フリーランス(個人事業主)は健康保険に加入しよう!わかりやすく健康保険を解説!

フリーランス常識

2021.10.06

皆さんは、フリーランス(個人事業主)でも国民健康保険に加入する義務があることをご存知でしたか?
会社員の場合は、会社が各々の代わりに保険料の支払いをしてくれていました。
しかしフリーランス(個人事業主)では、加入から支払いまで全て各自で行わなくてはなりません。


今回は現在会社員の方で、今後フリーランス(個人事業主)を検討しているけど、健康保険についてあまり詳しく理解していない方向けに、以下の部分に焦点を当てながら解説していきたいと思います。


・会社員とフリーランス(個人事業主)の加入する健康保険の違い
・フリーランス(個人事業主)が加入できる保険の種類
・フリーランス(個人事業主)として健康保険料を安くするための裏技
・フリーランス(個人事業主)が健康保険に加入しなかったらどうなる?


国民健康保険の加入はフリーランス(個人事業主)として生きていく上で、とても大切なことですので、是非本記事を最後までお読みいただき、参考にしてください。

<目次>
1.フリーランス(個人事業主)と健康保険
会社員の健康保険
フリーランス(個人事業主)の健康保険
2.フリーランス(個人事業主)が加入できる保険の種類
国民健康保険への加入
会社の保険の任意継続(健康保険任意継続制度)
国民健康保険組合への加入
フリーランス賠償責任補償への加入
3.フリーランス(個人事業主)として健康保険料を安くするには
フリーランス(個人事業主)が保険料を安くする方法①保険料の安い自治体に引っ越す
フリーランス(個人事業主)が保険料を安くする方法②青色申告で確定申告をする
4.フリーランス(個人事業主)が健康保険に加入しなかったらどうなる?
5.まとめ

 

 

 

1.フリーランス(個人事業主)と健康保険


フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像
フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像

まず初めに、フリーランス(個人事業主)を検討している方に向けて、フリーランス(個人事業主)が加入する・すべき保険と会社員が加入している保険について比較しながら、その違いを見ていきましょう。

 

会社員の健康保険

会社員が加入している健康保険は、「一般被用者保険」と呼ばれます

主に、サラリーマンとして民間企業に勤めている人とその家族が加入する医療保険制度です。

 

一般被用者保険の中にも大企業の従業員とその家族が加入する組合管掌健康保険(組合健保)と中小企業の従業員とその家族が加入する全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があります。

一般被用者保険の最大の特徴かつメリットは個人が支払うべき保険料を会社が半額負担してくれるという点です。

 

また傷病手当金のような給与に応じ高い給付が保障されますし、就労不能な時にも様々な保障を受けることができます。

 

 

フリーランス(個人事業主)の健康保険

フリーランス(個人事業主)が加入する・すべき健康保険は「国民健康保険」と呼ばれます

国民健康保険は、自営業者、年金生活者、非正規雇用者やその家族など、被用者保険(会社員が加入する保険)に加入していない国民を対象とする保険制度であり、市区町村が保険者です。

 

フリーランス(個人事業主)本人だけでなくその家族も加入することが可能です。

支払うべき月々の保険料は市区町村ごとに保険料の算出方法が違うため、詳しくは自分の住んでいる地域の市役所やこちらから確認してみることをオススメします。

 

また、会社を退職してフリーランスになる場合は、退職日の翌日から14日以内に所在地の市区町村に届け出を出す必要があります。

保険証がないと、3割負担でよかった医療費を全額負担しなければならないため、出来るだけ早めに手続きをするように心がけましょう。

 

 

 

2.フリーランス(個人事業主)が加入できる保険の種類


フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像
フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像

フリーランス(個人事業主)が加入する・すべき保険には大きく分けて4種類あります。

ここでは、それらについて詳しく解説していきます。

 

フリーランスとして最適な国民健康保険を選ぶようにしましょう。

 

国民健康保険への加入

国民健康保険はフリーランス(個人事業主)などの企業に所属していない方が主に加入する保険で、大多数のフリーランス(個人事業主)がこの保険に入ることになるでしょう。

 

国民健康保険加入のメリット

所得が基準値を下回った場合は、自動的に保険料を減額してもらえる。

 

【例】
昨今、現在もなお世界規模で猛威を奮い続けている新型コロナウイルスの影響から所得が減り、国保料・税が払えなくなってしまった場合の減免を考えてみましょう。

減免は以下の項目に一つでも該当していることが条件になります。

①新型コロナウイルスの影響で、生計維持者が死亡または重篤な傷病を負った世帯。
②新型コロナウイルスの影響で、生計維持者の事業収入が、前年比から30%以上の減少が見込まれる世帯。
③新型コロナウイルスの影響で、生計維持者の前年の所得が1000万円以下の方。
④新型コロナウイルスの影響で、生計維持者の前年の事業収入以外の収入が400万円以下の方。

 

減免の対象となる世帯が①の場合は全額免除となります。②の場合は前年の合計所得によって減免割合が以下表の5段階に分かれています。

以下の表を参考にしてみてください。

 

【表】

主な生計維持者の前年の総所得金額 減免割合
300万円以下 全額免除
400万円以下 80%
550万円以下 60%
750万円以下 40%
1000万円以下 20%

 

【例】
広島県三原市で暮らす、ある世帯を例にとり、具体的なシミュレーションをしてみましょう。

夫婦と子ども2人の世帯で、生計維持者の前年度総所得金額が300万円の場合、年間の国保税42万1200円が全額免除になります。

 

妻などに収入がある場合は、数値に変動がありますので注意が必要です。

 

世帯情報 対象保険料額×減免割合=具体的な減免額
対象保険料額=300万円
世帯合計所得=300万円
本来の保険税=421000円
減免割合=100%→421,000円
421,000円×300万円÷300万円×100%=421,000円

 

また、コロナウイルスに関係していなくても、国保料・税が払えない際は、減額免除制度を活用することができます。

その他、国が定める法定軽減と各自治体が定める申請減免制度があります。

 

法定軽減は、世帯主(国保加入者でない場合も含む)と加入している世帯の総所得が、国の定める基準額以下であればその対象になります。

申請減免制度は、各自治体が条例(国保法77条)で定めています。

 

減免基準は自治体によって異なりますので、詳しくは、お住まいの自治体公式ホームページをご確認ください。

 

 

国民健康保険加入のデメリット

所得が基準値を上回った場合は、保険料が上がる。
扶養家族がいる場合、その分保険料が高くなる。

 

もし現状の保険料や今後収入が変化した際の保険料を知りたい場合はこちらのサイトをご活用ください。

 

 

会社の保険の任意継続(健康保険任意継続制度)

健康保険の任意継続とは所属していた会社の退職後も、現在の健康保険を継続できる制度です。

退職時に、契約を延長するよう申請すれば継続可能で、退職後も今まで通りの保険適用を受けることができます。

 

ただし、退職日までに2ヶ月以上継続して社会保険に加入していたこと、資格喪失日(退職日の翌日等)から20日(20日目が土日・祝日の場合は翌営業日)以内に「任意継続被保険者資格取得申出書」を提出することが条件になりますので、注意しておきましょう。

 

詳しくは公式ホームページをご覧ください。

 

保険の任意継続のメリット

扶養家族も保険対象に含まれるため、扶養家族が多い場合はお得になる
所得によって保険料が変わらないため、独立して収入が上がる場合は特にお得になる

 

 

保険の任意継続のデメリット

会社と折半していた保険料が各自の全額負担になり、今までの2倍の保険料を支払うことなる
任意継続ができるのは2年間で、自動脱退するシステムである。その後は各自で保険に入る手続きをしなくてはいけない

 

 

国民健康保険組合への加入

国民健康保険組合とは、国民健康保険の一種で、同種の事業・業務の従事者で組織されている健康保険組合団体です。

地域ごとの組織で運営されており、医療にかかる場合、原則自己負担3割で治療を受けられる点や高額療養費や出産一時金を受け取れる点は、国民健康保険と変わりはありません。

 

国民健康保険組合のメリット

所得に関係なく、組合人が事業主か従業員かなどによって固定の保険料が組合ごとに決まっている(給与に左右されない)

 

 

国民健康保険組合のデメリット

被扶養者という概念が無いので、フリーランス(個人事業主)の方は被扶養者の人数が多いほど、負担する保険料が多くなる
傷病手当金、出産手当金などのいわばアフターフォローが弱い

 

 

フリーランス賠償責任補償への加入

フリーランス賠償責任補償とは、業務遂行中の対人・対物事故のほか、納品物の瑕疵によって発生した損害や情報漏洩、著作権侵害、偶然の事故で発生した納期遅延による損害など、フリーランス特有の賠償リスクに備えた保険です。

補償額は、補償内容によっては最高1億円、期間中の限度額は10億円です。

 

フリーランス賠償責任補償のメリット

損害賠償請求額の支払額を減らせる
クライアントが安心して仕事を依頼できるため仕事を受注しやすくなる

 

フリーランスをしているとトラブルに巻き込まれる可能性あるため、自分の身を最低限守るという意味でも、このような補償をつけておくことオススメします。

 

 

 

3.フリーランス(個人事業主)として健康保険料を安くするには


フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像
フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像

ここまで、フリーランス(個人事業主)が加入する・すべき保険の種類について解説してきましたが、どれも定額の保険料を支払うことに変わりありません。

しかし、せっかく保険料を払うのであれば、できるだけ節約したいと考える方も多いかと思います。

 

ここでは、フリーランス(個人事業主)として健康保険料を安くするための方法について解説していきます。

 

フリーランス(個人事業主)が保険料を安くする方法①保険料の安い自治体に引っ越す

皆さんは、自分が住んでいる自治体によって、支払う保険料には大きな差があることを知ってましたか?

意外と知らない方が多いポイントなのですが、フリーランス(個人事業主)だからこそ、仕事をする環境・場所がフリーダムな利点を最大限に生かし、できるだけ保険料負担が少ない自治体に引っ越すということもありだと思います。

 

任意継続をされている方はこちらの公式サイトから、令和3年度の都道府県別の保険料を閲覧することができますので、興味のある方は是非ご覧ください。

 

 

フリーランス(個人事業主)が保険料を安くする方法②青色申告で確定申告をする

確定申告の際、青色申告で申請することで、保険料の軽減に大きくつながります。

フリーランス(個人事業主)として白色申告から青色申告に切り替えると、特別控除を受けることが可能になります。

 

簡易簿記の場合は10万円、複式簿記の場合は65万円が控除され、税金がかかる所得金額が下がりますので、そこから算出する住民税も安くなり、結果的に国民健康保険料も軽減されるという仕組みです。

こちらも積極的に活用していきましょう。

 

フリーランスとして青色申告について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓

 

 

 

4.フリーランス(個人事業主)が健康保険に加入しなかったらどうなる?


フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像
フリーランス(個人事業主)の健康保険関連画像

基本的に、日本の健康保険制度は強制・義務型なので皆さんも何かしらの社会保険に必ず加入しなくてはいけません。

もし保険に加入ぜす、保険料を滞納を続けると、自分の所属する市区町村から保険料を支払うように封書などで催促の通知が来ます

 

それを無視すると「督促状」が届くようになり、保険料の納付を拒否し続けると「滞納」扱いになり、通常の保険証ではなく「短期被保険者証」が発行されます。

その後、1年以上滞納を続けた場合は短期被保険者証の効力が消滅し、保険料の支払いが10割全額負担に自動で切り替わります。

 

それでも保険料を支払わない場合、「罰金」または「差し押さえ」が行われ、最悪の場合、財産の差し押さえや銀行口座が凍結など重度の処分が課される場合もありますので注意が必要です。

 

フリーランスとして労災保険について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓

 

 

 

5.まとめ


今回は今後フリーランス(個人事業主)を検討しているが、健康保険についてあまり詳しく理解していない方に向けて、フリーランス(個人事業主)として加入すべき健康保険について解説してきました。

 

フリーランスは「国民健康保険と、会社員は「一般被用者保険」それぞれ入る保険が違う
フリーランス(個人事業主)が加入できる保険は、主に国民健康保険、任意継続保険、国民健康保険組合、フリーランス賠償責任補償の4つがある
フリーランス(個人事業主)が保険料を安くするためには、保険料の安い自治体に引っ越したり、青色申告で確定申告をするなど方法がある
フリーランス(個人事業主)が健康保険に加入しなかったら最悪の場合、財産差し押さえになる場合がある

 

フリーランス(個人事業主)は自分自身が商品であり、大切な財産です。

健康を害して仕事ができなくなってしまっては、せっかくフリーランス(個人事業主)になった意味がありません。

 

フリーランス(個人事業主)として活動するため、定期的に病院に行き、自己管理を行うこともフリーランス(個人事業主)の仕事です。

医療費を節約できる方法があれば賢く節約しつつ、いつでも病院に行ける状態を整えるためにも、自分のニーズに一番合った国民健康保険に必ず加入しましょう。

 

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