公開日:2020.12.06
更新日:2025.03.24
フリーランス(個人事業主)として働く上で、印鑑について疑問を感じたことはありませんか。
「フリーランス(個人事業主)として開業したいけど、事業用の印鑑は必要?」
「100円ショップや文房具店で売っている印鑑を、事業用に使っても大丈夫?」
「フリーランス(個人事業主)でも、電子印鑑を使っていいの?」
この記事では、これからフリーランス(個人事業主)として開業を予定している方や、印鑑の必要性を感じている方に向けて、フリーランス(個人事業主)に必要な、印鑑の種類や用途について詳しく解説します。
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<目次>
1.印鑑の種類
角印
銀行印
認印
丸印
丸印と角印
2.フリーランス(個人事業主)が印鑑を必要とするのはどんなとき?
重要な(大きい)契約のとき
日常契約のとき
金融機関との取引のとき
3.フリーランス(個人事業主)が印鑑を作成する際のポイント
フリーランス(個人事業主)は印鑑登録する必要がない
フリーランス(個人事業主)として印鑑は事業経費に計上可能
4.フリーランス(個人事業主)には電子印鑑もおすすめ
電子印鑑のメリット:業務の効率化
電子印鑑のデメリット:クライアントの同意が必要
5.まとめ
フリーランス(個人事業主)や法人が事業に使用する印鑑には、いくつかの種類があります。
まずはそれぞれの印鑑について、用途別に解説します。
角印は、フリーランス(個人事業主)や法人が、日常的な業務に使用する印鑑です。
納品書、領収書、請求書などに使われるため、最も使用頻度の高い印鑑といえます。
印面には、基本的に社名のみを記載します。
フリーランス(個人事業主)として角印を持つ場合は、屋号を記載することになります。
サイズは、後述する丸印より一回り大きめです。
フリーランス(個人事業主)の屋号にカタカナや英語を使用している場合、文字数が多くなりますから、24mm程度の大きな角印を選ぶことをおすすめします。
銀行印は、銀行や信用金庫など、金融機関で口座を開設する際に登録する印鑑です。
窓口で資金を引き出したり、口座引き落としでの支払いを申し込んだりする際に使用します。
資産管理に使用する、実印に次ぐ重要な印鑑ですから、管理にはくれぐれも注意しましょう。
フリーランス(個人事業主)や法人が銀行印を作成する場合、外側を周回する形で社名や屋号を刻印し、内側には縦書きで「銀行之印」の文字を刻印します。
屋号を特に持たないフリーランス(個人事業主)は、自分の苗字、もしくは名前のいずれかを刻印します。
印面への記載は縦書きか、右から左に刻印する「横右」が一般的です。
なお、最近ではネット銀行を筆頭に、銀行印の届出を不要とする銀行が増えてきています。
認印とは、実印や銀行印以外の印鑑のことです。
つまり、届け出をだしていない印鑑は、全て認印といえます。
認印は、仕事や生活で日常的に使用する印鑑ですから、個人名、特に苗字を使用するのが一般的です。
別名「三文判」とも言われ、100円ショップや文房具店で見かける安価な印鑑がこれに当たります。
ちなみに、三文判でも銀行印として登録可能ですが、出来合いの印鑑は印影流出などのリスクがあるため、あまりおすすめできません。
認印と似たような用途で使われるシャチハタは、印鑑とは言わないことを覚えておきましょう。
シャチハタとは、インクを補充して使うスタンプ式のハンコで、「浸透印」、「ネーム印」とも呼ばれます。
シャチハタを使用できるのは、以下のような場面です。
用途 | 認印 | シャチハタ |
市町村役場における手続き | 〇 | × |
各種保険手続き | 〇 | × |
郵便物の転送 | 〇 | × |
宅配便の受け取り | 〇 | 〇 |
回覧書類の閲覧済印 | 〇 | 〇 |
なお、上記は一般的なシャチハタの用途例で、厳密に定められている訳ではありません。
丸印は、企業が代表社印として使用する印鑑です。
企業を設立する際に法務局に届け出る印鑑で、法的な拘束力をもつ「企業の実印」といえます。
企業の存在証明が求められるような重要な契約や、株式発行、代表取締役の交代などのシーンで使用される、最も重要な印鑑です。
ちなみにフリーランス(個人事業主)の場合は、後述する屋号印や個人の実印が、丸印と同じ役割を果たします。
丸印は角印よりも小さく、18~21mm程度が一般的なサイズです。
規定のサイズは大きさ10.0mm以上、30.0mm以内の正方形におさまるものです。
印面は、外周に社名か屋号を刻印し、中心に「代表取締役印」などの役職名を刻印します。
丸印と角印は、どちらも事業によく使用される印鑑ですが、使用する場面や重要度が異なります。
丸印は事業における実印、角印は認印の役割を持っています。
角印 | 丸印 | |
大きさ | 21~24mm程度 | 18~21mm程度 |
印面の記載 | 社名のみ |
社名+代表者名 |
役割 | 認印 | 実印 |
用途 | 納品書、請求書などの一般的な 社外文書 | 契約書・官庁への提出書類などの 重要文書 |
ちなみにフリーランス(個人事業主)として働く場合、丸印も角印も必須ではありません。
個人の実印と認印を、用途によって使い分けましょう。
フリーランス(個人事業主)として働く場合、どのような場面で印鑑が必要となるのでしょうか。
シチュエーション別に解説します。
フリーランス(個人事業主)として、事業上重要な契約を結ぶ場合には、印鑑が必要です。
押印するのは個人用の実印か、屋号印となります。
フリーランス(個人事業主)の事業上、重要な契約と考えられるのは以下のような場合です。
・業務用に不動産を借りる場合
・ローンやリース契約を組む場合
・社用車を購入する場合
公正証書の作成や、法人の発起人になる場合にも実印が必要となります。
基本的には、高額な取引を行う場合に使用する印鑑と覚えておきましょう。
フリーランス(個人事業主)にとって実印は、個人の財産や権利を守る上で非常に重要な印鑑です。普段は簡単に使用せず、保管する際も厳重な管理を心がけましょう。
また、実際に使用する場合は、必ず押印する書類の全文を熟読するようにしてください。
フリーランス(個人事業主)が、日常的に結ぶ仕事上の契約において押印を求められた場合、個人の認印を使用します。
具体的には、以下のような場面で認印が必要となります。
・フリーランス(個人事業主)としての開業届提出時
・青色確定申告を行う場合
・クライアントと定期的な取引を締結する場合
・見積書、納品書、領収書、請求書など、各種書類を発行する場合
・その他、事業場の各種取引において
なお、認印の押印も、実印と同様契約に同意したことを意味します。
フリーランス(個人事業主)の場合、会社員よりも押印一つに対する責任が重く、安易な印鑑の使用は無用なトラブルに繋がる可能性があります。
フリーランス(個人事業主)として印鑑の使用は慎重に行う他、郵便物などの受け取りにはシャチハタを使用するようにしましょう。
フリーランス(個人事業主)として契約周りについて詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
フリーランス(個人事業主)が金融機関と取引をする場合、印鑑として銀行印を使用します。
銀行印が必要となるのは次のような場面です。
・フリーランス(個人事業主)として事業用の銀行口座を開設する場合
・銀行から融資を受ける場合
・口座振替や口座引き落としで支払いを行う場合
ちなみに銀行印と実印は兼用しても問題ありません。
しかし、フリーランス(個人事業主)が事業に使う場合、紛失や盗難、印影の流出などのリスクを考えると、それぞれ分けて用意した方が無難です。
同様の理由で、銀行印と認印を兼用するのもおすすめできません。
これからフリーランス(個人事業主)として活動する上で、印鑑の作成を検討している方に向けて、印鑑作成時のポイントについていくつかご紹介します。
フリーランス(個人事業主)は法人ではないため、事業をするにあたって印鑑登録をする必要はありません。
事業上の手続きにおいて実印を求められた場合は、個人の実印と印鑑証明書を提出します。
つまり、フリーランス(個人事業主)は、業務専用の実印を作成する必要がなく、通常の業務で必要となる認印は、個人の印鑑で代用可能です。
ただし、事業用とプライベート用の印鑑を分けたい場合、もしくはフリーランス(個人事業主)としての業務拡大を目指している場合は、ビジネス上の体面を整える目的で「屋号印」を作成すると便利です。
屋号印とは、法人の丸印に当たる印鑑で、フリーランス(個人事業主)が業務用の実印として使用する印鑑です。
印面の構成は丸印とほぼ同じで、屋号が外枠に、「代表之印」などの文字が内側に刻印されています。
屋号印を使用することで、しっかりとした事業形態で運営している組織として見なされるため、クライアント(取引先)に対して安心感を与えらえれるメリットがあります。
ちなみに屋号印を作成する場合は、屋号が刻印された角印も、認印として一緒に作ると良いでしょう。
フリーランス(個人事業主)が事業用に使用する印鑑であれば、事業経費として全額経費計上可能です。
勘定科目は「消耗品費」とし、購入時に経費計上します。
文房具やノート類を「事務用品費」として勘定科目に入れている場合は、印鑑も事務用品費に含めて構いません。
印鑑の種類を問わず、事業に使うのであれば、どの種類の印鑑も経費計上の対象です。
プライベート用の印鑑については、当然ですが経費の扱いとなりません。
また、事業用と個人用を併用するのであれば、使用頻度によって家事按分が必要です。
フリーランス(個人事業主)には電子印鑑もおすすめです。
電子印鑑とは、電子文書に直接押印するために印影を画像化、もしくはデータ化した印鑑です。
テレワークやリモートワークの一般化により、ビジネスツールとして定着しつつあります。
フリーランス(個人事業主)が電子印鑑を使用するメリットとデメリットについて、それぞれご紹介します。
フリーランス(個人事業主)の業務において、印刷や押印を面倒に感じたことはありませんか。
・押印のためだけに書類を印刷し、PDFにして送信するのは面倒
・すべての業務がWeb上で完結しているのに、請求書だけは印刷と押印が必要
・守秘義務契約を印刷、袋とじ、押印の上、郵送してほしいと指示された
上記のような煩わしさは、フリーランス(個人事業主)であれば、誰しも一度は経験したことがあると思います。
電子印鑑を使用すれば、パソコン上で作った書類にそのまま押印し、メールなどで直接送信できるため、事務処理にかかる時間や印刷の手間を削減することができます。
電子署名とよばれる技術によって、改ざんの有無や内容変更の履歴が記録されるため、セキュリティ面の不安もありません。
また、電子証明書を発行することで、実印と同等の法的効力を持つ電子印鑑を作成することも可能です。
フリーランス(個人事業主)が電子印鑑を使用するデメリットとして、クライアントの同意が必要な点が挙げられます。
働き方改革の影響で電子印鑑の普及率が上がったものの、一部の中小企業などでは使用が認められないケースがあります。
また、認印として電子印鑑を使うのはOKでも、重要書類は直接押印していないと信用できない、と考える企業も存在します。
セキュリティ面の考慮された電子印鑑は、基本的に有料のサービスがほとんどです。
せっかく電子印鑑を作成しても、主要な取引先で使えなければ意味がありません。
フリーランス(個人事業主)として電子印鑑の導入検討する場合は、取引先に対して事前に電子印鑑の可否を確認しておきましょう。
フリーランス(個人事業主)としてのメールアドレスの必要性について詳しく知りたい方は下記記事をご一読ください↓
印鑑について疑問を感じているフリーランス(個人事業主)の方向けに、印鑑の種類や用途について解説しました。
フリーランス(個人事業主)として働くために、専用の印鑑は必須ではありません。
しかし、今後事業の拡大や法人化を予定しているフリーランス(個人事業主)の方は、事業用の印鑑を作成しておくと何かと便利です。
仕事を続ける上で、立派な印鑑はモチベーションにも繋がりますから、事業が本格化した段階で、自分だけの印鑑を作成してみては如何でしょうか。
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