公開日:2022.04.21
更新日:2025.03.24
将来的にIT系の仕事をしたい、現在の職場でより高いIT知識・技術を活用したいといった場合には、「情報処理技術者能力認定試験」の資格取得がおすすめです。
情報処理技術者能力認定試験は、システム開発やプログラム設計能力、および作成能力など多くのスキルを習得できる資格であるため、取得を目指す過程で幅広い知識を得られます。
実績的な能力を取得しつつ、就職や転職に役立つ資格を得られるため、理想の将来設計に大きく貢献してくれるでしょう。
本記事では情報処理技術者能力認定試験の概要と、申し込み手順や合格率、出題範囲などについて解説します。
合格に近づけるおすすめの参考書も紹介するので、情報処理技術者能力認定試験を受験するときにはぜひ確認してください。
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<目次>
1.情報処理技術者能力認定試験とは
情報処理技術者能力認定試験と基本情報技術者試験の違い
2.情報処理技術者能力認定試験試験
情報処理技術者能力認定試験の詳細
情報処理技術者能力認定試験の出題範囲
情報処理技術者能力認定試験 3級
情報処理技術者能力認定試験 2級
情報処理技術者能力認定試験 1級
情報処理技術者能力認定試験の受験者数・合格率・難易度
情報処理技術者能力認定試験の申し込み手順
情報処理技術者能力認定試験の有効期限
情報処理技術者能力認定試験の勉強時間
3.情報処理技術者能力認定試験の資格取得のメリット
システム開発の知識が身に付く
ITやWeb系企業の転職・就職に活用できる
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.情報処理技術者能力認定試験の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
5.情報処理技術者能力認定試験合格のためのおすすめの参考書や対策法
おすすめ参考書①:情報処理技術者能力認定試験 問題集
おすすめ参考書②:令和04年 基本情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験)
サンプル問を解こう
6.まとめ
「情報処理技術者能力認定試験」とは、サーティファイ情報処理能力認定委員会が主催するIT系の民権資格です。
コンピュータシステムに関する基礎知識・技術のほか、情報システム開発に必要となる詳細設計、プログラム実装、ソフトウェア導入支援などの技能に関しても対象として試験が行われます。
情報処理技術者能力認定試験は1983年から行われている認定試験であり、「特定非営利活動法人 実務能力認定機構(ACPA)」に認定されています。
プログラマーやSEを目指す学生や、今現在も情報システムの構築や運用に携わっている社会人などが、情報処理技術者能力認定試験を受験してその能力の証明に役立てているのです。
試験には1〜3級が設定されていて、具体的にはそれぞれ以下のような認定基準が設けられています。
大項目情報処理技術者能力認定試験 |
取得に必要な能力 |
---|---|
3級 |
大学、短期大学、専門学校、高校、企業、専門学習などで習得したコンピュータの基礎知識を扱う能力が必要。 |
2級 |
コンピュータの知識とシステム開発の基礎知識を持ち、「プログラム設計」と「プログラムの作成」における初級程度の情報処理技術が必要。 |
1級 |
コンピュータの知識およびシステム開発の基礎知識を持ち、「プログラム設計」と「プログラムの作成」ができる中級程度の情報処理技術が必要。 |
1級と2級には、試験内容に第1部と第2部が設定されています。
初歩的な3級から高度なスキルを必要とする1級まで幅広く試験が用意されているため、自分のレベルに合わせて受験が可能です。
今後も情報処理技術者能力認定試験は、IT系の職種を目指す人や、社会のなかでさらなる活躍を目指す人のステップアップの一環として活用されるでしょう。
情報処理技術者能力認定試験と類似している資格として、「基本情報技術者試験」が挙げられます。
基本情報技術者試験とは、経済産業省が実施するIT系資格です。
情報処理技術者能力認定試験とは違って基本情報技術者試験は国家資格になるため、本格的にIT関係の仕事をしている人が取得を目指します。
難易度も基本情報技術者試験の方が高く、取得の際にはしっかりとした対策が必要になるでしょう。
一方で、情報処理技術者能力認定試験と同様にIT系の能力育成を目的とした資格であるため、受験内容などに共通するものが多くなっています。
情報処理技術者能力認定試験を受験する際には、同時に基本情報技術者試験にも挑戦してみることがおすすめです。
なお、情報処理技術者能力認定試験の2級または2級第1部の試験とIPA認定免除対象講座の修了、サーティファイの「修了試験」を受験することで、基本情報技術者試験の午前試験の受験が免除されます。
情報処理技術者能力認定試験の資格を取得するには、認定試験に合格する必要があります。
以下を参考に情報処理技術者能力認定試験の出題範囲や合格率、申し込み手順などを紹介します。
3級 | 2級 |
1級 |
|
試験名 |
情報処理技術者能力認定試験 |
||
試験会場 |
個人:リモートでのWeb試験 |
||
試験日 |
・2022年6月19日(日) ・2022年9月11日(日) ・2023年1月29日(日) |
||
試験時間 |
75分 |
第1部 90分 |
|
出題形式 |
・筆記試験(団体試験のみ)
多肢選択式問題をマークシートに解答 ・リモートWebテスト(公開試験のみ) |
||
出題数 |
小設問50問 | ・小設問50問 ・第2部:9問から各テーマごとに選択 |
・小設問50問 |
合格基準 |
得点率が60%以上 |
第1部・第2部ともに得点率が60%以上 |
|
受験料(税込) |
5,200円(税込) |
第1部+第2部:6,000円(税込) 第1部のみ:3,000円(税込) 第2部のみ:3,000円(税込) |
6,700円(税込) |
受験資格 |
制限なし |
||
試験結果 |
・オンライン申込で「オンライン表示」を選択された方: ・上記選択以外の方: ※合格者には認定証も同時に送付 |
情報処理技術者能力認定試験は、1〜3級まで同日に試験が行われます。
1級・2級が13:00~15:00の間に開始され、3級が10:00~12:00の間にはじまります。
現在情報処理技術者能力認定試験は、在宅および在社での「リモートWebテスト」が実施されています。
カメラ・マイク付きのパソコン、Windows8.1~、Mac OSいずれかのOS、Chrome、Firefox、Edgeなどのブラウザ、サブカメラとしてのスマートフォンなどが必要です。
リモートWebテストに関する流れや注意点はこちらに記載されているので、1度内容を確認しておいてください。
情報処理技術者能力認定試験の2級に関しては、別日で「2級1部」と「2級2部」をそれぞれ受験可能です。
違うタイミングで1部と2部の試験に合格した場合、2級認定を受けるために公式サイトで「2級認定申請書」をダウンロードし、「情報処理技術者能力認定試験 2級認定申請書(受験者記入用)」をサーティファイ認定試験事務局宛にPDF、FAX、郵送のいずれかで送付します。
情報処理技術者能力認定試験では、1〜3級ごとに出題範囲が明確に提示されています。
自分が勉強すべき範囲を確認して、受験対策を進めておきましょう。
1.基礎理論 |
1.基礎理論 |
2.コンピュータシステム |
3.コンピュータ構成要素 |
3.技術要素 |
7.ヒューマンインタフェース |
4.開発技術 |
12.システム開発技術 |
8.経営戦略 |
21.ビジネスインダストリ |
9.企業と法務 |
23.法務 |
情報処理技術者能力認定試験 3級の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
1.基礎理論 |
1.基礎理論 |
2.コンピュータシステム |
3.コンピュータ構成要素 |
3.技術要素 |
7.ヒューマンインタフェース |
4.開発技術 |
12.システム開発技術 |
5.プロジェクトマネジメント |
14.プロジェクトマネジメント |
6.サービスマネジメント |
15.サービスマネジメント |
7.システム戦略 |
17.システム戦略 |
8.経営戦略 |
19.経営戦略マネジメント |
9.企業と法務 |
22.企業活動 |
情報処理技術者能力認定試験 2級の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
1.基礎理論 |
1.基礎理論 |
2.コンピュータシステム |
3.コンピュータ構成要素 |
3.技術要素 |
7.ヒューマンインタフェース |
4.開発技術 |
12.システム開発技術 |
5.プロジェクトマネジメント |
14.プロジェクトマネジメント |
6.サービスマネジメント |
15.サービスマネジメント |
7.システム戦略 |
17.システム戦略 |
8.経営戦略 |
19.経営戦略マネジメント |
9.企業と法務 |
22.企業活動 |
情報処理技術者能力認定試験 1級の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
・1級第2部と2級第2部の出題範囲について
1.コンピュータシステムに関すること |
1.ソフトウェア・ハードウェア |
2.情報セキュリティに関すること |
情報セキュリティポリシ、データベースセキュリティ、ネットワークセキュリティ、アプリケーションセキュリティ、物理的セキュリティ、アクセス管理、暗号・認証、ウイルス対策など |
3.データ構造及びアルゴリズムに関すること |
配列、リスト構造、木構造、グラフ、整列、探索、数値計算、文字列処理、図形処理、ファイル処理、計算量、誤差など |
4.ソフトウェア設計に関すること |
ソフトウェア要求分析、ソフトウェア方式設計、ソフトウェア詳細設計、構造化設計、モジュール設計、オブジェクト指向設計、Webアプリケーション設計、テスト計画、ヒューマンインタフェースなど ※2級第2部では出題範囲外 |
5.ソフトウェア開発に関すること |
プログラミング(C、Java、Python、アセンブラ言語、表計算ソフト)、テスト、デバッグなど |
6.マネジメントに関すること |
1.プロジェクトマネジメント |
7.ストラテジに関すること |
1.システム戦略 |
情報処理技術者能力認定試験 1級第2部、2級第2部の出題範囲の詳細はこちらから確認できます。
情報処理技術者能力認定試験の受験者数および試験の合格率は、公式ホームページで以下のように発表されています。
累計受験者数:496,555名(2021年3月31日時点)
合格率:61.1%(2020年度平均合格率)
平均合格率が60%台となっているため、それほど高難易度の試験ではありません。
きちんと出題範囲を理解して対策に打ち込めば、合格することは可能です。
基本情報技術者試験の平均合格率は32.6%(2021年から過去5年間の平均)であることから、比較的情報処理技術者能力認定試験の方が合格しやすいことが分かります。
先に情報処理技術者能力認定試験に挑戦してスキルを身につけ、その後より難易度の高い情報技術者試験に臨む流れがおすすめです。
情報処理技術者能力認定試験を受験するには、以下の手順で申し込みを行います。
1.公式ページにてユーザー情報の登録を行う
2.ユーザー登録後に提供される「マイページ」にログインし、「受験申込」を行う
3.「決済ステーション」にて受験料の振込を行う
→支払い方法は銀行振込、コンビニエンスストア、クレジットカードから選択可能
※詳細はこちら
4.支払方法選択完了後に、支払手続に関する案内メールを受信する
5.試験日の1週間前までに「受験票発行通知メール」が送信されるので確認
6.ユーザーIDでマイページにログインし、受験票に記載されている内容と試験時間を確認
以上で、情報処理技術者能力認定試験への受験申込は完了です。
リモートWebテストになる場合には、試験当日までに必要な環境を整えておきましょう。
「リモートWebテスト」による受験のため、不正防止の観点から申込時に本人の顔写真のアップロードがあります。
情報処理技術者能力認定試験の資格には、有効期限が設定されていません。
そのため1度合格すれば、そのまま有資格者として仕事に活かすことが可能です。
2級の「第1部」と「第2級」を別々のタイミングで受験した場合でも、合格後に有効期限は設定されません。
1部の合格と2部の合格の時期が大きく異なっても問題ないため、自分のペースで受験に集中できるでしょう。
情報処理技術者能力認定試験に合格するには、ある程度の勉強時間を確保する必要があります。
基本的に難易度が高くて出題範囲も広い1級が、もっとも勉強時間を必要とするでしょう。
情報処理技術者能力認定試験2級の資格は基本情報技術者試験の午前の受験を免除できる資格であるため、相応のスキルを保有していると認定されます。
その点を参考にして「ITSS(ITスキル標準)」に当てはめると、情報処理技術者能力認定試験における各レベルの必要勉強時間は以下のように見積もることが可能です。
3級:約90時間
2級:約300時間
1級:約90時間
上記の勉強時間は、段階的に資格を取得していく場合に必要とされる時間の概算です。
無資格の状態から3級を取得するには約90時間、3級取得後に2級を取得するには約300時間、2級取得後に1級を取得するにはさらに90時間の勉強が必要だと判断されます。
無資格から1級の資格を取得するには、トータルで500時間近い勉強が必要になるでしょう。
もちろんこちらの数値はあくまで目安になるため、あらかじめIT関連の知識がある場合には短縮され、逆に知識がまったくない状態ではより長い時間が必要になる可能性があります。
情報処理技術者能力認定試験の資格を取得することには、多くのメリットがあります。
以下にて情報処理技術者能力認定試験の取得におけるメリットを解説します。
情報処理技術者能力認定試験の資格取得は、システム開発に関する本格的な知識を身に付けるきっかけになります。
合格を目指して勉強する過程で、システム開発や設計能力に関する実践的なスキルを身に付けられれば、その後実際の職場でプログラマーやSEとして活躍できるでしょう。
仕事に役立つ知識を身に付けるための効率的なルートになる点は、情報処理技術者能力認定試験に挑戦するメリットのひとつです。
情報処理技術者能力認定試験の資格を取得すると、ITやWeb系の企業に転職・就職しやすくなります。
資格保有者であることが、システム開発などに関する知識を豊富に所有していることの証明になるため、入社時のアピールポイントとして活用可能です。
ITやWeb関連のスキルは、目の前で採用担当者に披露することが難しいジャンルです。
しかし、情報処理技術者能力認定試験のように一眼で能力を把握できる資格があれば、短い面接時間でも自分の実力を十分に伝えられます。
これからIT・Web系企業への就職を目指す人や、より良い条件を求めて転職をする人にとっても、情報処理技術者能力認定試験の資格取得はメリットになるでしょう。
勤めている会社の規則によっては、情報処理技術者能力認定試験の資格取得が収入アップにつながる可能性があります。
企業は社員の自主的なスキル向上を支援するために、資格手当や試験合格時の報奨金制度など、あらゆるバックアップ体制を整えることが増えています。
情報処理技術者能力認定試験を取得した場合、それらの制度に該当する可能性があり、結果的に年収に反映されることが考えられるのです。
情報処理技術者能力認定試験を受験する際には、合格によって資格手当や報奨金を受け取れないかチェックしておくことが勉強のモチベーションのためにもおすすめです。
情報処理技術者能力認定試験の資格取得にはデメリットもあります。
以下にて注意しておきたいデメリットについて解説します。
情報処理技術者能力認定試験の合格を目指す場合、それなりの勉強時間を確保しなければなりません。
先述した通り、無勉強の状態から1級合格までには500時間程度の勉強が必要になる可能性もあります。
プライベートの時間を削って勉強時間を確保する必要があるため、日常生活が大きく変わってしまうことも考えられます。
情報処理技術者能力認定試験を受験する際には、ある程度勉強時間を確保するために普段の生活を変えなければならないデメリットも把握しておきましょう。
情報処理技術者能力認定試験の合格を目指す際には、受験対策に役立つ参考書や対策方法を把握しておくことが重要です。
以下にて情報処理技術者能力認定試験の受験時におすすめの参考書と対策術について解説します。
情報処理技術者能力認定試験を受験するのなら、サーティファイ情報処理能力認定委員会が公式で発行している「情報処理技術者能力認定試験 問題集」を活用しましょう。
試験問題と解説が記載されているため、繰り返し問題を解くことで合格に必要な知識を吸収できます。
情報処理技術者能力認定試験 問題集には、1〜3級それぞれの種類が出版されているため、自分の受験する試験に合わせて購入可能です。
最新情報を参考に勉強をするためにも、「令和04年 基本情報技術者 合格教本 (情報処理技術者試験) 」もおすすめの参考書です。
2021年10月26日に発表された最新のシラバスVer.7.2に準拠して作成されたテキストで、試験範囲が体系的に理解できるように編集されています。
勉強しやすいように図解を豊富に使用し、例題や出題分析も網羅しているため、知識の基礎を固めるために役立ちます。
こちらには「問題演習Webアプリ」が付属するため、パソコンやスマホなどで20回分の過去問題を繰り返し練習できるのも特徴です。
間違えた問題だけを厳選して出題したり、類似問題を中心に出題したりといったことも可能なので、苦手分野の克服に活用できるでしょう。
情報処理技術者能力認定試験に合格するには、サンプル問題を解いて出題内容に慣れていくことも重要な対策です。
サーティファイは公式で情報処理技術者能力認定試験のサンプル問題を提供しているため、申し込みを行えば誰でも受験対策になる問題を得られます。
ぜひ受験勉強に活用してみてください。
情報処理技術者能力認定試験は、ITやWeb関連の職種で働く際に役立つスキルを得られる資格です。
受験勉強の過程で実践的なスキルを着実に育てられるため、効率的な学習をしたいのならぜひ情報処理技術者能力認定試験を目標にしてみてください。
受験の際には上記で紹介した勉強時間を参考に、各種問題集やサンプル問題を有効に活用して、合格までの具体的なスケジュールを立ててみましょう。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
なお、フリーランススタートはiOSアプリ版やAndroid版をリリースしています。
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