公開日:2021.03.26
更新日:2025.03.24
近年、情報化社会の加速に伴い、転職に「AIエンジニア」を検討される方も多いのではないでしょうか。
AI(人工知能)とは「Artificial Intelligence」の略で、人間の知能を備えたコンピューターシステムを指します。
現代社会において、AIはスマートフォンの音声認識や自動車の自動運転、膨大なビッグデータを用いたマーケティング、医療への活用など様々な分野に活用されています。
それらの技術を支えるのがAIエンジニアです。
本記事では、AIエンジニアについて以下焦点を当てながら解説します。
・AIエンジニアとは何かについて
・AIエンジニアの仕事内容について
・AIエンジニアの年収について
・転職市場からみるAIエンジニア需要・将来性について
・未経験からAIエンジニアへの転職を実現させるための方法について
AIエンジニアへの転職を現在または将来的に検討している方は是非ご一読ください。
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<目次>
1.AIエンジニアとは
AIエンジニアの仕事内容
①:アルゴリズム・モデル開発
②:PoC、実証実験
③:開発業務
AIエンジニアとデータサイエンティストの違い
2.AIエンジニアの年収
3.転職市場からみるAIエンジニア需要
AIエンジニアの現状
AIエンジニアの将来性
4.未経験からAIエンジニアへの転職を実現させるには
開発経験を身に付ける
統計、数学、データ分析の知識/スキルを身に付ける
転職理由と志望動機を一貫させる
AIエンジニア特化型スクールを受講する
転職エージェントを活用する
5.まとめ
AIエンジニアとは簡潔にいうと、「AIを活用した開発を担う仕事」です。
主にディープラーニングの技術を駆使して、コンピューターに人間の思考と近い処理をさせることで様々な問題を解決へと導きます。
またAIエンジニアはAIを機能させるのに重要な機械学習アルゴリズムを開発できるとして機械学習エンジニアと呼ばれたりもします。
近年では、AIはIT業界だけに限らず、産業や福祉、医療、ゲームなど様々な業界で活用されています。
AIの導入によって業務の効率化やリスクの回避、人命救助、災害予測など様々な分野で大きな発展と貢献をもたらしているのです。
AIエンジニアはそんなIT業界の革命を手助けする素晴らしい仕事といっても過言ではないでしょう。
では、AIエンジニアが具体的にどんな仕事をしているのかについて以下では3つほど解説します。
アルゴリズムとは問題を解くための方法・手順のことで、モデルとは未知のデータが入力された時に結果を予測するロジックを指します。
このモデルを作成するには、予測したい事象に関する大量のデータが必要です。それらのデータをアルゴリズムにかけることによってモデルが構築される仕組みになります。
つまり、AIエンジニアのアルゴリズム・モデル開発とは、人間の手では時間がかかりすぎたり、面倒な計算をAIに効率よく実行してもらうためのシステムやプログラムを開発することです。
少しわかりにくいので、具体的な例でアルゴリズムについて解説します。
皆さんはりんごをいちょう切りする場合、どのような方法・手順を用いますか?
1:まずは全ての皮を剥いてから、いちょう切りを始める
2:リンゴを半分に切った後、そこから、皮を剥き始め、いちょう切りを始める
3:リンゴをいちょう切りにしてから皮を剥く
どれも最終的にはいちょう切りされたリンゴになりますが、そこに辿り着くまでの手順や過程によって、かかる時間が変わってきます。
この手順や過程をアルゴリズムと呼びます。
このように何らかの目的を達成するために、どうすれば効率良く処理できるのかを考え、もっとも最適な処理をAIに実行してもらえるようにプログラミングする仕事がAIエンジニアのアルゴリズム・モデル開発になります。
PoC、実証実験もAIエンジニアの仕事の一つです。
PoC(ポック)とは「Proof of Concept」の略で新しい技術や理論、手法、アイディアなどに対し、それらが実現可能か、目的の効果や効能が得られるかなどを証明すべく行う実証実験を指します。
つまり、AIエンジニアがアルゴリズム・モデル開発の時点で作成したシステムモデルがWeb上などで正しく動作するかを確認する仕事になります。
ポイントは想定通りの精度であるか、想定外の動きがないかなどを検証し、開発段階に進んでも問題ないかを検討することです。
せっかく開発したシステムでも、データの量や質が現実的に担保できない場合や、アルゴリズムとの相性によって精度が上がらず、実装化が困難な状況に陥る場合があります。
それらを避けるためにもPoCは実装化する前に必ず必要なのです。
【PoC、実証実験の事例】
・不良品判定
・売り上げ予測
・コールセンターの音声解析
・自動運転バスの実用化
・AI・IoTによる無人店舗
・5Gを活用したトラック隊列走行
開発業務はAIエンジニアの一番メインの仕事になります。
アルゴリズム・モデル開発によって作られたシステムをPoCし、実証実験でアルゴリズムの有効性が認められたシステムを、実装目指してAI開発を進める仕事です。
また、開発したシステムがWeb上で理想的なパフォーマンスができるかどうかを再検討することも考えたりします。
ここでは、AIエンジニアとデータサイエンティストの違いについて解説します。
まず大前提としてAIエンジニアとデータサイエンティストは大別すると「AIエンジニア」という1つの職種に括られます。
しかし、そこには明確な違いがあります。
AIエンジニア | データサイエンティスト |
・AI自体の開発を主に担当 ・機械学習を繰り返すことで優秀なAIを作り出す仕事 |
・AI技術を活用しデータ分析を主に担当し、ビジネス戦略を図る仕事 |
簡単にいうと、AIエンジニアはPythonなどのプログラミング言語を用いた開発業務が中心で、データサイエンティストはデータ分析を主に担当する業務になります。
どちらも深層学習(ディープラーニング)や機械学習を用いながらデータを扱う仕事には変わりないですが、AIエンジニアはAI自体を開発するエンジニア、データサイエンティストはAIを活用して何か新しいシステムを開発するエンジニアと解釈して相違ないです。
ここではAIエンジニアの年収事情について解説します。
早速、正社員AIエンジニアの平均年収を見ていきましょう。
「求人ボックス」を参考に調査したところ、AIエンジニアの平均年収は599万円でした。
この数字は日本の平均年収と比較すると高い傾向にあると言えるでしょう。
ちなみに月給ベースで換算すると49万円、初任給は21万円程度が相場です。
正社員全体の給与幅としては376〜1,062万円と比較的広いため、所属している企業(会社)によって年収に大きな差があると考えられます。
また年代別で見たAIエンジニアの平均年収は以下の表の通りです。
【年代別の年収】 | |||
年代 | 平均年収 | 年代 | 平均年収 |
20~24歳 | 339万円 | 40~44歳 | 621万円 |
25~29歳 | 445万円 | 45~49歳 | 651万円 |
30~34歳 | 533万円 | 50~54歳 | 666万円 |
35~39歳 | 573万円 | 55~60歳 | 652万円 |
この表をみると、年齢が上がるにしたがって年収が上がっていることがわかります。
基本的に年齢を重ねるごとにスキルやノウハウは向上していくため、AIエンジニアの年収は年齢に比例して増えると考えて良さそうです。
しかし、中には若いうちから保有しているスキルやノウハウが優れている方も多く、平均年収よりも高い方々もいます。そのため、AIエンジニアは若いうちからでも活躍できる仕事とも言えそうです。
なお、フリーランスのAIエンジニアの平均年収は以下です。
平均年収 | 中央値年収 | 最高年収 | 最低年収 | |
AIエンジニア | 916万円 | 900万円 | 2,400万円 | 240万円 |
AIエンジニアとして高年収を希望している方はフリーランスを検討することをおすすめします。
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結論から申し上げると、今後AIエンジニア需要はこれまで以上に高くなることが予想されます。
IT人材白書2020」その理由を明確にするために、まずはAIエンジニアの現状について解説します。
実は現代社会において、AIエンジニアの人材不足が問題視されているという事実があります。
下記の表はIT関係の資格試験などを統括しているIPA(情報処理推進機構)が発表している「DX白書2021」では、デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況を見るとITエンジニア全体が半数以上不足していることがわかります。
先端技術エンジニアとは、機械学習、ブロックチェーンンなどの先進的なデジタル技術を担う人材を指します。
また、下図「DX領域で採用・育成すべき人材像」では、AI(人工知能)エンジニアが7.3%に入っていることから企業に求められているエンジニアであることがわかります。
AIエンジニアの将来は需要拡大する可能性が非常に高いでしょう。
AIエンジニアの人材不足が問題視されている中、AI技術は日々進歩しています。
将来的には今後の時代を担う一大成長産業ともいわれています。
【身近でAIが活用されている事例】
・コールセンター業務の自動化
・メルカリのAI出品
・不良品検品や通行人カウントなどの選別
・Netflixのキャスト選定
・株価予測
・無人レジ店舗
・介護ロボット
・AIピザ製造機
・手話を通訳するAI
・採用活動をAIで分析
・Siri
上記の表の項目を見てもわかる通り、AIは私たちの日常生活のあらゆる場面ですでに活用されて始めています。
今後、AI技術が進歩し、日常生活の様々な分野に普及し始めることで、AI開発に乗り出す企業(会社)は大幅に増加するでしょう。
そのため、AIを開発するAIエンジニアやAIを活用するデータサイエンティストの需要が増加し、AIエンジニアを採用したがる企業が増えることは確実と言えるでしょう。
以上のことから、今後転職市場においてもAIエンジニア需要は高まると言えます。
AIエンジニアは業務範囲や学習する知識が非常に広いです。
AIだけに特化していれば良いわけでもなく、AIを導入する業界のスキルやノウハウも必要になります。
情報の移り変わりも激しいので、論文などを通して日々AI関連の最新情報をアップデートし続けることが必要です。
そのため、未経験からAIエンジニアを目指すことは非常にハードルが高いです。
しかし、不可能ではありません。
AIエンジニアは将来性ある期待の仕事で需要が高まっているだけでなく、IT業界において深刻な人材不足に陥っています。
今から必要なスキルやノウハウを少しずつ習得すれば、近い将来AIエンジニアになれるチャンスは必ずあります。
AIエンジニアは新しい職種のため、キャリア形成が不明確です。そのため皆さん自身がそのモデルになるチャンスでもあります。
チャンスを逃さないため、未経験からAIエンジニアへの転職の実現において必要なことについて5つほど紹介します。
AIエンジニアには、開発を行うためのプログラミングのスキルやノウハウが求められます。
つまり、AIに関するプログラミング言語の習得や何らかの開発経験を身に付ける事はAIエンジニアに近づく一歩と言えます。
【AI開発関連で使用するプログラミング言語】
・Python
・C++
・Ruby
・JavaScript
・SQL
その他、DjangoやFlaskなどのPythonフレームワークや、TensorflowやPytorchなど機械学習ディープラーニングに特化したフレームワークもスキルとして持っておくことをおすすめします。
AIエンジニアの仕事では統計や数学、データ分析のスキルやノウハウは必須です。
扱う仕事柄、求められる技術力は理数系科目の素養が前提となっているため、苦手意識にある方は早い段階から克服しておくことをおすすめします。
統計
AI開発に取り入れられている深層学習(ディープラーニング)の手法は、AIに与えるインプットが重要です。
どんなインプットを与えればより良いAIが作成できるのかを判断をするには、統計についての知識が必要になります。
特に以下の項目は重要項目なので、理解しておきましょう。
・分散
・検定
・確率分布
・推定
・標準偏差
数学
AIエンジニアには数学の知識が欠かせません。
特に以下の数学的知識や理解が無いと、業務を行うことは厳しいかと思います。
・微分積分学
・線形代数学
・確率論、統計学
・線形代数
・ベクトル
・行列
・確率
データ分析
AIにどのようなデータを学習させるのが最適なのかを考えるためには、データ分析の手法を理解しておく必要があります。
基本的なデータ分析の手法には以下のような方法があります。
・クロス集計→情報を限定して情報の結びつきを調べる
・ロジスティック回帰分析→結果から原因を推測する
・決定木分析→樹木状のモデルを使う
転職理由と志望動機を一貫させることも非常に重要です。
なぜ重要かというと、採用面接の際に「説得力」が上がるからです。
採用担当者は人材を見抜くプロです。
応募書類の転職理由と志望動機を見れば、その人がどんな人物かおおよそ見当がつくそうです。
例えば、年収や福利厚生などの条件面を理由に採用面接に来た方は志望動機が薄いため、「他の企業でもいいんじゃないの?」というマイナスの印象を受けるのだとか。
本気でAIエンジニアへの転職を考えるのであれば、テンプレートな回答は捨て、自分の熱意をアピールし、本当に入社したいという意思を明確に伝えるようにしましょう。
未経験からAIエンジニアに関するスキルやノウハウを向上させるためには、AIが学べるプログラミングスクールに通うことがもっとも効率が良い方法です。
AIエンジニアは新しい職種のため、インターネット上に情報が少ないです。中には不正確な情報も少なからずあります。
せっかく勉強しても実践に活かせないとなれば本末転倒です。
そうならないためにも、AIエンジニアの正確なスキルやノウハウを持ったプロに教えてもらうことがおすすめです。
以下にAIが学べるおすすめのプログラミングスクールについていくつか紹介しています。
是非参考にしてみてください。
【AIが学べるおすすめのプログラミングスクール】 | ||
企業名 | 特徴 | 受講形態 |
TechAcademy | 業界最安値を売りにしている |
・オンライン学習 |
CodeCamp | 最適な学習カリキュラムで顧客満足度96.6% |
・オンライン学習 |
Aidemy | Python特化型のAI学習が強み |
・教材での学習 |
未経験からAIエンジニアを目指すとなると、案件の探し方や仕事の取り方、必要なスキルやノウハウなど不明点は多いかと思います。
そんな時は転職エージェントの活用がおすすめです。
転職のプロに相談することで自分の転職条件に沿った求人を探せるため最適な企業を見つけることができます。
転職サイトによって強みにしている分野や特長は違います。
同時に複数の転職エージェントを利用し、状況によって使い分けてみましょう。
【AIエンジニアの転職に強い転職エージェント】 | |
企業名 | 特徴 |
レバテックキャリア | IT・Webエンジニアの転職に強み |
リクルートエージェント | 知名度や求人数No.1の大手総合転職エージェント |
doda | 10万件という膨大な案件とサポート&提案力に定評がある |
今回はAIエンジニアへの転職を現在または将来的に検討している方に向けて、AIエンジニアとは何かやその仕事内容、年収、転職事情、転職を成功させるためのコツについて詳しく解説してきました。
・AIエンジニアとは様々な業界・分野において、AIを活用した開発を担う仕事
・AIエンジニアの仕事内容にはアルゴリズム・モデル開発、PoC、開発業務など
・AIエンジニアの平均年収は599万円
しかし、所属している企業(会社)や保有しているスキルやノウハウによって376〜1,062万円と大きな差がある
・転職市場からみるAIエンジニアの需要は今後ますます高まり、将来性は高い
・未経験からAIエンジニアへの転職はハードルが高い
・未経験の場合、開発経験や統計・数学・データ分析の知識/スキルを身に付けるなど、相当の努力やスキルが必要
AIエンジニアは給与水準が高く、様々な観点から将来性が高い職種です。
求められるスキルや知識レベルは高いですが、それだけやりがいがある仕事だとも言えます。
AI理論や数学を仕事にしたい気持ちが強い方は、チャレンジしてみても良さそうです。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
通勤しているエンジニア・デザイナーでちょっとしたスキマ時間で手軽にフリーランス求人・案件を検索したい、開発言語の単価が知りたい、フリーランスを将来的に検討している方などは是非インストールしてみてください。
フリーランススタートのアプリを有効活用して、フリーランスとして第一線で活躍しましょう!
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本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。
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