公開日:2022.06.28
更新日:2025.03.24
近年ではさまざまな分野において、AIやIoTなどのテクノロジーが浸透してきています。
そんな中、「Fintech(フィンテック)」という言葉を耳にする機会が増えたという方も少なくないのではないでしょうか。
Fintechは既に私たちの生活において欠かせない存在になりつつあり、今後の応用拡大についても大注目の分野です。
そのためこの記事では、Fintechの概要や事例、そして今後についてお伝えします。
特に、以下の方にこの記事をご一読していただきたいです。
・金融業界のIT化について詳しく調べている方
・Fintechの意味について知りたい方
・具体的なFintechの事例について調べている方
・Fintechの今後について知りたい方
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<目次>
1.Fintech(金融×IT)とは
Fintechとは
Fintechの強み
Fintechの歴史
2.Fintech(金融×IT)の事例
仮想通貨
キャッシュレス決済
クラウドファンディング
ロボアドバイザー
金融業務(融資・送金・保険)のIT化
3.Fintech(金融×IT)の今後
4.まとめ
この章では、Fintechの概要や歴史などについてお伝えします。
Fintechは既に私たちの生活において不可欠なものへとなっており、今後もさらなる進展が予想される分野です。
Fintech(フィンテック)とは、金融を表す「Finance(ファイナンス)」と技術を表す「Technology(テクノロジー)」の2つをかけ合わせた言葉です。
ITを活用している、革新的な金融サービスのことを指します。
送金や決済手段の効率化をはじめとするさまざまな方法がFintechにはあり、「お金のデジタル化」などとも呼ばれています。
「PayPay」や「LINEペイ」などの決済・送金手段は、既に一般的にもなじみ深いものになっています。
金融庁もFintechを活用したイノベーションの促進を支援しており、今後も発展が期待される分野です。
Fintechの特徴としてはさまざまなことが挙げられますが、中でも従来の金融と異なり大きな魅力となっているのが、オンラインでのやり取りを可能にしたことです。
銀行を介さずに送金・決済ができるようになった他、国際間送金のコストが飛躍的に低くなりました。
金融サービスを提供できるのは銀行や証券会社などの金融機関だけではなくなり、サービスの幅も広くなっています。
また、近年ではAIや深層学習の導入も顕著です。AIが学習することで、私たちはそれぞれに最適化された金融サービスを受けられるようになりました。
Fintechの起源には諸説ありますが、1860年代に使用されていた海底ケーブルによる電子資金振替であるともされています。
同時期に登場したクレジットカードやATM、1980年代に登場したオンラインバンキングなどは、テクノロジーの発展とともに歩んできた、Fintechの歴史だと考えられるでしょう。
そしてFintechを取り巻く状況が大きく変化することになるのが、2008年のリーマン・ショックです。
アメリカの大手証券会社であるリーマン・ブラザーズが経営破綻し世界レベルの金融危機が発生しました。
これにより大きな損害を受けた銀行が融資引き締めを行ったことで、市民の間では銀行に代わるサービスへの期待が高まりました。
また、金融業界に対する市民の不信感や大規模な解雇により、多くの優秀な人材がIT業界へ流出することになります。
そして2007年に登場したiPhoneをはじめとするスマートフォンの普及も重なり、Fintechは大きく勃興することになりました。
そして近年では送金・決済手段をはじめとし、労働力の補完やセキュリティの強化などさまざまなことを目的としたFintechが生み出されています。
現在ではAIやIoTといった最新技術も活用され、Fintechの形や使用用途は多種多様になっています。
この章では、Fintechの主な事例についてお伝えします。
仮想通貨やキャッシュレス決済をはじめとし、非常に多種多様なサービスが生み出されています。
2010年代後半から世界的な注目を浴びるようになった仮想通貨は、Fintechの一例です。
仮想通貨とは、インターネット上の電子データとしてやり取りできる通貨のことを指します。
<仮想通貨の定義>
・電子的に記録・移転ができる
・不特定多数の者に対して代金支払などに利用できる
・法定通貨との相互交換ができる
・法定通貨や法定通貨建ての試算ではない
上記のを満たすものが、仮想通貨と呼ばれます。仮想通貨は特定の国家による後ろ盾がないことが非常に特徴的です。
また、「ブロックチェーン」と呼ばれるテクノロジーを活用し、分散管理を可能としたことも特徴的です。
データの破壊や改ざんが事実上ほぼ不可能であり、ユーザー同士での取引情報管理を行います。
仮想通貨は法定通貨ではないもののインターネット上でお金のように使用できる、円やドルなどと交換することも可能です。
仮想通貨に関しては、2017年に起こったビットコインバブルの印象を強く持っている方も少なくないのではないでしょうか。
ビットコインの価格が2017年末に高騰し、翌年早々に急落しました。このように、国家の後ろ盾を持たずに生まれた仮想通貨は、価値の変動が非常に大きいとの特徴を持ちます。
しかし、国家との関係が薄いことは、国が破綻しても大きな影響を受けないということでもあります。
実際に、経済状況が不安定な国家ほど仮想通貨を信頼していることが多い点も特徴的です。
2022年6月時点ではエルサルバドルと中央アフリカの2か国がビットコインを法定通貨に採用しており、今後もさらに増えていく可能性はあります。
国際的に否定的な声も多々ある仮想通貨ですが、今後も多くの注目を集めていくことは間違いないでしょう。
Fintechの活用方法としては、キャッシュレス決済も代表的です。
キャッシュレス決済とは、紙幣や硬貨といった物理的な現金を使わなくても行える決済のことです。
電子マネーを活用することで、現金に縛られない自由な経済活動を実現しました。
実際にキャッシュレス決済は世界的に浸透してきており、現金で決済する機会は年々減少してきています。
つまり、キャッシュレス決済は私たちの生活において欠かせないものになってきていると考えられるでしょう。
キャッシュレス決済の原点と言えるのが、1950年代の登場したクレジットカードです。
クレジットカードによる決済は現在でもキャッシュレス決済の主流となっており、多くの方が利用しています。
キャッシュレス決済は、大きく以下の3つに分類できます。
種類 |
例 |
特徴 |
前払い |
電子マネー |
事前に金額をチャージしておき使用する |
即時払い |
デビットカード |
買い物時に口座から直接お金が引かれる |
後払い |
クレジットカード |
後日請求で決済が可能 |
近年では、スマホを活用したバーコード決済やQR決済なども増えてきています。
PayPayやLINEPayなどのキャッシュレス決済手段を活用している方も、多いのではないでしょうか。
キャッシュレス決済の大きな魅力は、決済の手軽さにあります。
カードやデバイスを機会にかざすだけで決済が進むため、非常にスマートに支払いを済ませることが可能です。
キャッシュレス決済が浸透すれば現金を持ち歩く必要がなくなり、お金をおろす手間や手数料の負担からも解放されます。
さらに、キャッシュレス決済の魅力はお金の管理がしやすいことにもあります。
多くのキャッシュレス決済手段では支払情報が履歴として残るため、家計管理が容易です。
クラウドファンディングも、近年生み出されたFintechとして非常に重要な存在です。
クラウドファンディングとは、インターネットを活用して不特定多数の人々から少額ずつの資金調達を行う仕組みのことを指します。
「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」を組み合わせた言葉であり、幅広い人に資金調達の可能性を広げた手段です。
従来、資金調達の手段といえば金融機関からの融資やベンチャーキャピタルからの出資などが一般的でした。
しかしクラウドファンディングの登場により、より多くの法人・個人に資金調達のチャンスが生まれたと言えます。
クラウドファンディングには拡散性もあり、テストマーケティングとして活用されることもあります。
アイデアや夢を持っている個人・法人であれば誰でも起案者として支援を募ることができ、それを応援したいと思った人は気軽に支援者になることが可能です。
日本でクラウドファンディングのサービスが開始されたのは、2011年のことです。
東日本大震災が発生した時期と重なったことで、新たな寄附のチャネルとしてクラウドファンディングは急速に浸透していきました。
クラウドファンディングにおける資金調達の目的は幅広く、商品・サービスの開発や社会活動などさまざまです。
また、支援者へは何らかのリターンが存在するのが通常であり、その方法によって以下のタイプに分類できます。
種類 |
リターンのあり方 |
購入型 |
商品やサービスを提供する |
寄附型 |
原則として無し(手紙や写真などでお礼をすることが多い) |
融資型 |
融資と同様に利息の形でリターンが発生する |
株式投資型 |
資金の代わりに日公開株を提供する |
ファンド型 |
成果や出資額に応じて金銭的なリターンが発生する |
ふるさと納税型 |
購入型や寄附型と同様だがふるさと納税の仕組みにより税控除を活用可 |
クラウドファンディングの市場規模は急速に拡大しており、今後の注目度も高いと考えられます。
ロボアドバイザーとは、AIを活用して投資家へ最適なポートフォリオを提案し、ケースによっては運用まで行うサービスのことです。利用者のリスク許容度を確認し、最適な資産の組み合わせを人工知能が考えだします。
ロボアドバイザーには、「アドバイス型」と「投資一体型」の2種類があります。
アドバイス型では、所定の質問に応えることでAIが利用者のリスク許容度を判断し、最適なポートフォリオを提案します。
ただしアドバイス型ではあくまで提案にとどまり、最終的な意思決定を行うのは利用者です。ある程度運用を行った経験があり、自信がある場合には、おすすめされます。
一方の投資一体型では、最適なポートフォリオを導き出すだけでなく運用までを一貫して行います。
利用者としては、運用資金を入金して定期的に積み立てを行うだけで、ポートフォリオに応じた自動買い付けを行ってくれます。
ポートフォリオが崩れた際にはリバランスまで行ってくれるため、安心感が高いのも特徴的です。
ロボアドバイザーは操作も分かりやすく、利用すれば初心者でも投資を行えます。
また、100~1万円程度の少額からでも投資を行得る点も、大きな魅力です。
さらに投資一体型であれば多くの部分をAIに任せられるため、忙しくてなかなか投資に時間を使えない方にも適しています。
ロボアドバイザーの登場により、資産運用が多くの人にとって身近な存在になったと言えるでしょう。
ロボテックは、Fintechが投資を身近な存在にした一例だと考えられます。
これまで紹介した以外にも、融資や送金、さらに保険などの金融業務のIT化も、Fintechの例として挙げられます。
銀行業界では、メガバンクを中心としてRPAの導入による事務作業の効率化が進んでいます。
大量かつ定期的に発生するルーティン業務をコンピューターに任せることで、人材の多くをコンサルティングなどより高度な業務に移すことが可能です。
また、ネット銀行においては、実店舗無しで従来の銀行が行っていた業務を行っています。
店舗の運営には膨大な資金や人員、その他のリソースが必要であり、インタネットを活用することでコストを大幅に削減できます。
運営側のコストが削減されれば、ユーザーが負担する利用料や手数料の削減にも転嫁されます。
保険分野におけるFintechのことは「Insurance(保険)」と「Technology(技術)」を組み合わせて、「InsurTech」と呼ぶことがあります。
AIを活用した業務効率化をはじめとして、健康増進型の保険を生み出すなど、さまざまな面で活用されています。
今やFintechは、私たちの生活のいたるところに浸透してきています。
Fintechは事業者目線で言えば低コスト削減や業務効率化につながり、消費者目線ではより便利なサービスをより早く・安く受けられるようになるテクノロジーです。
そのため、今後もさらに幅広い分野で普及が進んでいくと考えるのが自然でしょう。
実際に、Fintechの市場規模は世界規模で拡大していくと予測する期間が多数です。
ReportOceanのレポートによると、世界のフィンテックにおけるAI市場は2022年から2030年の間にCAGR(複合年間成長率)22.1%を記録すると見られています。
(参考:ニュースキャスト)
新型コロナウイルスの影響を受けて開発が鈍化・停止した分野もありますが、それでも北米を中心として世界規模での進展が予測されるのが一般的です。
Fintechの分野は幅広く、さまざまな分野での進展が予想されます。たとえば、今後はさらなる発展が見込まれるのが、ブロックチェーン技術の応用です。
これまでは、民間企業が中心となって開発されていた仮想通貨のイメージが強くありました。
しかし近年では、中央銀行が管理するデジタル通貨「CBDC(Central Bank Digital Currency)」の開発が各国で進んでいます。
中国の「デジタル人民元」はその代表例であり、既に中国国内での大規模な実証実験が進められている状況です。
その他にも、資金調達の手段としてクラウドファンディングやファクタリングも注目を浴びており、金融機関とIT企業の協業が進んでいるなど、Fintechは盛り上がりを見せています。
Fintechとは「Finance(ファイナンス)」と「Technology(テクノロジー)」の2つをかけ合わせた言葉であり、ITを活用した革新的な金融サービスのことを指します。
仮想通貨や決済・送金手段をはじめとしてさまざまな分野において、Fintechは浸透してきています。
今後もFintech市場はますます拡大していくと考えられており、将来的な需要が多い分野であると考えられるでしょう。
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