いグラフを描画できる
JFreeChart|さまざまな形式のグラフを描画できる
5.GUI画面を作成できるJavaライブラリ
Swing|インストールなしでGUIを作成できる
JavaFX|柔軟なGUIプログラミングができる
6.CSVファイルの読み書きができるJavaライブラリ
Open CSV|CSVファイルをシンプルに扱える
OrangeSignal CSV|幅広い形式のCSVに対応できる
Super CSV|柔軟なファイル操作や設定ができる
7.JSONファイル形式を扱えるJavaライブラリ
Jackson|JSONとJavaオブジェクトを相互変換できる
JSON In Java|JSONとList型/Map型を相互変換できる
8.構文解析ができるJavaライブラリ
JavaParser|ソースコードの構文を解析できる
Scanner|入力内容を正規表現で解析できる
9.SSHプロトコルを操作できるJavaライブラリ
JSch|SSHプロトコルでサーバーと通信できる
Apache Mina SSHD|簡易的なSFTPサーバーを構築できる
10.機械学習ができるJavaライブラリ
Tribuo|基本的な機械学習の機能を利用できる
TensorFlow|ニューラルネットワークの構築ができる
Deeplearning4j|ディープラーニングの機能を利用できる
11.Javaのライブラリを使うための事前準備
Java本体への配置やコマンドでの実行は非推奨
「Maven」や「Gradle」でライブラリを管理すると便利
12.Javaのライブラリの作り方と使い方
13.まとめ

 

 

 

1.Javaの「ライブラリ」とは


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

Javaの「ライブラリ」とは、特定の機能をまとめたファイルです。

Javaはクラスを主体としてプログラムを構成するため、Javaのライブラリは「クラスライブラリ」とも呼ばれます。

 

ライブラリ/クラスライブラリは、実装に手間がかかるような機能を、簡単に使えるようにしたものがほとんどです。

例えば、画像処理や音声処理などの複雑な機能や、GUI画面やグラフ作成のような視覚的な機能などがあります。

 

また、Javaプログラミングで難易度が高いとされている、文字列を便利に扱うためのライブラリなども公開されています。

一般的に、Javaのライブラリは「JARファイル(.jar)」で提供されます。

 

JARファイルは、コンパイル時に生成される複数の「classファイル」をまとめたものです。

Javaライブラリの使い方や作り方などについては、後ほど詳しく解説します。

 

「フレームワーク」との違い

ライブラリと混同されやすいのが「フレームワーク」です。

フレームワークは、プログラムを開発するために必要な機能がそろった「枠組み」を指します。

 

一方、ライブラリは機能をまとめたものであり、繰り返し利用できるプログラムの集合体です。

コーディングを効率化するために利用するという点では、両者は共通しています。

 

しかし、フレームワークとライブラリは、使い方が大きく異なることがポイントです。

フレームワークは、いわばテンプレートのようなもので、プログラムを作成する土台として使用します。

 

ソースコードを追加しなくても最低限の動作が可能で、プログラマは必要な機能を自身で追加していきます。

一方でライブラリは、プログラムに必要な機能を追加するために使うものです。

 

なお、Javaで利用できるフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

 

 

 

 

2.Javaのライブラリを利用するメリット


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

Javaのライブラリ/クラスライブラリを活用するメリットとして、以下の2つが挙げられます。

 

コーディングを効率化できる
プログラムの品質が向上する

 

コーディングを効率化できる

Javaのライブラリ/クラスライブラリを利用する大きなメリットは、プログラミングの効率化です。

新たな機能を実装するためには、クラスの設計・コーディング・デバッグなどの手間がかかります。

 

しかし、既存のライブラリを利用すれば、プロジェクトに読み込むだけで必要な機能が使えるようになります。

そのため、自分で実装する場合と比べて、プログラミングの効率を大幅に向上させることが可能です。

 

 

プログラムの品質が向上する

Javaのライブラリ/クラスライブラリを利用することで、プログラムの品質向上につながります。

既存のライブラリは、公開前あるいは更新を重ねる段階で、バグやエラーの修正が繰り返されています。

 

一方、自身で機能を実装する場合は、バグやエラーを修正するデバッグ作業が必要となり、どうしても抜け漏れが生じることがあります。

Javaライブラリを利用すれば、こうしたリスクを防ぎ、安全なクラスやメソッドを使うことができます。

 

ただし、デバッグが十分に行われていない、もしくは更新が長期間行われていないライブラリなどは、安全面でリスクがあるので注意が必要です。

ライブラリを利用する際は、更新履歴を確認して頻繁に更新されているものを選ぶようにしましょう。

 

 

 

3.Javaのライブラリの種類


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

Javaのライブラリ/クラスライブラリには、大きく分けて以下の2種類のものがあります。

それぞれの特徴や違いについて見ていきましょう。

 

標準ライブラリ
外部ライブラリ

 

標準ライブラリ

Javaの「標準ライブラリ」は、Javaにあらかじめ組み込まれているライブラリです。

標準ライブラリは、Javaの開発・提供元であるオラクル社によって作られており、その種類は膨大です。

 

例えば、日時を扱うためのDateライブラリ、数学演算を行うためのMathライブラリなどがあります。

なお、標準ライブラリはJava本体に含まれているためインストールは不要で、後述する手順で「インポート」するだけで利用可能です。

 

 

外部ライブラリ

Javaの「外部ライブラリ」は、外部企業や一般プログラマが開発したもので、サードパーティライブラリとも呼ばれています。

例えば、画像処理を行うためのOpenCVライブラリや、CSVファイルを扱うためのOpenCSVライブラリなどがあります。

 

外部ライブラリを利用すると、高度な処理を単純なソースコードで実装できるようになります。

ただし、プロジェクトにインポートするためには、統合開発環境(IDE)でライブラリのファイルパスを指定する必要があります。

 

 

 

4.画像処理やグラフ描画ができるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

Javaで画像処理やグラフ描画を行うためのライブラリとして、以下の3つが挙げられます。

 

OpenCV
GRAL
JFreeChart

 

OpenCV|高度な画像処理ができる

「OpenCV」は、Intel社が提供している画像処理ライブラリです。

画像のリサイズやトリミングなどの基本的な編集・加工はもちろん、画像内の特定の要素を検出するなど高度な処理を行えます。

 

また、OpenCVは機械学習やディープラーニングを行うために必要な、画像の「前処理」を行う目的でも使用されています。

ただし、OpenCV単体では行列やベクトルの演算が苦手なため、必要に応じて「ND4J」などの数値計算ライブラリと組み合わせて使われます。

 

 

GRAL|デザイン性が高いグラフを描画できる

「GRAL」は、グラフを描画するためのライブラリで、さまざまな形式のグラフを作成できます。

データの可視化や分析に適していて、視覚的に分かりやすいグラフを描画できることが魅力です。

 

また、モダンでデザイン性が高いため、グラフを見栄えよく描画できます。

 

 

JFreeChart|さまざまな形式のグラフを描画できる

「JFreeChart」は、データをグラフ形式で可視化するためのライブラリです。

棒グラフ円グラフ折れ線グラフはもちろん、多様な種類のグラフを描画できます。

 

Javaで最も有名なグラフ描画ライブラリのひとつで、機能性が優れていて安定性も高いです。

ただし、JFreeChartは比較的古いライブラリのため、デザイン性の面で見劣りする部分があります。

 

そのため、おしゃれなグラフをデザインしたい場合は、前述したGRALを選ぶほうがいいでしょう。

 

 

 

5.GUI画面を作成できるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
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JavaでGUI画面を作成できるライブラリとして、以下の2つが挙げられます。

 

Swing
JavaFX

 

Swing|インストール不要でGUIを作成できる

「Swing」は、GUI画面を作成するためのJavaの標準ライブラリです。

GUI(Graphical User Interface)とは、アイコンやボタンなどのグラフィックスを主体としたインターフェースのことです。

 

通常のコンソール画面などのCUI(Character User Interface)とは異なり、ユーザーに対して視覚的な表現ができます。

Swingは標準ライブラリなので、追加インストール不要で利用できます。

 

GUI画面を構成するための基本的な機能を備えており、GUIプログラミングの学習にも最適です。

ただし、Swingは古いライブラリなので、デザイン性の点で限界があります。

 

よりモダンなGUIを作成したい場合は、後述するJavaFxのほうがいいでしょう。

 

 

JavaFX|柔軟なGUIプログラミングができる

「JavaFX」は、比較的新しいGUIライブラリです。

マークアップ言語のXMLをベースとして、CSSを併用してレイアウトやデザインを記述することが特徴です。

 

処理クラスとデザイン作成を分離できるため、柔軟でデザイン性が高いGUI画面を作成できます。

 

 

 

6.CSVファイルの読み書きができるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
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CSVファイルの読み書きができるJavaライブラリとして、以下の3つが挙げられます。

 

Open CSV
OrangeSignal CSV
Super CSV

 

Open CSV|CSVファイルをシンプルに扱える

「OpenCSV」は、CSVファイルを読み書きするためのライブラリです。

CSVとは、コンマで区切られたテキストデータのことで、システム間でデータのやりとりをするときなどに使用します。

 

CSVファイルの解析や処理はテキストベースのため、自作することもできますが、ライブラリを利用することで便利かつ安全に処理できます。

特に、OpenCSVはCSVファイルをシンプルに扱えるので、CSVファイルに慣れていなくても扱いやすいです。

 

 

OrangeSignal CSV|幅広い形式のCSVに対応できる

「OrangeSignal CSV」は、日本産のCSVライブラリで、CSVファイルの入出力を効率化できます。

CSVの基本はコンマ区切りですが、タブなどで区切られている場合や、囲み文字、エスケープ文字などが使われていることもあります。

 

OrangeSignal CSVは、さまざまな形式のCSVファイルに対応できるうえに、圧縮形式のCSVファイルにも対応しています。

高機能なCSVライブラリが必要な場合は、OrangeSignal CSVを試してみてください。

 

 

Super CSV|柔軟なファイル操作や設定ができる

「Super CSV」は、プログラマをサポートする機能が充実している、便利なCSVライブラリです。

先ほどのOrangeSignal CSVと同様に、カスタマイズ性が高いことが魅力です。

 

読み込んだデータをさまざまなデータ型に変換したり、文字列をトリミングしたりする機能を備えているため、データを読み込んだ後の活用もスムーズに行えます。

 

 

 

7.JSONファイル形式を扱えるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
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JSONファイル形式が扱えるJavaライブラリとして、以下の2つが挙げられます。

 

Jackson
JSON In Java

 

Jackson|JSONとJavaオブジェクトを相互変換できる

「Jackson」は、JSONデータとJavaクラスオブジェクトの相互変換を行うのに便利なライブラリです。

「JSON(JavaScript Object Notation)」は、JavaScriptのオブジェクト表記法をベースにした、コンパクトなデータ記述言語です。

 

Jacksonはシンプルで使いやすいライブラリなので、JavaでJSONデータを扱う際に重宝されています。

 

 

JSON In Java|JSONとList型/Map型を相互変換できる

「JSON In Java」は、JSONデータとList型/Map型のオブジェクトを相互変換する際に便利なライブラリです。

JSON In Javaには複数のクラスが含まれており、JSONArrayクラスを使うと、配列/リスト型のオブジェクトとJSONデータを相互変換できます。

 

JSONObjectクラスを使うと、Map型のオブジェクトとJSONデータを相互変換することが可能です。

このように、複雑なJSONデータを簡単に扱えるので便利です。

 

 

 

8.構文解析ができるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
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構文解析ができるJavaライブラリとして、以下の2つが挙げられます。

 

JavaParser
Scanner

 

JavaParser|ソースコードの構文を解析できる

「JavaParser」は、Javaのソースコードの構文を解析するためのライブラリです。

Javaのソースコードを「抽象構文木(AST)」として読み込み、さまざまな解析に利用できます。

 

解析結果の抽象構文木に要素を追加削除したり、解析結果をソースコードに変換したりすることも可能です。

こうした構文解析ライブラリは、セキュリティチェック用の解析ツールなどで利用されることが多いです。

 

 

Scanner|入力内容を正規表現で解析できる

「Scanner」は、プリミティブ型や文字列の構文を解析するための標準ライブラリです。

例えば、入力されたテキストを空白文字ごとに区切ったり、取得した値を異なるデータ型に変換したりすることができます。

 

複雑な構文の解析には向いていませんが、正規表現を用いた入力内容の解析も可能なため、標準入力における構文解析には十分な性能だといえるでしょう。

 

 

 

9.SSHプロトコルを操作できるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

SSHプロトコルを操作できるJavaライブラリとして、以下の2つが挙げられます。

 

JSch
Apache Mina SSHD

 

JSch|SSHプロトコルでサーバーと通信できる

「JSch」は、SSHプロトコルを用いて、Javaから外部サーバーと通信するためのライブラリです。

SSH接続でシェルコマンドを実行したり、SCP/SFTPコマンドでファイルを転送したりすることができます。

 

「SSH(Secure Shell)」は、認証や暗号化などの仕組みを活用して、サーバーと安全に通信できるようにするための通信プロトコルです。

WebプログラミングでSSH通信を行う際は、JSchライブラリを利用すると便利です。

 

 

Apache Mina SSHD|簡易的なSFTPサーバーを構築できる

「Apache Mina SSHD」は、クライアント側とサーバー側の双方で、SSHプロトコルが利用できるライブラリです。

Apache Mina SSHDを使うことで、通信内容をSSHで暗号化してFTPでファイルを送受信するため、SFTPサーバーを構築できます。

 

ログ出力などの機能もあるので、簡易的なサーバーを用意したいときなどに便利です。

 

 

 

10.機械学習ができるJavaライブラリ


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

機械学習ができるJavaライブラリとして、以下の3つが挙げられます。

 

Tribuo
TensorFlow
Deeplearning4j

 

Tribuo|基本的な機械学習の機能を利用できる

「Tribuo」は、オラクル社製の機械学習ライブラリです。

機械学習の分類やクラスタリング、異常検出、回帰アルゴリズムなど、標準的な機能を利用できます。

 

Javaの開発提供元であるオラクル社のライブラリということもあり、信頼性が高く、扱いやすいのが特徴です。

機械学習を手軽に始めたい場合に便利ですが、高度な機械学習を行う場合は機能不足があるため、ほかのライブラリと併用することも検討してみましょう。

 

 

TensorFlow|ニューラルネットワークの構築ができる

「TensorFlow」は、Googleが提供する機械学習ライブラリで、Googleの検索エンジンや翻訳にも採用されています。

最大の特徴は、ニューラルネットワークの構築や訓練ができることです。

 

これにより、人間の論理的思考や学習に近いアプローチが可能になります。

TensorFlowは、今後も対応分野が拡大していくと考えられるので、この機会に試してみるのがおすすめです。

 

 

Deeplearning4j|ディープラーニングの機能を利用できる

「DeepLearning4j」は、ディープラーニング(深層学習)を行うためのライブラリです。

ディープラーニングは、コンピュータ自身がデータを分析して、特徴量を探しながら学習する技術です。

 

DeepLearning4jは、ディープラーニングに必要なアルゴリズムをサポートしており、高速に動作します。

金融部門における不正検知や、製造業における異常検知など、さまざまな分野で活用されています。

 

 

 

11.Javaのライブラリを使うための事前準備


Javaライブラリ関連画像
Javaライブラリ関連画像

Javaの標準ライブラリは、「import構文」でライブラリ名を指定するだけで使えるようになります。

一方、外部ライブラリの場合は統合開発環境(IDE)の設定で、ライブラリへのパスを通しておく必要があります。

 

例えば、「Eclipse」の場合は、以下の手順で簡単にライブラリが使えるようになります。

 

1.使いたいライブラリのJARファイルを任意の場所に配置します。
2.IDE画面の左側にある「パッケージエクスプローラー」に表示されている、現在のプロジェクト名を右クリックします。
3.「新規」→「フォルダ」を選択し、「libs」フォルダを追加します。
4.追加したフォルダに、ライブラリファイルをドラッグ&ドロップで配置します。
5.「ファイル操作」のダイアログで「ファイルをコピー」を選びます。

 

Javaライブラリ関連画像
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6.再びプロジェクトを右クリックして、「プロパティ」を開きます。
7.左側のメニューから「Javaのビルドパス」を選択し、ウィンドウの中央上部のメニューから「ライブラリ」を選び、「クラスパス」を選択します。
8.「JARの追加」をクリックします。

 

Javaライブラリ関連画像
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9.「JARの選択」というウィンドウが開くので、先ほど「libs」フォルダに配置したJARファイルを選択します。
10.ここまでの作業が完了したら、「import構文」でライブラリをインポートすると、ライブラリが使えるようになります。

 

 

Java本体への配置やコマンドでの実行は非推奨

Javaの外部ライブラリの使い方として、Java本体のライブラリフォルダに配置したり、コマンドプロンプトで「classpathオプション」を使ってコンパイルしたりする方法が、紹介されていることがあります。

しかし、基本的にはこれらの方法はおすすめできません。

 

なぜなら、フォルダに配置する場合は、Javaのバージョンをアップデートするたびに、すべての外部ライブラリを再度フォルダに入れ直さないといけないからです。

また、コマンドプロンプトでコンパイルする場合は、すべての外部ライブラリ名を指定する必要があるため、ライブラリ数が多くなると手間がかかります。

 

そのため、基本的には統合開発環境(IDE)の機能を使って、外部ライブラリを追加するようにしましょう。

 

 

「Maven」や「Gradle」でライブラリを管理すると便利

外部ライブラリの管理には、「Maven」や「Gradle」などのパッケージ管理ソフトウェアを利用するという選択肢もあります。

これらのツールを使うと、ライブラリのバージョン管理や依存関係の解決などを自動化することができます。

 

大量の外部ライブラリを扱う場合は、手動で管理するよりも効率的です。

なお、Eclipseには標準機能としてMavenがサポートされているので、Eclipseユーザーであれば手軽に利用できるでしょう。

 

 

 

12.Javaのライブラリの作り方と使い方


Javaライブラリ関連画像
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Javaのライブラリは自分で作ることもできます。

今回は、統合開発環境(IDE)「Eclipse」でJavaのライブラリ/クラスライブラリを作る方法と、インポートして使うまでの一連の流れについてサンプルコードを交えて解説します。

 

なお、別のIDEを利用する場合は、手順が異なるのでご注意ください。

まずは、IDEで新しいJavaプロジェクトとして「Calculator」を追加します。

 

次に、ライブラリを作成するためのクラスをプロジェクトに追加してください。

今回の例では、パッケージ名を「sample.library」、クラス名を「Calculator」とします。

 

Javaライブラリ関連画像
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作成した「Calculatorクラス」のソースファイルに、以下のソースコードを入力してください。

 

package sample.library;

// 四則演算用のライブラリ
public class Calculator {

  // 足し算を行う
  static public int add(int x, int y)
  {
    return x + y;
  }

  // 引き算を行う
  static public int sub(int x, int y)
  {
    return x - y;
  }

  // 掛け算を行う
  static public int mul(int x, int y)
  {
    return x * y;
  }

  // 割り算を行う
  static public int div(int x, int y)
  {
    // ゼロ除算を防ぐ
    if(y == 0) {
      return 0;
    }
    
    return x / y;
  }
  
}

 

Javaライブラリ関連画像
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「パッケージエクスプローラー」で「Calculator」プロジェクトを右クリックして、「エクスポート」をクリックします。

一覧から「JARファイル」を選び、「次へ」をクリックしてください。

 

Javaライブラリ関連画像
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「生成されたクラスファイルとリソースをエクスポート」にチェックが入っていることを確認したら、エクスポート先のファイルパスを指定します。

「完了」をクリックすると、JARファイルとして「Calculator.jar」という名称のライブラリファイルが作成されます。

 

Javaライブラリ関連画像
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クラスライブラリの作成は以上で完了です。

次に、ライブラリを呼び出して使うために「Main」プロジェクトを新たに作成し、パッケージ名を「sample」として「Mainクラス」を追加します。

 

先ほど解説した手順で、Mainプロジェクトに「libs」フォルダを追加し、「Calculator.jar」ライブラリを配置します。

そのうえで、Calculator.jarへのビルドパスを設定してください。

 

ビルドパスを通さなければ、作成したライブラリをインポートできません。

 

Javaライブラリ関連画像
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最後に、メインプロジェクトのソースファイルに、以下のソースコードを記載してビルドしましょう。

これまでの手順を正しく進めることができていれば、コンソール画面に実行結果が表示されます。

 

package sample;

// 「sample.library」パッケージの「Calculator」クラスをインポートする
import sample.library.Calculator;

public class Main {

  public static void main(String... args)
  {
    // 四則演算を行う
    System.out.println(Calculator.add(10, 20));
    System.out.println(Calculator.sub(10, 20));
    System.out.println(Calculator.mul(10, 20));
    System.out.println(Calculator.div(10, 20));
  }
  
}

 

Javaライブラリ関連画像
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13.まとめ


目的別のおすすめライブラリを参考にして適切なものを選ぶことで、便利な機能をシンプルなソースコードで実装できます。

ライブラリを使用する際は、統合開発環境(IDE)の機能を利用して、JARファイルへのファイルパスを通すことが重要です。

 

今回解説したおすすめのJavaのライブラリや詳しい使い方を参考にして、この機会にぜひJavaのライブラリを活用してみてください。

 

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