公開日:2022.10.18
更新日:2025.03.24
どの企業も人手不足で、現代においてはどの業界でもITは必要な技術です。
しかし、IT技術が手軽に取り入れられるようになった分、個人情報の流出などセキュリティ関連のトラブルを耳にする機会も増えました。
そのため、大手企業を中心にセキュリティに特化した高い知識を持った人材が必要とされています。
そこでセキュリティエンジニアとしてのキャリアアップにおすすめする資格がGIAC認定試験です。
ここでは、GIAC認定試験の概要や資格取得のメリット・デメリット、勉強法について解説します。
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<目次>
1.GIACとは
2.GIAC概要
GIACの詳細
GIACの出題範囲
GIACの受験者数・合格率・難易度
GIACの申し込み手順
GIACの有効期限
GIACの勉強時間
3.GIACの資格取得のメリット
セキュリティに特化した実務に関するが知識が身につく
海外でも通用する資格である
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
4.GIACの資格取得のデメリット
受験料が高い
勉強時間を確保する必要がある
日本語の情報が少ない
5.GIACの取得がおすすめな人
セキュリティ分野で活躍したい人
エンジニアとしてワンランク上を目指したい人
セキュリティ技術について学びたい人
6.まとめ
GIACとはGlobal Information Assurance Certificationの頭文字を取っており、SANS Instituteが運営するセキュリティ関連資格の総称です。
運営元のSANS Instituteはアメリカに拠点を置く、政府や企業のセキュリティ教育を行う組織。
世界各国に拠点があり、SANS Instituteが運営するGIACは世界的に通用するセキュリティ資格として知られています。
GIACの種類は約45種類。セキュリティやサーバーなどの機器を操作するために必要なLinuxやOSまで、入門からハイレベルな内容まで幅広い資格が用意されています。
そのため、GIACはセキュリティ担当者だけでなく、エンジニア全般や経営者にも適した資格と言えます。
それでは、GIACの試験はどんな内容なのでしょうか。
GIACの概要について解説していきます。
GIACの試験の分類は以下の通りです。
・Cloud Security
・Cyber Defense
・Cybersecurity and IT Essentials
・Digital Forensics and Incident Response
・Incident Response & Threat Hunting
・Industrial Control Systems Security
・Offensive Operations
・Operating System & Device In-Depth
・Penetration Testing and Ethical Hacking
・Purple Team
・Red Team Operations
・Security Awareness
・Security Management, Legal, and Audit
このようにセキュリティ担当者などエンジニア向けだけでなく、監査や法務担当者向けの資格も用意されています。
それでは試験の概要を見ていきましょう。
試験会場 |
ひたちなか/渋谷/新宿/横浜/名古屋/大阪/福岡にある試験会場 |
試験日時 |
いつでも受験可能(再受験は前回の受験日の30日後から可能) |
試験時間 |
2時間〜5時間程度 |
出題形式 |
CBT方式 |
問題数 |
75〜250問程度(英語) |
合格基準 |
約70%以上※合格ラインは資格による |
受験料 |
949ドル |
受験資格 |
誰でも受験可能 |
試験結果 |
メール配信 |
GIACはSANSトレーニングから出題されます。
SANSトレーニングとは資格の運営元であるSANS Instituteによって開講されており、GIACの資格別にコースが用意されています。
SANSトレーニングの開催期間は5〜6日間。講義はオンラインもしくは実地にて受けられます。
GIACの受験者数・合格率は公表されていません。
ただ、GIACの試験は電子媒体以外なら持ち込み可能です。
そのため、SANSトレーニングのテキストも試験に持ち込めます。
本番で持ち込んだものを見ながら試験を受けられるため、GIACの試験の合格難易度は低いと考えられるでしょう。
ガイドラインがあるため、何を持ち込んで良いのか事前に確認しておきましょう。
ただし、難易度に関してSANSの調査では、SANSトレーニングの他に平均55時間の自己学習が必要という結果が出ているため、何も勉強しないと難易度が高くなるでしょう。
GIACの申し込み手順は以下の通りです。
1.SANS公式サイトの「Join the community」からSANSアカウント作成
2.SANSアカウントでGIAC公式サイトにログイン
3.GIAC公式サイトから自分が受けたい資格のページに遷移
4.個人情報・支払い情報を入力し、試験を購入
5.My GIAC Certificationの「Schedule a Proctor」から試験会場・試験日程の決定
申し込みが完了したら試験当日まで試験対策を行いましょう。
試験当日の持ち物は以下の3点です。
・クレジットカードやパスポートなど直筆署名付きの公的書類
・運転免許証などの顔写真付き身分証明書
・試験予約完了のメールのコピー
万が一これらを忘れてしまうと試験を受験できないので、必ず家を出る前に確認しましょう。
そして、GIACの試験は紙媒体であれば持ち込み可能です。
SANSトレーニングのテキスト、ノートも当日忘れないようにしましょう。
また、GIACの試験は日本語に対応していないものも多いです。
そのため、万が一に備えて英和辞典も持ち込むことをおすすめします。
GIACの有効期限は4年間です。
毎年更新を行うと、資格が無効になってしまうので、早めに更新するようにしましょう。
GIACの資格更新は有効期限の2年前から可能です。
更新料は469ドル。更新には1ヶ月ほどかかるうえ、期間内に更新料の支払いも行わなければいけません。
したがって、遅くても2ヶ月前には更新手続きを行うことをおすすめします。
また、GIACの資格更新にはCPEと(Continuing Professional Experience)言ってSANS独自のポイントを36ポイント獲得しなければいけません。
ちなみにこのポイントは新規GIAC資格を取得するなどすることで獲得できます。
更新時にはCPEを証明する書類の提出も必要です。
実務に関連する事実でCPEを獲得したい場合は早めに上司に相談し、書類を準備してもらってください。
SANSの調査によると、GAICの勉強時間はSANSトレーニングの他に平均55時間の自己学習が必要とされています。
55時間となると、1日2時間勉強するとして1ヶ月ほどの準備期間が必要になります。
上記GIACの学習時間は目安であり、学習要領や知識量によって大幅に異なってきます。そのため参考として捉えましょう。
それでは、GIACの資格取得するメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
まずはメリットから解説していきます。
GIACはセキュリティに特化した資格です。
VMwareを操作するなど実務を想定した問題も多数出題されます。
資格を取っても実務で役に立たないケースはよくありますが、GIACの場合資格で学んだ内容をそのまま実務にも役立てられるでしょう。
また、GIACはセキュリティ関連の資格の中でも認知度の高い資格です。
そのため、自分の実務に関する実力をアピールする手段としても適しています。
転職の際もGIACなら資格を正当に評価してもらいやすいでしょう。
GIACは国際的に認知度の高い資格です。
セキュリティに詳しい人材は世界規模で需要が高いでしょう。
そのため、これから海外で働く際にGIACを取得することで資格が有利に働く可能性も考えられます。
GIACに合格することで、資格手当や報奨金を貰えることがあります。
GIACは会社が受験を推奨することも多い資格です。そのため、資格手当や報奨金の対象となっている可能性も高いでしょう。
特に資格手当の対象だった場合、毎月一定額の給与額が上がります。
そのため、GIACに合格すれば最終的に大幅な年収アップが狙えるかもしれません。
GIACを受験することはデメリットも高いです。
次はGIACを受験するデメリットについて解説していきます。
GIACに限らず国際的に通用するベンダー資格は受験料が高いです。
GIACも例外ではなく、試験の受験料は一律949ドル。日本円に換算すると約137,000円(2022年9月時点)です。
また、資格の更新も1回につき469ドル、約67,000円(2022年9月時点)が必要になります。
資格の取得、維持だけでもかなりの費用が必要になるので、手軽に受験できる資格とは言えないでしょう。
また、GIACは公式テキストが市販されていません。
GIACの試験範囲はSANSトレーニングの内容であり、試験対策をしたり、テキストを手に入れたりするためにはSANSトレーニングを受講するしかありません。
SANSトレーニングの受講費用は100万円超えが基本です。
SANSトレーニングを受講しなくてもGIACを受験することはできますが、対策なしでの合格は難しいでしょう。
したがって、GAICに合格するためには実質100万円以上のお金を用意しなければいけません。
資格取得支援制度を用意している企業は多いですが、基本的には合格後に受験費用を支給する形になります。
そのため、まとまったお金を自前で用意しなければいけません。
また、落ちた場合は受験費用を自己負担する形になってしまいます。
分割払いに対応していますが、分割払いにも審査が必要なので、特にまだ若い人は金銭面で受験のハードルが高い資格と言えるでしょう。
GIACの勉強時間はSANSトレーニング+平均55時間です。
社会人は仕事と両立しながらある程度まとまった勉強時間を確保するのは体力的にも大変でしょう。
また、SANSトレーニングは好きなタイミングで受講できるものではありません。
集中して5〜6日間開催されるものなので、この間有給休暇を取得する必要があります。
社会人が1週間ほどのまとまった有給休暇を取得するのはなかなか難しいでしょう。
そのため、GIACの受験にあたってはSANSトレーニングのスケジュール調整も行わなければいけません。
GIAC自体は日本語の情報が多少あったとしても、各資格ごとの詳しい情報は少ないです。
比較的GSECなどの人気の高い資格は日本人の受験体験記なども見つけやすいですが、マニアックな分野では対策のための情報を見つけにくいでしょう。
また、GIACの試験自体も日本語に対応していないものが多数存在します。
そのため、試験を受験するにあたって英語の問題を解かなければいけないケースも多いです。
したがって、GIACを受験する場合は英語のドキュメントに慣れる必要があるでしょう。
それではGIACの受験がおすすめな人はどんな人なのでしょうか。
GIACをおすすめする人の特徴を紹介します。
GIACはセキュリティ分野で広く知られている資格です。
セキュリティを担当している人なら資格取得の難しさを理解しているので、GIACを取得すればセキュリティエンジニアとして転職できたり、難易度の高い仕事を任せてもらえたりするでしょう。
しかもGIACは国際的に知名度の高い資格です。
海外でエンジニアとして転職を考えている場合にも役に立つでしょう。
GIACはセキュリティ分野以外のエンジニアも受験しています。
受験者として挙げられるのはデータサイエンティストやデータベースエンジニアなど。
どの業務でもセキュリティに関する知識は必須です。
セキュリティのエキスパートである証明になるGIACを取得することで、特に責任のあるポジションのエンジニアはワンランク上を目指せるでしょう。
エンジニア以外に、セキュリティについて学びたい経営者などにもGIACはおすすめです。
セキュリティインシデントは企業の信頼に関わります。
そこでGIACを通してセキュリティシステムの仕組みを理解することで、リスクを管理できるようになるでしょう。
GIACは世界的に認められているセキュリティの資格です。
ハードウェア・ソフトウェアのについてのほか、マルウェアなどに特化した資格も用意されています。
そのため、GIACを受験することでセキュリティのエキスパートとして活躍できるチャンスを得られるでしょう。
より活躍の場を広げたい、ワンランク上の業務に挑戦したいと感じているなら、ぜひGIACを受験してみてください。
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