2022.12.15
近年では経営者をCIOと呼び、それに伴ってC○Oという名称の役職がたくさん登場しています。
CEOは実質社長の立場ということもあって割と耳にしますが、それ以外はあまり耳にしないせいでどんな役割なのか混乱している方もいるのではないでしょうか。
CxOの中でもIT業界やDXとの関連性が高いポジションがCDOです。
そこでここではCDOの役割や必要なスキル、CDOになるためのキャリアパスについて解説します。
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<目次>
1.CDOとは?
CxOとは?
CDOの"D"には3つの意味がある
CIO・CTOとの違いは?
2.CDOの仕事内容は?
企業のデジタル戦略を統括する
データを活用して事業を行う基盤を整える
3.CDOに求められるスキルとは
IT全般の知識
経営者の視点
マーケティングの知識
コミュニケーション能力
人材育成の経験・ノウハウ
4.CDOの年収
5.CDOになるまでのキャリアパス
6.まとめ
CEOやCIOなど"CxO"というワードはよく耳にしますが、これらの役職はどんな役割を任されるポジションなのでしょうか。CxOとは、
そしてCDOとはどんなポジションなのか解説していきます。
CxOとはChief x(役職名) Officerの頭文字を取った言葉で、業務もしくは機能における最高責任者のことを言います。CxOの例は以下の通りです。
役職名 |
正式名称 |
役割 |
CEO |
Chief Executive Officer |
最高経営責任者 |
CIO |
Chief Information Officer |
最高情報責任者 |
CTO |
Chief Technology Officer |
最高技術責任者 |
COO |
Chief Operation Officer |
最高執行責任者 |
CMO |
Chief Marketing Officer |
最高マーケティング責任者 |
CSO |
Chief Strategy Officer |
最高戦略責任者 |
このように様々な業務の責任者ポジションがCxOに当たります。
日本でもCxOというポジションを導入する企業は増えていますが、従来業務の責任を取り、リードしていくポジションとして社長や部長などのポジションがあります。これらとCxOとはどう違うのでしょうか。
まず社長や部長などは会社法に基づいて取締役会などによって任命される正式な役職を言います。
また、CxOに近いポジションとして事業部長はその職務の専門知識を持った人材として現場を取りまとめる役割が任されます。
それに対してCxOに関しては名称だけであり会社法をはじめとする法律による取り決めはありません。
また役割に関してもCxOは現場目線に加えて経営側の目線も求められるポジションです。
任命されるのもCEOは会長や社長などの企業のトップ、CIOなど各業務におけるCxOはその業務に関する専門的な知識を持った子会社の社長や役員が兼任するケースが多い傾向にあります。
CxOの中でも他とは違い、CDOの”D”には3つの意味が込められています。3つのDとは以下の通りです。
・Digital
・Data
・Design
Digitalの場合のCDOは最高デジタル責任者、つまり企業のデジタル戦略全般をリードする役割を任されています。
次にDataの場合は最高データ責任者、つまり現代で流行しているビッグデータ活用などデータを用いた企業のビジネスモデルの変革を任されます。
Digitalの場合のCDOの業務の範囲にデータ活用に関連する職務が含まれていることも多いです。
ただ、Dataの場合のCDOのほうがデータ活用に重きを置いて業務を行うものと捉えられます。
そしてDesignの場合のCDOは最高デザイン責任者、つまり企業のデザイン戦略をリードする役割が任せられます。
ただデザイン戦略を任されるだけでなく、ブランディングなどに関する業務をリードすることも期待されており、こちらの場合のCDOはITよりもマーケティングの面が強いと捉えられるでしょう。
本記事におきましては、DigitalもしくはDataの場合におけるCDOについて解説していきます。
ちなみに証券業界でもCDOというワードが用いられることがあります。こちらに関してはCollateralized Debt Obligationの略称であり、債権の1種を指す用語となっています。
IT分野におけるCxOにはCDO以外にもCIO・CTOが挙げられます。
これらのポジションはどれもIT技術の導入を支援するという面では共通していますがどのように異なる役割を持っているのでしょうか。
まずCDOは企業全体のデジタル戦略やデータ活用をリードすることを期待されています。
そしてCDOはデータ活用に必要なデータサイエンスやデータアナリティクスなどの分析に関連する知識や、顧客のニーズを理解できるマーケティングスキル、経営者の視点も理解して企業全体を巻き込んで変革を行うスキルが必要です。
企業内だけでなく企業外に向けて行う活動も業務内容に含まれているのがCDOの特徴と言えるでしょう。
それに対してCIOは企業の情報技術面に関連する戦略の企画立案やリソースの管理などを行います。
これらの業務は企業内で完結するものであり、CDOとCIOを比べるとCDOは幅広い視野、CIOは1つの分野を深く掘り下げていく専門性が必要とわかります。
また、CTOのTはTechnologyであり、このTechnologyに当てはまるのはITだけではありません。
化学などすべての技術が対象となっています。
リソース管理などを行い、注力していくべき事業を見極めて組織体制の強化を図ります。IT部門のCTOに関してはCIOと役割を兼ねることも多いです。
それではCDOは具体的にどのような業務を行うのでしょうか。
仕事内容を詳しく解説していきます。
企業でDX化を推進するにしても、部署ごとに使うツールが異なるなど取り組み方に違いがあると、DX化によってむしろ部署ごとの連携が難しくなってしまうことが想定されます。
そこでCDOは経営方針などに基づいたデジタル戦略を立て、企業全体に周知させたり、IT部門や外部のベンダーと連携したりしてDXを推進します。
現代では特にマーケティング活動を中心にビッグデータを活用する企業が増えています。
しかしいきなりこれまでのデータを事業に応用しろと言われても、データの仕組みを理解している人材がいない部署は困惑してしまうでしょう。
そこでCDOは社内に散らばっているデータを収集してまとめ、どの部署でもすぐに取り出せるように加工する仕組み・基盤づくりを行います。
それでは、CDOの役割を踏まえてどんなスキルが必要なのでしょうか。
CDOに必要なスキルを紹介していきます。
企業のDX化を推進するにあたって開発・インフラ周りなどIT全般の知識は欠かせません。
実際にCDOに就任している人はIT企業における管理職経験や開発に携わっていた人が多い傾向があります。
CDOはただDX化を推進するのではなく、企業の事業方針などを理解し、経営陣と現場と調整を行いながらDXを進めていきます。
そのため、CDOには現場の視点だけでなく経営者側の視点が求められます。
それ故にCDOに関しては企業の役員や子会社の社長などが選出されるのが一般的です。
DX化を企業が推進しようとする理由の一つにデータの活用が挙げられます。
このデータの収集や分析にあたってはマーケティングの知見が必要です。
それ故にCDOにはエンジニアとしての経験だけでなく、データアナリティクスやデータサイエンスの知見・経験も求められます。
CDOは様々な部署を巻き込んでDXを推進していくので、どんな人とも密なコミュニケーションを取れるスキルは必須です。
しかも企業経営において経営者と現場の意向が異なる場面は多く、CDOにはそれを調整する役割が求められるので、特に高いコミュニケーション能力が必要なポジションと言えるでしょう。
CDOはDX化を行うにあたってはDXの知見を持った人材の育成や、DXに関連するCRMなどのツールの使い方の指導計画の企画立案なども行います。
そのため、マネジメントポジションで人材を育成・指導する経験も必要です。
CDOの年収は数千万円単位にのぼることが期待できます。
CDOをはじめCxOのポジションを設置する企業は基本的に大企業です。
またある程度の規模のベンチャー企業でもCDOを設置していることがあります。
これまでに解説してきたCDOに必要なスキルがすべて備わっている人材となると、企業の役員ポジションや子会社のトップポジションの人材が選ばれるのが基本となっています。
それ故にCDOの平均年収はIT業界の職種の中でも特に高いと考えられるでしょう。
ちなみにNTTグループは2018年に企業全体でCDOを設置しています。
この際には本社・各子会社の代表取締役副社長がCDOに就任しています。
そして人事院が発表した役員報酬の相場・平均データによると、副社長の平均報酬は3923.6万円でした。
従業員数が3,000人以上の大企業にもなると、平均報酬は5449.6万円にものぼっています。
この結果から、CDOの年収はIT業界の中でもトップクラスの金額になることが予測できます。
CDOになるにはCxOというポジションを設置するような企業で役員ポジションに就く必要があります。
そのため、誰でも頑張れば目指せるというポジションではありません。
特に上場している大企業のCDOはCDOポジションの求人が掲載されるのではなく、すでに役員に就任している人材をCDOに任命するのが一般的です。
大企業における出世は古くからその企業と縁のある企業で働いていないと難しいこともあり、このルートでCDOを目指すのは非現実的でしょう。
もう一つのCDOのキャリアパスが、IT関連の経験を積んでベンチャー企業のCDOに就任するルートです。
この場合はエンジニアから大企業でシステム導入支援などDXに関連する業務を行うもしくはベンチャー企業で新規部門立ち上げを経験してからCDOに転職します。
ベンチャー企業は規模が小さくて新しい分新しい経営形態も積極的に取り入れていて、CDOポジションを設置する企業も増えてきています。
しかし数は少ないのです。CDOポジションを狙っているのなら求人を見つけたタイミングですぐに応募しましょう。
CDOはChief Digital/Data/Design Officerの頭文字を取った言葉であり、企業のデジタル化やデータ活用技術の導入、企業のデザイン分野など部門を牽引するポジションです。
CDOは役員クラスの人材が任命されるポジションということもあり、エンジニアとして経験を積んで最終的なキャリアとしてCDOを目指すのも良いでしょう。
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