公開日:2020.12.01
更新日:2025.03.24
本記事ではITアーキテクトという仕事について解説します。
ITアーキテクトという仕事について、IT企業に勤めている人でもよく知らないことが多いです。
しかし、ITアーキテクトはビジネスが大きくなると企業に欠かせなくなる存在です。
ITアーキテクトがいることにより、ITコンサルタントからPM(プロジェクトマネージャー)への伝達が上手くいくようになります。
そうすれば、システム開発でクライアントの要望と異なるシステムを開発してしまうこともなくなります。
本記事ではITアーキテクトの仕事内容や年収、必要なスキルについてまとめました。
IT企業に勤めている方、ITアーキテクトに転職しようと思っている方は、ぜひITアーキテクトという仕事について学んでください。
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<目次>
1.ITアーキテクトの仕事内容
IT技術の動向確認と調査
アーキテクチャ設計
方針決定
問題解決
2.ITアーキテクトの種類
アプリケーション・アーキテクト
インフラストラクチャ・アーキテクト
インテグレーション・アーキテクト
3.ITアーキテクトの年収
4.ITアーキテクトの必要スキル
ソフトウェア、アプリ、ネットワーク、データベース、セキュリティ、クラウドなど幅広いITスキルや知識
論理的思考力
担当する業界知識
コミュニケーションスキル
5.ITアーキテクトにおすすめの資格
システムアーキテクト試験(SA)
ITストラテジスト試験
6.ITアーキテクトとコンサルタントの違いとは?
7.まとめ
ITアーキテクトの仕事は大きく分けて次の4つです。
IT技術の動向確認と調査
アーキテクチャ設計
方針決定
問題解決
それぞれITアーキテクトがどんな働きをしているのか解説していきます。
ITアーキテクトはまず、IT技術の動向確認と調査し、自社に導入すべきか検討を行います。
その技術が今後普及するかどうか、普及するとしても自社に合っているのか考えます。
たとえば、AI(人工知能)やビッグデータなどが今流行している技術分野ですが、それらを取り入れることで自社製品の売上に結び付けられるかなど検討します。
ITアーキテクトは常にトレンド技術を調査する必要があります。
アーキテクチャとはシステムの全体的な構造のことを言います。
アーキテクチャ図には、システムの構成要素や構成要素の関連性、などを書き表します。
ITアーキテクトはクライアント企業から要件を聞き、要件を実現するための最適なアーキテクチャ図を作成します。
アーキテクチャ図を書くことで、各工程でエンジニアがどれ程の期間で開発できるか、開発コストはどれぐらいか、などが明確になります。
アーキテクチャ設計を行うことが、ITアーキテクトのメイン業務です。
クライアント企業の中にはITリテラシーが低い方も多くいます。
そのため、提示する要件があやふやになっていたり、何が必要なのか理解していなかったりすることもあります。
そこでITアーキテクトが、クライアント企業と話し合いつつ、システム開発の方針を固めていく必要があるのです。
ITアーキテクトには、方針決定を行うための経営知識や論理的思考力も必要です。
要件定義の段階やプロジェクト進行中に問題が発生した場合、ITアーキテクトが解決に動かないといけません。
どこに原因があるのか、究明する必要がありITアーキテクトは責任者として、問題を解決する必要があるからです。
たとえば、技術的に開発が無理であることが開発段階で分かることがあります。
その場合ITアーキテクトはクライアント企業と相談しながら、要望を叶えるための代替案を提案しないといけません。
ITアーキテクトは問題が発生した場合も全体を見渡せるスキルや冷静に解決する力が求められます。
ITアーキテクトと言ってもいくつか種類があります。
一般的にITアーキテクトは次の3つに分けられます。
アプリケーション・アーキテクト
インフラストラクチャ・アーキテクト
インテグレーション・アーキテクト
これら3つはそれぞれ担当分野が異なります。
アプリケーション・アーキテクトは、アプリケーションに関わる設計を行います。
たとえば、アプリの画面部分やアプリを動かすためのサーバーなどを検討します。
ユーザーの使いやすさを考慮しつつ設計する能力が求められます。
インフラストラクチャ・アーキテクトは、システムのインフラ部分に関わる設計を行います。
たとえば、ハードウェアやセキュリティ面、プラットフォームの設計などを検討します。
企業のシステムを支えるためのインフラを整える重要なポジションです。
インテグレーション・アーキテクトは、企業間のシステムの連携と統合に関わる設計を行います。
このフェーズでは、統合要件の定義、インテグレーション・アーキテクトの設計、実現可能性の評価などの業務を行います。
たとえば、企業で使うフレームワークなどを検討します。
経済産業省が出した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、ITアーキテクトの平均年収は778万円です。
コンサルタントの928万円やPM(プロジェクトマネージャー)の891万円に継ぐ高年収となっています。
ITアーキテクトが高年収である理由は、上位職というのが挙げられます。
ITアーキテクトの力量によって、システムのクオリティーは変動します。
つまりITアーキテクトの仕事は、企業の売上に直接関わってくるのです。
このようにITアーキテクトは責任が重いため、ITアーキテクトは他の職種より年収を多く貰えます。
ITアーキテクトはシステムエンジニア(SE)、ITスペシャリストから出世してなる人が多いため、ベテランエンジニアが中心です。
そのため、おのずと平均年収が高くなります。
なお、コンサルタントやPM(プロジェクトマネージャー)も上位職に含まれます。
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ITアーキテクトが持っておくべきスキルについてまとめました。
ITアーキテクトになるには次の4つのスキルが必要です。
ソフトウェア、アプリ、ネットワーク、データベース、セキュリティ、クラウドなど幅広いITスキルや知識
論理的思考力
担当する業界知識
コミュニケーションスキル
なぜそのスキルが必要なのか、1つ1つ解説していきます。
ITアーキテクトはシステムのアーキテクチャ図をゼロベースで作成する必要があります。
そのため、ソフトウェアやアプリ、ネットワークなど、ITに関するあらゆる知識を持っていないといけません。
それぞれ開発にどれぐらいのコストがかかるかも、把握しておく必要があります。
ITアーキテクトが幅広いITスキルを持っていると、エンジニアが理解しやすいアーキテクチャ図になります。
理解しやすいということはそれだけ、コミュニケーション齟齬が起きづらいということです。
実際ITアーキテクトになる人は、システムエンジニア(SE)として幅広いスキルを身につけた人が多いです。
また、ITスキルは移り変わりが早く常に新しいものになっていきます。
ITアーキテクトとしてIT知識を日々アップデートしなくてはいけません。
ITアーキテクトはまず、ITに関する幅広い知識や経験が求められます。
ITアーキテクトには論理的思考力も必要不可欠です。
論理的思考力が不足していると、アーキテクチャ図が不完全なものになり、プロジェクト開始後にトラブルが発生する原因になります。
ITアーキテクトはクライアント企業の要件の本質を見抜き、単純モデルに置き換えて論理的に考えることが求められます。
また、IT知識のないクライアント企業にIT技術の説明をするときも、論理的思考力があった方が理解されやすくなります。
こういったことから、ITアーキテクトには論理的思考力が必須と言えます。
ITアーキテクトは企業の経営方針などを理解し、最適な提案をする必要もあります。
そのためには、クライアント企業が属する業界の知識も身につけておく必要があるでしょう。
例えば、金融業界のクライアント企業であれば、金融知識が身についていることが最適ということです。
業界知識があった方が、クライアント企業も安心してシステム開発を依頼することができます。
ITアーキテクトは担当する分野の業界知識も最低限保有しておかないといけません。
ITアーキテクトにはコミュニケーションスキルも必要不可欠です。
ITアーキテクトは開発チームに指示出しをしないといけませんし、クライアント企業との打ち合わせも頻繁にあります。
やり取りをする相手のIT知識がバラバラですので、その人に合わせたコミュニケーションを意識する必要があります。
たとえば、IT技術に全く詳しくないクライアント企業には、システム内容について噛み砕いて説明することが大切です。
ITエンジニアはコミュニケーション能力が重要とよく言われますが、ITアーキテクトの場合特に重要であると言えます。
リードエンジニアやVPoEの仕事内容や年収など、詳しく理解したい方は下記記事をご一読ください↓
ITアーキテクトになるには資格が必須という訳ではありません。
しかし、ITアーキテクトに必要なスキルを身につけるために、資格合格を目指すのは良いことです。
資格合格を目指すことで、必要なスキルを体系的に身につけることができます。
そこで、ITアーキテクトにおすすめの資格を2つ紹介します。
システムアーキテクト試験(SA)
ITストラテジスト試験
システムアーキテクト試験は、IPA(情報処理推進機構)が提供する国家資格です。
取得することで、ITアーキテクチャとしての基礎スキルが身についていることが証明できます。
論文問題もあって難易度は高めですが、まずはこちらの勉強をするのが良いです。
論文があるということはそれだけ、取得すると、論理的思考力が身についている可能性が高く、ITアーキテクトに適している資格です。
システム開発技術や経営戦略マネジメント、プロジェクトマネジメントに関することが一通り学べます。
ITストラテジストとは、IT戦略の立案と実行を担うシステム開発の上位職です。
ITストラテジスト試験は、経営戦略に基づいてIT戦略を策定し、ITを活用した事業革新、業務改革を企画・推進して、ビジネスを成功に導くCTOやITコンサルタントなどを目指す方に最適です。
つまり、ITストラテジストとしての知識は、ITアーキテクトにも役立ちます。
難易度は相当高く、情報処理技術者の中で最高峰とも言われています。
合格を目指すというよりも、資格勉強を通じて知識を身につけることを優先するのが良いです。
ITアーキテクトとコンサルタントは、システム開発の上流工程を担当すること、顧客のIT戦略に関わっていくことは共通しています。
コンサルタントは上流工程の内の企画がメインであるのに対し、ITアーキテクト要件定義〜基本決定がメインです。
コンサルタントは、クライアントの経営戦略や課題を分析し具体的な解決策を提案するのが仕事です。
問題解決の方針を固めたら、コンサルタントはITアーキテクトにそれを共有します。
ITアーキテクトは問題解決の方針を元に、最適なアーキテクチャ設計を設定します。
このように、ITアーキテクトとコンサルタントは担当分野が分かれています。
もちろん、ITアーキテクトで培った問題解決能力などのスキルは、コンサルタントとしても役立つます。
そのため、ITアーキテクトからコンサルタントに転職する人もいます。
コンサルタントの仕事内容や年収など、詳しく理解したい方は下記記事をご一読ください↓
本記事ではITアーキテクトの仕事について解説しました。
ITアーキテクトの仕事内容や種類、必要なスキルなどがお分かり頂けたかと思います。
ITアーキテクトは認知度が低いために、目指そうと思ったことがないエンジニアの方が多いかもしれません。
しかし、ITアーキテクトはクライアント企業とエンジニアの架け橋を担う重要なポジションです。
また、コンサルタントやPM(プロジェクトマネージャー)と同じく、高年収を得られる職種でもあります。
本記事を読んでITアーキテクトに興味を持った方は、ぜひITアーキテクトを目指してみてください。
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