公開日:2023.09.12
更新日:2025.03.24
「PHP」はWeb開発に特化したプログラミング言語です。構文がシンプルで扱いやすく、HTMLとの親和性が高いことから、WebサイトやWebアプリの開発に活用されています。
しかし、Web系のプログラミング言語にはJavaScriptやRubyなど類似するものが多いため、「PHPの具体的な特徴やメリットが分からない…」という方もいるかもしれません。
そこで今回は、PHPの特徴や実現できること、学習方法などについて詳しく解説します。PHPについて深く知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
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<目次>
1.PHPとは
PHPと「HTML」の違い
PHPと「JavaScript」の違い
2.PHPの特徴・メリット
Web開発に特化している
事前にコンパイルする必要がない
構文がシンプルで扱いやすい
ほとんどのサーバーで利用できる
ライブラリやフレームワークが充実している
HTMLにPHPを埋め込める
PHPにJavaScriptを埋め込める
初心者でも習得しやすい
3.PHPで実現できること・作れるもの
Webサイト・サービスの開発
動的コンテンツの生成
サーバーのデータベースとの連携
ファイルやフォームなどの処理
CMSやWordPressのカスタマイズ
4.PHPに向いていないこと・苦手なこと
Webサイトのデザイン
大規模なデータ処理や速度が求められる場面
ブラウザ上での実行や操作
5.PHPの需要と将来性は高い
6.PHPプログラミングの学習方法
書籍や参考書で学ぶ
Webサイトや学習サービスで学ぶ
プログラミングスクールに通う
7.PHPを学習する手順・ステップ
ステップ1:PHPの実行環境を構築する
ステップ2:PHPの基礎的な構文を習得する
ステップ3:Web開発を進めながら知識を深める
8.まとめ
「PHP」は、1995年に登場したプログラミング言語です。
PHPはWeb開発に特化しており、特に「サーバーサイド開発」のための機能が充実しています。
Web開発には、大きく分けて以下の2つの分野があります。
・クライアントサイド…ユーザーの端末側で稼働する
・サーバーサイド…Webサーバー側で稼働する
Webサーバーは、ユーザーにデータを提供するための機器を指します。
PHPで作成したプログラムはWebサーバーで稼働するため、ユーザーの操作やデータを反映した「動的なWebページ」を柔軟に作成できます。
また、PHPは言語仕様がシンプルなので、プログラミング初心者が習得しやすい言語としても有名です。
なお、PHPは「HTML」や「JavaScript」と混同されることが多いですが、明確な違いがあります。
「HTML」は、Webページの構造を定義するための言語です。
現在、インターネット上で公開されているWebページの大半は、このHTMLで構成されています。
ただし、HTMLは「マークアップ言語」であるため、厳密にはプログラミング言語ではありません。
マークアップ言語とは、各要素の役割を示すための言語です。
具体的な処理は記述できないので、HTML単体で作れるのは「静的なWebページ」です。
静的なWebページは、いつ誰が見ても内容が変わらないものを指します。
一方で動的なWebページは、ユーザーの操作によって表示内容が変わり、例えば、掲示板やSNSがその典型です。
PHPは動的なWebページ、HTMLは静的なWebページを作成できるという点で、両者は大きく異なります。
「JavaScript」はPHPと同じく、Web開発で活用されているプログラミング言語です。
しかし、PHPがサーバーサイドの言語で、JavaScriptはクライアントサイドの言語という点が異なります。
つまり、PHPのプログラムはWebサーバー上で、JavaScriptのプログラムはユーザー端末で実行されるということです。
サーバーサイドのPHPは、サーバー側のデータベースとも連携できるので、データを活用したダイナミックなWebサイトを作成できます。
プログラミング言語PHPには、以下のような特徴・メリットがあります。
・Web開発に特化している
・事前にコンパイルする必要がない
・構文がシンプルで扱いやすい
・ほとんどのサーバーで利用できる
・ライブラリやフレームワークが充実している
・HTMLにPHPを埋め込める
・PHPにJavaScriptを埋め込める
・初心者でも習得しやすい
PHPは、Webサイト・アプリの開発に特化しています。
サーバーサイド開発の機能が豊富で、これまで培われてきた実績と信頼もあるため、Web開発で重宝されています。
そのため、Web開発に携わりたい人にとって、PHPは学習価値が非常に高い言語だといえるでしょう。
PHPは「インタプリタ言語」なので、コンパイルが不要です。
「コンパイル」とは、ソースコードを機械語、つまりコンピューターが理解できるデータに変更する作業を指します。
インタプリタ言語の魅力は、コーディング後に実行結果をすぐ確認できることです。
ソースコードが間違っていても、その場所までは動作するため「どこを直すべきか」も把握できます。
学習初期は初歩的なミスでエラーが出がちなので、すぐ動作を確認できるPHPは便利です。
ちなみに、インタプリタ言語とよく似た用語に「スクリプト言語」があります。
スクリプト言語は、容易に記述・実行できるプログラミング言語を指し、PHPもその一つです。
スクリプト言語の大半がインタプリタ言語なので、両者は同じような用語として考えてもいいでしょう。
プログラミング言語によっては、記述すべきことが多い上に構文の制約が多く、コーディングに手間がかかることがあります。
しかし、PHPはスクリプト言語なので、構文がシンプルで扱いやすいことが特徴です。
PHPは内部でさまざまな補完・調整を行ってくれるため、短いソースコードでも多様な機能を実装できます。
だからこそPHPは、「初心者に優しいプログラミング言語」だといわれているのです。
PHPのようなサーバーサイドのプログラミング言語は、サーバーがその言語に対応していなければ利用できません。
その点、PHPはほとんどのサーバーで利用できます。
無料のレンタルサーバーでも使えるケースが多いため、Webサービスやアプリの開発時のサーバー環境に困りません。
また、PHPの学習時にはプログラム実行のためにサーバーが必須ですが、「XAMPP(ザンプ)」などのツールを利用すれば開発環境を簡単に構築できます。
ライブラリやフレームワークが充実していることも、PHPの大きな特徴・メリットです。
・ライブラリとは?…機能をまとめて再利用できるようにしたプログラムのこと。
・フレームワークとは?…複数のライブラリを組み合わせたプログラムの骨組みのこと。
PHPの代表的なライブラリやフレームワークには、以下のようなものがあります。
・Laravel
・CakePHP
・PHPMailer
・Symfony
・Sentinel
・FuelPHP
これらのライブラリやフレームワークは、プログラム開発の効率化に役立ちます。
その中でも「Laravel」は特に評価が高く、世界中で活用されているフレームワークの一つです。
簡潔なコーディングが可能で初心者でも扱いやすいため、おすすめです。
なお、PHPのライブラリやフレームワークについては、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
PHPのソースコードは、マークアップ言語であるHTMLに埋め込むことができます。
PHPの埋め込みは、Webサイトの構造を示すHTMLと、具体的な処理を定義するPHPを組み合わせることを意味します。
そのため、通常のHTMLではできない「動的なWebページ」を構築できます。
HTMLとPHPの関係は非常に深いため、PHPと併せてHTMLも習得しておくと便利です。
先述した通り、PHPはサーバーサイド、JavaScriptはクライアントサイドの言語です。
PHPはサーバー側で稼働するため、クライアントのWebブラウザ側の処理は記述できません。
そこで、PHPにJavaScriptを埋め込むことで、クライアントサイドからサーバーサイドまで、一気通貫のWebプログラミングができるようになります。
PHPは構文がシンプルで動作確認も容易です。
これは「覚えるべきことが少ない」「エラーを発見しやすい」ことを意味します。
さらに、PHPはWebサイトやブログなどで情報を得やすいため、初心者に優しいプログラミング言語です。
プログラミング学習で問題になりやすいのが「情報の得やすさ」です。
分からないことをすぐ解決できなければ、次に進みづらくなるので挫折の原因になりかねません。
PHPなら、インターネット検索で問題解決のヒントが得やすいため、初心者でもスムーズに学習できるでしょう。
PHPプログラミングで実現できること・作れるものとして、以下が挙げられます。
・Webサイト・サービスの開発
・動的コンテンツの生成
・サーバーのデータベースとの連携
・ファイルやフォームなどの処理
・CMSやWordPressのカスタマイズ
PHPはWeb開発に特化したプログラミング言語なので、ECサイトやSNSなど、各種Webサイト・サービスが作れます。
例えば、ECサイトの場合は、ログイン機能やショッピングカート機能、決済機能など、ほとんどのシステムをPHP単体で開発可能です。
TwitterやInstagramのようなSNSの場合は、ユーザー登録、タイムライン、投稿、チャットなど、やはり大半の機能をPHPで実装できます。
Webサイトやサービスでは、ユーザーが目にする表示は基本的にHTMLで定義します。
しかし、HTMLはマークアップ言語なので、事前に決めた内容しか表示できず、変更する場合はHTMLコード自体を書き換えないといけません。
その点、PHPは動的コンテンツ、つまりダイナミックに内容を変更できるコンテンツの生成に長けています。
PHPをHTMLに埋め込むことで、ユーザーの行動に合わせて表示内容を動的に変更できます。
例えば、Webサイトを日本語と英語に対応させたり、ユーザーの検索キーワードに応じて表示ページを変えたりするなど、臨機応変なWeb制作が可能となります。
PHPはサーバーの「データベース」との連携が容易です。
データベースは、大量のデータを管理・活用するためのシステムを指します。
Webブラウザなどでユーザーが目にする情報の大半は、サーバーのデータベースから取得したものです。
PHPを活用することで、「MySQL」「PostgreSQL」など代表的なデータベース管理システムと連携し、ダイナミックなWebサイト・サービスを開発できます。
ファイルやフォームなどの処理も、PHPで簡単に実装できます。
例えば、ユーザーが投稿したファイルをサーバーに保管したり、フォームの入力内容をもとにユーザー情報を管理したりするなどです。
企業サイトやブログの「お問い合わせフォーム」の作成に、こうした機能が役立ちます。
CMS(Contents Management System)は、ブログやECサイトなど、Webサイトを簡単に構築するためのシステムで、その代表例が「WordPress」です。
CMSに独自機能を追加するなどのカスタマイズを行いたい場合は、CMSの開発言語であるPHPを使用します。
これにより、機能拡充や効率的なサイト運用が実現でき、より高度で魅力的なWebサイトが作れます。
CMSはあらゆるWebビジネスで活用されているので、PHPを習得すればCMS分野でも活躍できるようになるでしょう。
PHPはWeb開発に特化したプログラミング言語ですが、以下のような用途には向きません。
・Webサイトのデザイン
・大規模なデータ処理や速度が求められる場面
・ブラウザ上での実行や操作
PHP単体ではWebサイトをデザインできません。
Webサイトの構造やデザインの定義は、HTMLなどのマークアップ言語の領域だからです。
前述したように、PHPをHTMLに埋め込めば、Webサイトのデザインを動的に変更できます。
PHPは、大規模なデータ処理や、実行速度が要求される場面には向きません。
PHPでも処理自体はできますが、PHPはインタプリタ言語であることから、パフォーマンスの問題が生じる可能性が高いことが理由です。
大規模もしくは高速なデータ処理には、C++やJavaなどのコンパイラ言語が適しています。
PHPはサーバーサイドのプログラミング言語なので、ユーザー端末のWebブラウザ上では稼働しません。
ブラウザ上にポップアップメッセージを出すなど、Webブラウザ側の処理を行いたい場合は、JavaScriptのコードを埋め込むことで対応できます。
IT関連サービスを提供しているQ-Successの調査によると、2023年6月時点で、サーバーサイドのプログラミングの77.5%にPHPが採用されています。
ほかのプログラミング言語と比べると、そのシェアは圧倒的といえる水準であり、PHPがサーバーサイドで重宝されていることは明らかです。
また、フリーランスエンジニアの場合、例えば、フリーランススタートでは2023年6月時点で38,000以上の案件があります。
月額単価の相場は約67万円、最高単価は200万円となっており、フリーランスエンジニアの中でも高い水準だといえるでしょう。
引用:PHPのフリーランス求人・案件一覧| フリーランスエンジニア募集
このように、PHPの需要と将来性は高いと考えられます。
PHPプログラミングのスキルを習得することは、ITエンジニアとしてのキャリアアップに大きな意義があるといえるでしょう。
PHPエンジニアの年収や収入アップの方法については、以下の記事で詳しく解説していますのでご覧ください。
PHPプログラミングは、主に以下の方法で学習できます。
・書籍や参考書で学ぶ
・Webサイトや学習サービスで学ぶ
・プログラミングスクールに通う
PHPプログラミングの最も基本的な学習方法が、書籍や参考書です。
初心者向けから上級者向けまで幅広い種類があるので、自身のスキルに合わせたものを選びましょう。
プログラミング初心者には「最初に「読む」PHP」がおすすめです。
PHPの基本が分かりやすく解説されているため、入門者でも安心して学習できます。
PHPの知識がある程度身についたら「独習PHP 第4版」にもチャレンジすると、現代のWeb開発に必要な基本知識が身につくでしょう。
書籍や参考書だけでは分かりづらいこともあるので、後述するWebサイトやサービスとの併用がおすすめです。
近年では、さまざまなWebサイトやブログでPHPの情報が得られます。
学習時に分からないことがあれば、すぐ検索して解決できるので便利です。
ただし、Web上には正しくない情報もあるため、基本的な知識を得るのは公式サイトの「PHP マニュアル」がおすすめです。
また、オンラインの学習サービスではPHPを体系的に学べます。
例えば「paizaラーニング」では、さまざまなPHP入門講座が公開されています。
書籍や参考書と組み合わせることで、独学でも深いスキルが身につくでしょう。
PHPの独学が難しい場合は、プログラミングスクールに通うのがおすすめです。
プログラミング言語を独学で取得するデメリットとして、挫折しやすいことが挙げられます。
主な理由は、分からないことがあっても質問できず、問題を解決しづらいことです。
プログラミングスクールなら、専門知識がある講師が丁寧に教えてくれるため、プログラミング初心者でも安心して学べます。
できるだけ短期間で効率的にPHPを学びたいなら、プログラミングスクールを検討してみましょう。
PHP学習の大まかな手順・ステップを、以下の3つに分けて解説します。
ステップ1:PHPの実行環境を構築する
ステップ2:PHPの基礎的な構文を習得する
ステップ3:Web開発を進めながら知識を深める
プログラミング学習の鉄則は「動かしながら学ぶこと」です。
実際にサンプルコードを動かしながら学ぶことで、どのコードにどんな役割があるか理解しやすくなります。
そのため、まずはPHPの実行環境を構築することが大切です。
なお、PHPの学習には、IDEとWebサーバーがセットになった「XAMPP」を活用するのが一般的です。
PHPの開発環境を構築できたら、基本構文を習得していきましょう。
先ほどご紹介した書籍やWebサイトなどを活用し、PHPプログラミングのための知識を身につけていきます。
サンプルプログラムを実際に入力し、自分なりにアレンジしながら各コードの意味を理解することが大切です。
なお、PHPは前述したようにHTMLやJavaScriptと併用できるため、これらの言語を学ぶと開発現場でも役立つでしょう。
PHPの基本スキルが身についたら、簡易的なWebサイトやサービスを作ってみましょう。
開発時に分からないことがあれば、そのたびに書籍やWebサイトなどで調べます。
ライブラリやフレームワークを活用するときも、1つずつ調べながら進めることが大切です。
まずは簡単なものから始めて、少しずつレベルアップを目指すことが、プログラミングを学ぶコツです。
作ったプログラムは「ポートフォリオ」にまとめて、身につけたスキルをアピールできるため、就職・転職活動をする際にも活かせます。
Web開発に特化したPHPは、サーバーサイド分野で圧倒的なシェアを誇るため、学ぶ価値のあるプログラミング言語です。
PHPのスキルを身につけることで、Webエンジニアとして活躍の幅が広がります。
今回ご紹介したポイントを参考にして、ぜひPHPプログラミングにチャレンジしてみてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
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