公開日:2020.09.29
更新日:2025.03.24
フリーランスは自由に仕事をできる点が魅力ですが、仕事で大きなトラブルを起こした時は自己責任となり、損害保険に加入していないと請求された損害賠償もすべてフリーランス自身が負担することになります。
しかし、事前にFREENANCE(フリーナンス)やフリーランス協会などの損害保険に加入しておくと、損害賠償請求をされても保険サービスで補ってもらうことができます。
損害賠償の負担を軽減する為の対策として、業務委託契約書の内容に不利な点がないか細かく確認しておくことも大事です。
今回は、フリーランスが損賠賠償請求をされるケースや損害保険に加入するべき理由などについて解説しますので参考にしていただけると幸いです。
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<目次>
1.フリーランス向け損害賠償保険とは?
2.フリーランスが損害賠償を請求される場合
情報漏洩が起きた場合
納品物に欠点がある場合
納期が遅延した場合
著作権侵害をした場合
3.フリーランスが損害賠償保険に加入する理由
フリーランスが損害賠償保険に加入する理由①:倒産リスクの軽減
フリーランスが損害賠償保険に加入する理由②:クライアント側の信頼性向上
フリーランスが損害賠償保険に加入する理由③:損害賠償請求額の軽減
4.おすすめする損害賠償保険があるサービス2選
FREENANCE(フリーナンス)
フリーランス協会「賠償責任保険」
5.損害賠償のリスク回避のため、業務委託契約書を必ず確認しよう
損害賠償の範囲は明確になっているか
損害を与えた場合の対応と賠償額の上限を取り決める
対等な契約になっているか確認
6.フリーランスなら知っておくべき「下請法」について
7.まとめ
フリーランス向け損害保険とは、フリーランスが企業に「情報漏洩」「納品物の欠点」「著作権侵害」などの損害を与え、企業から損害賠償を請求された場合の負担を軽減するための保険サービスです。
会社員であれば取引先に損害を与えてしまっても、従業員のミスは雇用者である会社のミスにもなるため、請求された損害賠償については雇用されている会社が対応します。
しかし、フリーランスは会社員と違い「労働者」ではなく「個人事業主」として認識されます。
フリーランスが受注した仕事でトラブルを発生させた場合は自己責任となり、損害保険に加入していないと、数百万円〜数千万円の損害賠償をフリーランス自身で負担することにもなりかねません。
フリーランスは万が一のトラブルに備えて、フリーランス向け損害保険に加入しておきましょう。
フリーランスが損害賠償請求をされるケースや損害賠償請求を避ける為の対策について解説します。
想定外のトラブルに備えてフリーランスは損害保険にも加入することをおすすめします。
情報漏洩とは、企業が管理している機密情報や個人情報などの重要データがによって外部に流出してしまうことです。
情報漏洩の原因としては、「機密情報をシュレッダーにかけず捨ててしまう」「メールの誤送信」「機密データが保存されているPCの紛失」といった人的ミスや、「第三者からの不正アクセス」によって機密情報が盗まれる、などです。
フリーランスに起こりうる情報漏洩は、「フリーランスのPCがコンピュータウイルスに感染して機密情報が流出した」「フリーランスが所持しているPC、スマホなどを紛失して機密情報が第三者に盗まれる」といったケースです。
フリーランスが企業から仕事を受注した際、機密保持契約を結ぶ場合もありフリーランスは業務で知った機密情報や個人情報を外部に漏洩してはいけません。
フリーランス自身に悪意がなく情報漏洩を起こした場合でも、企業から損害賠償請求をされる可能性は高いです。
機密情報を流出させない為には、「PCやスマホなどのデバイスにはパスワードを設定する」「ウイルス対策ソフトの導入」「機密情報を持ち歩かない」といった対策をして業務を遂行するようにしましょう。
フリーランスの納品物に欠点があり企業のシステムにバグを起こしたり、要望通りに動作しなかった場合、企業としての成果や収益にも悪影響を及ぼす可能性もあり、損害賠償請求をされるケースがあります。
納品後にトラブルが発生した時の対策としては、企業との契約時に「納品物に対する責任の範囲を明確にする」「バグなどに対応する期間を決めておく」などの取り決めをしておきましょう。
またフリーランスは、納品時にバグなどの不具合を起こす欠点はないか事前に確認をするようにしましょう。
フリーランスが納期延滞をすることで、企業側の事業に支障が発生した場合は損害賠償請求をされる可能性があります。
しかし、フリーランスの急病や想定外のトラブルなどにより、どうしても納期に間に合わないという事態もあるでしょう。
下記に納期延滞を避ける為の対策を3つ記載します。
・余裕のあるスケジュールで納期を決める
・作業工程を複数に分割して細かな納期を設定する
・契約書に納期が遅れそうな時は調整できる条項を追加しておく
事前に納期延滞の対策を講じていても、納期を守れそうにない場合は早めに企業と連絡を取り、納期の調整について協議をしましょう。
著作権侵害によって企業側に損失を出した場合も損害賠償請求をされるケースがあります。
ライターであれば文章や画像などの盗用・無断転載、エンジニアであればすでに別の企業に著作権が譲渡されたソースコードを使って納品した場合も著作権に違反することになります。
以下に著作権侵害による損害賠償を避けるための対策を記載します。
・エンジニアの場合、著作権が譲渡される案件で私的に使用する可能性があるプログラムは使わない
・ライターの場合、引用部分の引用元を必ず記載し記事の使い回しは厳禁とする
・契約書上で記載されている著作権の条項について確認しておく
エンジニアやライター、クリエイターといった職種のフリーランスは、成果物が著作権侵害とならないように気をつけしましょう。
仕事上のトラブルが起きてもフリーランスは自己責任となります。
しかし、損害賠償のすべてをフリーランス個人で負担することは容易ではありません。
万が一のトラブルに備えてフリーランスが損害保険に加入するべき理由について確認しておきましょう。
フリーランス向けの損害保険に加入すると倒産リスクを軽減できます。
フリーランスと受注先企業との間でトラブルが発生し多額の損害賠償請求をされた場合、資金不足で倒産してしまうフリーランスもいます。
損害保険に加入しておけば、請求された損害賠償の負担を保険金で補えるので、資金不足に追い込まれて倒産するリスクを軽減できます。
損害保険に加入しているフリーランスはクライアントから信頼を得やすくなります。
納品後のトラブルなども想定すると、損害保険に加入していないフリーランスと契約することはクライアント側のリスクとなり、仕事の受注率を下げる可能性もあります。
クライアントとの契約時には損害保険に加入していることを伝えればフリーランスとしての信頼性向上に繋げることもできるでしょう。
フリーランス向けの損害保険に加入することで、損害賠償請求額を軽減することができます。
受注先の企業に損害を与えるような事態が発生し、万が一500万円の損害賠償金を請求されても、フリーランス向けの損害保険を利用することで自己負担を軽減することが可能となります。
フリーランスにおすすめする損害賠償保険があるサービス、FREENANCE(フリーナンス)とフリーランス協会の「賠償責任保険」について解説します。
FREENANCE(フリーナンス)は、フリーランス・個人事業主向けの損害賠償保険や収納代行を行っているサービスであり、GMOクリエイターズネットワーク株式会社が運営しています。
FREENANCE(フリーナンス)の損害賠償保険「あんしん補償」は、業務遂行中の事故や納品物の欠陥、情報漏洩、著作権侵害などの様々なトラブルが発生した場合、紛争の状況に応じて1事故あたり500万円~5,000万円までの補償が受けられます。
「あんしん補償」は会員登録をすれば無料で自動付帯されます。フリーランスは万が一の事故・トラブルに備えてFREENANCE(フリーナンス)のフリーランス向け損害保険に加入しておきましょう。
(参照:フリーナンスあんしん補償の概要)
またFREENANCE(フリーナンス)では、会員登録時に株式会社エス・ピー・ネットワークが提供する国内最大規模の反社会的勢力データベースを活用して厳正な審査を行います。
FREENANCE(フリーナンス)に登録したフリーランスが同データベースに載っていないことを証明してくれるので、フリーランスとしての信頼性をアピールできる点もメリットです。
フリーランス協会の一般会員に登録すると「賠償責任保険」が自動で付帯され、業務遂行中の事故(対物・対人)や、情報漏洩、納品物の欠陥、著作権侵害などのトラブルを起こした時に、フリーランスは損害保険による補償を受けられます。
年会費は1万円となっており、損害保険の支払限度額は補償内容によって1,000万円~1億円、期間中限度額は10億円です。
フリーランス協会の賠償責任保険は大手保険会社4社による共同保険であり、一般会員だけではなく受注先の企業も補償対象となる為、安心して仕事を依頼してもらえる点がフリーランスとしての大きなメリットといえるでしょう。
そのほかフリーランス協会の会員になると、福利厚生サービス「WELBOX(自動付帯)」、ケガや病気で仕事ができなくなった時の所得を保険金として受け取れる「所得補償制度(任意加入)」など様々なサービスを受けられます。
フリーランスが損害賠償のリスクを回避する為には、業務委託契約書の内容をよく確認する必要があります。
契約書を確認する時のポイントについて解説するので参考にしてください。
業務委託契約書では、小さなミスでも損害賠償の対象となるのか、それとも「重大な過失」に限り損害賠償を請求されるのか、損害賠償の責任を負う範囲が明確になっているか細かく確認してください。
責任範囲が曖昧に記載された状態だと、際限なくフリーランス自身が損害賠償を負担することになってしまいます。
損害賠償の範囲が曖昧になっている場合は、明確になるように交渉をしましょう。
納品物の欠陥や著作権侵害などで損害を与えてしまった場合、解決するまで無償で対応するのか、納品後に損害賠償請求ができる期間は決まっているのか、業務中に事故が発生した時点で金銭によって賠償責任を負うのかなど、損害を与えた時の対応についても確認しておきましょう。
また、損害賠償の範囲を明確にするほか、損害賠償金額の上限も決めておくとフリーランス側の損失を軽減できます。
実害を抑える為に、契約時には損害賠償金額の上限についても取り決めしておくいいです。
クライアントと契約をする時は、業務委託契約書の内容が対等であることを確認してからサインをしましょう。
フリーランスに不利な内容で契約締結をした場合、その後の変更は困難です。
不利な契約をすると業務を完遂できず損賠賠償のリスクを高めます。
納期が現実的でない、不要な文言が含まれている、必要な条件が入っていないなど契約内容が対等でない時は企業に変更してもらいましょう。
下請法とは、独占禁止法の特別法として1956年に制定された法律です。
正式には「下請代金支払遅延等防止法」といいます。
下請法は、フリーランスが労働において親事業者(クライアント)から不当な扱いを受けないための心強い法律です。
下請法の対象となる取り引きには、「サービス提供委託」「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」があり、フリーランスエンジニアやデザイナー、ライターなどは「情報成果物作成委託」に該当します。
資本金が1000万円を超えている親事業者(クライアント)が、フリーランスへシステム開発、デザイン制作、ライティングなどの仕事を委託した際、下請法によってフリーランスは保護されます。
下請法が適用されると親事業者(クライアント)は、下請事業者(フリーランス・個人事業主)に対して以下4つの義務が課されます。
・発注内容を記載した書面の交付義務
親事業者は業務を発注する際、下請事業者(フリーランス・個人事業主)に発注業務の内容を明記した書面を交付する義務があります。
書面には親事業者名、下請事業者名、業務委託の日付、成果物の納期、支払期日、支払方法など詳細に記載しないといけません。
・納品日から60日以内に報酬を支払う義務
親事業者は報酬の支払期日を、下請事業者(フリーランス・個人事業主)と合意したうえで決める必要あります。
また支払い期日は、下請け業者が成果物を親事業者へ納品した日から60日以内の間で定めなければいけません。
・取り引き内容を書類に記録しておく義務
親事業者は下請事業者(フリーランス・個人事業主)との取り引き内容を記録した書類を作成し、2年間保管しなければいけません。
取り引き内容には、納品後の変更内容・理由、報酬の支払いを遅延・延滞した際の利息額・支払い日など記載内容は細かく定められています。
・遅延利息の支払い義務
親事業者が成果物の納品後60日以内に下請事業者(フリーランス・個人事業主)へ報酬を支払わなかった場合、成果物が納品された日から、実際に支払いが完了した日までの日数に応じ、年率14.6%の遅延利息を報酬とは別に支払う義務があります。
下請法はフリーランスを守るための法律なので覚えておくようにしましょう。
フリーランスが損害賠償請求をされるケースや、フリーランスを守る為の損賠賠償保険などについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
フリーランスの仕事で最も大きな問題といえるのが業務中の事故などによる損害賠償です。
多額の損害賠償金を請求されて廃業となる状況に陥る可能性もあります。
対策としては、FREENANCE(フリーナンス)やフリーランス協会のフリーランス向け損害保険に加入しておくことです。また、業務委託契約書の内容に不備がないか細かくチェックしてください。
フリーランスとして、万が一の事故・トラブルを想定して業務を遂行していきましょう。
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