簡易課税制度とは?消費税額の計算方法やメリット・デメリットについて解説!

2022.11.22

インボイス制度導入に備えて節税について勉強しているが、簡易課税制度を利用した方が良いのか分からない方は多いかと思われます。
簡易課税制度は消費税の計算を簡易化できる制度ですが、場合によっては納めるべき消費税額が増えてしまうこともあり注意が必要です。

本記事では簡易課税制度とは何かについて解説します。
簡易課税制度のメリット・デメリットやインボイス制度との関係性、手続き方法についてまとめました。

本記事を読むことで簡易課税制度を利用すべきか判断できるようになります。
簡易課税制度について知りたい方はぜひお読みください。

 

 

 

1.簡易課税制度とは?


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簡易課税制度は通常(原則課税)とは別の簡易化された計算方法で消費税額を計算して納めることができる制度のことです。

簡易課税制度を受けられる事業者は以下の通りで、フリーランス(個人事業主)もこの条件を満たすなら対象に含まれます。

 

基準期間(2期前)の課題売上高が5,000万円以下であること
適用を受ける年の前事業年度末日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出すること

 

消費税額の計算は通常だと複雑であり、事務負担が大きくかかります。

特にフリーランス(個人事業主)は1人で税関連など事務負担をこなさなくてはいけません。

 

そういった方の事務負担を軽減するための制度が簡易課税制度です。

フリーランス(個人事業主)の方は、クライアントから報酬を受け取る際に消費税も受け取っているかと思います。

 

本来受け取った消費税は税務署に納める必要があるのですが、納税義務の免除により2年前の課税売上高が1,000万円を超えていない場合納めなくても良い決まりになっています。

ところが2023年から始まるインボイス制度によって、消費税をあえて納めることを選択するフリーランス(個人事業主)も増えることが予想されています。

 

消費税を納める場合、簡易課税制度を選択するかどうかを決める必要があります。

 

原則課税とは?

簡易課税ではなく、一般的な計算方法によって消費税額を決めて納めることを原則課税と呼びます。

原則課税の場合、「売上分の消費税額 - 仕入(経費)分の消費税額」によって消費税額を決定します。

 

たとえば、スマホアプリ開発によって年間100万円売り上げたが、開発するのに経費が70万円かかった場合、消費税額は「10万円 - 7万円 = 3万円」となります。

原則課税ではこのような計算方法となっていますが、売上分の消費税額はともかく、経費分の消費税額を計算するのは時間がかかります。

 

経費の中でも課税のもの・不課税のものがありますし、税率が10%・8%のものもあり、細かく仕分けを行う必要があります。

この作業に時間を取られなくない場合は、簡易課税の選択も検討した方が良いです。

 

 

簡易課税を選択した場合の消費税額計算方法

簡易課税は原則課税とは異なる計算式で消費税を計算します。

簡易課税では「売上分の消費税額 - 仕入(経費)分の消費税額」ではなく、「売上分の消費税額 − (売上分の消費税額 × みなし仕入率)」によって消費税額を決めます。

 

売上分の消費税額に一定率をかけることで控除額を計算します。

つまり、実際の経費額は計算しなくても良く、売上分の消費税額さえ分かれば、消費税額を決められるということです。

 

ただし、みなし仕入率は事業区分によって異なるので注意が必要です。

以下に、事業ごとのみなし仕入率をまとめました。

 

事業区分

みなし仕入率

第1種事業(卸売業)

90%

第2種事業(小売業、農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業に限る))

80%

第3種事業(農業・林業・漁業(飲食料品の譲渡に係る事業を除く)、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業および水道業)

70%

第4種事業(第1種事業、第2種事業、第3種事業、第5種事業および第6種事業以外の事業)

60%

第5種事業(運輸通信業、金融業および保険業、サービス業(飲食店業に該当するものを除く))

50%

第6種事業(不動産業)

40%

(引用:No.6505 簡易課税制度)

 

たとえば、システム開発の場合サービス業に該当することが多く第5種事業になるため、みなし仕入率は50%です。

スマホアプリ開発によって年間100万円売り上げた場合、消費税額は経費に関わらず「10万円 - 10万円 × 50% = 5万円」となります

 

 

 

2.簡易課税制度を活用するメリット


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簡易課税制度を活用するメリットは以下の2つです。

 

事務負担の軽減
納税額減少の可能性

 

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

 

事務負担の軽減

簡易課税を選択することで事務負担が軽減されることが多いです。

消費税額を算出する場合、経費分の消費税をまとめるのが大変ですが、簡易課税の場合は売上分の消費税でのみ納める額が決まるため経費分を考える必要がなくなります。

 

特にフリーランス(個人事業主)は1人で事務処理も行わなくてはならず、本業にまで支障が出てしまうこともあるため、簡易課税制度によって助かる方も多いでしょう。

 

 

納税額減少の可能性

簡易課税を選択することで納税額が減少する可能性があります。

原則課税と簡易課税では消費税額の計算方法が異なります。

 

簡易課税は経費に関わらず納める額を決定するため、経費が少ないフリーランス(個人事業主)なら特に、簡易課税の方が納税額が下がることはあるでしょう。

また、みなし仕入率が高い卸売業なども、簡易課税を選択した方が得をする可能性が高いと言えます。

 

 

 

3.簡易課税制度を活用するデメリット


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簡易課税制度を活用するデメリットは次の3つです。

 

納税額が増えることも多い
事業数が多いと計算が大変
還付は受けられない

 

事業内容や規模などによっては、簡易課税制度を選択することで損をしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

 

納税額が増えることも多い

簡易課税を選択することで、むしろ納税額が増えてしまう場合も多いです。

簡易課税の場合経費がどんなに多くても差し引かれる金額は一定であるため、経費が多い場合、簡易課税の方が納税額が増える可能性があります。

 

たとえば、設備投資で多くの経費を使った場合などは大きく損をしてしまいます。

節税目的で簡易課税制度を活用するなら、簡易課税と原則課題の両方の場合を計算し、少ない方を選択することが大切です。

 

 

事業数が多いと計算が大変

簡易課税制度は納税額の計算を簡易化するための制度ですが、事業数が多いとむしろ計算が複雑化する可能性もあります。

簡易課税の場合、業種によってみなし仕入率が異なるため、売上分の消費税をまず業種ごとに分割する必要があります。

 

さまざまな事業を行う企業の場合、区分管理に時間を取られてしまい、原則課税を選択した場合と事務的負担量が変わらなくなる可能性はあるでしょう。

フリーランス(個人事業主)の場合など事業数が少ないなら簡易課税の方が簡単なことがほとんどですが、事業数が多い場合は注意が必要です。

 

 

還付は受けられない

簡易課税制度の場合、消費税の還付を受けることはできなくなります。

原則課税の場合、売上分の消費税が仕入(経費)分の消費税を下回る場合、消費税の還付を受けることが可能です。

 

簡易課税の場合、仕入(経費)分の消費税を考慮しないため還付も受けられません。

多くの経費がかかった場合、簡易課税によって損をしてしまう可能性があります。

 

 

 

4.インボイス制度と簡易課税制度の関係性について


2023年の10月1日からインボイス制度が導入されることが決まっています。

インボイス制度の影響によって、自ら課税事業者になることを選択し簡易課税制度を活用するフリーランス(個人事業主)も多いと思われます。

 

そこで、インボイス制度とは何かについて詳しく解説します。

インボイス制度をよく知らないという方は参考にしてください。

 

インボイス制度とは?

インボイス制度は簡単に言うと消費税の管理を厳格化するための制度であり、フリーランス(個人事業主)や事業者が発行する請求書を「適格請求書」に統一させるものです。

適格請求書は記載内容が決められた国が認める公式の請求書であり、適格請求書によって請求を行うことで適格請求書発行事業者になることができ、消費税を税務署に支払ったことを証明することが可能です。

 

ただし、適格請求書を使う場合、たとえ課税売上高が1,000万円に満たない場合でも消費税を納める必要が出てきます。

 

 

インボイス制度が始まると消費税を納める必要があるのか

インボイス制度が始まると消費税を納めなくてはいけない、というのは誤りです。

課税売上高が1,000万円に満たない場合、消費税を納める義務が発生せず、適格証明書を発行しなくても良いことになっています。

 

しかし、適格請求書を使わない場合、請求書を渡されたクライアント側がその分の消費税を納める必要があります。

クライアントとしては余計に税金を納めたくないため、できれば適格請求書を使ってくれるフリーランス(個人事業主)と契約したいと考える場合が多いでしょう。

 

そのため、消費税を納めず適格請求書を使うことができないフリーランス(個人事業主)は、契約数が減ってしまう恐れがあります。

ただし、消費税を納めることをあえて選択して契約を取りやすくすることは可能です。

 

インボイス制度が始まったら絶対に消費税を納めなくてはいけないというわけではありませんが、契約数が減ってしまうため仕方なく納める方は出てくるでしょう。

消費税を納めることを選択する場合、ここまで紹介してきた簡易課税を選択する手もあります。

 

フリーランス(個人事業主)の方は、インボイス制度に備えて簡易課税制度について知っておき、活用した方が税額が少なくなりそうか調べておくことが大切です。

 

 

 

 

5.簡易課税制度の適用を受けるための手続き方法


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簡易課税制度の適用を受けるには、その課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。

事業を開始した初年度の場合は、初年度の会計期間中に届出を行えば対象者となることができます。

 

制度を活用するにあたって手数料などは不要ですが、期間には注意して手続きを行いましょう。

また、簡易課税制度を活用できるのはその課題期間の売上が5,000万円以下の企業もしくはフリーランス(個人事業主)の場合のみです。

 

 

 

 

6.まとめ


本記事では簡易課税制度について解説しました。

簡易課税制度の仕組みや計算方法などについてご理解いただけたかと思います。

 

簡易課税制度は消費税額の計算を簡易化できる便利な制度である反面、計算方法の違いによって納税額が増えてしまう可能性があるので注意が必要です。

また、2023年の10月1日からはインボイス制度が導入されます。

 

フリーランス(個人事業主)の方はインボイス制度に備えて、消費税や所得税に関する知識を深め、「課税事業者になるのか」「簡易課税を選択するのか」などを決めておくことが大切です。

 

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