公開日:2020.11.08
更新日:2025.03.24
エンジニアには、インフラエンジニアやシステムエンジニアなどさまざまな種類が存在しますが、そのなかでも「クラウドエンジニア」に興味があるのではないでしょうか。
「クラウドエンジニアとは一体どんな仕事か」
「今後、将来的に稼げるエンジニアなのか」
上記の疑問に答えるべく、当記事では「クラウドエンジニアとは」をテーマに解説を行います。具体的には次のとおりです。
・クラウドエンジニアの仕事内容
・インフラエンジニアとの違い
・クラウドエンジニアの年収事情
・クラウドエンジニアに必要なスキルや資格
・クラウドエンジニアの将来性
ぜひ当記事を、今後クラウドエンジニアの道に進むかどうかの参考にしてください。
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<目次>
1.クラウドエンジニアの仕事内容
クラウドでのインフラ設計
クラウドの構築
クラウドの運用・保守
2.クラウドエンジニアとインフラエンジニアの違い
3.クラウドエンジニアの年収
4.クラウドエンジニアに必要なスキル
サーバー/ネットワークの知識・経験
ミドルウェアの知識・経験
クラウド(AWS、Azure、GCP)の知識・経験
5.クラウドエンジニアにあると良いおすすめの資格
AWS 認定ソリューションアーキテクト
Microsoft Azure認定試験
Google Cloud 認定資格(Google Cloud Certified)
6.クラウドエンジニアやクラウド分野の需要や将来性
7.まとめ
クラウドエンジニアの主な仕事内容は、クラウド上で利用できるシステムの設計・構築などを行うことです。
そもそもクラウド、いわゆる「クラウドコンピューティング」とは、物理的環境(配線や機器の設置など)を使わず、インターネットを通じて利用できるシステムを指します。
本来はネット上のサービスは、「サーバーやネットワークの構築」や「ソフトウェアのインストールやライセンスの購入」などを行わないと、利用できないのが一般的でした。
しかしこのクラウドの概念が登場したことで、それらの環境がなくてもデータの保存やシステムの利用が可能となっています。
このようなクラウドサービスは、主に次の3つに分類できます。
・IaaS (Infrastructure as a Service):データセンターとハードウェアまで提供
・PaaS (Platform as a Service):IaaSの範囲+OSやミドルウェアまで提供
・SaaS (Software as a Service):PaaSの範囲+業務アプリケーションまで提供
クラウドサービスの多くはパブリッククラウドと呼ばれる、不特定多数のユーザーに提供されているクラウドコンピューティング上で動作します。
なお、社内など特定の利用者のみがアクセス可能な専有クラウド環境のことをプライベートクラウドと呼びます。
2021年時点、多くのクラウドエンジニアが関わるパブリッククラウドは次の3つです。
・AWS:Amazonが提供するクラウドサービスで世界シェアNo.1
・Azure:Microsoftが提供するクラウドサービスで世界シェアNo.2
・GCP:Googleが提供するクラウドサービスで世界シェアNo.3
続いて、私たちの身近にある代表的なクラウドサービスをご紹介します。
・クラウド上にデータを保存できる「オンラインストレージ」
・GmailやYahoo!メールなどの「Webメール」
・freeeや弥生会計オンラインなどの「クラウド会計ソフト」
ここまで解説してきた「クラウドサービスの開発」に関わるのが、クラウドエンジニアの仕事です。
次より、具体的な業務内容を見ていきましょう。
クラウド上で動作させるシステムのインフラを設計していきます。
インフラとは土台や下部構造という意味です。私たちの生活で例えると、水道や電気、交通網などの「生活する上で欠かせないもの」を指します。
そしてクラウドにおけるインフラとは、「クラウドシステムが動作するためのサーバーやネットワーク」になります。
まずはこのインフラ部分について要件定義や設計をしていくのが、クラウドエンジニアの最初の仕事です。
・どんな内容のサービスにするか
・想定される通信量やユーザー数はどれくらいか
・予算はどれくらいか
・クライアントの要望はどうか など
上記についてクライアントへのヒアリングと提案を繰り返し、実際に設計書を作成します。
クラウドエンジニアの場合は、とくに拡張性やセキリュティ面を意識した設計が大切です。
年々進化するクラウドの将来的を見越した計画と、クラウド環境に対応するセキュリティを考えたインフラを設計します。
設計を基に、実際にクラウド上で動作するシステム環境を構築していきます。
・クライアントに応じたソフトウェアのインストールや設計
・仮想サーバーの構築
・データベースの構築
・プログラミング
・動作や負荷テストの実施 など<
構築から動作テストまでの一連の流れも、クラウドエンジニアの業務範囲です。
設計・構築したシステムが問題なく運用することや、問題が起きないよう保守作業を行うことも、クラウドエンジニアの業務です。
・運用後の問題点の洗い出し
・運用コストの見直し
・定期的なメンテナンス
・トラブルやエラー時の原因追求・対応 など
「提供したから自分たちの仕事は終わり!」ではなく、その後の対応も重要になります。
システムを導入した後は、常に初期の計画通りに運用できるとは限りません。
クライアントが快適に利用するためにも、日々の管理もクラウドエンジニアが行います。
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システムの基盤を作るという意味では、クラウドエンジニアとインフラエンジニアは同じです。
最大の違いは、物理的環境の取り扱いの有無になります。
インフラエンジニアの仕事には、配線作業やハードウェアの設置・保守・交換作業も求められます。
いわゆるシステムのオンプレミス運用(自社のオフィスやデータセンターに聞きを設置する運用方法)に対応できる知識とスキルが必要です。
一方、クラウドエンジニアの仕事ではこういった作業は発生しません。
代わりにクラウドサービスに関する専門的知識などが求められます。
とはいえ、「基盤を作る」という仕事は共通しています。
インフラエンジニアからクラウドエンジニアへ、というキャリアを歩むのも1つの道です。
クラウドエンジニアの平均年収を見るために、「AWSエンジニア」「Azureエンジニア」「GCPエンジニア」の3つの数値を比較します。
フリーランススタートに掲載されている求人を基にした最高、最低、平均の年収額は次のとおりです。
エンジニア職種 | 最高年収 | 最低年収 | 平均年収 |
---|---|---|---|
AWSエンジニア | 2,040万円 | 324万円 | 921万円 |
Azureエンジニア | 2,220万円 | 336万円 | 901万円 |
GCPエンジニア | 2,400万円 | 360万円 | 937万円 |
※計算は統計の最高単価、最低単価、平均単価をそれぞれ12ヶ月分乗じた数値
フリーランスのクラウドエンジニアの平均年収は、918万円という結果になりました。
同じくフリーランスのシステムエンジニアの平均年収は758万円です。
クラウドエンジニアは、システムエンジニアと比べて高めの年収となっています。
また正社員をメインに扱う「求人ボックス」の統計によると、クラウドエンジニアの平均年収は599万円した。
システムエンジニアの場合は508万円であったため、こちらでもシステムエンジニアより年収は上回っているとの結果が出ています。
クラウドエンジニアの年収や必要スキルについての詳細を知りたい方は下記記事をご一読ください↓
クラウドエンジニアに必要なスキルは、主に「サーバー/ネットワーク」「ミドルウェア」「クラウド」の知識・経験です。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
サーバーやネットワークに関する知識や経験は、クラウドエンジニアとして働く上で必須スキルです。
業務で携わったシステムの予習や復習を行ったり、自主的に勉強したりなど、常に学ぶ意識を忘れてはなりません。
・クラウド上のセキュリティを考慮した設計スキル
・可用性やコスト効率がよいシステムの構築スキル
・安定した運用や急なトラブル対応ができる保守・運用スキル
・クラウドエンジニアがよく使うプログラミング言語スキル(RubyやPython、Java、JavaScriptなど)
また、インフラ系の開発には欠かせないLinuxに関する知識も身につけることをおすすめします。
クラウドサービスの基盤に使われていることが多いためです。
Linuxの単価相場や求人・案件動向の詳細を知りたい方は下記記事をご一読ください↓
ミドルウェアとは、コンピューター制御の基本となるOSと、業務ごとの処理を行うアプリケーションの中間の位置にあるソフトウェアのことです。
このミドルウェアのおかげで、OSはより複雑な処理・動作が実行できたり、動的なアプリケーションが機能できたりできます。
主なミドルウェアは次のとおりです。
・Webサーバー
・アプリケーションサーバー
・データベース管理システム
・バックアップ
・ジョブ運営
・監視
・高可用性クラスタ
クラウドエンジニアの業務を遂行するには、このミドルウェアに関する知識や経験も必要です。
求人・案件の中には、このミドルウェアを利用した設計を行うケースもあるためです。
ミドルウェアの対応まで業務範囲が広がれば、さらに高単価のフリーランスエンジニアを目指せます。
インフラに関する分野だけでなく、クラウド技術に関する知識や経験も、クラウドエンジニアとして必要なスキルです。
具体的には3大パブリッククラウドであるAWS、Azure、GCPの主要機能の把握や、設定・運用する技術になります。
3大パブリッククラウド(AWS、Azure、GCP)をそれぞれ扱えるようになれば、クラウドエンジニアとしての仕事範囲が一気に広がります。
クラウドエンジニアを目指したい、もしくはクラウドエンジニアとして今後のスキルアップ狙いたいときは、3大パブリッククラウド(AWS、Azure、GCP)の認定資格を取ることをおすすめします。
それぞれの認定資格の詳細を、次で見ていきましょう。
AWS認定ソリューションアーキテクトとは、AWSに関する専門知識やスキルを証明するための認定資格です。
Amazon自らが認定する全12種類の「AWS認定」の一部で、学ぶことで実務に即したスキルを身につけられます。
AWS認定ソリューションアーキテクトには、2種類が存在します。
・アソシエイト:1年間のAWSクラウドを使用した問題解決と解決策の実施経験
・プロフェッショナル:2年間のAWSのソリューション設計、運用、トラブルシューティングに関する包括的な経験
ある程度AWSの知識が求められるため、難易度的には簡単ではありません。
先に基礎コースである「ASW認定クラウドプラクティショナー」の勉強から入るのもおすすめです。
Microsoft Azure認定試験とは、マイクロソフト自ら認定する「ITプロフェッショナルと開発者の技術的・専門的知識をはかる資格」です。
知識レベルによって、3つに分類されます。
・Fundamentals:Azureの初心者向け
・Associate:Azureの中級者向け
・Expert:Azureの上級者向け
試験の分野には開発者向け、管理者向け、DevOpsエンジニアなどがあります。
この認定資格を得ることで、Azureに関する一定の専門知識の証明になるでしょう。
Google Cloud 認定資格とは、Google Cloudを活用したアプリケーションやデータソリューションなどの開発、設計、運用を習得した証明となる資格です。
難易度によって、2つに分かれます
・アソシエイト認定資格:基礎スキルを身につけたい人向け
・プロフェッショナル認定資格:高度なスキルの習熟度を評価したい人向け
試験の分野には、開発者、データ、セキュリティ、ネットワークなどさまざまな種類が存在します。
認定資格を得ることで、Google Cloudに関する特定の分野のスキルの証明になるでしょう。
結論からいえば、クラウドエンジニアやクラウド分野の需要や将来性は伸び続けると推測できます。
根拠として、総務省の「令和版情報通信白書」によると、国内のクラウドサービスの動向で次の結果が出ています。
・企業のクラウドサービス利用状況が2014年 35.7%から2018年 58.7%と増加
・企業の83.2%が「クラウドサービスを導入した効果」を実感
このようなクラウドサービスの利用の増加や満足度から見るに、今後はさらにオンプレミスからクラウドへの移行が加速すると考えられます。
また株式会社MM総研の「国内クラウドサービス需要動向」によると、クラウド市場の拡大に関する次の調査結果が出ました。
・市場規模が2018年 1兆9,422億円から2019年 2兆3,572億円と約4,000億円の増加
・2024年には5兆3,970億円を予想
・AWS、Azure、GCPを利用している企業数もすべて増加予想
2020年の新型コロナウイルス拡大によるテレワークやWeb会議の増加の影響もあり、クラウドサービスの利用量も増加しています。
こうした市場動向に伴い、今後もクラウドエンジニアの需要も増えていくはずです。
実際に経済産業省の予想には「IT人材が2030年には最大79万人不足する(中位シナリオは45万人)」との試算が出ています。
IT業界の観点から見ても、クラウドエンジニアの活躍の場は広がっていくといえるのではないでしょうか。
なお、ミニストップやキリン、ネスレなどの大企業は既にクラウドへの移行を行っており、今後クラウド移行を行う企業は益々増加していく可能性があります。
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クラウドエンジニアとは、クラウド上で動作するシステムの設計、構築、運用などを行う技術者です。
・インフラエンジニアとの違いは物理的環境への対応の有無
・フリーランスのクラウドエンジニアの平均年収は約918万円
・インフラ、ミドルウェア、クラウド関係の知識や経験が必要
・AWS、Azure、GCPそれぞれの環境に対応する資格の取得が有利
・将来性は明るいと予想
今後、さらに需要が伸びてくるエンジニア職種と予想できるので、今後の独立や転職にてクラウドエンジニアを目指すのは非常におすすめといえます。
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