客先常駐はおすすめ?SES企業で働くメリット・デメリットや注意点を解説

転職IT業界常識

2023.01.18

SES契約の客先常駐で働く企業への転職に興味があるものの、転職にあたって不安が多く動き出せないでいる方も多いかと思います。
客先常駐で働くのはエンジニアにとって良いことなのか、SES企業は給料や労働条件は良好なのか、など分からないことも多いでしょう。

本記事ではエンジニアがSES契約で客先常駐として働くメリット・デメリットを解説します。
また、SES企業に転職する際の注意点についてもまとめました。

本記事を読むことでSES企業に転職すべきか決断できるでしょう。
客先常駐の働き方を検討しているエンジニアの方は参考にしてください。

 

 

 

1.客先常駐とは?


客先常駐 SES関連画像
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客先常駐とはクライアントの会社に直接出向して仕事を行うことです。

クライアントの案件に参入し、他の人と協力して仕事を進めていきます。

 

客先常駐は特にシステムやソフトウェア開発の現場で多い働き方です。

大規模なシステムを開発する場合、プログラマーやシステムエンジニアを始め多くのエンジニアが必要です。

 

自社でさまざまなスキルを持った人材を雇うのは採用コストも育成コストもかかるため、他企業のエンジニアに客先常駐で働いてもらった方が効率的な場合が多くあります。

もちろん新しいシステムを導入したい場合、エンジニアに常駐してもらわなくても、開発企業に依頼する方法もあります。

 

ただ、常駐してもらった方が情報漏えいのリスクが下がる、などのメリットがあります。

加えて、エンジニアに情報共有などもしやすくなり、プロジェクトが円滑に進みやすくなります。

 

そのため、多くの企業が客先常駐で働いてもらうことを選択しています。

 

SESとは?

客先常駐は「働き方」を指す言葉ですが、SESは「契約形態」を指す言葉です。

SESはSystem Engineering Serviceの略で、エンジニアの労働力を提供する契約形態のことです。

 

エンジニアに客先常駐で働いてもらう場合、エンジニアが所属する企業とSES契約を結ぶことになります。

SES契約によってエンジニアを提供している企業は、一般的にSES企業と呼ばれます。

 

SES契約では各エンジニアの1ヶ月分の単価を定めます。

たとえば、単価が50万円のエンジニアが10人必要な場合は1ヶ月500万円を支払います。

 

単価は時間単位で決められており、制作物の質などによって変動することはありません。

場合によっては高品質なシステムを低コストで得られる可能性もあるため、SES契約は広く浸透しています。

 

 

SESと請負の違い

システム開発の契約形態は大きく2種類に分かれます。

1つがエンジニアの労働力を提供するSES契約(準委任契約)、もう1つが納期までにシステムの開発から納品までを請け負う請負契約です。

 

請負契約の場合、単価は時間単位で決められておらず、開発するシステムによって決定します。

納期前であればいつシステムを納品したとしても、支払われる報酬は一定です。

 

また、支払いが発生するのはシステムの納品が完了してからとなります。

SES契約(準委任契約)では契約期間内にシステムが完成しなかった場合でも、報酬を支払う必要があります。

 

一方、請負契約では開発企業に成果物の完成を要求することが可能です。

開発を依頼する企業側としては、完成を保証してくれるメリットがあると言えます。

 

請負契約によってシステムを提供する企業はSIer企業と呼ばれています。

 

 

 

 

2.エンジニアがSES契約で客先常駐として働くメリット


客先常駐 SES関連画像
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エンジニアがSES契約で客先常駐として働くメリットは次の5つです。

 

経験が浅い段階でも転職しやすい
幅広い経験を積める
労働時間が長くなりにくい
人脈を広げることができる
大手企業などで働ける可能性もある

 

1つ1つのメリットについて詳しく解説していきます。

 

経験が浅い段階でも転職しやすい

SES企業は経験が浅い段階でも転職できる可能性があります

なぜならSES企業は複数企業にエンジニアを提供するため、エンジニアを大量に採用している場合もあるためです。

 

ただし、まったくの未経験では採用してもらえない場合が多いです。

ある程度のスキルがないと、安心して外部に出向させることができないためです。

 

とはいえ、他企業への転職は難しい場合でも、SES企業なら転職できる可能性もあるため、経験が浅い方はSES企業を視野に入れてみるのも良いでしょう。

 

 

幅広い経験を積める

客先常駐で働くメリットはエンジニアとして幅広い経験を積めることです。

さまざまな案件に関わることで幅広い経験を積めば、後々転職や独立を行う際にも活きるスキルを得られます。

 

また、複数企業のノウハウを吸収できるのもメリットでしょう。

1つの会社で長く働く場合、その企業でしか通用しないスキルしか得られず転職で不利になることもありますが、その点客先常駐は転職でも通用するスキルを得やすいです。

 

 

労働時間が長くなりにくい

SES契約をしっかり結んでいる場合、労働時間は長くなりにくいです

SES契約では時間で支払う報酬が決められているため、クライアントはエンジニアに余計に残業させるのが難しくなります。

 

また、残業が発生する場合であっても、その分の報酬は支払われます。

ただし、中には長時間労働が頻発している企業もあるため、転職時には気をつける必要があります。

 

 

人脈を広げることができる

さまざまな会社に常駐して働くことで、人脈を広げられるメリットもあります。

人脈を広げ多様な価値観の人と交流することで、視野を広くすることが可能です。

 

また、常駐先で成果を挙げた場合「自社で正社員として働いてみませんか?」と相談を持ちかけられることもあります。

人脈を広げることにはさまざまな利点があるでしょう。

 

 

大手企業などで働ける可能性もある

SES企業に転職する場合、有名な大手企業で働ける可能性もあります。

大手企業では多くのエンジニアが必要なため、SES企業と契約を結んでいる場合も多いです。

 

大手企業の有名なシステムの開発に携わるということで、モチベーションが向上する人もいるでしょう。

ただし、大手企業で開発を行う場合それに見合うだけのスキルは必要になります。

 

 

 

3.エンジニアがSES契約で客先常駐として働くデメリット


客先常駐 SES関連画像
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エンジニアがSES契約で客先常駐として働くデメリットは次の5つです。

 

給料が安くなる場合もある
転職してはいけない企業もある
やりたい仕事ができるとは限らない
人間関係を1から構築する必要がある
帰属意識を持ちにくい

 

1つ1つのデメリットについて詳しく解説していきます。

 

給料が安くなる場合もある

SES企業によっては給料が安い可能性もあります。

たとえば、二次請けと呼ばれる企業の場合は気をつけた方が良いでしょう。

 

二次請けの場合、クライアントとの間に一次請け企業が入っており、その企業に多くのマージンを取られてしまっている可能性があります。

中には三次請け、四次請けといった企業もあり、多くの企業に報酬が抜かれてしまっている場合もあります。

 

このような企業の場合、エンジニアの給料も少なくなってしまうので気をつけましょう。

 

 

転職してはいけない企業もある

SES企業の中には問題のある企業もいくつかあります。

たとえば、PHPは未経験のはずなのに3年の開発経験があると偽って出向させる、などです。

 

経歴詐称によって損害が発生した場合、SES企業に損害賠償が請求される可能性もあります。

また、経歴詐称すると身の丈に合わない仕事を任せられるなどして、エンジニア側にも負担がかかります。

 

このような企業には転職してはいけないので、注意が必要です。

経歴詐称を強要する企業に入社してしまった場合は、転職を検討することをおすすめします。

 

 

やりたい仕事ができるとは限らない

SES企業に転職した場合、希望の案件に就けるとは限りません。

たとえば、プログラミングの仕事が行いたいのにインフラの仕事に回されてしまう、といったことがあります。

 

また、二次請けや三次請けの場合、開発・設計は一次請けが行うためテストなどが中心になる可能性もあります。

希望する案件になかなか就けず、思い通りにスキルが蓄積されない可能性があります。

 

 

人間関係を1から構築する必要がある

案件ごとに職場が変わるため、人間関係を1から構築する必要があります。

新しい環境に慣れるまで時間がかかり、ストレスになる人もいます。

 

また、社内環境が自分に合わない場合、案件終了まで我慢しないといけません。

とはいえ、環境が頻繁に変わる方が刺激になって良い、という方もいるでしょう。

 

自分の性格面も考慮して客先常駐の働き方を選択するか決めた方が良いです。

 

 

帰属意識を持ちにくい

客先常駐の場合、客先に直接出勤するため所属会社には普段出向かないこともあります。

会社に対する帰属意識が薄まり、モチベーションが下がってしまう可能性もあるでしょう。

 

ただ、一人ではなく同じ会社の方と一緒に客先で働く場合が多い企業もあります。

この場合、常に同じ人とコミュニケーションを取れるため、帰属意識を持ちやすい可能性もあります。

 

 

 

4.SES契約で客先常駐として働くのが向いている人


客先常駐 SES関連画像
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ここまでSES契約で客先常駐として働くメリット・デメリットを解説しました。

それらを踏まえて、SES契約で客先常駐として働くのが向いている人の特徴をまとめました。

 

エンジニアとしての経験が少ない
エンジニアとして幅広い経験を積みたい
環境が変わるのがストレスではない

 

これら3つに該当する方は、SES企業への転職を視野に入れても良いでしょう。

該当しない方は、SESではなくSIer企業に転職するなど、他に選択肢はないか考えてみることをおすすめします。

 

 

 

5.SES契約で客先常駐として働く際の注意点


客先常駐 SES関連画像
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客先常駐はエンジニアにとっても多くのメリットがあり、キャリアパスや考え方次第では転職もおすすめです。

しかし、SES企業に転職する場合、いくつか注意すべきこともあります。

 

まず、上記でも解説したような、エンジニアの経歴を誤魔化して他社と契約する企業には入社すべきではないでしょう。

その他、偽装請負と見られる状態になっている企業への転職もおすすめできません。

 

例として、SES契約ではクライアントに指揮命令権はないのにも関わらず、実質的にクライアントが指揮命令を行っているのが挙げられます。

このような企業に転職しないためにも、転職前に会社の評判・口コミを確認することをおすすめします。

 

 

 

 

6.まとめ


本記事ではSES契約で客先常駐として働くメリット・デメリットを解説しました。

SES企業に転職する際のポイントなどがお分かりいただけたかと思います。

 

客先常駐の働き方は良い面も多くあり、キャリアパスや考え方などによっては転職もおすすめできます。

特にさまざまな企業で経験を積みたい方にとっては、客先常駐は向いていると言えるでしょう。

 

一方で、偽装請負を行っているなど、転職すべきではないSES企業もあります。

そのようなSES企業に転職しないためにも、転職前に企業の評判・口コミを確認することが大切です。

 

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