公開日:2022.09.07
更新日:2025.03.24
現代の企業活動において、広告・PRは重要な役割を担っています。
そのため、広告・PR活動担当者には、メディア戦略などこれまで必要とされてきた知識だけでなく、コンプライアンスや危機管理など、商品を売ること以外の知識も求められる時代となりました。
そこで広告・PR担当者の育成を目的として設けられた資格がPRプランナー資格認定制度です。
広告に携わっているが実践的な広告の知識を身に着ける手段として、PRプランナー資格認定制度を取得してみるのも良いでしょう。
ここでは、PRプランナー資格認定制度の試験概要や、資格取得のメリット・デメリット、おすすめ参考書について解説します。
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<目次>
1.PRプランナー資格認定制度とは
2.PRプランナー資格認定制度試験概要
PRプランナー資格認定制度の詳細
PRプランナー資格認定制度の出題範囲
PRプランナー資格認定制度 1次試験
PRプランナー資格認定制度 2次試験
PRプランナー資格認定制度 3次試験
PRプランナー資格認定制度の受験者数・合格率・難易度
PRプランナー資格認定制度の申し込み手順
PRプランナー資格認定制度の有効期限
PRプランナー資格認定制度の勉強時間
3.PRプランナー資格認定制度の資格取得のメリット
広報(PR)業務に必要なスキルや知識が身に付く
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.PRプランナー資格認定制度の資格取得のデメリット
勉強時間を確保する必要がある
資格が全く活きない可能性もあり得る
5.PRプランナー資格認定制度合格のためのおすすめ参考書
おすすめ参考書①:2022年度版 広報・PR概説(PRプランナー資格認定制度1次試験対応テキスト)
おすすめ参考書②:2022-2023年度版 広報・PR実践(PRプランナー資格認定制度2次・3次試験対応テキスト)
公式サイト内の参考問題やPRプランナー試験対策講座をやってみよう!
6.PRプランナー資格認定制度を取得しても意味ない?
7.まとめ
PRプランナー資格認定制度は公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会が運営する資格です。
広報・PRに携わる人材の意識・知識・技能向上を目的として2007年に設立されました。
PRプランナー資格認定制度は1次試験・2次試験・3次試験の3段階で構成されています。
それぞれに合格することで、PRプランナー補資格・準PRプランナー・PRプランナーの認定を受けられます。
それでは、PRプランナーはどんな内容の試験なのでしょうか。
試験制度の詳細について解説していきます。
|
1次試験 |
2次試験 |
3次試験 |
---|---|---|---|
試験会場 |
全国のCBTテストセンター |
全国のCBTテストセンター |
全国のCBTテストセンター |
試験日時 |
2回(前期と後期) 前期:2022年2月12〜27日 後期:2022年8月13日〜28日 |
2回(前期と後期) 前期:2022年6月11〜26日 |
2回(前期と後期) A日程:2022年9月9日 |
試験時間 |
80分 |
科目A+B、科目C+D 各80分 |
120分 |
出題形式 |
CBT方式による択一式問題 |
CBT方式による択一式問題 |
CBT方式によるテキスト記述式問題 |
問題数 |
50問 |
A〜D各25問 |
課題A・B各3〜5問 |
合格基準 |
70%以上 |
全体の得点率が65%以上かつA〜Dすべての正答率が50%以上 |
課題A・Bの総合評価が60%以上かつ各課題の評価がいずれも50%以上 |
受験料(税込) |
一般:11,000円 |
一般:17,600円 |
一般:13,200円 |
認定登録料(税込) |
一般:5,500円 |
一般:8,800円 |
一般:11,000円 |
受験資格 |
誰でも受験可能 |
1次試験合格者 |
2次試験4科目合格かつ3年以上の広告・PR関連実務経験者 |
試験結果 |
CBTSの試験サイトにて発表 | CBTSの試験サイトにて発表 |
CBTSの試験サイトにて発表 |
長年広告・PRに携わってきたとしても、確実にPRプランナー資格認定制度に合格するためには出題範囲の把握は必須です。
それでは、1次・2次・3次試験それぞれの出題範囲を確認しましょう。
・組織体経営と広報・PR活動に関する知識
・コミュニケーションとコミュニケーション手段に関する知識
・マーケティングと広報・PRに関する知識 など
(引用:PRプランナー資格認定制度1次試験)
PRプランナー資格認定制度1次試験の出題範囲はこちらからご確認ください。
・科目A:企業経営と広報・PRに関する知識
・科目B:マーケティングと広報・PRに関する知識
・科目C:コミュニケーションと広報・PRに関する実務知識
・科目D:時事知識
(引用:PRプランナー資格認定制度2次試験)
PRプランナー資格認定制度2次試験の出題範囲はこちらからご確認ください。
・課題A:ニュースリリースの作成
・課題B:広報・PR計画の立案作成(課題Bは「コーポレート課題」もしくは「マーケティング課題」から1つ選択)
(引用:PRプランナー資格認定制度3次試験)
PRプランナー資格認定制度3次試験の出題範囲はこちらからご確認ください。
PRプランナー資格認定制度の難易度はどれくらいなのでしょうか。
受験者数に対する合格者数・合格率を紹介します。
【1次試験】
|
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
2018年 |
1,124名 |
844名 |
75.1% |
2019年 |
1,211名 |
925名 |
76.1% |
2021年 |
1,516名 |
1,131名 |
74.8% |
2022年前期 |
433名 |
325名 |
75.1% |
(引用:PRプランナー資格認定制度過去の合格率(1次試験))
【2次試験】
|
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
2018年 |
611名 |
493名 |
81% |
2019年 |
641名 |
600名 |
92.9% |
2021年 |
840名 |
603名 |
71.2% |
2022年前期 |
252名 |
155名 |
73.4% |
(引用:PRプランナー資格認定制度過去の合格率(2次試験))
【3次試験】
|
受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
---|---|---|---|
2018年 |
550名 |
233名 |
42.4% |
2019年 |
613名 |
221名 |
36.0% |
2021年 |
448名 |
126名 |
28.1% |
2022年前期 |
336名 |
37名 |
11.0% |
(引用:PRプランナー資格認定制度過去の合格率(3次試験))
PRプランナー各試験の過去の合格率は上記の通りです。
PRプランナー検定試験の過去合格率から難易度を各試験ごとに考察してみましょう。
1次試験の合格率は70%台で安定しています。出題内容はマーケティングの基本で学ぶが中心で、マーケティングに実務で関わっている人なら知っていて当然な内容です。
マーケティング入門用のテキストを見れば答えられる問題が中心なので、1次試験は実務経験が無い人でも勉強をすれば無理なく合格できるレベルでしょう。
2次試験の合格率は60%台の年もあれば、2019年のようにほぼ全員が合格している年もあり、受験する回によって難易度がかなり左右されます。
PRプランナー資格認定制度の2次試験は他の試験とは違い、A〜Dの1科目でも合格点を満たさなかった場合認定してもらえません。
全体的に難易度が高い年だけでなく、1科目だけ難易度が高い年もあるのが2次試験の厄介なところです。
特にDの時事問題は日常的にアンテナを張っていなければわからないせいか他の科目と比べて極端に合格率が低い年が稀にあるので、入念に対策をしておきたいところでしょう。
3次試験は年々難化の傾向にあり、最新回の合格率は11%です。
受験の条件が実務経験3年以上であるのに対し、この合格率であることを考慮すると、3次試験は実務経験者でもかなり難しいとわかります。
3次試験の内容は記述式であり、しかも答えがはっきりと定まっていません。
評価基準の項目には独自性や簡潔性などがあり、普段自分が仕事で作っている企画書などのわかりやすさや読みやすさが直接評価されるようなものなので、対策そのものが難しいです。
普段上司に企画書などをフィードバックしてもらった結果を活かして挑戦してください。
PRプランナー資格認定制度の申し込み手順は以下の通りです。
1.仮申し込みを行う
2.CBTセンターでの受験が初めての方はCBTSサイトのユーザー登録
3.CBTSサイトで本申し込みを行う
4.試験当日
5.合格発表
PRプランナー資格認定制度は1次・2次・3次それぞれ試験日が決まっています。
仮申し込みは試験の2〜3ヶ月前から2週間前まで、本申し込みは試験の2〜3ヶ月前から1週間前までと申し込み期間も定められているので注意してください。
また、PRプランナー資格認定制度はPRSJ会員割引・学割が用意されています。
PRSJ会員だと、協会の正会員になっている会社のメールアドレスで申し込めば、特に何も用意する必要はありません。
ただ、それ以外のメールアドレスで申し込む場合は名刺の画像をアップロードする必要があります。
学生の場合は学生証の画像をアップロードしてください。
そして試験当日は身分証明書を用意する必要があります。身分証明書として認められる書類はこちらからご確認ください。
PRプランナー資格認定制度において、1次・2次・3次各試験の合格と、PRプランナー補資格・準PRプランナー・PRプランナーの認定は別扱いです。
認定を受けたい場合は合格後に認定登録料を支払いましょう。
PRプランナー補資格・準PRプランナー・PRプランナーの有効期限は3年です。
3年経過したら、PRプランナー補資格・準PRプランナーは更新申請書を提出して書類審査を経たうえで更新となります。
PRプランナーの更新はPRSJの正会員で勤務する企業で働く人、個人会員、準会員では職務経歴書と更新申請書を提出すれば書類審査を経て更新となります。
これ以外の人は更新前6ヶ月以内の広報・PRについての時事ニュースをテーマとした小論文と更新申請書を提出して、書類審査をクリアすれば更新完了です。
各資格の更新料は以下の通りとなります。
|
PRプランナー補資格 |
準PRプランナー |
PRプランナー |
---|---|---|---|
一般 |
5,500円 |
8,800円 |
11,000円 |
PRSJ会員 |
4,400円 |
6,600円 |
8,800円 |
学生 |
4,400円 |
6,600円 |
− |
また、試験合格後の認定期間と申請期限は3年です。
3年経過した場合は再度受験しなければいけません。認定に関しては各資格の認定期間内に行ってください。
PRプランナー資格認定制度は試験期間が決まっているので、逆算して試験勉強を進めることが大切です。
それでは、1次・2次・3次試験それぞれの勉強時間の目安を紹介します。主に実務経験のない方での勉強時間の目安です。
1次試験なら公式テキスト1周10時間程度を2〜3周、そして過去問演習5時間〜10時間程度が目安でしょう。
したがって、大体30〜40時間程度で合格できるでしょう。実務経験がある人なら基本中の基本しか出題されないので、問題演習だけでも問題ありません。
2次試験は内容がやや難しくなるので、公式テキスト1周で20時間程度を目安として2〜3周で40時間〜60時間。
また、2次試験では過去半年分の範囲から時事問題が出題されます。
時事問題の勉強時間が大体30時間程度。そして過去問題の演習時間として5時間〜10時間程度と見積もり、100時間程度と予想できるでしょう。
また、実務経験がある人では50時間程度でしょう。
3次試験の出題範囲はニュースリリースの作成と広告・PR計画の立案作成です。
受験には3年以上の実務経験が必要。この条件を満たしている人なら普段から業務で取り扱っている内容なので、勉強時間が無くても合格できる実力がある人なら合格できるでしょう。
ただ、3次試験はA・B合わせて120分と制限時間があります。普段から企画書作成に慣れている人なら問題ないですが、企画書作成業務経験が浅い人は試験時間内に書き終える練習が必要です。
5回分程度の過去問演習を目安として大体10時間程度勉強時間を確保すると良いでしょう。
それでは、PRプランナー資格認定制度を受験するメリットにはどんなものが挙げられるのでしょうか。
まずはメリットから解説します。
PRプランナー資格認定制度では、広報(PR)業務に関する知識が身に付きます。
レベルとしては、1次試験で広報1年目レベル、2次試験で一通り業務を任せてもらえる3年目レベル程度でしょう。
また、3次試験に合格できるレベルなら十分職場で高い評価を得られるレベルです。
特に経験の浅い広報(PR)担当者が2次試験レベルまでの試験を受験すれば、普段の業務で触れる機会の無い分野を体型的に学べるのでスキルアップ・キャリアアップに繋がるでしょう。
会社によっては資格に合格することで資格手当や報奨金を貰えることがあります。
特に資格手当なら毎月受け取れるので、大幅な給与アップが期待できるでしょう。
ただ、会社によって資格手当や報奨金に関するルールは異なります。
PRプランナー資格認定制度が対象となっていないこともあるので、社則などを確認してみてください。
PRプランナー資格認定制度を受験したところでメリットが無いどころかデメリットしか無いケースもあります。
それでは、PRプランナー資格認定制度を受験するデメリットについて解説します。
PRプランナー資格認定制度を受験するにあたっては、実務経験がある人でも制限時間内に回答を終えるために最低限問題演習を行う必要があります。
PRプランナー資格認定制度はいつでも受験できる資格ではないので、受験日から逆算して受験勉強をしなければいけません。
しかし、働きながら計画的に資格を勉強するのはとても難しいです。
試験勉強に力を入れすぎると十分に勉強期間が確保できずに受験料が無駄になってしまうことも考えられるでしょう。
PRプランナー資格認定制度を受験したところで、資格が全くキャリアアップや給料アップに役立たない可能性もあります。
広告・PRの仕事は立場が上になればなるほど経歴や人脈が重視されます。
それに広告・PRの仕事はどれだけ成果を出せるかが重視される仕事です。
成果を出すには、数ある手段の中からケースごとに成果に繋げられる適切な手段を選べる能力が重要でしょう。
それにあたってもちろん持っている知識が多ければ良いですが、知識が少なかったとしても成果に繋げられれば良いのです。
特に実務経験がある人が普段業務で使っているような知識が問われる1次試験・2次試験は知っていて当たり前として評価に繋がらない可能性があります。
あくまで広告やPRについて体系的に学べる手段の1つと捉えて受験するのが良いでしょう。
PRプランナー資格認定制度合格のためには、下準備が大切です。
それでは、試験傾向を把握するためにおすすめの参考書を紹介します。
(出典:Amazon)
まず1次試験受験者におすすめの参考書が公式から発売されている『広報・PR概説(PRプランナー資格認定制度1次試験対応テキスト)』です。
こちらでは、1次試験の出題範囲が一通り網羅されており、各章には過去問に近い章末問題も付いています。
広告やPR、マーケティングの基礎について学ぶ際も基本事項が一通りまとめられていておすすめの書籍です。
(出典:Amazon)
2次試験・3次試験を受験するにあたっては、同じく公式から発売されている2次・3次試験対策用のテキストのチェックが必須でしょう。
特に3次試験受験者に関しては、こちらのテキストで各問題の対応策と回答例が確認できるので、購入必須と言えます。
公式からは1次〜3次対策用の参考問題集も発売されているので、こちらと併用して合格を目指しましょう。
PRプランナー資格認定制度の公式サイトでは1次〜3次の参考問題を見たり、1次〜3次の対策講座を受けられたりします。
特に3次試験を受験する人にとって、対策講座は公式から添削を受けることができ、公式がどんな基準で採点をしているかわかる唯一の手段なので受講必須でしょう。
これらのページも活用して、受験へのイメージを固めてください。
PRプランナー資格認定制度は広告関連の資格の中でも知名度があまり高くありません。
そのため、合格して転職などに役立てたいと思って資格を伝えても人事担当者に資格を評価してもらえない可能性があります。
ただ、特にPRプランナー資格を取得できるレベルの人なら、資格をアピールしなくても十分に職場から必要とされるでしょう。
あくまで資格は自分が携わっている仕事について体系的に学べる手段と捉えて受験に挑んでください。
PRプランナー資格認定制度は、広告・PRについて入門的な知識から実践まで幅広く学べる資格制度です。
特にこれから広告・PR分野で今自分が担当している業務よりも上のレベルを目指したい場合は、資格が役に立つかもしれません。
PRプランナー資格認定制度の特に2次試験以降は資格の知名度の割に難易度が高めです。
ぜひ今広告・PR分野に携わっている人は自分の実力試しも兼ねて受験してみてください。
フリーランスエンジニア専門の求人・案件一括検索サイト「フリーランススタート」に少しでも興味がある方は是非ご登録ください。
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